目の前には走る馬車。
それを追う黒谷。
「意外と遅いな。」
黒谷はあっさりと追い越して後ろを向く。
マスクをしている男。さっき見た男は中だろう。
「さっさと止まれ!」
黒谷は馬車を引いている男の顔面に蹴りを入れて馬を奪い取り、馬車を止める。
すると中から2人男が出てくる。
「なんだお前は!どこから来やがった!おい、アイツを挟んで殺すぞ!」
「わかった!あのお方のところへ早く行くためにこいつを殺そう!」
そう言う2人。
(あのお方?)
「さて…そのあのお方とかいう人の事や村のこと、そしてシエルの居場所コミコミで色々聞かせてもらうよ?」
「それとも………」
黒谷は自分の性格上ありえないような声と殺気を発しながら言った
「殺されるのがお望みかな??」
男二人は察した。
どうしても黒谷には勝てない。
普通の人間じゃない、何かを持っている。その何かに殺される。
自分の力量的に黒谷には叶わない…と。
「……行くぞ!」
黒谷は人間離れした速さで剣を抜いて男の一人に切りかかる。
「セバス!」
今切られた男はセバスと言う名らしい。
「ふーん、今のセバスって名前なのか。」
男は恐れた。自分の主よりもなによりも恐ろしい様な気配。まるで…
「悪魔め…ッ」
黒谷は飛ぶ。
そして抜いた剣を男の胸に刺す。
「セバスの所に連れていってやるよ。おやすみ。」
黒谷は好きで殺しをしていなかった。
今の男二人を殺ったように、別の自分がやってる感覚だった。まるで本当の自分じゃないみたいな。
「そこ」にいる黒谷は自分の私欲、殺したいから殺すという、気持ちだけでたたかっていた。
刺せば刺すほど気持ちよくなる。
気分が晴れる。
そう自分自身が気づいた頃には黒谷は
自分の心臓をも自分の刀で貫いていた
「あ…れ…」
気づいた頃にはもう遅かった。
人の心臓を貫けば気持ちよくなれる。
なら自分のならもっと気持ちよくなれるんじゃないか。そんな気持ちが生まれ、その気持ちに従い刺した。
応急処置は出来ない。
男は全員殺した。
そして……黒谷も重い目蓋を閉じた。
「ここは何処だろう。真っ暗だ」
黒谷は水の中にいた。周りは真っ暗だ。まるで深海。
(きっと三途の川にでもいるのだろう。)
どんどん下に沈んでいる。
どれくらい沈んだか。もう上からの光も見えなくなった。
(眠くなってきやがった。水の中で寝るのは初めてだなぁ)
すべて終わりにするために目を閉じようとすると、大きな光が黒谷の目の前に現れる。
「黒谷よ、選べ、生きる道を歩むか、絶えるか」
「生きる道を進むなら絶対平和と貴殿に憑いてるモノを祓うことを約束しよう。」
「死ぬのならそのまま目を瞑るが良い。」
(そんなの死ぬに決まって…)
「死ぬのならこの女子の悲しむ顔を見ることになるぞ」
そこにはシエルの姿が。
「シエル…」
シエルは泣いていた。血塗れの男を抱き上げて泣いていた…
「選べ女子の恩人よ、生きるか!死ぬか!」
黒谷はもう決めていた
「おれは…生きる、自分の為じゃない、シエルのために」
元の世界の執事としての自分のように
「俺は、シエルの守護者となり、シエルの命を自分の命に変えても守る事をここに契約を持って記す」
この呪文みたいなものは昔の名残だ。
「その契約、受けさせてもらう、我が名はゼウス、貴殿の願い聞き遂げたり。征け少年!この世界は広いぞ!」
その声をきく頃にはもう光を手に取って上へと泳いでいった
黒谷は目を開ける。
そこには涙を流すシエルの姿。
「泣くなよシエル、俺はまだ死んでないぞ?」
驚いたように顔を見るシエル
「…怪我はないか?」
自分が言えたことじゃないけどな
「黒谷…ありがとう…」
そうして、一軒の事件は政府?が調査して原因や主犯は逮捕、後に死刑。
そして10ヵ月がたった頃。
「ハンバーグBセット3人ね!」
黒谷はお店を立てて完全に馴染んでいた。
シエルと婚約して、政府からもらった領地で小さな家と店を経営する。
黒谷はこの生活が大好きと、後に聞いた客が楽しそうに語ったという。
〜fin〜
短い本編で無理矢理感ありますがこのお話は終わりになります。他に小説を書く予定なのでまた見てくださいオナシャス!センセンシャル!