はいすいません遅筆です
しかも今回は話は進まない感じです
個人的にこのシリーズは、星型の一人称視点と、他の三人称は一話完結で話の切り替えは無く、基本1話完結だが、必ず話の最後に星型の一人称がちょっと入ってくるよ、というルールで作っています
ラッキースター。
それは誰が言い始めたのか。
気付けばノイズと相対した自衛隊員や特異災害対策機動部一課の対ノイズ初動部隊で広まっていた。
ノイズの大群の中に、星形のノイズがいれば生存率が高まるらしい、と。
実際、何度も目撃している側からすると、人型や蛭型と言った陸戦小型ノイズの中に一体だけ違和感バリバリで混じっている。
違和感が何か、というのは言うよりも見れば分かる。
一発で分かる。
まず、見た目がそいつしかいない。
その上で形が星形。
レモンイエローのカラーリング。
言ってそのまま、ズバリ直立している星形なのである。
その上で、挙動が目立まくる。
もしこのノイズが星形でなかったとしても、一発で分かるだろう。
出現した瞬間を目撃した貴重な報告からのものなのだが、まず出現直後、キョロキョロと辺りを見回し、続いて気合いを入れるように両手を打ち合わせたそうだ。
それだけに限らず。
伸びをしていた。
四股を踏んでいた。
目に見えて落ち込んで肩を落としていた。
リズムに乗ってステップを踏んでいた。
いったいお前等命のかかった戦場でなに見てるんだと言う程ふざけた目撃情報が集まっているのである。
よほど印象に残るのは、仕草が無闇矢鱈に人間くさく、感情豊かだからだろうか。
そして、その存在を知る大多数に好意的に見られる最大の理由。それは——
人間などに見向きもせず同じノイズに襲い掛かる事だった。
開幕一番、隣にいた手がアイロンみたいなノイズにドロップキックを食らわしたかと思えば、蛭型にストレート、鉤爪持ちにフック、ブドウの房のようなノイズはアッパーで上空に打ち上げていた。
冗談みたいに直上へすっごい飛んだ。
しかし、解析班の報告によると、とんでもなく吹き飛んでいるのだが、ダメージは一切無いらしい。
位相差障壁の応用なのか、ノイズ同士の行動ではお互いダメージを受けないようで、星形が暴れ回った後、ノイズが一体も減っていないことに気付いて地団駄を踏んでいたらしい。
極めて分かりやすい事である。
星形もその事には学習したようで、手段の無いときはただ弾いて飛ばしているのだが、道路標識を引っこ抜いて棍棒代わりに使ったり、5mぐらいの大岩を投げつけたりしてノイズを破壊し始める。
あぁそうだ。このノイズ。
無茶苦茶力持ちなのである。
ノイズの驚異として共通認識となっているのはその人間を対象とした炭化能力と、通常物理法則下のエネルギー法則に干渉、物体に対して接触と透過を自在にコントロールし、人類側の対抗手段をほぼ封殺する能力である。
だがこのノイズの場合、炭化されるより素でぶん殴られた方が見た目悲惨極まりない結果になりそうなのだ。
なんとこのノイズ、山岳地帯で震脚をかましたらそのまま土砂崩れが勃発しやがったのである。
冗談抜きで山一つ崩落したのだ。
星形自身、意図せぬ威力だったのか、何らかの理由で地盤が緩んでいたのか。
間抜けな事に、巻き起こした本人ごと巻き込まれる大災害となったのだが、普通に土砂を吹き飛ばして飛び出てきたので、二課のメンバーはこう叫んだものである。
司令かあいつはーっ!
