高度20000フィートの大空で   作:イーグルアイ提督

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スイーツの街

「〜♪」

 

「ハルが鼻歌歌うなんて珍しいね」

 

「あれ、聞こえてた?」

 

「そりゃもうガッツリと」

 

《そりゃご機嫌にもなるわよ。トムキャットに乗ったの久々でしょ?》

 

「うん。でもごめんね、今日のテストフライトに付き合わせて」

 

《いいわよ。目的地の街にも行ってみたかったから》

 

「なんて街だっけ?」

 

「んーと・・・キャリアーって名前」

 

「あ!あの空母の!」

 

「そうそう。だからリリアにも申し訳ないけどシーフランカーに乗ってもらった」

 

《いきなり艦載機に乗れって言うからびっくりしたわ》

 

今日行く街はキャリアー。

海に浮かぶ街のような場所だった。

街には異世界から送られてきてそのまま放置されていた航空母艦が使われている。

浅瀬に送られてきたうえ、損傷していて軍艦として航行する能力はほぼ無かったが艦載機を離発着させる能力はまだ残っており、これを見つけた冒険者がここを街として開拓したのだった。

気候的に暑すぎず寒すぎず、フルーツがよく育つ環境が整っておりスイーツの街としても有名だった。

街は空母を中心として海上に建物を浮かべて街を形成していた。

おまけにUボートが入ってこれない浅瀬のため比較的安全な場所だったのも理由だろう。

ただ、空港として機能している場所が座礁して航空母艦であるため、ここに来るにはヘリもしくはVTOL、艦載機としての能力を持った航空機でないと無理だった。

おまけに駐機場もそんなに広いわけでない。

空母とその周囲に簡易的に駐機場を増築しただけだった。

 

「でもスイーツかー・・・楽しみだね!ね、トマホーク!」

 

「わん!」

 

「トマホークも久々だね。こうやって飛ぶのは」

 

「だねー、危険なところに連れていく訳にも行かないし」

 

そんな話をしながらのんびりと飛行を続ける。

空は雲のほとんどない青空。

気持ちいい天気だった。

 

「そういえば空母に降りるのって初めてじゃない?」

 

「うん。だけどなんか行ける気がする」

 

「嘘でしょ!?」

 

《ハルって変なところで大胆よね・・・》

 

「リリアだって空母処女」

 

《なによその空母処女って!!!》

 

「じゃあ何がいいの」

 

《普通に言ってよ普通に!!》

 

「処女」

 

《違うそうじゃなーい!!》

 

「この絡み方はハルが機嫌いい時じゃないとしないよー」

 

《機嫌とかの問題なのこれ?!》

 

こうやって賑やかに飛ぶのも久しぶりだ。

綺麗な海を眺めながら飛ぶ。

レーダーにも警戒装置にも反応はない。

 

「ふぁ・・・暖かいから気持ちよくなってきた」

 

「後席はいいよね。寝れるから」

 

「へへへー、後席の特権ですっ!」

 

「でも寝るのはダメ」

 

「なんで!」

 

「周りみてて」

 

「うぅ〜・・・分かりましたよー・・・」

 

なんてしてたら目的地の街が近づいてきたのか無線が入る。

 

《エンジェル0-1、こちらキャリアー航空管制センター。そちらをレーダーで捕捉しました》

 

「エンジェル0-1了解。街への進入を許可願います」

 

《エンジェル0-1、街への進入を許可します。滑走路の後端及び先端部のスラム街に注意してください》

 

「了解」

 

キャリアーという町は変わった街で、空母の先端部と後端、航空機の離発着上最も騒音が激しく危険な地域は低所得者のスラム街と化してきた。

騒音と離発着の危険があるために土地としての価値が低いのと海上都市なため拡張が比較的簡単であるということ、街の領主が元々こういった街出身だったためにこういった人達向けのサービスも充実しているからだろう。

また街は艦の左舷側が私たちが目的とするスイーツ等が有名な地域で右舷側は街を機能させるためのボイラー施設や工場等があり、街の中を配管が通りまくっていて独特の雰囲気を作り上げていた。

