月がこうこうと輝いていたある日、私は母の形見を返してもらうべくある場所に来ていた
黒の教団本部。たくさんのAKUMAの情報、エクソシストの数を誇るいわば人々の希望の場所にどうしてそこに母の形見があるのか謎だが、このまま無視することが出来ず入口を探した
ぐるりと1周するつもりが半周の所で入口と思しき場所を発見した
セキュリティの意味を成さないドアを素早く通り過ぎ、本部の中に足を踏み入れた
入口から歩き進めるとすれ違う人がおらず楽に母の形見を探すことが出来た
母の形見は1族にしか感じることが出来ない“気配”を放している
そのため1族でない人が形見に触れようとすると触れないという事態が起こるのだ
おかしな話だが本当の話だ。現に本部の人々は母の形見を触れることに試行錯誤したと聞くしまあ、母が手伝ったとか曖昧だがここにあることは事実。1族が私一人しか居なくなってしまった現在、形見を手に取るのは誰が見ても文句はないだろう
人に会うことがなく“気配”を感じながら室長室に辿り着き扉に近づき、人間の気配を探すが誰もいないようだ
扉を開け、一目散に形見に取り、室長室から去る
よし、任務完了。さ、帰ろう。ここにいては感覚が鈍り、洗脳させられるからな
室長室から入口まで走っていると前から白髪の青少年が歩いているのが見えた
顔を見た瞬間に私は察知した
そいつに関わってはいけないと
気づかれてないことをいいことに私はUターンし、別の道から外に出れる場所を探す。が、窓のない教団内でしかも初めて訪れた場所で出口探しなんて至難技である
迷子フラグが立っているがへし折る勢いで探さないと…
白髪の青少年から離れ、外の風を感じながら走る私。前からどんどん人の気配を感じつつ避けながら出口を探す私。
母上。私に形見を取りに行かせましてや人を避けながら出口を探すなどというこそドロみたいな試練を与えるなんてどんだけ厳しいんですか…
早く家に帰って形見をじっくり見て、ベットで眠りにつきたい。もう、ここにいたくないです、母上
なんて馬鹿げたことをしながら走る私をアイツに言えば爆笑されるのがオチだろう
自分でも思う。滑稽だと
教団内を駆け巡り、やっとたどり着いた出口。入ってきた時と同様に素早くでて、裏に周って崖を飛び降りた
その場面をティムキャンピーが捉えてるのを知るよしもなく私は飛び降りたんだ
“…ジャンプで崖を登り、ジャンプで崖を降りる私、凄くね?脚力マリオ並みじゃない?”