騒音のミストレス   作:九十欠

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 皆さまお久しぶりです
 一月以内にできれば……なんて言ってましたがこの有様です。
 ゲッテルデメルンク通り過ぎてもうすぐシンですよって有様です。

 ワルキューレ可愛いですよね。頑張ったけど宝具1だったよ。夫婦、聞くなよ……。
 スルーズってトールの娘らしいですよ、じゃあ、大神はお父様じゃなくてお爺ちゃんじゃね?
 プリヤの半巨人と異母兄弟になるのかね?

 とまあ、誤魔化しはここまでにしておきまして、本当に申し訳ありません。
 長くなりすぎた文章を4分割して一挙投稿、なので、皆様はこの四話前、05憂慮からお読み下さいませ。

 今回、源十郎に敬語を使わせるんだけど、2度とないから安心してくれ。
 自分でも凄え違和感があるんだ……。

 ……やっと、次回から一話に突入できる……



08 ねぎ

 兎に角、この家には入らなければならない。

 翼はインターホンを鳴らすと、しばらく経って、恐る恐る、という感じで女性が出迎えてくれた。

 

「申し訳ありません、特異災害対策機動部のものです」

「あ、緒川さん!?」

 混乱の兆しを感じたのだろう。

 こんな時に細かい気配りが出来るマネージャー。

 翼のマネージャーもやっている緒川がいつの間にやらするりと割り込んで対応していた。当然秘匿されている二課と言う言葉も伏せている。

 流石と言っていいのだろうか。全く今まで気配を感じなかった。

「今回、少々特別な事でな——お話、よろしいですか?」

「叔父さ……司令まで!?」

 さらにぬぅっ、と熊が出るような迫力で赤いシャツが印象的な大男まで入って来た。

 そう、司令であり翼の叔父でもある風鳴源十郎であった。繰り返すが、迫力が凄まじい。

「おう、翼。ここは話が必要なんでな」

 

 お前が思っているより大きな事になっている。

 

 目が、そう語っていた。

 

「あ、あー!? えー!? ツ、ツヴァイウィングの翼さん!! しかもあの時の格好だー!」

「こら、響、出てこないの!」

「いえ、奥さん。お嬢さんにも大きく関連のある話なんです」

 そう告げた時。

 女性、響の母は今にも泣きそうな顔になった。

 この期に及んで、娘にさらに何を背負わせるのかと。

 

 だが、最低限言うべき事は言うのが流石響の母である。

 もう、これ以上、娘に負担を与えないで下さい。

 それだけは、告げるのだった。

 

 特機部二の司令であり、翼の叔父でもある風鳴弦十郎もこの家の状況を見てようやく、ツヴァイウィングのライブ以降の現状を把握した。

 彼はノイズ被害や各所掌との調整など多忙に追われており、生存者のその後を知る余裕はなかったと言えるのだが。

 司令なだけはあり、自分達の情報隠蔽の結果がこれなのだと、すぐに察する事が出来る程には聡明だった。

 

 目を閉じた。

 彼は正義に熱く、そして甘いと度々忠告される程仁徳熱い人物であるが故に。

 

 組織としてはリスクを背負う事だとわかっていても。

「これから話すことは、他言無用でお願いしたします。ですが、どうか、どうか、謝罪をさせてはいただけないだろうか」

 

 そうして、頭を下げた。

 当然、組織の長が頭を下げた特機部二の面々も驚いたが、下げられた側である立花家の女性陣も驚いた。

 それほどに、悪意を受けすぎていたのだから。

 一人、なんで? と疑問を浮かべている響だけが平常運転だった。

 

 

 

 居間に通された時。

 立花家の一同は一斉に「あっ」という表情に変わった。

 

 そう、立花家の大黒柱が惨状を晒したままだったのだ。

 咄嗟に緒川が翼の視界を隠したのでネギを生やした男が天羽々斬の錆にならずに済んだのだが。

 

「あの……奥さん……あれは……」

「……………………夫です」

 答えるまで彼女の脳内を走ったシナプスの奔流は彼女以外には理解しがたいものがあっただろう。

 

「それで……話とは?」

 

 埒が明かないと思ったのか台所を封印して切り出すと、源十郎頷いて率直に話し始めた。

「我々は特異災害対策機動部二課のものです」

「局長!?」

 誠意として、まず源十郎は一般的には秘匿されている二課の存在を公開した。

 当然、一般人である立花家では、秘匿されていることそのものが分からないだろう。

 さりげなく、先ほど緒川が二課を隠していたことにすら気付かないかもしれない。

 だが、局長自身がそれを公開すること。

 それには大きな意味があった。

 