全くそんな事はないが、とにかく入ったら出て来れなさそうな迷路のような雰囲気があった。

おまけに右舷側は着陸進入上大して影響がないので空母の艦橋を超えない程度までの高さのある建物の建築は可能でありそこそこな高さの建物が連なる街中を配管が空中を通っていたりして、少しだけ漏れている蒸気が何だか少しワクワクする雰囲気をつくっていた。

 

「ギア、フックよし・・・」

 

ゆっくりと近づいてくる甲板。

初めての着艦だ。

 

《ハル、失敗して塞がないでね》

 

「ちょっと、冗談でも酷いよ」

 

《あら失礼》

 

「こういう時だけお嬢様みたいな言葉」

 

《たまにはいいじゃない。緊張もほぐれたでしょ》

 

「リリアのせいで余計に緊張してる」

 

《なんでよ!》

 

「なんでもやねん」

 

なんて話しながらアプローチしていくがこうやって話していると緊張もほぐれる。

 

《エンジェル0-1、コース適正》

 

「了解。上手いこと行ってるね」

 

「さすがハル!上手い!」

 

「今は煽てないで」

 

トムキャットはゆっくりと甲板に近づき接地した。

フックがワイヤーを引っ掛ける。

 

《2番ワイヤー、レッドデッキ》

 

「ふぅ・・・リリア、次だよ」

 

《りょーかい!》

 

「初めてなのに元気だね」

 

「処女ビッチ・・・」

 

《ちょっと!!おかしいでしょ!!!》

 

フラフラと気持ちを表すように翼を振ったがその後何事も無かったかのように綺麗に着艦した。

 

「意外と上手い」

 

「ふふん!才能あるのよ!」

 

「こういうことだけね」

 

「酷くない!?」

 

「冗談だよ。じょーだん」

 

「いい加減泣くわよ・・・」

 

結構本気で涙目になっていた。

少し私の良心が痛む。

 

「ごめんって。お詫びにケーキ奢るよ」

 

「やった!」

 

「マヤじゃない」

 

「しょぼーん・・・」

 

これから行く店を話しながら艦を離れる。

1歩艦から外に出たら甘い香りが漂ってきた。

甲板の上にいた時は油のような臭いが漂っていたのに大違いだ。

 

「いい匂い!」

 

「わん!」

 

トマホークも美味しそうな匂いを嗅ぎ喜んでいるようだ。

それにしてもどこを見てもお菓子屋かカフェばかりだ。

 

「じゃ食べ歩き開始!」

 

「待った」

 

「あぅち!!」

 

嫌な予感がして歩きだしたマヤの首根っこを捕まえて止める。

 

「どこから行くの」

 

「全部!」

 

予感的中。

そんな事した日にはトムキャットの最大離陸重量を超えてしまいそうだ。

 

「マヤ・・・せめて2、3軒にしましょうよ」

 

「なんでー!いっぱい食べたい!」

 

「わん!」

 

「トマホークも食べたいって言ってる!」

 

トマホークは目をキラキラさせてヨダレまで垂らしていた。

2人とも食い意地張りすぎだ。

 

「じゃあ・・・」

 

私は1つ思いつく。

むしろ好き勝手食べさせればすぐにお腹いっぱいになって暴走も止まるのでは・・・。

 

「私たちはお腹いっぱいになったら着いてくだけにするからね」

 

「え・・・いくの?」

 

「大丈夫、マヤのことだから2、3軒でお腹いっぱいになる」

 

「ん、そうね」

 

そういうわけで歩きながら色々な店を回った。

そして色々なお菓子を食べ歩いた。

アイス、クレープ、ケーキ・・・。

もう1年分は食べたのではないかというくらい食べた。

それに思い出作りに写真も沢山撮った。

久々にいい思い出になりそうだ。

 

「・・・まだいくの?」

 

「まだまだこんなもんじゃないよ!ね、トマホーク!」

 

「わふ!」

 