一斉にハモったらしい。
…………別のところに突っ込んだ方が良いと思うのは気のせいだろうか。
天羽奏はシンフォギア装者である。
星形は対ノイズ装甲と呼んでいたが、実態はそれで正しい。
正式名称はFG式回天特機装束。
詳細は省くが、要は身につけた者の身体能力を増幅し、ノイズの炭化能力から身を守り、逆にノイズの特記すべき防御機能である位相差障壁の波長を強引に調律することで物理法則が有効な位相で固着し、詰まるところ殴れば砕ける状態に引きずり落とすことである。
ノイズに効果的な、現在唯一の装備である。
その力を手にするため、奏は文字通り、血を吐くような努力をしてきたのである。
彼女の根幹において、そこに根付くのはノイズへの復讐心、憎悪である。
その想いが揺らぎかねない事に、彼女は戸惑いを——それは苛つきなのだ、と言うことにしていた。
言い聞かせざるを、得なかった。
「あぁんら、奏ちゃん」
もの思いに、耽りすぎていたのか。
接近に気付かなかった。
「おわぁっ!? ってあんたか」
「いやぁ、ツレないわねぇ」
まるで軟体動物のように奏にしなだれ掛かっている女性は櫻井了子。
シンフォギアのコアとも言える聖遺物。
世界各地の遺跡等で欠片だけとは言え発見されるそれら超先史文明による異端技術の代物を、何とか現代の技術で活用できるレベルに押し上げた理論の提唱者である。
その理論は彼女の名から櫻井理論と呼ばれ、世界有数の第一人者として立場を確立している事をなにより証明していた。
表向きには存在していない特異災害対策機動部二課における聖遺物関連の技術を一手に担っていた。
だが彼女。
優秀なのだが人として絡まれると。
うん。大分良く言っても……うざったいのだ。
奏は普段なら要領よくかわしたり、相棒である翼を生け贄にしたりするのだが、今日は考え事をしていただけに逃げ遅れたのである。
もとい、そんなタイミングを見越して絡んできたので故意犯なのだが。
「ん〜、分かってるわよ、奏ちゃん。あのノイズの変わり種の事、考えてたんでしょ?」
「いや……そんなこと……」
「ある。でしょ?」
「ぬぎぎぎぎ……」
ざっくばらんで気っ風の良い奏であるが故に、歯切れの悪い言い方が実際、本音を証明していた。
「と、言うわけで。これ見て」
了子の差し出したタブレットにはなにやら難しい波形やデータがびっしり書き込まれていた。
思わずジト目になって了子をみる。
何も分からない。
「なぁ、あたしの頭が悪いって分かっててやってるよな」
「あら、間違えた。大丈夫よ奏ちゃん。これ、そこらの科学者でも分析できないレベルだから。えーと、えーと」
なんだその嫌がらせ。
奏が視線で避難する中、全く馬耳東風でデータをフリックしていく了子。
「あーこれこれ」
「いや、やっぱりわかんないんだけど」
「まぁ、分かりやすく言うとね。このノイズ。あなたの歌を聴くと活性化するみたい」
「………………はぁ?」
「実際、あなた達が現場に到着すると真っ先に突っ込んでくるでしょ」
「確かに」
星形は他のノイズを吹っ飛ばしたり飛行型にド突かれたり、山を掘り抜いて温泉を噴出させたりしていたのだが、奏と翼が現場に到着すると地面を吹き飛ばす勢いでやってくるのである。
「あいつ、めっちゃテンション上がるしなぁ」
「余程気に入ってるのねぇ。実際活性化してるのよ。しかも翼ちゃんよりもあなたの歌の方が相性いいのよね」
「まぢか!」
「マジよ!」
「ぐあああああああああああああああ!」
知りたくない事実だった。
思わず頭を抱えて仰け反る奏。
まさかのノイズが自分の歌のファンである。
この——歌の、と言うのが致命的だった。
「て、待てよ、つまりこのノイズ」
「えぇ、フォニックゲインを取り込んでエネルギー源に出来るわ」
さて——今新しく出たフォニックゲインと言う名称。
それは櫻井理論における最重要事項である。
超先史文明の遺物は、様々であるが総じて共通する項目として歌に込められた力を源とする。と言うものがある。
この、聖遺物を稼働させる力を了子はフォニックゲインと名付けたのである。
シンフォギアは、聖遺物をコアとしたものだが、用いられているのはほんの欠片、本来ならばフォニックゲインを供給したところで力を発揮することは殆ど無い。
故に、了子が開発したシンフォギアは持ち主の戦意に反応し、持ち主の歌を補助し、適合するフォニックゲインを生み出すことで適性に併せて聖遺物の機能を順次解放、増幅していく代物を作り出した。
特筆すべきは先も述べた通り、ノイズの位相差障壁を歌の波長で調律し、物理攻撃が通用する物理法則下へ固着させることである。
加えて堅牢かつノイズの炭化作用を阻害する防護フィールドを展開する、まさにノイズへの切り札と言っていい機能を持っている。
それが。
まさか。
ノイズを打倒すべき歌が。
「ノイズを活性化させる……」
まるで、シンフォギアではないか。
自分の歌がノイズを討ち滅ぼし、人を救う。
そのはずの……歌を。
ノイズ側が早くも対抗処置を施してきたのか、と断じても無理がない脅威である。
