高度20000フィートの大空で   作:イーグルアイ提督

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タルコフで6Aアーマー2つにそこそこいいカスタムした74Mを2つ失った時は泣きそうになった作者です。
いい装備取られてムキになって出撃したらダメだね!


再びテキサスへ

「テキサスタワー、エンジェル0-1。」

 

《エンジェル0-1どうぞ》

 

「テキサス空港への着陸を要請」

 

《エンジェル0-1スタンバイ》

 

懐かしのテキサスだ。

空はすこし赤くなり始めていた。

 

「あとちょっとだね。お疲れ様」

 

「ハルもお疲れ様!」

 

《ふぁ・・・あとは着陸だけね》

 

「最後まで気を抜かずに」

 

《りょーかいです、編隊長どの》

 

なんて話をしていたら着陸許可が降りた。

 

《エンジェル0-1、滑走路35への着陸を許可》

 

「エンジェル0-1、了解」

 

滑走路を正面に捉えてゆっくりと降下していく。

帰ったら家を探して格納庫も借りよう。

そう思いながら機体を着陸させた。

 

《エンジェル0-1、そのまま滑走路を出てエプロンに向かってください》

 

「了解」

 

「ただいまだね!」

 

「うん。何か食べに行く?」

 

「うん!あ、そだ!家はどうする?」

 

「お金は溜まってるし良さげな家を借りよ」

 

「そだね!」

 

機体をエプロンに駐機してエンジンを止める。

 

「おじさんの所に顔でも出しに行く?」

 

「そだね!なんか良いもの入荷してるかも知れないし!」

 

リリアにもそう伝え、機体から降りた。

 

「トマホークもお疲れ様」

 

「わん!」

 

大欠伸をしていたトマホークにそう声をかけて撫でてやる。

私たちはそのまま格納庫に向かった。

中では、いつものドワーフのおじさんが別の冒険者の機体を整備していた。

そして私たちに気づいてこっちを向く。

 

「お!嬢ちゃん!」

 

「お久しぶり」

 

お久しぶりと言っても1週間程度だが。

 

「どうじゃ、トムキャットの調子は」

 

「実はこの前燃料漏れ起こした」

 

「なぬ!?」

 

「まぁ、金属片を踏んで燃料タンクに穴開けちゃったんだけどね」

 

「な、なんじゃ・・・整備ミスかと思って寿命が縮まったぞぃ・・・っと、そうじゃ!いい話があるんじゃった!」

 

「いい話?」

 

「儲け話じゃよ」

 

「儲け話?!」

 

マヤが食いついた。

目を輝かせている・・・

 

「実はな・・・」

 

昔、魔王軍との戦闘で街全体が廃墟のようになってしまった場所がある。

廃墟のようというか廃墟になっているために人は住んでいないが、魔王軍との戦闘の際に使われていた武器や兵器などが大量に残っているらしい。

しかも街のどこかに異世界への扉が開いていて、そこから最新の武器や技術が入り込んでいるそうだ。

それを持ち帰ればいい儲けになる・・・という事だった。

 

「いいね!早速行こうよハル!」

 

「ちょっと待つんじゃ。話には続きがあっての・・・」

 

街全体が廃墟で、またアンデッド系モンスターが湧いているそうだ。

しかもそのアンデッドは昔の戦闘で戦死した兵士、もしくはそれを模したモンスターのために銃火器を使用してくる事があるそうだ。

おまけに戦車も操縦しているとか。

そして、そんな美味い話、山賊や盗賊が知らないはずも無く、1歩足を踏み入れたらそこは自分以外全て敵の戦場だそうだ。

また、そんな所で殺されたとしても山賊や盗賊、アンデッド系モンスターの仕業に出来るため、冒険者同士でも殺し合いが多発しているらしい。

特にいい装備を持っていると略奪するために襲いかかってくる冒険者もいるとか。

つまりは街全体がなんでもありのダークゾーンになっているそうだ。

おまけに街の地下には大量の鉱物が眠っており、通信障害も起きているそうだった。

 

「どうじゃ!いい話じゃろ!」

 

「どこが!?」

 

マヤが大声で突っ込む。

 

「冒険者同士の殺し合いとか色々恐ろしい単語並びまくってるのにいい話なわけないじゃん!!」

 

「何を言っとるか!リスク無くしてリターンは得られんのじゃ!」

 

