大空とスクールアイドル   作:薔薇餓鬼

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6月篇
標的(ターゲット)247 「ツバサ襲来」


 

6月に入り一番始めの休み。ツナはいつものように家でのんびりしていた。すると家の玄関のインターホンが鳴った。

 

「ツナー。ちょっと今、手が離せないのー。代わりに出てくれなーい?」

 

「わかったー。」

 

一階(した)の台所から奈々がそう言ったので、ツナはゆっくりと起き上がると、階段を降りて玄関に向かうと玄関の扉を開けた。

 

「はーい。どちら様です…ええええ!?」

 

「こんにちわツナ君。」

 

「ツ、ツバサさん!?な、何で(うち)に!?と、とりあえず早く上がってください!」

 

自分の家にアイドル(ツバサ)が来ているところを一般の人に見られたら、大変だと思ったツナはツバサをすぐに自分の部屋へと招いた。

 

「ごめんなさいね、急に来ちゃって。ツナ君を驚かせてみたかったの。」

 

「い、いえ!大丈夫です!」

 

大丈夫だと言うツナ。今までマフィア関係者が家に来たことはあっても、アイドルが家にやって来るなんて初めての経験であったので、もの凄い緊張しているのか自分の部屋なのにも関わらず正座していた。

 

「意外と普通の家なのねツナ君の家って。マフィアのボス候補だって聞いてたから、もっと怖い人たちが家にたくさんいるのかと思ってたわ。」

 

「そう考えたくなるのもわかりますけど…俺の家はこの通り普通の家です…外見だけは…」

 

「外見だけ?」

 

外見だけという言葉にツバサが疑問符を浮かべたが、ツナはこの家にはヤグザなんかよりも恐ろしい居候(そんざい)がいると思ったが、あえてそのことは言わずに心の中に留めることにしようと決意した。

そして本題に入る。

 

「それでツバサさん…何で(うち)に?」

 

「今日から少しの間、仕事が休みなの。だからツナ君をデートに誘いに来たの。」

 

「へーそうなんですか…ってデデデデデート!?///」

 

一瞬デートと聞いて普通に聞き流していたが、時間差でデートという単語の意味を理解し、驚きのあまり腰をぬかしてしまっていた。

 

「あら。そんなに驚くことかしら。」

 

「お、驚きますよ!!///デートに誘われたことなんてないんですから!!///というかツバサさんはアイドルなんですよ!!///そんなことしたら…」

 

「わかってるわよ。」

 

「へ!?」

 

「わかってるからこそ、ここに来たの。ツナ君とデートする為に。」

 

「で、でも何で俺と…!?」

 

「何でって。私はツナ君のことを異性として好きだからよ。女の子が男の子をデート誘う理由って他にあるかしら?」

 

「ええええええええええ!?///」

 

まさかツバサが自分のことが好きだということ、そして突然の告白に、顔を真っ赤にしながら驚きの声を上げてしまった。

 

「ツバサさんが俺を!?///え!?え!?///どういうこと!?///何で!?///」

 

「フフッ!ツナ君って可愛い。」

 

ツナがあまりにも動揺している姿を見て、ツバサはクスクスと笑ってしまっていた。

そしてツバサはさらに続ける。

 

「私のことを二度も助けてくれたし。助けてくれた時の姿がとってもかっこよかったわ。それに私のタイプは年下なの。だからツナ君はドストライクなのよね。」

 

「え!?///もう…!?///何がなんだか…!?///」

 

「ツ、ツナ君!?」

 

次々に好きだというアピールしてくるツバサに、耐えられなくなったのか、ツナは顔を真っ赤にして頭から煙を上げてしまっていた。

 

「ったく情けねぇぞダメツナが。そんなんで一々、動揺してたらマフィアのボスになんてなれないぞ。マフィアは常に冷静じゃないといけないんだぞ。」

 

「リボーン!」

 

「あらリボーン君。ツナ君の家を教えてくれてありがとう。」

 

「気にすんな。」

 

「ええ!?どういうこと!?リボーンがツバサさんに家を教えたってこと!?」

 

「ああ。ツバサがツナをデート誘うという情報を手にいれてな、だから俺が教えたんだ。それとデートの準備はばっちりだぞ。」

 

「ま、まさかこれって…」

 

リボーンが2枚のチケットを取り出すと、ツナはこのチケットが何のチケットであるかを理解した。

 

「マフィアランドのチケットだぞ。」

 

「やっぱり!」

 

「マフィアランド?」

 

「マフィアランドはマフィアがまっさらな気持ちで休めるように、色々なマフィアがドス黒い金を出しあって作ったスーパーリゾートドリームアイランドだ。」

 

「それ大丈夫なの…?」

 

ツバサは、ドス黒い金を出しあって作っていると聞いて不安になってしまった。

 

「安心しろ。マフィアランドは善良なマフィアが金を出しあってる上に、強力な妨害電波で察知されないようになってる。これならお前を追ってくる奴もいねぇし、マフィアランドの客のほとんどは裏社会の人間だから、お前のことを知る奴もいねぇ。だから騒ぎにならずに、ゆっくりと休めるぞ。」

 

「じゃあ、大丈夫ね。」

 

「ま、待てよ!そう言いながらも、いっつも襲撃されてるだろ!」

 

「大丈夫だ。前にスカルの野郎が襲撃した時に、同時にマフィアランドを狙っているファミリーの情報を吐かせた。そいつらをボンゴレファミリーが最近、監視してる。だから以前より危険性はゼロといっていい。というわけだ。ツバサとデートしてこい。」

 

「ま、待てって!俺はそもそもデートするなんて一言も…」

 

「ダメなの…?」

 

「え…!?」

 

するとツバサが切なそうな表情になりながら、ツナのことをジーッと見つめ、そんなツバサを見たツナは戸惑ってしまった。

 

「やっぱりあアイドルの私とじゃ嫌かしら…?」

 

「え、えっと…それは…」

 

結局、この後ツナは断りきれずにツバサとのデートを了承したのであった。

 

 

 




6月篇入ってから、いきなり攻めすぎたかな…?
あとまたマフィアランドですいません。今回は超ツナは出しません。

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