ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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入隊?怪獣母!?

「それで、えっと…………あの、何とお呼びすれば?ゴジラ、ではゴジゴジと被ってしまいますし」

「名、か……そうだな。ではゴジラ・アース……アースと呼ぶが良い」

 

 ゴジラの母だという少女、ゴジラ・アースはそう名乗る。ゴジラの同族でゴジラの名を持つのは、それだけ前世でゴジラに近い形をしていたと言う事なのだろう。

 

「アース……さんは前世でゴジゴジの母親だったんですよね?」

「うむ。まあ、一般的な生物の親子とは違うがな…………あれは、フィリウスは本来ワシの完全なる写し身、分身の様なものだ。まあ、この世界では多くが混じっている様だが」

「んー、ゴジゴジは幾つもの世界線の記憶を持ってるみたいですからね~。その内の一つの母親って事ですか?」

 

 ゴジラの家族は基本的に全て失ったと聞いていたが、生き残りが居た世界も有ったのか。と、そこまで考え彼女の言葉の違和感に気付く。

 

「……分身?」

 

 それは異常な再生能力を得た、怪獣化した後の特権では?

 

「母さんは生まれながらの怪獣だよ。他の世界線、恐竜のなり損ないの水中生物だった時代も、現代まで生き残れた恐竜としての過去も無い」

「あ、ゴジゴジ…………」

 

 と、そこへゴジラが帰ってきた。

 

「む、お主、他の世界線では妙な生い立ちをしているのだな」

「まあな…………」

「アースさんは違うんですか?」

「全然違うぞ。母さんは人間を滅ぼす為に地球に生み出された存在だ」

「…………人間を、滅ぼす?」

 

 とんでもない単語を聞いた様な気がするが、気のせいだろうか?いや、気のせいではないな。間違いなく『人間を滅ぼす為』にと言っていた。

 

「安心しろ。それは前の世界の、前の星での話だ。此方の星はワシと繋がっておらぬからなぁ。この星の為に人類を滅ぼす事は無い…………ワシはな」

「他の何かが世界を滅ぼす可能性が有ると?」

「星が望めばな。もっとも、この世界ではそんなモノが無くても危ない様だが……光の巨人共が居なければ何度滅んだのであろうな?」

「その辺は知っているんだな……」

「ミニラが教えてくれたよ。この世界では有名な事なのであろう?」

 

 確かに、調べようと思わなくてもテレビで普通に見れる。しかしだとすると、ミニラは暫く人間の世界に住んでいた事になるが、まさか…………

 

「ミニラは心中しようとした家族の中から拾った子だ。富士の樹海に住んでいたのだが、ある日家族でやってきた幸薄そうな奴等が毒を飲んでな…………ミニラは、その時には力を覚醒していたので毒が効かんかった」

「心中、ね……首を括ろうが頭を破壊しようが毒を飲もうが好きにすりゃ良いが、周りを巻き込むなよクソが……」

 

 ゴジラがッチと舌打ちするとゴジラ・アースは全くだ、と同意する。親子だけあり、似ている。

 

「ま、まあ……取り敢えずアースさんは人類を滅ぼす存在だったんですね…………今はそのつもりは無いみたいですけど」

「うむ。2万年生きていたしな……この世では俗世を楽しむつもりだ」

「なのに富士の樹海で隠居してたのか…………実は迷ってたとか?」

「ははは。富士の樹海が脱出不可能など俗説だ。迷い易いからと言ってそこから出れぬモノか…………寝過ぎただけだ」

「お前、前世でも戻ってきた人類の対応、俺が殺されるまで起きなかったよな…………?」

「…………お、お主なら問題なく勝てると信じておったからな~」

「目を合わせろやクソ婆」

「く、くそ!?お主、前世とは言え母親に向かって何たる暴言!」

 

 がー!とキレ気味に立ち上がるゴジラ・アースにゴジラも同様に構える。

 

「上等だ、射程距離が俺より下の、雑魚狩りしか経験のねー母さんより今の俺のが強いって証明してやる」

「ほう……?上等だ……親の偉大さを思い出させてやろう。表に出ろ」

「ふん、行くぞ…………」

「あの~、お二人共…………少し落ち着きましょうね?」

 

 ゴジラとゴジラ・アースはコキコキ肩を鳴らしながら退室しようとする。が、ピグモンがニッコリと笑みを浮かべると大人しく席に戻った。

 

