高度20000フィートの大空で   作:イーグルアイ提督

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思いつきで書いてみた。
なんか割とめちゃくちゃな気もするが許して!


番外編
番外編『異世界に行きたかった少年』


「あー・・・異世界行きてぇ・・・」

 

俺はどこにでもいる東京の某所に住んでいる異世界に行きたいと24時間365日願い続けている高校生!

異世界行って美少女にチヤホヤされながら魔王をぶっ飛ばしたい!

常日頃からそんなことを考えていた。

 

「ちくしょう、どうやったら転移できるんだ・・・」

 

先週はいい加減学校以外でも外に出て何かしろと怒られ、『だったら異世界転生してやるよチクショー!!』と叫びながら首を吊ろうとしたらマジで精神科に連れていかれた。納得いかん。

俺は転生するために頑張ったというのに!!

と、心の中で叫びつつ学校に行く準備をしていた。

 

「学校じゃなくてエルフの村とか行きたいなぁ・・・」

 

叶わぬ願いを呟きつつ、家から出る。

学校に着くまでの数十分間、異世界に行ってどんな魔法を使い美少女にチヤホヤされるのかを想像しながら歩いていた。

 

「何だか今日は異世界に行ける気がする」

 

だって朝から妙な頭痛と耳鳴りが続いている。

友達にメールで今日こそ異世界行けるぜ!と症状と共に送ったら『はよ病院行け』とだけ帰ってきた。

解せぬ。

 

「こう・・・次を目を開けたら異世界とかないかなー・・・」

 

そう呟きながら目を閉じて自販機で飲み物を買った。

だが目を開けてもそこには自販機があるだけで俺の押したボタンをよく見たら『しじみみそ汁』とか書いてあった。

無論HOT。

ちなみに今は7月。

気温は30℃を超えていた。

 

「WTF」

 

俺のバカ。

そう思いつつも懲りずにまた目を閉じてボタンを押そうとした。

だが今度はいくら押そうとしても何も押せない。

 

「あれ、俺自販機から下がった記憶ないけど」

 

そして目を開けた時だった。

目の前に草原が広がっていた。

 

「え・・・何これ」

 

突然の事すぎて頭が追いつかない。

だが落ち着くにつれて心の底から喜びの感情が湧き出してくる。

ここは・・・ここは・・・ここは!!!

 

「ヒャッハー!!!ここ異世界じゃね!?」

 

日頃から願い続けるものだ!

やはり努力は報われるという事だ!

そして異世界あるあるその1!

見知らぬ土地から始まる!!

 

「ふはははは!!やったぜ!!」

 

ただ喜ぶのはいいが周りはだだっ広い草原。

目の前にちょっとした森があるだけだった。

 

「うーむ・・・とりあえず森に行って魔物に襲われる美少女を助けるか」

 

異世界あるあ・・・いや、まだ何も起きてないが魔物に襲われる美少女を助けてそこからストーリーが始まる!!

そう思いつくと嬉々として森に突入した。

 

「美少女ちゃーん、でておいでー!」

 

そう言いながら森を進むと目の前に見たことのない動物が出てきた。

明らかに魔獣のような見た目だ。

 

「よっしゃ来た!魔獣とエンカウント!俺の魔法を食らうがいい!」

 

俺は手をかざして何となく火が出そうな感じだったのでファイヤーと叫んでみた。

 

「ファイヤー!!!・・・あれ?」

 

出ない。

馬鹿な!!

 

「あれ?じゃあフレイム!!」

 

これも出ない。

そしておかしな事に魔獣が増えてる。

ヤバい。

 

「逃げるが勝ちという言葉が俺の故郷にあるんでな!」

 

一目散に適当な方向に向かって走る。

異世界あるあるその2!

いきなりピンチ!でもそこに冒険者のグループが助けに来てくれたりする!

ということを信じて走る。

 

「ハァ、ハァ、ハァ」

 

後ろから魔獣が追いかけてきていた。

ヤバいこれ結構ピンチ。

 

「森の切れ目・・・よっしゃこの先に何かあるぞ!!」

 

そこまで頑張れ俺!!

