プリキュアドリームスターズ×仮面ライダー ー仮初の戦士達ー   作:風来のがばお

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やっつけ小説にようこそ。第6話となります。


戦いを終えて・・・

「フェリーチェ…」

「ミライちゃん…」

 

オーロラの中へと消えていったフェリーチェを見て呆然と立ち尽くすミライ。そんなミライに変身を解除してハルカは歩み寄り声をかけた。

 

「ミライちゃん…大丈夫?」

「……うん…大丈夫…フェリーチェは…あんな事言わないもん…絶対…」

「…そう…だよね…」

 

平静を装ってはいるものの、明らかに動揺を隠しきれていないミライに対し、ハルカはかける言葉が見つからなかった。

 

 

「キラリン…ごめんよ…まさかキラリンが…悪い仮面ライダーだったなんて…」

 

一方イチカはキラリンを抱え、動揺していた。何せ先程戦っていた相手がかつて共に戦った大切な仲間だったのだ。それが敵として現れ、互いを傷つけあっていたのだ。今のイチカは罪悪感で頭が一杯になっていた。

 

「…皆さん。一度落ち着ける場所へと移動しましょう。それにそちらの妖精さんの手当を」

 

セレスティアも変身を解除し、三人に移動の指示を出した。

 

「…分かりました。みんな、行こう」

「うん…」

「ええ…」

「それと何ですが…」

 

と、セレスティアは付け加えるように言った。

 

「皆さんの姿…」

「えっ…?あっ!」

「嘘…何で…?」

「いつの間に…」

 

イチカ、ミライ、ハルカの三人は、それぞれ自分と相手の姿を見た。その姿は、かつて自分達か変身して戦っていた姿である…プリキュアとしての姿に変わっていた。鍵のプリンセス"キュアフローラ"。宝石の魔法つかい"キュアミラクル"。伝説のパティシエ"キュアホイップ"。唯一異なっているのは、ライダーの変身のベルトをつけている事だけか。

それぞれの姿になっていた事に三人は驚いていた。

 

「「「あっ…!」」」

 

そして、プリキュアとしての姿を見て思い出した。自分自身の、プリキュアとしての…かつての自分の記憶を。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

未名世界

 

 

どこかの宮廷にて、灰色のオーロラが現れ、そこから先程の戦いから帰還してきたキュアフェリーチェが現れた。

 

「…はぁ…」

「お疲れ様です。ご無事で良かったですわ」

「あっ…スカーレット…お出迎えありがとうございます」

 

フェリーチェが帰ってくるのを待っていたのか、そこにはフェリーチェと同様…真紅の炎のプリンセスのプリキュア"キュアスカーレット"がいた。スカーレットとフェリーチェは並んで歩き出す。

 

「パルフェを失ってしまったそうですね」

「ええ…ご主人様になんと申し上げればいいのか…」

 

仲間を失った事で自軍の戦力が低下してしまった事を悔やむフェリーチェ。そんなフェリーチェにスカーレットは慰めの言葉をかける。

 

「気に病むことはありませんよ。それにご主人様はあなたを怒ってはいませんよ」

「そうでしょうか…ご主人様の側近として…このような失態をお許しには…」

「そんな事ありませんよ、フェリーチェ」

 

と、二人が歩いている前に一人の白髪の青年が現れた。

 

「ご主人様…」

「フェリーチェ。前にも言いましたが、私の事は"シン"と呼んでくださいと言いましたよ」

「はい…ですが…」

 

と、言葉を紡ごうとしたが、白髪の青年"シン"は困った顔をしていた為、言い出すことが出来なかった。

 

「…では…シン様…」

「…まぁ、いいでしょう。フェリーチェ、スカーレットの言う通り、私は怒ってなどいませんよ」

「しかしシン様…パルフェはプリキュアです。我々にとって貴重な戦力です。その戦力が失われたのは…再生怪人達が大量にいるとしても大きな損失です」

「確かにパルフェを失うのは辛いものです。しかし私の計画に支障はありません。彼女はセレスティアの手に落ちたでしょうが、パルフェ奪還の為に戦闘を行うよりも、パルフェ無しで事を運ぶ方が優先です。いいですね、二人共?」

「はい。フェリーチェ。辛いですが、ここは我慢です。いつか取り戻す機会はありますよ」

「…はい。分かりました」

 

悔しいながらも、自らの主の命令が大事なので、フェリーチェは渋々従う事にした。

 

「さて…スカーレット。あなたには先程伝えてました世界に」

「分かりました」

「それとフェリーチェ。後で私の元にお願いします。アギトでは少し戦いづらそうですし、もう一つのライダーの力を授けましょう。こちらからお呼びしますので」

「あっ…はい。申し訳ありません…ありがとうございます」

「ではこれにて…」

 

シンの言葉で二人は解散し、スカーレットは新たに現れた灰色のオーロラの中へと消えていき、フェリーチェは自身の部屋へと戻って行った。

 

 

 

 

「随分とプリキュアを手懐けてるようじゃない。とはいえ、一人あなたのお人形さんが居なくなっちゃったみたいだし、あなたの計画も完璧とは言えないみたいね」

「ほう…言いますね。ラプラス」

 

シンの背後から、突然女性の声が聞こえた。シンはその声の主…全ての元凶…プリキュア達を崩壊に導いた存在であるラプラスの挑発を軽くあしらった。

 

「計画が問題無く進む方が可笑しいですよ。私にとって計画は上手くいかない方が安心なんですよ」

「へぇ…じゃあパルフェがいなくなったのも想定の内って事かしら?」

「まぁ。本当はここでプリキュア一人でも確保出来ればよかったのですがね。しかしそれも計画自体には支障はありませんがね。全ては私の夢の為…彼女達にはもっと働いてもらわねばなりません。もちろん…あなたにも」

「勘違いしないでちょうだい。力を削られてるとはいえ、今ここであなたを食い殺してもいいのよ。あまり偉そうな態度は取らない事ね」

「はは。これはこれは…手厳しいお方だ」

 

ラプラスの放つ殺気を前にしても余裕の態度を取ったシンは、その場を後にした。

 

「…食えない男ね」

 

ラプラスはシンの反応ご期待していたものでは無かったのか、不機嫌な表情を浮かべた。そしてそのまま、闇の中へと消えていった。

 





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