こちらの力の源を横からちょろまかして自己強化に当てるノイズがこれ以上増加などされてしまえば、こっちの優位性が一気に奪われる。
——ましてや、奏のようにシンフォギアの使用に制限があるタイプは、殊更に、だ。
「そう。もっとも代償が無いわけ、でも無いのだけれど」
「どう言うことだよそりゃあ?」
「奏ちゃんの歌を聴くとポテンシャルが軒並み跳ね上がるのは確かなんだけど、その分活動時間が縮められるみたいなのよ。本人(?)は気付いていないみたいだけど、半ば暴走的なものなのかもしれないわね。前回、奏ちゃんの槍を握った時なんて顕著だったわ。すごい勢いでノイズを駆逐していったけどいつもより5分近くも早く崩壊を始めたみたいだし」
確かに、分裂増殖した槍を握っている腕から崩れて行っていた。
そう言えば敬礼なんてしてたなアイツ。
妙に生意気で奏はムカっ腹が立ってきた。
「あぁ、それで聞きたかったんだけど。毎度一体しかいないから同じノイズとして扱ってたんだけどさ、アイツ一応、制限時間に達して炭になるだろ? その次に出てきた奴は別個体……で、良いのか? どうも、同じものにしか見えないんだよな」
「おぉ、奏ちゃんにしては良い着眼点ね」
「あたしにしてはーってのが気になるんだけど何だよ、続けてくれ」
「確かに、毎度あのノイズは炭化崩壊を起こしているわ。でもね、モニターしている側から言うと、明らかに次に出現した個体は前回の経験を継承……つまり引き継ぎしているのよ。
自分の動きとそれによって周りがどうなるのか、それを受けたノイズがどうなるのか、確認しながら動いていたみたいだったのが、出現の都度どんどん模索して挙動が洗練されて居るみたいだったし。
何らかの形で経験値の継承的な事を行っているのは確かだわ。これがあのノイズだけなのか、他のノイズも含めてなのかは分からないけど。
ノイズの行動ルーチン継承なんて悪夢以外の何者でもないわねぇ。
弦十郎君なんかは、意図した動きと体のズレを少しずつ認識を擦り合わせているみたいだーなんてマンガの武術家みたいな事言ってたしー?」
「旦那の言うことだとあながち冗談だと笑えねぇんだけどなぁ……でも、つまりそれってあれか? あのノイズ自体も、今あんな風になってるのが想定外ってことなのか?」
「案外、そうだったりして。今度話しかけてみない?」
「冗談じゃねぇ。ノイズに話しかけるなんて正気の沙汰じゃねえよ」
「でも、一課の隊員がジェスチャーしたら真似して返したみたいよ?」
「何やってんだよそいつ!? っていうか余裕あんなぁオいぃぃってひゃあああああ!」
頬をひきつらせる奏の耳元にぬるりと入り込んだ了子は声を忍ばせた。奏が飛び上がったのは耳の穴に息を吹き込んだだけだが……。他には何もない。無いったら無い。
「これは……ここだけの話なんだけど」
「なんだよ、こそばゆいな。そんな声潜めるようなことなのかよ」
「結構重要よ。あのノイズが通常の殴打では他のノイズにダメージを与えられないのは確かなんだけどね」
「いや、そりゃあたしでも知ってるけど」
今更秘密にするようなことでもない。
「それはあのノイズにも分かってるけど、やめようとしないのはね、単にノイズが人間にぶつからない様にしているだけじゃないみたいなのよ」
「はぁ?」
「あれに叩かれると、位相差障壁が暫く展開できなくなるみたいなの。なんか親近感抱いた隊員があのノイズを援護するつもりで銃を撃ってたら、無効化される割合が余りに低いんで色々試してみたらしいわ。そしたらビンゴ、星形のノイズに接触したノイズは、しばらく位相差障壁が展開出来なくなって普通に撃破できるって。この事に関しては箝口令が即座にひかれたわ。分かるでしょ」
「あたしらのシンフォギアの特性を独占しときたいって事だろ?」
「上って本当に面倒だものねえ。他にも方法があるかもしれないってなったら、何かしら言ってきてシンフォギアの開発に難癖付けられても困るもの。翼ちゃんにはもう言ってるわ。現場にいたら気付きやすいでしょうと思って先に言っておくわけ?」
「おっけー。あたしもシンフォギア取り上げられたら困るからな。分かったよ」
自分達しか居ないから、副作用の強い投薬を使ってまでシンフォギアを使っている事が容認されている奏である。
だが、もし他にも手段があるとなれば。
人命尊重や、人体実験への忌避感からシンフォギアが奪われるかもしれない。
まったく面倒な——あのノイズへの敵愾心。その理由が一つ増えた、と奏は嘆息した。
「で。今のが本題なら、もう良いかい?」
「もう、奏ちゃんったらつれないわねえ」
「あたしは翼と違って可愛い路線じゃないんだよ」
「それはいけないわね。女の子はいつまでだって可愛くなきゃ」
「いや、良いから良いから!」
なお絡む了子を引き剥がし、奏はそそくさと去っていった。
逃げていった、とも言う。
さて。
残された了子はしばしくねくねしていたが、顔を真顔に戻し、イレギュラーについて思案する。
出現は4年前から。
まさかとは思うが、時期が一致する聖遺物による事故がアメリカで起きている。
ノイズは一切関係のない事故だったはずだ。