「率直に言えば、ノイズ災害に対応する組織です」

 周りの非難も気にせず源十郎は続ける。

「翼さんのその格好がそれなんですね、ライブでもしてましたし」

「え……? あ……あぁっ!?」

「翼、戻していない事に今気付いたのか」

「迂闊でした……申し訳ありません」

「今日はショッキングな出来事目白押しでしたしね」

 緒川がさらりとフォローを添えるのだが、一つ付け加えると、台所に隔離されたショッキングな視覚的暴力がまだ一つ残っている。

 咄嗟にシンフォギアを格納し、普段着に戻るのだが、そんな魔法少女みたいなことを目の前でやられたら普通の人はぎょっとする。

 なお、響だけは目をキラキラさせていた。

 感想は普通に格好いい、だそうだ。

 

「彼女が覚えていたのは信用してもらうには丁度よかったでしょうな。

 ノイズに対抗する技術は強大な軍事力ともなります。

 故にその特殊な機材は秘匿されています。

 我々の存在そのものも秘匿されており、そのため情報管制をあちらこちらに渡って敷いています。

 ですが今回、それが民意を悪い方へ促したようです。

 現在、ツヴァイウィングのライブ生存者への誹謗中傷は、機材や活動の秘匿を優先的にしている我々の責任と言っていい面が大きいのです。貴方達家族に謝罪をせずにはここから先に、何もできません。改めて謝罪を。私達は、無頓着過ぎた」

 

 そう言って、再度頭を下げる源十郎。

 しかし、このような逆境には女性の方が圧倒的に強いのだ。

 響の母は、ひとまず謝罪は受け入れた上で、追求した。

「それだけではないのでしょう? 今まで黙っていたのだから。今回の事件だって、何かが無ければ、そのまま私達に関わって来なかったんでしょう?」

 彼女は、謝罪には対応したが、それはそれとして、追求すべきはやめなかった。

 淡々と、事実だけが知りたいのだと。

 

「ええ、その通りです。なんの弁明もありません。問題は、ノイズに対抗するための機材と、他のノイズにしか攻撃しなかった星型のノイズの変化なのです」

「星型……あぁ」

「あー、さっきの! ちゃぶ台の下から出てきたんだよね」

「えっ?」

「えっ?」

「えっ?」

 翼と緒川、それに黒服まで思わず声をあげてしまう。

 ちゃぶ台の下から出てきたノイズ。絵面がシュールである。

 しかし、イメージだけでそれなのだ。実際、それを目の当たりにした立花家はいったいどれほどのシュールを味わったのだろうか。

 

「やっぱりですか……」

「やっぱり、とは?」

 違う反応をしたのは源十郎だった。

「申し訳ありません。弁償しますので」

「はい?」

 と言うや、拳を振り上げた。

 突如、()()()()()()ぶち抜かれる天井。

 目を丸くする立花家の面々は、さらに驚かされる事になった。

 

 べにょっ、と言う音を立てて、青い星型ノイズが天井から落ちてきたのだ。

 

「こう言う事です。奥さん。御宅のお嬢さんは、この星型ノイズに守られているのです」

 ウンウン、と頷く青い星型ノイズ。

 咄嗟にシンフォギアを発動させようとする翼だが、相対する前に、そのノイズは床に沈んで行った。

 ノイズ特有の位相差障壁である。

 

「前回のツヴァイウィングのライブでは、我々も大きな被害を受けました。

 何より、こちらの翼同様、ノイズに対抗する機材を取り扱える天羽奏が重傷を負ったことが大きかった。

 そして、経緯に差異はありますが、娘さんとあの星型ノイズは、どちらもその機材の飛散した破片をその身に受けたのです。

 その結果、星型は意思を疎通し、統率行動の出来る同形機を自己増殖する機能を獲得しました。今の青い個体も、そのうちの一体でしょう」

(叔父様、何事もなかったかのように続けた……!?)

 

 つまり、こう言っているのだ。

 特異災害に抗することが出来る()()()()()()()()()()あのノイズと響の体に潜り込んでいて、あまつさえそのせいで常に響はノイズに監視されているのだと。

 例え守る為であったとしても、そう知った人間が好感を感じるなどあり得ないだろう。

 助けられたセレナでさえ、初期はそうだったのだから。

 

「娘は……どうなるんですか……」

「少なくとも、今のままではすぐどう、と言う事はないでしょう。ただ先程、娘さんとあのノイズは共鳴反応を引き起こしていました。そして、今まで人には攻撃を示さなかった星型が今回動いた事を鑑みるに、あの星型は、娘さんを仲間だと認識しているとしか思えません。

 そして、中傷を受けたのは今日が初めてと言うわけでも無いのに、今回初めてこんなことが起きたのは、今日が格別ショックな出来事があったからでしょう。

 ならば、あの星型達は、彼女の感情に大きく影響を受けると言うことを意味しています。

 おそらく、娘さんは無意識にあいつらを止めていたのでしょう、今回の暴れ方、客観的にみれば、我慢の限界が出来なくなった故の爆発、と言うようにも見えなくはありません。

 ですが、娘さんの良心的な性格が功を奏したのか、今回、被害者は誰一人擦り傷以上の傷を負っていません……まぁ、心の方はどうか、というと無事とは言えないかもしれませんが。