「おい、何だお前の上司は…………戦えば勝てるはずなのに、逆らう気が起きん」

「さあ……何なんだろうなこの謎の威圧感……」

「うふふ~」

 

 怯える二人にピグモンはニッコリと笑顔を浮かべ続けた。

 

「さて、それじゃあ次はミニミニちゃんですが……」

「ミニラは俺の子だよ」

「……拾ったんですか?」

「いや、血は繋がってる…………筈なんだが相手が思い出せない」

 

 残念ながらこれっぽっちも相手に関しては思い出せない。シャドウミストが記憶の檻に閉じ込めてきた際に全てを思い出したかと思ったんだが……

 

 

「まあ、細かい事は良いでしょう。私はGIRLSの職員として、皆さんの仲間入りを歓迎しますよ」

「そうか、ありがとう…………ほら、お前達も挨拶しろ」

「「「はーい!」」」

「…………その子達は?」

「さっき生まれた私の娘達だ。フィリウスと違って私の力を受け継いでいる訳ではないがな」

「さっき?」

「さっきだ……」

「………………」




もしもシリーズ

もしもゴジラが進撃したら

 その日人類は知った。()の恐怖を。巨人などとは比較にならない、強大にして巨大な存在を……。

「な、なんだよ……あれ……」
『………?』

 嘗て人類の居住区を奪った50メートル級の、超大型巨人。それを前にしてその後方を見るエレン・イェガーを筆頭にした人間達。超大型巨人はまるで知性があるかのように人間の行動を不思議がり振り返る。

『───!』

 巨大な影があった。自身の倍近くある、巨大な影。
 黒いゴツゴツした肌を持ち、鋭い爪と突き出した顎に並ぶ牙、ズルリと引き摺られ地面の土を掘り返す巨大な尾。
 蜥蜴を二足歩行にしたような巨大な生物。

「ゴアァァァァァァァッ!!」
「「「───!?」」」

 ビリビリと大気を揺すり、目の前の超大型巨人を邪魔だとばかりに蹴り飛ばそうと近づく。

「皆、離れろ!」

 アルミンの叫びに全員が反応しその場から飛び退く。同時に、超大型巨人が怪物に吹き飛ばされウォール・マリアを砕く。
 五年前の門の破壊とは訳が違う、壁そのものの破壊。

「!?お、おい!どうなってだあれ!」

 エレンが思わず叫ぶ。それは破壊された壁を見て言った言葉………()()()()。そこから現れた、無数の巨人。

「………壁の中に、巨人?僕らは、巨人に守られていたって言うのか!?」

 その巨人達も怪物によって踏みつぶされていく。起き上がろうとした超大型巨人も同様に踏みつけれる。が、そこは巨人。腹を踏みつぶされても即座に再生する。

『オオォォォォォォッ!!』

 と、全身が硬く、故に鎧の巨人と呼ばれている巨人が怪物に向かっていく。が、怪物が尾を振るうとバラバラに吹き飛ぶ。

『ア───アアァァァァァァ!』

 それを見た超大型巨人が嘆くように絶叫し、怪物に迫る。と、怪物の背に生えていた背鰭が青く発光する。

『───────』

 瞬間、世界から一瞬音が消えた。
 その後にやってきたのは眩い光と、爆音。




「………何だよ、これ………街が…………」

 ウォール・マリアの上、衝撃で吹き飛びそうになるも何とか堪えたエレン達は街並みを見て目を見開く。
 いや、それはもう街並みだったと言うべきだろう。巨大なクレーターが怪物をの前に広がっており、瓦礫は爆風で吹き飛ばされたのか、クレーターの中にはない。

「グオオォォォォォォォォンッッ!!」


 その怪物は、『龍型超大型巨人・奇行種』と名付けられた。




「あれはゴジラだよ。そう呼ばれてる」
「知ってるのか、お前は!アイツを……!」
「知ってるも何も、あれは昔俺の髪の毛を食った何とかの民とか言う奴が変質した姿だからな」



「あれは怨念の固まりだ。お前等に追われたとか言ってた何とかの民と、巨人に食われたお前等、殺す度にその怨念を吸い凶暴化していった………あれは巨人とお前等、何とかの民全てを殺すまで止まらねーよ」


「ああ、思い出した。お前等、ユミルの民だ……たかだか巨人化出来る程度で、俺の力にも耐えられるとつけあがった結果さらに絶滅の危機に瀕したマヌケな民だ」
「………言ってくれるね」
「俺の力を利用しようとした罰だ、さっさと滅びなクソ猿」

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