2人・・・いや1人と1匹だがお前らの胃はどうなってるんだ、と言いたいくらい食べている。

もう6軒目だ。

私とリリアは3軒目で満腹になり、入る店で何も頼まないのもダメかと思いコーヒーや紅茶を飲んだりしてはいるがそれすらもキツくなってきた。

 

「あと何軒行くの・・・」

 

「無限軒!」

 

「あんたアホなの・・・?」

 

リリアも呆れたように言った。

そして7軒目に入ろうとした時だった。

 

「誰か、私と飛んでくれる人いませんかー!」

 

店の前でそう言っている女の子がいた。

・・・エルフ?

長くとがった耳に綺麗な銀髪。

エルフの特徴と一致した。

 

「ねぇハル、あの子・・・」

 

「うん。声掛けてみる?」

 

興味からか声をかけてみた。

 

「こんにちは」

 

「あ、えと、こんにちは!」

 

「飛んでくれる人探してるの?」

 

「はい、えと、私まだ戦闘機乗り始めたばかりで・・・」

 

「エルフで戦闘機乗りって珍しいね」

 

「はい、村長さんがお前が第1号じゃ!っていって送り出してくれました」

 

「そうなんだ。良かったら私たちと飛ぶ?」

 

「え、は、はい!お願いします!」

 

「決まりね」

 

「だね!私はマヤ、よろしくね!」

 

「あ、自己紹介遅れた。私はハル」

 

「リリアよ」

 

「私はミオって言います!よろしくです!」

 

「とりあえずお店入ろっか」

 

仲間を1人増やして店に入った。

飲み物やお菓子を注文して色々と話した。

 

「ミオは何乗ってるの?」

 

「えと、おじい様がF・・・35・・・B?っていう戦闘機をプレゼントしてくれました!」

 

「え、F-35B・・・」

 

「しかもプレゼント・・・」

 

F-35Bとは垂直離着陸が可能な超音速機だ。

オリジナル機であればステルス機能があるが市場に出回っているF-35はステルス機能をオミットしたレプリカ品だった。

なんでも、ステルスという能力がどういう物か研究段階だからだ。

わかっている事はレーダーから消えること。

機体に塗られている塗料が特殊な事だった。

 

「皆さんは何に乗ってるのですか?」

 

「私とマヤはF-14だよ」

 

「私はSu-35ね。今は33に乗ってるけど」

 

「トムキャットもフランカーも私は好きです!」

 

「そっか」

 

「あの、もし良かったら・・・早い気もするのですがパーティって・・・」

 

「うん。いいよ。リリアもいいでしょ?」

 

「ええ、仲間が増えるに越したことはないわ」

 

「じゃ、決まりだね!よろしくミオ!」

 

「はい!えと、街はどこになるのですか?」

 

「テキサスだよ。家も持ってるからそこで暮らそ」

 

「了解ですっ!」

 

色々と話しながらケーキを食べ終え、まだ食べたいというマヤを引きずって空母に行く。

 

「いーやーだー!!かーえりたーくなーいー!!!」

 

「もうお腹限界だから帰る」

 

「ほら、また来ましょ。ね?」

 

嫌がる子供を無理やり帰らせるみたいだ・・・。

それでも何だかんだもう夕方だ。

 

「うぅ・・・ぐすん・・・」

 

「また連れてくるから」

 

「約束だからね!」

 

「分かってる」

 

《ハルさん、コールサインはどうしますか?》

 

「エンジェル0-3でお願い」

 

《了解ですっ!あ、エンジェル0-3、コピー!》

 

「ふふっ、可愛いね」

 

「見てて癒される」

 

《ハル、準備いいわ》

 

「了解。管制、こちらエンジェル0-1」

 

《エンジェル0-1どうぞ》

 

「カタパルトへの誘導願います」

 

《了解、2番カタパルトに誘導します。誘導員に従ってください》

 

「0-1、了解」

 

ゆっくりとタキシングしカタパルトに向かう。

カタパルトは目の前ですぐに到着した。

 

「マヤ、トマホークをしっかり抱えてて」

 