 ですがもし、お嬢さんが敵意や憎悪と言った負の感情を大きく持っていた場合……被害がどれ程のものだったかは想像すら出来ないものだったでしょう。これだけの悪意の中で良心を保ち続けた。奥さん、良い子を育てられましたね」

「娘を、どうするのですか?」

 母は、響への賞賛を切って捨てた。

 本題を話せと。

 母は、強いのである。

 

「こちらとしては、プライバシーを侵害しない程度の距離を保って保護していきたいと思っています」

「娘を守るため、ではないですね」

「えぇ。彼女が理不尽な中傷を受けたとき、過剰報復が起きないために」

「娘を、拘束するつもりですか?」

 現状、響達が心無い悪意を受けるのは避けられない。

 ならば、そんな民衆と響を物理的に離した方が労力、リスク共に少なく済むのだ。

 大多数の安全を保つ為ならば、響の自由意志など有って無いようなものだ。

 その可能性は決して低くは無い。

 当然、警戒されている事に源十郎は一度だけ目をつぶり、告げる。

 

「信用していただけないのは重々承知しています。ですが、先の言を翻すつもりはありません。彼女に拘束を試みて、それを不服だと星型ノイズが判断すれば、ある意味平和的闘争状態であった私達の関係は一気に崩壊し、戦争が始まるでしょう。

 何より、彼等は常に見ているのです。この会話も、聞かれていますし、何よりも——」

 源十郎は、それまでの社会人用の対外的面持ちを崩し、その表情を普段の豪快なものに戻した。

()がそうしたくない。現状の打破を責任を持って実行したいと思います」

 

 この場合、彼は最も有効な手で出たと言える。

 腹芸を出来るが好まない彼らしい交渉。

 誠意こそ最大の策略。

 意図して居なくても、大正解だったのだ。

 

 峠は越えた。

 幾分か表情が和らいだのを認めた源十郎はずっと気になって居たことを聞こうと思っていた。

 

「ところでご主人ですが、外の人達とは少々毛色の違う様子でしたが、いったい、どうされたんでしょうか」

 

 はっきり言おう。

 物凄く言いたくなかった。

 何故こうなったのか、と言う経緯も恥を晒すものだし、既に見られているとは言え、それを改めて口にするのはもっともっと醜聞極まり無いのだ。

 しかし相手は国家権力。

 さらに言えば下心があるとは言え現在の苦境から脱却する支援を受けられる可能性が高いのだ……娘に将来の不安があるとは言え、現在の自力でどうにもできないよりははるかに良い。

 

 即座に羞恥と得られるメリットを天秤に掛けて、メリットに比重が寄るまでコンマ零一秒、ならば、呑んだくれてかつて惚れた面影のかけらも無くなっている男の最後の誇りなど綺麗に掃いて捨ててしまえばいいのである。

 

「実は——」

 

 聞いて。

 源十郎は先の自身の言が正しかった事に確信する。

 信頼していたであろう父親にまでノイズからの生還を責められた。

 それはまだ、翼よりも幼い少女にどれほどの精神的ショックを与えたのだろうか。

 それまで静観していた星型ノイズが一斉に動き出したところから見ても、それは相当なものであったのだろう。

 だが、それでも響は憎しみからの報復は願わなかった。

 死者が出ていないのがその証拠だ。と。

 

 意図せず、そう誤解されている事に、その話を聞いていた未来がぎょっとしていた。

 ハイトは、逆にこれは良いかもしれんぞ、と未来に意見を述べる。

 もう、付けられた目を離せないならば、守らせる方に使えば良い。

 自分達の戦力を、一種の脅しに使えると。

 未来には告げていないが、マスターへの捜査の手をそらすことができた、という成果に頷いていた。

 

 まあ、現状のアレが報復では無いとは言い難いが、あのような発想はあの少女のものでは無いだろう。海星供の独自の思考だと呼んでもらえばありがたいのだ。

 というか、むしろどっから出てきたあのアイデア。

 

 アイデアの出所が親友宅の謎ムック本だと言うことは永遠の謎であろうが、彼の感情がハイトと一致していることはあった。

「奥さん。一つ、提案が」

「え? なんでしょうか」

 

「少し滅入っていたとはいえ、ご主人には根性が足りない」

「……は、はぁ」

「ですので、ご主人の新たな就職先を兼ねて、俺が根性を入れ直して行きたいと思いますが、よろしいでしょうか」

「あ、どうぞご自由に」

 よく分からないが、夫に関することならどうでもよかった。再就職して給料も入りそうだし。

 どうぞどうぞ、と手を差し出すと、源十郎は景気良く台所の封印を解き放った。

 