全力に走り抜けた先にあったのは無情にも崖だったが。

 

「マジかよ・・・おいおいおい!こんなの有り得ねー!!」

 

「グルルルル・・・」

 

「増えてるよ!増えちゃってるよ!!」

 

武器になりそうなものなんてカバンに入ってたカッターナイフしかない。

でも身を守れるならと取り出す。

 

「チクショー!!誰か助けてくれー!!」

 

そう叫んだ時だった。

遠くから羽音のようなものが聞こえた。

 

「竜か何かか!?」

 

もしドラゴンだったらヤバいが飛竜にのった冒険者だったら助けてくれる。

そう思ったが、俺の耳には別の音に聞こえてきた。

明らかに生き物の出す音では無かった。

というか、この世界で聞くはずのない音だ。

俺の頭が追いついていないのかなんの音か分からなかったが。

 

「な、なんだよこの音ー!!!」

 

そう叫んだ時だった。

崖の下からとんでもない物が出てきた。

・・・異世界ないないその1。

ピンチに戦闘ヘリが駆けつけてくる。

 

「へ、ヘリコプター!?」

 

しかもハリウッド映画で見るようなゴツイ戦闘ヘリだった。

胴体の下に大きなマシンガンが見える。

 

《そこの君!伏せて!!》

 

異世界あるあ・・・?その3

何故か言葉が通じる。あと声からして女の子。

でも戦闘ヘリに乗ってる。

 

「え、え!?」

 

言われた通りに伏せると耳を劈くような音がして目の前にいた魔獣が消し飛んだ。

 

「えええええ!?」

 

魔法は!?エルフの美少女は!?

何ここ!!剣と魔法じゃないの!?

 

「嘘だろ・・・」

 

するとヘリは何かを探すように上空を旋回して目の前に着陸した。

 

「これはあれか・・・異世界にアメリカ軍が行っちゃったパターンなのか・・・」

 

ここは・・・おれの望んだ世界では無かった・・・

だがヘリから降りてきたのはエルフの女の子だった。

 

「え、エルフ!?」

 

「初めまして!こんな森で珍しいね!」

 

「え、いや・・・珍しいというか・・・その・・・それ」

 

俺はヘリを指さす。

 

「ん?あ、これ?」

 

少女もヘリを指さす。

 

「AH-64Dアパッチだよ!見たことないの?」

 

ええありますとも。映画の中で。

というかそこじゃない。

 

「私達ってこういうの本当は使わないんだけどねー・・・村長様がグローバル化じゃとか言ってその時誕生日だった私へのプレゼントで村全体で買ってくれたんだよね」

 

誕生日プレゼント!?

その戦闘ヘリが!?

 

「でもこの子、ロングボウって愛称らしくて弓使う私達にピッタリよね!あ、ちなみに妹がガンナー席に乗ってるの!」

 

「・・・いやいやいや!!なんで!?魔法とかは!?」

 

「使えるわよ?」

 

「使えるの!?」

 

「うん、じゃあ・・・今から氷のヘルファイア出すから!」

 

「ヘルファイア・・・って何?」

 

「それ」

 

「それ?」

 

指したのはヘリに積んであるミサイル。

 

「ミサイル!?」

 

「うん、AGM114ヘルファイア」

 

なんかもう世界観が・・・

そう嘆いていたが女の子は何かを呟くと目の前に黄緑色の魔法陣が広がり、氷で出来たミサイルが出てきた。

 

「すご・・・」

 

出てきた物は別としてこれはすごい。

 

「すごい・・・けど、剣と魔法のファンタジーは・・・」

 

「あはは!あなた何年前の話してるの?」

 

「え?」

 

「魔法は別として剣の時代はもう百年前よ?今はこれよこれ!航空戦力の時代よね!」

 

異世界ないない。

剣と魔法の世界は終わり航空戦力の時代が来てる。

 

「あ!もしかしてあなた異世界の人でしょ!」

 

異世界ないない!!

異世界人って簡単にバレる!!

 

「え・・・な、なんで?」

 

「だって昔来た人もそんな感じだったもん!」

 

「え?む、昔?」

 

「昔って言っても去年だけどね!」

 

「きょ、去年?」

 

割と最近だった。

 

「あ!もしかしてあなた日本人だよね!」

 

「え!?」

 

異世界ないない!

日本人って何故か分かる!!

 

「東京?」

 

「え、あ、うん・・・東京」

 

「えー!いいなー!私あのスカイツリー行ってみたいの!でもいいなー・・・向こうは魔獣が居ないから・・・」

 

なんで、なんでなん?

なんで異世界なのに戦闘ヘリとか東京とかスカイツリーとかいうワードがでてくるん?おかしくね?