「そうだとしても嫌だよ!ハルだって嫌でしょ!?」

 

「・・・うん」

 

そんな所死んでも行きたくない。

というかそもそもそんな場所に降りれる気がしない上に陸路から入る場合なんて1億ドル貰ったって行きたくない。

 

「なんじゃ、つまらんのぅ・・・じゃ、これはどうじゃ?」

 

おじさんは1枚の書類を出した。

F-14の改修についてだった。

 

「んーと・・・」

 

トムキャットに対潜水艦攻撃能力を持たせるというものだった。

フェニックスと同サイズの短魚雷を搭載出来るようにして、ソノブイなど対潜攻撃に必要な諸々の装備を搭載したりコックピットのシステムをアップデートするらしい。

 

「対潜攻撃能力・・・」

 

確かにあればUボートを狩る仕事をする時に楽かも知れない。

 

「ちなみにこれに改修した時のデメリットは?」

 

「そうじゃのぅ・・・短魚雷を搭載してる時はあんまり高機動は出来ないってとこかの。それに魚雷とソノブイ を投下する時は200ノット以下じゃないと無理じゃの。それ以外は特に変わらんよ」

 

悩む。

Uボート狩りのクエストは何気に報酬がいい。

 

「あ、そうじゃ。あとソノブイも投下したあとのデータを送れる範囲も限定されてるくらいかのぅ・・・」

 

対潜水艦攻撃時の行動範囲が制限されるということか・・・。

それでも魅力的な話ではあるが。

 

「そうじゃ、あとフェアリィでミサイル買ったんじゃろ?」

 

「うん。月額5万ドルでアクティブホーミング型のフェニックスを補給できるようにしてる」

 

「その補給はワシが担当しとるからいつでも言ってくるといいぞ!」

 

「ありがと」

 

「そういえばおじさんさ・・・整備員の割には何か、色々と商売してない?」

 

「そりゃそうじゃ!ワシのモットーは金さえ払えばティッシュから戦闘機までなんでも売る上に完璧に整備して更に改修をする。じゃからの!」

 

「・・・儲けてそうだね」

 

「ガッポガッポじゃ!うははは!」

 

おじさんは今までに見たことないくらいテンションが上がってるようだ。

 

「おじさん、対潜水艦改修については保留で。」

 

「了解じゃ!」

 

格納庫を出てリリアが待っているという近くのカフェに向かった。

 

「お待たせ」

 

「ううん、大丈夫よ」

 

「よーし、トマホーク、お座り!」

 

「わん!」

 

「よしよし!いい子だぞー」

 

マヤは椅子にトマホークを座らせて撫で回していた。

 

「それで、家はどうするの?」

 

「そうだね・・・考え中。リリアも一緒に住む?」

 

「え、いいの?」

 

「多い方が家賃の負担が少なくなるし」

 

「まぁそうね・・・じゃ、明日は家探し?」

 

「うん。そうなるかな」

 

「じゃ、今日は宿ね」

 

「あと格納庫もね。ミグとアパッチも格納出来るところ探さないと」

 

「あら、アパッチなんてもってたの?」

 

「マヤのだよ」

 

「うん、リリアがフランカー買ったお店でね!」

 

なんて話をしつつカフェで夕飯を食べて宿を探した。

それにしても綺麗な街並みだ。

 

「街灯が綺麗だね」

 

「街並みとマッチしてるものね」

 

「でも、フェアリィも良かったよね!」

 

「・・・ペンギンが来る時点でダメ」

 

「ハ、ハルは完全に恐怖症になっちゃったか・・・」

 

「2度と見たくない。」

 

2度とあんな魔獣見たくない。

そう思いながら街をあるく。

 

「あ、この宿いいんじゃない?」

 

マヤが指指したのは空港近くの宿。

何回か泊まった事もある場所だ。

 

「ここにしようか」

 

中に入って3人入れる部屋を取る。

 

「ふぁ・・・」

 

ベッドを見ると一気に疲れがきた。

 

「お風呂入って寝よ!」

 

マヤが元気にそう言った。

 

「もう今日はいい・・・」

 

「ハル、それ女の子が言っていいセリフじゃないよ・・・」

 

「私も・・・」

 

「リリアもか!」

 

「・・・マヤうるさい」

 

「待って、私今回は正論言ってると思う・・・」

 

「わん!」

 

トマホークも風呂に入れと言わんばかりに前足でペシペシ叩いてくる。

・・・この子ほんとに頭良すぎじゃない・・・?