「え、へ? あ、きゃあああああああああああッ!」

 今度は緒川セーブが間に合わなかった。

 完全に硬直した翼の視界を緒川が悔やみながらも毛布的なもので覆う。

 なんか暴れだした鶏を沈静化させるような姿である。

 

 ずしーんずしーん。

 響の脳裏に、そんなマシン的足音が幻聴で聞こえる中、台所に入った源十郎はネギそのままにズボンを履かせ、軽々と抱え上げた。

「お、お父さんをどこに連れて行くんですか……?」

 だが、父親をどこかに連れて行くと言うのなら黙ってはいられない。響は思わず縋り付き、声をあげた。

 これ以上、何も奪われたくはなかった。ただ、それだけだったのだ。

 

「うむ。君、名前はなんて言うのかな?」

 そんな響に、源十郎は成人男性一人を担ぎなら軽々と膝を屈めて響に視線を合わせてきた。

 そんな、他人に対等な態度を取ってもらうことが久々で、少し嬉しかった響は、元気良く答えた。

「響……立花、響です!」

「響君か。うむ。お父さんは俺の下で修行をつけるつもりだ」

「しゅ……修行ですかッ!?」

「そうだ! 次にお父さんが帰ってきたら格好良いお父さんに戻ってるはずだからな! 楽しみにしててくれ!」

 この二人、中々にノリが合う。

 それに、パイプとして繋ぐならば、肉親を抱き込むのが丁度良い。

 根性を叩き直す意味合いで、徹底的に下積みから叩き上げるつもりであった。

 

 

 

 つまり——

 

「え?」

「気絶したふりなどバレバレだ」

 家族に見送られ、車に乗り込む際に、耳に届いた声に担がれている男——立花(あきら)はギョッとした。

 灼熱化したハイトに掴まれ、火傷の跡が残る額以外は無傷なのだ。

 尊厳は失ったかもしれないが、あれだけの醜態を晒したのだ。今更葱ごときで何が増えるわけでもない、と本気で源十郎は考えている。

「約束したからな。再び格好良い父として帰れるようビシバシ鍛えてやる!」

「ええ!? 鍛えるのは本当なのか!」

「当然だろう? それに、これから響君は本当に、大変になるかもしれないからな……」

 洸とて、娘への愛情は消えていない。

 ただ、打たれる事に対しての耐久度が娘より低く、追い詰められたら娘のためになることどころか自分の事しか考えることが出来ないほど弱かっただけなのだ。

 それはそれとて情けないが、彼は響がノイズに襲われて助かったときの感動をまだ覚えている。

 

「まあ、それはそれとして規則だからな」

「え?」

 がちゃんっ、と手元から金属音が響く。

 見下ろせば、ごっつい手錠。

 

「これから、外に情報を漏らせば泣いたり笑ったり出来なくなるような所に行くからな? しっかり気を引き締めておけよ!」

「おわあああああああああああああああああッ!! 助けてくれえええええええええええええええええ!!」

 なお、翼はその後ろの席で固まったままだった。

 視界はタオルで隠されているためか、大人しく座っている。

 

 それを最後まで見送った妻はすごく現実的に。

「弁償、本当にしてもらえるのかしら」

「うわー! 真上の私の部屋の床にまで穴空いてるー!」

 

 家の中から、聞こえてくる響の声を背に、源十郎に穴を開けられた家の修繕費について考えていたのだった。

 あわよくば、このままリフォーム出来れば、などと考える程には強かだった。

 

 なお、シクシク煩い棺桶達は二課の黒服の皆さんで頑張って撤去しましたとさ。

 

 

 

 

 

 

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「——という訳で、今日から雑用兼下っ端の立花洸だ! みんなビシバシこき使ってやってくれ!」

「何だろう、この怒涛の勢いで流されまくったらここまできてしまった感は……」

 用務員用作業服を着てなぜか司令室で案内されている洸。

 うん、怒涛だった。怒涛の勢いで職員になったのである。

 なお、火傷他、簡単な治療だけは施されたいる。

 しばらく跡が消えない程度であろう火傷であったし、ハイトやら、源十郎に雑に扱われて全身くまなく痣だらけだったからである。

 

 なお、司令自ら連れて着たので、新人参入時恒例のサプライズパーティは起きなかったようである。

 ここの就職環境は、想像していたものより、ずっと良好であった。

 規約や秘密事項の多さには正直ガクブルものだが、自分は下っ端だしそんな重要なもの……ないよな、ないよな、と思っている。

 正直、シンフォギア関連だけで国家のトップクラスの機密です諦めろ、はい。

 その点を抜かせば、家族へのフォローも万全だし、何より、これからどうなるか分からない響の医療的各種フォローがなされているのが本当にありがたかった。

 

 だが、世の中そんなに甘く無い。

 二課職員の認識は残念にも統一されていたのである。

 