 

「そーだ!ここで会ったのも何かの縁だし村においでよ!」

 

「え、い、いいの?」

 

「うん!近くに仲間のパーティいるから呼ぶね!」

 

そう言っておもむろに無線機を取り出した。

 

「ハンター0-1からヴァイパー1へ」

 

《ハンター、こちらヴァイパー》

 

「今異世界から来たばっかな人を助けたから村に招待したいんだけど、迎えにこれる?」

 

《おい・・・リア。お前また余所者連れ込むのか?》

 

「いーじゃん、村長様だって歓迎してるしさ」

 

《はぁ・・・まったく・・・ヴァイパー了解》

 

「んじゃまた後で!」

 

そう言って無線を切った。

・・・異世界に来てこんな会話を聞くことになるなんて誰が思うだろうか・・・

そう思っていたら遠くから今度は甲高いジェットエンジンの音がした。

 

「今度は何だよ・・・」

 

「あれ・・・空賊!?」

 

リアと呼ばれた女の子は空を見上げてそういった。

 

「空賊?」

 

「ならず者だよ!どうしよう・・・」

 

よく見ると2機のジェット機が戦っているようだ。

いや、3機か?

追われているジェット機が劣勢に見える。

 

「な、なぁアレ助けなくていいのか?」

 

「アパッチじゃ無理だよ、自衛用のスティンガーがあっても・・・」

 

「スティンガー?い、いやでもアレどう見たってピンチだろ!ミサイル積んでるんだから助けようぜ!」

 

すぐ側の戦闘ヘリにはミサイルが見た感じ8発ある。

相手は2機。

余裕の弾数だ。

 

「貴方本気で言ってるの?」

 

「え?」

 

「あ、ミリー。下りてたんだ」

 

「うん、お姉ちゃんの話長そうだったから」

 

妹もヘリから降りてこっちに来た。

そして俺を睨むように見て言う。

 

「貴方、戦闘ヘリが戦闘機と戦って勝てると思ってるの?」

 

「い、いやだってミサイル積んでるだろ!」

 

「貴方ゲームのやり過ぎね。このヘリコプターが積んでるのは空対地ミサイル。空対空ミサイルじゃないのよ」

 

「え、ど、どゆこと」

 

空対空だとか空対地だとかよく分からんワードが・・・

というかミサイルってそんな種類あんの?

 

「はぁ・・・だから空の敵を撃てるミサイルは積んでないの」

 

「え!?だ、だってそれ戦闘ヘリだろ!?」

 

「戦闘ヘリを何だと思ってるの?」

 

なんて会話してると3機の戦闘機はこっちに迫ってきた。

 

「ミリー、危ないかも!」

 

「あれミグとホーネットだね」

 

「あのパイロットも大変そうだねー。あ、後ろとった」

 

「何呑気なことを・・・!」

 

そう言った時、後から爆発音がした。

さっきの戦闘機がやられたのか火だるまの戦闘機が落ちてきた。

 

「ナイスキル!」

 

「ホーネット相手にMig-21はキツいよねー」

 

「な、なんで平気なんだよ!そこで戦争起きてるのに!」

 

「戦争?あんなの日常茶飯事だよ」

 

「ここ中東なの!?」

 

「中東が何か知らないけど・・・いい加減慣れたら?」

 

「慣れるかこんなの!!俺は剣と魔法の世界を期待してたのに!!」

 

叫んでると近くにさっきの戦闘機が墜落した。

コックピットの部分が千切れてこっちに飛んでくる。

 

「わっ、危ない!」

 

「アパッチに当たったら大変ね」

 

俺はこっちに来たコックピットを見て吐き気がこみ上げてきた。

コックピットは真っ赤に染まっていた。

染まりきってない部分から中が少し見えたがそこには人のようなものがあった。

・・・血塗れで。

 

「う・・・おぇぇぇ・・・」

 

「わぁぁぁ!!ちょっと!大丈夫!?」

 

「こんなの俺の望んだ世界と違う・・・」

 

もう嘆くしかなかった。

異世界でチヤホヤされたいと思ったがこれどう考えったってこの子達の方がすごい。

魔法は使えてヘリの操縦は出来る・・・。

 

「まぁ・・・ほら、去年来た人もそんな事言ってたから」

 

「元気出しなさい。」

 

妹のほうは呆れ顔で慰めてきた。

なんてしてる間に次のヘリの音がしてきた。

 

「あ!来た来た!」

 

「世界観・・・」

 

これまた映画で見た事あるヘリコプター・・・

魔法は?剣は?しかも乗ってる人の格好剣士みたいだけど手に持ってるの銃やん・・・

アパッチの近くに着陸したヘリから人が降りてきた。

パーティのリーダーっぽいオジサンだ。

 

「こいつか?村に連れてくってのは」

 

「うん!日本人!」

 

「んだよ、またか・・・」

 

また・・・?また!?