シンフォギア適性者。しかもずば抜けたフォニックゲインを生み出す適性者が命を落としたらしいが、ほんの僅か、勿体ないと言う感情が僅かに持ち上がるぐらいである。
ずば抜けたフォニックゲイン生成者と超先史時代の遺物は組み合わせ次第では如何様なことでも起こりえる。
そう。例外的に皆認識しているが。
ノイズもまた聖遺物だ。
世界各国に残る怪異の伝承の元である、と知れ渡っているせいか、聖遺物、と言う単語の印象と一致しないかもしれない、だが、実態はおそらくシンフォギアに用いられている聖遺物となんら変わらない。
しかも、一切欠けていることのない完全聖遺物である。
他のものと違い、粗悪な量産型でしかないが。
だが、ノイズは他の聖遺物とは違い、フォニックゲインには反応しないはずなのだ。
あれは、人間が人間を殺すために作り出したもの。
もし、殺戮対象の中に適合者が居た場合、そっくり戦力を奪い取られる可能性がある。
コマンド入力者及びその指定した例外を除く不特定多数を対象として殲滅活動。
かつコマンドを入力するだけであとはほぼ自律活動する性質であるために、万が一にも鹵獲を防ぐために決して人の放つフォニックゲインに反応しないように出来ている、筈なのだ。
しかも、破壊されても経験値を引き継ぎ、再生産されているようだ。
そのやり方が分からないが、いずれ突き止め、初期化してやれば今のような例外行動はとらない……筈……だ、と思っている。
もうじき、ネフシュタンの鎧への機動実験が行われる。
必ず、あの星形も出現するだろう。
いつもどおりの行動なら問題がないのだが。
「あの……どうしたんですか?」
「あら緒川君、どうしたの?」
「さっきからチンアナゴみたいな動きしてますけど、何かありましたか?」
了子は気付かぬ内に再びくねくねしはじめており、それを疑問に思った男性職員に声をかけられたらしい。
「…………」
「あのー?」
色々な感情が相混ざった状態ながら臑を蹴っ飛ばした。
「あたぁーっ!?」
面白いぐらいに跳ね上がった、と言っておく。
_/_/_/ _/_/_/
一つ。気になることがある。
ノイズが攻撃する際、形態変化を実施するものは多い。
たとえば飛行タイプ。
普段は鳥のような形で飛行しているにも関わらず、ドリルのように捻れて降ってくる。
実際ドリル状の先端で人間を突き刺し、諸共炭化するのである。
さて、ここで本題である。
俺同様、陸戦歩兵タイプのノイズに良くあることなのだが。
腕とかを伸ばすとそのまま細い筋となって高速移動、そのまま突撃する攻撃がある。
あれ。俺にも出来はしないだろうか。
使えたら実際、あれはかなり便利である。
だがあれ、どうやれば出来るのか見当も付かないのだ。
と言うか、変形にも度が過ぎるのでは無かろうか。
だが、ノイズに出来るというならば、俺にも出来るはずなのだ。
位相差障壁を展開できない俺だが、他の機能ぐらいは出来るはずなのだ。
やり方がさっぱりだが。
と、なれば話は簡単。特訓だ。
だが、何をどう特訓すればいいか検討も付かないので、とりあえず思いついた端から試してみる他はない。
しかし、その姿を見られるのは恥ずかしいものがある。
努力は尊いものであるのは誰しも周知の事実であると思うが、実際その様子を見られるのは年を重ねるごとに恥ずかしくなっていくものなのである。
と、言うわけで。
いつも暇つぶしに広大なこの謎空間を散歩している俺は、いつも通りと、さりげなく距離をとり、一人こっそり特訓することにした。
陰ながら研鑽を積む。どことなく格好良い気がしないでもない。
ふっふっふ。実はこのために、大分前から散歩を日課にして不自然に感じさせないよう伏線を張っていたのである。
この空間に無造作に投げ捨てられている至宝の取説粘土板を読みあさるのも、結構楽しかったりする。
ハマりすぎて帰るのが遅いと、セレナが食事を待っていたりして臍を曲げるので注意が必要だが。
俺は食事が出来ないから気にせずとも良い、と伝えてはいるのだが……。
後でセレナに見せて驚かせようと言う童子心も無いことは無いのだし。
ではまず、見たままを真似してみよう。
出撃した際、見たままに。
腕を突きだして変形しろおおおおおおお! と念じてみる。
しかし、何も起こらない。
変形、では無いのだろうか。
もしかしたら細くなっているのかもしれない。
細くなれええええええ! と念じ、心なしか体を細めてみる。
しかし、何も起こらない。
なお、延びろおおおおお! でも駄目だった。
早くもネタが切れた。
仕方がないのだ、想像と言ってもそれぐらいしかないのである。
待てよ、とふと思いつく。
しばし、後ずさり。
助走をつけて前方へと突撃、飛び込みつつ、突きだした手を中心に螺旋回転。
うねくりながら突っ込んだ俺は偶々そこにいたノイズに炸裂、その身を抉りながら、共々上空へ伸び上がり、とうとうそのどてっ腹をぶち抜いた。
回転をおさめつつ、姿勢を正し、着地。
残心し、構えをとる俺の背後でノイズが大爆発した。
期せずしてなんか新技が出た模様である。
……ところで……フレンドリー・ファイア防止機能はどうした?