「あぁ、ネギの人」

「ネギの人ね」

「ネギの人だー」

「ウッがああああああああああああああああああっ——!!」

「ネギうるさい」

「ネギじゃねえーッ!」

「いや、ネギ以外の何物でもねーし」

 ネギの人。

 もうそれで全部説明出来てしまうのである。

 全て、知られていたのだった。かなり年下の女性職員にまで。

 

 娘が感じていたものとは少し違うが、これはこれでかなり羞恥で恥ずかしいものがある。

 しかし今更、まともな転職などできようか。

 

「司令、至急司令室へとのことですが一体……」

 後ろから、翼が司令室に入って着た。

 源十郎は、改めて翼にも洸を紹介しようとしたのだろうが。

 

「なっ……!」

 遭遇。

 赤面。

「なっ、なっ、ななっ…………」

 まあ、もろ見ちゃったしなあ。ネギ。

「顔から羞恥がお焚き上げーっ!」

「あっ、ちょっ、待ァーーッ!」

 頭から蒸気を吹き出した翼は、ちょっと不思議な言い回しを叫びながら司令室から走り去ってしまった。

 

「あー。ネギさん、翼ちゃんにネギ見られたもんねー」

「娘さんと二つしか違わない娘にネギ見せるとか、ちょっと凄いわよねー」

「ないわー、ネギってナイワー」

「よし、今日の業務が終わったら映画鑑賞一本だ、修行もきっちり並行していくからなー!」

 

「うわああああああああああああああ!」

 思わず頭を抱え、絶叫する。

 洸の秘密組織下っ端生活は、前途多難そうであった。

 そしてそれを、壁の中から見ているものがあるとは、そんな精神状態で気づくはずもなかったのである。

 

 

 

 

 

 

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「なんでやねん!」

 ビシィッとミクの手刀が振るわれる。

 当たってるぞ。いや、ミク、それよりなぜ漫才のツッコミを急に?

「いやだって、何で修行!?」

 盲点だったな。確かに、葱による治療も必要だが、やはり肉体を鍛える事が一番の精神治療に役立つものだからな。

「そう言う脳筋は今はシャラップッ! その日のうちに就職決定って、それでも国家組織かっ!? と言うより何あそこ!」

 あそこ、とは?

「リディアン音楽院の地下に秘密基地があることだよ! 何で!? よりによって音楽学校!? 学校が変形合体してロボットになってももう驚かないよッ!?」

 なんだそれ、見てみたい。まあ、真面目に言うならば、ノイズに対抗するものは何故か歌が関わるのだ。

 ならば、優秀な歌い手を探すと言う意味では音楽学校が近くにあるのは都合がいいのだろうな。

「私、歌い手、って言い方嫌いなんだよね。プロの人は歌手だし、歌い手ってのが、ただカラオケネットに上げてるだけなのに、私いかにも歌えますから特別ですよー的なイメージ出してて。どんなにプロより上手くても素人でしょ? なんで原曲歌ってる人や作った人に対して上から目線になってるの? オタサーの姫か」

 どこに向かって言ってるか分からんが、そのぐらいにしておくがいい。

 それとだ。このまま響父の新生活を監視するのを継続するのは良いとして、あの時普通にスーツだった男がいただろう。

「あぁ、一人いたね。翼さんのマネージャーなのかな?」

 あれには恐らく気付かれている。何故か報告はされていないようだがな。

「え?」

 昔、先王に喚ばれた者のうちに忍者が居たのだ。あの男はそれと同じ空気をまとっている。ほぼ間違いないだろう。

 

「忍者って本当にいるんだ……」

 

 俺も幼い時ぶりだから驚きだ。

 そう言えばミク。

「ん。なに?」

 しばらくセレナを見てないが、あの謎空間か?

「そう言えば、そうなんだけど、しばらく見てないかな——と、噂をすればなんとやらだよ、今開けるね」

 セレナの要望によりムーンムーンと開くエメラルドの門。

 

「ぶぅわあああああああああ!!」

 だが、先陣を切って放出されたのは本体ではなく悲鳴と涙と鼻水であり、その全てが俺に炸裂した。

 うわあああああ、流石にこれは……ばっちぃにも程がある。擁護できるものではない。

 セレナが泣きながら飛び出て来たので、俺は真正面から色々ぶっ掛けられる事になったのだ。

「あ、ごぉめぇええん……」

 ミク、済まないが何か拭くものを頂けないだろうか。セレナはいい加減泣き止みなさい。泣きたいのは俺だ。

「あぁ、うん。それはそれとしてセレナって感情表現素直で可愛いよね。ほら私たち現代人はスレちゃってまぁ、そういうのあんまりなくなっちゃったから……」

 ただし響は除く、と? ところで名前あってる?