なに?そんな頻度で日本人ここに来てるの!?

 

「どうする、またゲートまで連れてくか?」

 

「あれ、東京に繋がってるゲートあったっけ」

 

「んや、確かアレ下地島だな」

 

「あー、日本の端っこだねー・・・あとどっか無かったっけ」

 

「えーっと・・・俺が知ってるのは稚内と南鳥島と・・・硫黄島くらいだな」

 

なんで異世界まで来て日本の地名を聞くことになるのか全く理解できん!!

というかなんで極端に端っこの方しかないんだよ!!

 

「どうするかね」

 

「本人次第じゃない?」

 

「本人次第って・・・コイツにだって家族がいるだろ、友達だって」

 

「まぁそうだけど・・・とか言いながらこの前の人だってすごい喜んで戦闘機の免許取りに行ってたじゃん、今テキサスに住んでるけど」

 

テキサス・・・?アメリカですか!?

 

「とは言ってもなぁ・・・俺が知ってる日本人2人居たけど、結局空賊に落とされちまったからな・・・」

 

「まぁ、ウチの村に住んでくれる異世界人を村長様が探してたし!」

 

「あの物好き爺さんめ・・・分かったよ、連れてくか・・・リーダー様のご指示だしな」

 

え・・・このおっさんじゃなくてこの女の子がリーダーなの!?

という顔をしてたらリアは照れたようにこっちを向いた。

 

「あはは、私がリーダーって言われてビックリしてるでしょ。これでも村の航空隊の隊長なんだから」

 

「へ、へぇ・・・そうなんだ・・・」

 

とりあえず、俺は素直にヘリに乗り込んだ。

 

「じゃあ後でね!えーっと・・・」

 

「あ、名前言ってなかったか・・・俺はダイスケ、遅くなったけどよろしく」

 

「うん!よろしく!」

 

リアと自己紹介を済ませたあとヘリは離陸した。

・・・人生初のヘリに乗った体験が異世界になるなんてなぁ・・・

何だかんだ疲れた・・・

ヘリの振動が心地よく俺は気づいたら寝ていた。

 

「村まであと5マイル」

 

「ダイスケ、起きろ。もう着くぞ」

 

「んぁ・・・」

 

「ハンター、こちらヴァイパー。村に客人を連れて先に降りる」

 

《ハンター、了解》

 

村が見えてきた。

俺はきっと自分たちが住んでいるような現代的な街だとタカをくくっていたが、その村はファンタジー物でよく見る森の中にあるエルフの村だった。

 

「おぉ!これこそ俺の望んだ光景!!・・・ヘリさえ無ければな・・・」

 

「誘導員確認・・・OK、障害物無し」

 

「今日は花粉が舞ってるらしいから気をつけて行けよ、また村の8割が花粉症になったって怒られたら大変だ」

 

「了解です、任せといてください!」

 

村の8割が花粉症って・・・

パイロットはベテランなのかゆっくりと機体を静かに着陸させた。

だが・・・やはり少しヘリの起こす風で花粉を舞いあげたらしい。

無線で怒られていた。

 

「到着だ。ようこそ、ココ村へ」

 

ココ村・・・それがこの村の名前だった。

ヘリを下りると村長が出迎えに来てくれていた。

 

「おー、これはまた・・・お主は高校生かな?」

 

「え、あ、はい・・・そうです」

 

「ほっほっほ、若さってのはええのぅ・・・どれ、日本の話をワシにも聞かせてくれんか」

 

「え、あ、えっと・・・分かりました」

 

そうして案内された村長の家。

中は華美というわけでもないが色鮮やかな家具が置いてあり出来立ての木で出来た家のような香りがしていた。

落ち着く香りだ。

 

「じゃ、この部屋で色々話でもしようかの」

 

部屋に入り、椅子に座る。

程なくしてエルフの女の子が紅茶を運んで来てくれた。

・・・めっちゃ俺好みの美少女やん。

銀色のロングヘアに翠の目・・・小柄な体型と超俺好みだった。

 

「どうぞ、村特産の紅茶です」

 

あ、めっちゃ声可愛い。

最高。

異世界最高。

とか思っていたら外からさっきのアパッチのエンジン音が聞こえてきて色々と現実に戻された気分だ。

異世界だけど。

 

「んでじゃな」

 

そこからは日本のどこ出身なのか。

今はどんな事が流行っているのか、家に帰りたいかなどを聞かれた。

 

「お主・・・この村に住まぬか?」

 

「え?いいんですか?」

 

「うむ、まぁ帰るためのゲートも近くに無くての。帰したくても帰せない・・・って所もあるんじゃがな・・・」

 

「いえいえ!異世界に居れるだけで俺は!」

 

最高です!・・・って言いたいが、外の戦闘機と戦闘ヘリが俺の中の何かをぶち壊してくる。

 

「あ、そうじゃ。もし住んでくれるならじゃが・・・おーい、カナデ!」

 

「はーい」

 

カナデ?というか返事したのってさっきの美少女の声!?