しかし、本来の狙いが出来ない。
……構えがいけないのか?
アイツ等は無造作に手を差し出しているように見えるが、実は複雑な工程を経ているのではないだろうか。
思いつく限りに、様々な構えをとってみる。
違うとは思うものの、奏や翼が対ノイズ装甲を展開していた時の姿を真似て体捌きを真似てみたり、翼の真似をして逆さまになり、足を開脚してぐるぐる回ってみたりした。
当然だが、やっぱり出来ない。
ふーむ……と、こめかみ……と、自分では感じるところに指先をこつんこつんやりながら思案していると、ふと気付いてしまった。
バレバレながら身を隠しているセレナがこっちを矯めつ眇めつしていたのだ。
心なしか頬が紅潮しており、鼻息が荒い。
見・ら・れ・て・た。
思わずズサササァアアアッ! と後ずさる。
「あ、うわっ、見つかった!」
我ながら失態である。
こんな、さっぱり気配が消せていないセレナに気付かないとは。
「うわ、赤っ! 全身真っ赤! ごめん! ごめんなさい! なんか毎日ふらっとどこかに行ってるから何してるのかなーって気になって……」
うわあああああ! 複線どころか興味持たせて墓穴掘ったああああああああああああ!!!
今日が特訓初日なのになんつーたいみんぐぅううううう!?
「うわ、打ち上げられた魚みたいに暴れてるんだけど! 大丈夫、格好良かったから! な、なんて言うか、腕を伸ばしているところとか、さ、様になってたよ」
初めから見られてた。そりゃ尾行されてりゃ見られてるよな。
あとそれ、慰めにしても不出来に過ぎてこっちが心配になる。その……語彙的に。
「うわ、赤っ! と言うより心なしか発熱してる!? 熱っ! 本当に熱っ!? え? ちょ、て、え、え、えぇ、え、えええええええええええええええええッ!?」
ズッゴオオオオオオオオオオーッ!!
とばかりに爆音が足下から炸裂した。
あまりの恥ずかしさに顔が火を噴く状態になったのだろう。
温度の高まりと共に内圧が高まっていき、それが。
星形故に頂点形状になっている足裏から放たれたのであった。
「飛んだ! 飛んだよッ!? 飛んだああああああああ!」
死滅しているセレナの語彙を下方に、凄まじい勢いで急上昇。
ノイズの身とはまっこと摩訶不思議なり。
ちょうど2分後、セレナの姿が見れなくなって平静に戻ったのか、急に推力が切れて俺は墜落した。
本当にこの空間広すぎる。
そう、広すぎるのだここは。
ていうか、ここ何処だ?
ていう流れで、三日ぐらいガチで遭難した。
結局、いつもの出撃、からの、炭化崩壊で帰る羽目になった。
セレナの脱出も考慮すると、やっぱり探索して地図でも作らなきゃいけないかもしれん。
真面目な話である。
助走をつけて螺旋回転、貫通後爆発
超電磁■ボコンバトラーVの動きで突っ込んで■ガドリルブレイク、仕上げに勇者シリーズばりの爆発とてんこ盛りとくると……うん。色々盛りまくったあのドラ娘である。
きっと後に天国と地獄的に拘束する技を最初に追加するに違いない。
打ち上げ
だいたい、緒川さんと星型が打ち上がっているだけである。
まあ、ぽんぽん、星型が普通のノイズカチ上げてたりするが