「聞いてくるときは大体あってるよね……ん? ちょっと待って? なんで二人ともジリジリにじり寄ってくるの!?」

「いやぁ、流石のスレた現代人も、共通事項で盛り上がれば感情の振幅爆上がりなんじゃないかね、と」

 わざわざ俺の正面に門を開いてくれたりしたのでどうしたものかと。

 

「ちょ、まッ!?」

 この時、俺とセレナの意見は一致していた。

 ミクに飛びかかるねっとりした俺ら。

 ミクも遠慮せずねっとりするがいい。

「『ハイト、お座り!』」

 ふぶぉあッ!?

 なぁんと、ここでマスター権限の絶対遵守だとぉ!?

 

 出鼻を挫かれ、俺は床に叩きつけられカーペットに染みを広げる。

 それを見たミクのしまった、という表情(気配で察知)は大きな隙だった。

「食らえ美少女、水も滴る美少女になるがいい!」

「それ自分の顔偏差値ちゃんと自覚して言ってるッ——ってびゃあああああああああ!!」

「へぇい、美少女、クンクンペロペロだぜぐへへへへ!」

「やめろぉ! 私はノーマル(響別格枠)だぁ!」

 半ばキレているミクの怒声が悲鳴に変わることで、俺は床に貼り付けられながらも勝利した事を確信したのだった。

 ミク、あとそのセリフは微塵も説得力がねえ。

 

 その三十分後、軽いシャワーと着替えを済ませた二人と、洗面所で丸洗いした俺が集合し、改めて意見交換会が始まった。

「ところで、何があったのセレナ」

「究極聖遺物『特訓君』が鬼畜過ぎるんだよ……」

「ゴメンなに言ってるかわかんない。セレナのお父さん、解説求む」

 ミクの中では俺は完全にセレナの父枠だな。

「いやだって、日に日に似て来てるし、二人とも」

 そうか?

「自分じゃわからないだろうけど、本当そっくりだよ」

「いやね、未来。お父さんはちょっと……もっと、ねぇ」

「お父さん、解説お願い」

「聞いてよ未来!」

 

 楽しそうだなお前ら。まあ、飛ばしているところを説明するならば、セレナは時々どんな機能か分からない先史時代の遺物を鼻歌で稼働させて毎回大騒動を引き起こすんだよ。

 

「なんだ自業自得か。セレナギルティ。長っ鼻ノイズの臭い汁の刑ね」

「やめてそれ初めて聞くんですけどなんなんですかその聞くだけで身の毛のよだつ恐ろしいの!?」

「読んで字の如く。今回、ハイトに卵ぶつけた(ゴミ)が受けた恐ろしい処分だよ。セレナってばネギの後すぐ興味なくしてたしね」

「未来の笑顔が超怖いです。でもハイトに卵ぶつけやがった奴ならむしろ軽い。私ならIさん辺りに抱擁させる」

 殺す気か。

 

 そうだ。卵と言えば。

 俺にぶつけられた卵が目玉焼きになったろ。

「ハイトって前セレナが言ってたけど、感情が高ぶると体温上がるんだよね。でもまさか卵焼きができるほどとは思わなかったよ」

「え? 卵焼けるの!? いや、火を吹いて空飛んだぐらいだしそれぐらいはできるかー。で、その卵はー?」

「そこの机にある小皿に乗せてる。ってわあああああああああ躊躇なく食べたあああ!」

「いやむぎむぎ……塩気がないねえ」

 そりゃあな。

 

「特訓君との激闘というか逃亡劇でカロリーがすっかり費やされてしまいましてお腹が背中とくっつきそうなんだよ」

「その台詞、響がデジャヴるからやめて……いや、だからって卵のハイト焼きなんてゲテモノ……」

 体で焼けたからってたかが目玉焼をゲテモノ扱いするのはやめて欲しいのだが。

「ねぇ、未来」

 セレナは正面からミクの両肩を掴んで目を合わせた。

 ハイライトが仕事をしていなかった。ミクがびくりと身を震わせるが肩を掴まれていて逃げられない。

「姉さんもよく、とやかく言ってたけどね………………栄養はゲテモノ肉でも変わらないんだよ。知らなければみんなおいしそうな顔するし。つまり実際美味しいんだよ。栄養だって変わらないし」

「うん。響違ったね。デジャヴ無かったよ……私、セレナからは食べ物貰わないようにするね」

「え? 未来だってこの間カラ——」

「そう言う楽屋裏はいらないです!!」

 ミクは全力でネタバレをシャットアウトした。

 カァー、カァーと鳴いているセレナがすっごいネタバレしているとしか思えないが。

 俺としては、セレナは姉であるマリオに一体どれだけのものを食べさせたのか非常に気になる。

 そして、そんな食生活に抵抗が全くなくなるセレナの幼い頃の過酷さに心が痛んだ。あぁ、正直に言おう。思考を逸らした。

 

 そうだミク。この、発熱の原因となった俺の感情だがな。

「え、怒ったんでしょ? あれで怒らなかったら人でなしだよ」

 そうだな。確かに俺は怒っていた。

「……なにが言いたいのかな?」

 無論、先程知った、伝えねばならない事を。

 

 今まで、使い魔の使役で起きなかったものだから気にも止めていなかったのだが、ミクの我々海星型ノイズへの適性を舐めていた。

 俺達の性格など度外視する程に、体の相性が良過ぎるのだ。

「その言い方やめて!?」

「ハイト何言ったんだろう……」

 

 俺は確かに怒っていた。

 だが、些か激し過ぎたとは思わないか? ミクでないにも関わらず、これほどな事に疑問はいだかないか?