「了解!」

 

《エンジェル0-1、発艦支障なし。発艦を許可》

 

「了解」

 

私は推力を一気に上げる。

その数秒後、機体はカタパルトで急加速した。

 

「ぐっ・・・!」

 

初めての感覚。

シートに押し付けられるようだ。

 

《0-1発艦確認》

 

車輪とフラップをしまい、高度を上げていく。

数分後には3機とも揃った。

 

《普通に滑走路から上がる方がいいわ。時間かかるし》

 

「まぁね。おまけに首痛くなりそう」

 

「カタパルト甘く見てた・・・」

 

「どしたの?」

 

「後頭部シートにぶつけたぜ・・・」

 

「調子は?」

 

「大丈夫だよ。トマホークも大丈夫そう」

 

「了解」

 

《じゃ、帰りますか》

 

「だね。ミオ、編隊は組める?」

 

《大丈夫です!》

 

「了解。先に村だよね」

 

《はい!えと、降りたらすぐ上がってきますので待っててください!》

 

「了解。リリア、途中で給油の必要はある?」

 

《ここからテキサスなら2往復はできるわ。大丈夫》

 

「了解。こっちも大丈夫だね」

 

「夕焼け綺麗だねー・・・」

 

「うん。マヤ、写真よろしく」

 

「あ!待って、リリアとミオを夕焼けに重ねたい!」

 

「マヤにしてはセンスあるじゃん。おっけー、誘導して」

 

「一言余計だよ!えと、少し上昇して2機の左後方・・・リリアが1番機になる感じにして」

 

「了解。リリア、分かった?」

 

《ええ、大丈夫よ。太陽もその方向だし》

 

「ミオも了解?」

 

《了解です!この方位速度を維持でいいですよね?》

 

「うん。そのまま飛んで」

 

《ウィルコ!》

 

私は少し操縦桿を引き上昇しハイ・ヨー・ヨーの要領で後方につく。

 

「位置は?」

 

「んーと・・・ちょっとだけ離れて!」

 

「了解」

 

少しだけ左旋回して10mほど離れた。

 

「おっけー!そのまま!」

 

コックピットのミラーからマヤを見ると何枚も写真を撮っていた。

 

「完璧!」

 

「後で写真頂戴ね」

 

「もちろん!みんなにあげるよ!」

 

《楽しみね》

 

《楽しみです!》

 

私は加速して再び編隊の先頭に出る。

その時だった。

 

「ん」

 

コックピットに短い電子音が鳴る。

私は反射的にRWRを見た。

・・・反応がある。

 

「レーダースパイク!!」

 

《え!?》

 

《しまったこっちもよ!!》

 

「マヤ!後ろ見てて!」

 

「りょ、了解!」

 

《ハル!あなたはトマホーク連れてるんだから高機動はダメよ!》

 

「分かってる、私はミオを連れていくから援護お願い!」

 

《了解!》

 

「ミオ、着いてきて」

 

《わ、分かりました!》

 

リリアのフランカーはレーダー照射を受けている方向に上昇反転した。

私はミオを連れて高度を下げる。

下は広い森だ。

暗くなっているおかげで機体の色、特にミオのF-35は隠れやすい。

 

《ハル!見つけたわ!空賊よ!》

 

「楽しい旅行を邪魔しにきやがって・・・」

 

「言葉が汚いよハル」

 

「こういう時くらいいいでしょ」

 

《待った・・・まさかフォックスハウンド!?》

 

「え!?」

 

《敵機視認!Mig-31!》

 

MIG-31はマッハ3近い速度が出せる迎撃戦闘機だ。

機動性は高くないがとにかく足が速い上に積んでいるミサイルもマッハ4.5ですっ飛んでくる。

最大射程ならまだしもある程度近づいた距離で撃たれ、それこそ推進剤が切れた直後など最大速度のミサイルが飛んでくる。

見つけて回避はほぼ不可能だ。

 

「私たちを爆撃機か何かと勘違いしてるのかな!」

 