これは何かのフラグか!?

 

「なーに?おじいちゃん」

 

「こやつと一緒に村の防人を頼みたいのじゃが」

 

「んー?この日本の人と?」

 

「うむ、やれそうか?」

 

「うん!ちょうど私1人だと村全体をカバー出来なくて・・・えっと、じゃあよろしくね!日本人君!」

 

「えっと・・・よろしく。俺はダイスケ」

 

「私はカナデ、この村のガードマンなの。えーっと、おじいちゃん予備の鉄砲ってあったっけ」

 

「ん?お前もっとらんのか?」

 

「あるにはあるけど・・・」

 

「それでいいじゃろ。任せるぞ」

 

「りょーかいです!村長殿!じゃ、こっちに来て!」

 

「え、あ、あぁ・・・」

 

カナデに連れられて家を出る。

 

「えーっと、そうだ、住む家無いよね」

 

「うん、何も言われてないからね・・・」

 

「じゃあ私の家においでよ!私とあの村長・・・私のおじいちゃんなんだけど家は別なの。おじいちゃんが私専用にって家をくれたんだけど一人暮らしだと広くって・・・」

 

「え、でもいいの?」

 

「うん!ダイスケ君いい人そうだし!」

 

これはフラグ来ました、来ましたよ。

ここはいっちょカッコイイ所見せないと!

 

「私の家はここね!」

 

そう言って案内された家は他の家と同じ大きさのごく普通の家屋だった。

木や草、石など自然の物で作り上げた家。

でも魔法の力なのか石や木は綺麗に切断してあり見た目も綺麗だった。

 

「じゃあ・・・どうしよかっかな・・・とりあえずダイスケ君の実力を知るためにテストをします!」

 

「えっ」

 

「とりあえず地下に行くよ!」

 

カナデに連れられて地下に行くと鼻を着くような火薬の臭いがした。

足元には金色の筒が・・・これ薬莢・・・?

 

「ダイスケ君って銃を撃ったことある?」

 

「いや、無いよ」

 

「じゃあ、撃ち方からだね。えーっと日本人なら・・・あった!」

 

カナデが近くにあるボックスから銃を一つ取り出した。

 

「じゃじゃーん!89式小銃ー!」

 

「はち、きゅう?」

 

「あれ?これ日本製の銃って聞いてダイスケ君にも合うかなって思ったんだけど」

 

「あ、ごめん・・・俺銃とか全然知らなくて・・・」

 

「そうなんだ!でも大丈夫、私が教えてあげるね!とりあえずこれ持ってて!」

 

そう言って銃を渡される。

人生で初めて持つ実銃。

銃の横を見ると89Rと刻印されていた。

そしてアレ3タという日本語。

 

「どう?気に入った?」

 

「なんか・・・日本語書いてあってちょっと安心したかな」

 

初めて触れる実銃に何となく日本語が書いてありほっとした感じがあった。

 

「あとこれ、弾と弾倉ね。弾は込めてあるから早速撃ってみよっか!」

 

「あ、う、うん」

 

射撃場の射撃位置に着く。

 

「えーっとじゃあまずは、銃を構えて」

 

カナデの言う通りに構える。

映画なんかで見た見様見真似だが。

 

「うーん・・・なんか違うなー・・・ちょっとそのままで!」

 

「え?ちょ、ちょ!!」

 

カナデが後ろから抱きつく形で一緒に銃に手を添えてきた。

 

「あはは!顔真っ赤で可愛い!」

 

「い、いやいやいや!そりゃ顔真っ赤にもなるから!」

 

童貞には刺激が強いんです!

あぁ・・・なんか凄くいい香りが・・・

 

「とりあえずはい、肩の力抜いてもう少し足を開いて・・・」

 

そんな感じのドキドキ!射撃訓練!が終わり色々と疲れきってカナデが案内してくれた部屋のベッドに寝転んだ。

 

「疲れた・・・けどカナデちゃんと一緒に冒険とか出来そうだし・・・これはこれで良かったかな・・・」

 

そんなことを呟きながら夢の世界へと入っていった。

俺の望んだ異世界ではないけど・・・これはこれでいいかな。

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