 非道ではあっても、我を失う程ではないはずだろう。精々が『ウルク式ブートキャンプ・ノイズエディション?筋肉以外泣いたり笑ったり出来なくなるよ、やってもいいけど疲労困憊からのノイズ鬼ごっこスタート』に勤めて淡々とぶち込むぐらいだからな。

「充分鬼畜だ!」

 だがな、ミク。

 怒りと憎悪は別物だ。

 俺は兵士の自負がある。

 例え屑でも、憎悪では殺さん。

 

 その俺が我を忘れる程に激情が全てを塗り潰しかけた。

 どうしてだと思う……?

 

「どうしてって、言われても……」

 分からないか? ……アレは、俺とミクに間に繋がれたパスを通して来たミクの怒りだったのだよ。

 熱した金属が熱源より離れている部位にも素早く熱を伝える様に。

 凄まじい熱量だった。

 塗り潰されかける程にな。

 それ程に……あの娘が、大切だったのだなのがよく伝わって来たぞ。

 

 

 

 うん、うん、と頷いていると、ミクがなにやら赤面している。

 どうした? 今更ミクの気持ちなど、ここに居るみんなにバレバレだぞ?

「いや、だって……頭で理解しているのと気持ちが伝わるのじゃ全く以って別物だよ!」

 あぁ……確かにそれは、直接胸の内を感じられて居るのは、恥ずかしいわな。

「あぁ、もう! 私の胸の内ダイレクトピーピングトム、壁に耳あり障子に目あり!? 個人情報保護法どこ行ったの!? それだけじゃないよ! 今回みたいに私の感情に影響受けるなら、ハイトが影響受けて——」

 その点だけは安心しろ。

 それだけは言わせるつもりはない。

 

 私にも、そう疑われる事さえ憚られる事はあるのだ。

「え、でも、信じられません、今回だって」

 あぁ、だが、これだけは自負を以って言えるから大丈夫だ。

「なにが……」

 俺は、妻一筋だ。

 

「え、居たの? ……そういえば、子沢山だったそうだし、そりゃそうか」

 当然だが、もう……生きては居ないだろうがな。

 

「二人ともなんの話ししてるの? 流石に分かんない。子沢山? まさか殴って増えるのあれ子供なの?」

「私が怒ると、海星のみんな怒るから、感情はコントロールしなさいって」

「うーん……違っては居ないけど、全部言って居ないような、そんな感じだよね」

「ゴメン。流石にこれは恥ずかしくて……」

 そうではないのだろうが、何か隠すことがあるのだろうか?

「いやー、でも、響ちゃん盗撮してる時の未来の表情より恥ずかしいのは早々無いと思うよ?」

 ホラ、と、スマホに映る性犯罪者面のミク。

 

「……」

「……」

「はっはっは……」

「うふふふふ……」

「殺してでもそのデータ消してやるぅあああああああああ!」

「はっはっはーこんな良いネタ消せるもんかい、いつも陸上部の身体能力差でゴリ押しされるけど今の私は特訓君で鍛えあげられているのだ、ただのブラクラジビエ趣味者だと思うなよってうわいつもよりアレ力強くね? ちょちょちょ、脳内ハジけてない、て——」

「フゥンッ!!」

「うぉわーッ! 私のスマホまさかまじでなにするうわやめ握り潰したああああああああたしのすまほぉぉぉおおおおッ!!」

 

 消去(物理)である。

 大分セレナも慣れて来たなー、と安堵する。俺が不要になるまであと少し、だろう。

 

 響、と言ったか。

 生存本能が脅かされるような事があれば、恐らく聖遺物の反応は何度でも起きるだろう。

 彼女は、心臓に爆弾が収まっていると言っても過言ではない。

 歌ってしまえば、欠片より槍は再誕する。

 胸の内からだ。

 今回のように無理やり歌を止める。

 前回翼にしたように歌の力を食らって展開を抑え込む、と言う手もあるだろう。

 だが、どちらにしろ、側にいなければ、手を出すことは難しい。

 

——やれやれ、気にかける事が増えてきたものだ。

 

「あぎゃあんっ、みぐ、あいあん、アギアングロウ痛だずぎだんだげ……ど……ぎゃああああああああああ!」

「記憶を、失ええええええええええええっ!」

 さて、スマホのメモリーのように、ミクがセレナの脳を握り潰さないように止めなければな。

 俺は、二人の方に足を進めるのであった。

 