「向こうにはそう見えてるみたいだね」

 

《レ、レーダースパイク!》

 

「落ち着いて。撃たれたらとにかく動き回って」

 

《りょ、了解です!》

 

《FOX3!》

 

「リリア、そっちはお願い」

 

《分かってるわ!今2機落とした!あと一機・・・しまっ!!》

 

「どうしたの?!」

 

《フォックスハウンドがミサイル発射!》

 

《け、警報鳴ってます!!》

 

「ミオ!ブレイク!」

 

ミサイルはミオに向けて放たれたようだ。

ここからミサイルの煙が見える。

 

「動き回って逃げて!!」

 

《りょ、了解!》

 

《撃墜!!》

 

爆発閃光が見えた。

リリアがフォックスハウンドを落としてくれたようだ。

あのミサイルはセミアクティブだから母機が落ちれば問題ないはず・・・。

その時だった。

 

《きゃあああ!!!》

 

「ミオ!!」

 

ミオのエンジン付近で爆発が起きた。

母機が落ちてもミサイルの近接信管がまだ生きていたのか偶然飛んできた先にミオが居て信管が働いたようだ。

エンジンが大きく破損し炎が吹き出ている。

 

「ミオ!ベイルアウト!!」

 

《はぁっ、はぁっ・・・!了解です!》

 

「必ず迎えに来るから!!」

 

パラシュートが開いたのを確認してテキサスへの帰りを急ぐ。

ここから30分。

そのあとマヤのヘリで2時間だ。

 

「マヤ、ヘリお願い」

 

「分かってる!」

 

「リリアは帰ったら近接航空支援の装備!」

 

《了解!》

 

「待っててミオ・・・迎えに来るから」

 

空港に降り立つと私はすぐに格納庫にある私たちの武器庫から武器と装備を出した。

M4とP226。

M4にはXPS-3と呼ばれるホロサイトとハンドガード先端部の上面レールにAN/PEQ-15というレーザーとフラッシュライトが搭載された機器、アングルドグリップを装着した。

弾丸は通常の5.56mmと9mmRIPだ。

アーマークラス4相当のプレートをキャリアに入れてComtacと呼ばれる集音機能付きのヘッドセットを装着した。

おまけに寒くなってくる時期だ、OD色のソフトシェルジャケットを着て準備はOKだ。

 

「わぉ・・・気合い入れてるね」

 

「当たり前でしょ、人1人助けに行くんだよ。トマホークも連れていくけどいい?」

 

「いいよ!ワンコの鼻はいいからね!」

 

「わふ!」

 

トマホークもやる気満々のようだ。

 

「よし、行こう!」

 

予備の弾倉はバックパックに入れた4本と銃を合わせて9本。

270発と拳銃用の15発入り弾倉が銃と合わせて3つ。

救急品と非常食を詰めたからバックパックもそこそこな重さだがなんとかなる。

私はヘリのキャビンに乗り込んだ。

 

「マヤ、なるべく着陸できる所を選んで。ダメならロープで降りる」

 

「ファストロープできる?」

 

「やったことはないけど、この際やるしかないよ」

 

「全く男気溢れるね・・・いいよ!了解!」

 

ヘリはテキサスを飛び立ち墜落現場に向かった。

私は自分のM4を見て考え事をする。

もしあの現場に人がいたら・・・。

魔獣は必ず居るだろう。

そのための銃だ。

だけど人は・・・。

私は誰も撃ったことないなんて事はない。

もう何人も撃ち殺した。

私の中で相手は悪党だからと正当化してはいるが・・・。

戦闘機に乗って相手の戦闘機を撃つのとは訳が違う。

相手の顔だって見えるのだ。

私はずっとそんな事を考えていた。

だけど今はそんな事よりもミオの身が心配だ。

 

「無事でいて・・・」

 

あの損傷だ。

怪我ひとつない可能性なんてない。

それに魔獣が沢山居る森に墜落した。

武器を持っていないなら一刻を争う。

到着まであと1時間30分。

私はずっと無事なように祈っていた。

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