 

「んもう分かったわよ・・・」

 

「早く入って寝よ・・・」

 

その後は三人仲良くお風呂に入ってベッドにダイブした。

一瞬で夢の世界に入った。

 

「ん・・・」

 

朝日と鳥の鳴き声で目を覚ます。

横ではまだ2人とも寝ている。

トマホークはすでに起きていて伏せの姿勢でのんびりとしていた。

 

「おはよ、トマホーク」

 

トマホークは敢えて吠えずに私に寄ってきた。

2人を起こさないためなのだろう。

 

「2人を起こさないためなの?本当に頭いいね」

 

「わぅ・・・」

 

撫でてやると嬉しそうに尻尾を振っていた。

 

「今日はどうしよう・・・」

 

何か面白いクエストでも無いものかと思っていた。

 

「とりあえず顔でも洗お・・・」

 

そう思い立って洗面所に行った。

 

「そうだ、お腹の傷」

 

服を捲ってお腹を見てみると弾丸が貫通した跡がしっかり残っていた。

 

「うぅ・・・これじゃ一生物の傷・・・」

 

なんて嘆いているとリリアとマヤがほぼ同時に起きた。

起きたというかトマホークがベッドに登って2人の上で飛び跳ねて叩き起していた。

 

「うぷっ!!」

 

「きゃぁ!?」

 

飛び起きる2人。

そして満面の笑顔で尻尾を振るトマホーク。

 

「ト、トマホーク・・・?びっくりしたぁ・・・」

 

「心臓止まるかと思ったわよ・・・」

 

「わん!」

 

イタズラ成功みたいな顔で喜ぶトマホーク。

 

「支度したらギルドでいい仕事でも探そ」

 

「家は?」

 

「終わってから」

 

「ハルが何かを後回しにする時ってろくな事起こらないよね・・・」

 

「そんな事ない・・・ような・・・はず・・・」

 

マヤにそう言われてふと昔のことを思い出した。

心当たりが多すぎてどうしようもない・・・。

 

「今回はそんな負の連鎖を断ち切る」

 

「大丈夫かな・・・」

 

「とにかく支度して。行くよ」

 

2人が準備するのを待ってギルドに向かう。

その前に格納庫で今日飛ぶことをおじさんに伝えて離陸前の点検をお願いしに行かなきゃいけないが。

 

「先に格納庫?」

 

「うん、トムキャットのことお願いしに」

 

格納庫に入るとおじさんが私達を見るなり手招きした。

何かを手に持っている。

 

「どしたの、おじさん」

 

「嬢ちゃんビッグニュースじゃ!」

 

「ビッグニュース?」

 

「これじゃ!」

 

渡された封筒には王国軍のマークが。

そしてこの国の評議院のマークも・・・。

・・・嫌な予感しかしない。

マークの部隊章は王国軍第102航空旅団・・・。

主にガンシップや爆撃機を運用する部隊だ。

ちなみに評議院というのは異世界でいうCIAようなものだ。

また警察力も持っているため、CIAとFBIが融合したような組織だった。

 

「・・・」

 

中にはクエストの書類が。

 

「魔王軍キャンプの航空偵察・・・」

 

「ハル・・・やっぱり・・・」

 

「私のせいじゃない・・・」

 

「ちなみに報酬は格納庫と家らしいぞい」

 

「やる!」

 

私は即答した。

航空偵察で家と格納庫。

もらった!!

 

「ハル!?」

 

「航空偵察で家と格納庫なら安いもんだよ!」

 

「・・・だって、リリア」

 

「やるしかないわね・・・」

 

「よし燃料はサービスしといてやる!」

 

すでに飛べるようにフライトスーツを着ていたので意気揚々と戦闘機に乗りこんだ。

 

「そういえばおじさん、なんでハルにこんな依頼来たの?」

 

「リーパー撃墜とフェアリィでのペンギン迎撃の腕を買われたみたいじゃよ。上に上がったら評議院の連中から無線が来るから対応よろしくな」

 

「了解!」

 

「あとこのワンコはワシのところで預かっとくからちゃんと迎えにくるんじゃぞ!」

 

「分かってるよ!」

 

「マヤ、行くよ」

 

「了解!」

 

トーイングカーが戦闘機を格納庫から引っ張り出してくれる。

となりにはフランカーも出てきた。

 

「リリア、相手は魔王軍だけど油断しないように」

 

《分かってるわよ》

 

今回の装備は偵察用のカメラポッドに短射程ミサイル2発と中射程のスパローを4発。

自衛の準備も大丈夫だ。

 

「タワー、エンジェル0-1」

 

《エンジェル0-1どうぞ》

 

「滑走路へのタキシング許可を求めます」

 

《了解、滑走路17へのタキシングを許可。現在、滑走路にアプローチする航空機、離陸する航空機はありません。そのまま離陸してください》

 

「了解」

 

朝も早く、航空機は近くにいない。

いいチャンスだ。

 

「それじゃ、行こっか」

 

「おっけー!」

 

《一稼ぎね》

 

何事も無く滑走路へタキシングし滑走路に入る。

そのまま出力を最大にして離陸する。

 

「タワー、エンジェル0-1離陸完了。ありがとうございました」

 

《了解エンジェル0-1。良い旅を》

 

上昇しつつ進路を3-3-0に合わせる。

この方角に魔王軍のキャンプがあるそうだった。

 

「高度30000から偵察でいいかな?」

 

「うん、こっちの爆音に気づかれると結界で隠れられるかも知れないから迅速にやるよ」

 

「了解!」

 

《私は少し離れてCAPに入るわ》

 

「了解、そっちも気をつけて」

 

《まぁ、まだもうちょっと一緒に飛ぶけどね》

 

なんて話をしていたら無線が入る。

評議院のようだ。

 

《エンジェル0-1。聞こえるか》

 

「こちらエンジェル0-1」

 

《私は評議院の者だ。仮名として・・・ラングレーとでも呼んでもらおう。》

 

「了解ラングレー。」

 

《仕事内容については掌握済かな》

 

「事前に確認済み」

 

《了解した。君たちの仕事は魔王軍キャンプの航空偵察後、王国軍ガンシップを現地まで護衛するとあうものだ。敵性勢力に遭遇した場合はこれを排除しろ》

 

「そういうのは王国軍でやってくれないかなぁ・・・」

 

「マヤ、気持ちは分かるけどそう言わない」

 

《君たちの腕を買ってのものだ》

 

「えっらそーに・・・じゃ、報酬はきっちり用意しといてね!」

 

《君たちが無事であればだ》

 

「へへん!お財布握りしめて待ってろよー!」

 

「まぁ、国が依頼主だしきっといい報酬だよ」

 

「どんな家かなー!ふふ!楽しみだね!」

 

「うん」

 

そう話しながら飛行を続けていた。

するとまたラングレーから無線が入る。

 

《エンジェル0-1、内容の変更だ。魔王軍キャンプには渓谷を低空で向かえ。どうやら相手には魔王軍の中でも屈指の目と耳が良い奴がいる》

 

「渓谷飛行か・・・了解、ラングレー」

 

「大丈夫?」

 

「大丈夫、行ける」

 

高度を下げていくと分厚い雲が眼下に広がってきた。

 

「うわ、これ全部雲だったんだ・・・」

 

「いつの間に・・・」

 

《目標が近い。いい兆候だ》

 

雲を抜けると下は大雪だった。

視界も悪い。

渓谷を飛べと言われて飛べないほどではないが。

 

「降ってきたね・・・」

 

「うん・・・」

 

「雪山でベイルアウトは悲惨だから、頼むよハル!」

 

「任せて。でもこれじゃ、報酬上乗せだね」

 

「だね!聞いたよね、ラングレー!」

 

《それは仕事が終わったらだ》

 

「リリア、そのままCAPを開始して」

 

《了解!》

 

《まて、2機で向かえ》

 

《私も?!》

 

《CAPが見つかるとまずい。渓谷は大型旅客機が2機飛んでも余裕があるほど広い。行けるはずだ》

 

《分かったわよ・・・ハル、私も行くから!》

 

「・・・了解」

 

2機で渓谷飛行・・・。

大丈夫だ、私もあの子も操縦の腕はいい。

 

「ハル、高度に注意!」

 

「分かってる」

 

大雪だが目の前は3000m以上見える。

おまけに渓谷が戦闘機の爆音を防いでくれる。

楽しい渓谷飛行になりそうだ。

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