 

 

 

 

 

_/_/_/                       _/_/_/

 

 

 

 

 

 

「つまり、あの子は星型ノイズ達のお姫様、ってことよ」

「うちの娘がなんか凄い事になっていた件について」

「はーいネギは黙ってて。」

「ネギ言うなあああああああああッ!!」

「そうか? 俺は結構イメージが分かりやすくていいと思うぞ、洸」

「司令は悪意が微塵もないのが逆に厳しいんですが!?」

 

 さて、ここは櫻井良子のラボである。

 集っているのはラボの主、良子と特機部二の司令、風鳴源十郎そして組織の底辺、立花洸である。

 三人の話題は、洸の娘、響の事であった。

 

 実は、この研究室は盗聴されても謎の異音が混じって聞き取れなくなる異端技術が使われており、海星達も見ることぐらいしかできないのである。

「大変よー。でもとっても興味深いわね。あの子の負の感情が高まれば自然と星型ノイズ達が襲いかかってくる。しかも、空間も何も超えて湧き出てくる訳だから、機嫌を損ねただけであの軍団が文字通り飛んでくるって事。迂闊なことは出来ないけど、あの子が良心的な気質だったから今まで発覚しなかったんでしょうね」

 

 

「まさか、うちの娘でノイズを操ってノイズに対抗させるつもりじゃないだろうな」

「それはそれで問題があるのよ。星型は通常のノイズを材料に仲間を作ってる訳だから、戦えば戦うほど数が増えてあなたの娘の脅威度が跳ね上がっていくの。それはあなたも望んではいないでしょう?」

 誰だって、国に睨まれたくはない。

 既に目はつけられているのだが。

 

「まぁ、それを抜きにしても、一回調べる必要があるわ。体内に潜り込んでいるガングニールの破片がいったいどんな作用を引き起こしてこんな風になったのか、これ以後あの子に影響がないなんてなにもわからないんだから。それに——」

 

 アウフヴァッヘン波形が感知された。

 恐らく、星型の頭に刺さっているガングニールだけではなく、彼女のものも。

 

 明らかに、共鳴していたのだから。

 

「雑音……んー、ノイズだけど雑音って言うより、今回の騒動を見るに騒がしい奴らだし騒音ってところかしらね」

「何がだ?」

「コードネーム。あなたの娘はあのノイズ達の女主人。ノイズって言っても星型だから通常のノイズと差別化するためにちょっと変えて……『騒音の女主人(ミストレス)』ってところかしら」

「……娘のイメージに全くそぐわぬのだが」

「まぁ、親なんて得てしてそんなものよ。親にとっては子供はいつまでたっても子供にしか見えないもの——でも子供って勝手に育つのよね」

「まぁ、偉そうに言っている割には言ってる方が親どころか独身な訳だが」

「源十郎君そこだーまっててー。でも、話戻すけれども、本気で一回検査して見るべきね。どんな状態になっているのか確認しないと、安心することさえできないものね、お、父、さ、ん?」

「あ……あぁ……」

 娘に情けない事をしてしまったら手前、気まずくなる洸だったが……。

 響が心配な事も正直、本音であるのだ。

 

 そのため、定期的に響は二課の息がかかった医務局での健康診断を受ける事となる。

 

 加えて言うとあんなことがあっても響への誹謗中傷は完全には無くならなかった……だが……。

 

 不穏な空気が漂い始めると物質透過して来た星型がネギでハイドアタックを仕掛けてくる恐怖が蔓延るようになった。

 

 みっくみくにしてや——?

「言わせるかあああああああああああああああっ!!」

 

 ハイトが洸にやったのが、彼らの中でブームになったらしい。

 

 彼等と視界を共有している未来がその度に悲鳴をあげるので、響にまた生暖かい目で見つめられるようになる。

 

 

 そして年月は過ぎ行き——

 響はリディアンに入学し。

 その裏を知っている未来は、例え知らなかろうが当然の如く共に入学し。

 

 セレナは相変わらずハイトとじゃれあっていた、そんな春のある日。

 

 大きな転機が訪れる事となる。






 仕事とは言え、今回丁寧語で喋らせた源十郎の違和感がすげー
たぶん、きっと、もう無い筈である。

 セレナ、特訓君と遭遇する。詳細は後ほど

 タイトル回収。ただし、響への風評被害である。

 そして、シンフォギア二次で、響より先に洸を二課入りさせたのはこの作品だけではなかろうか。

 握り潰されたスマホ。しかし、クラウドには未だ醜態が保存してあるのだ、ふふふ……。

みっくみく
 実は全く意識しないで海星に葱持たせていたが、ふと、葱持つボーカロイドを思い出し、その名前を思い出して——筆者はしばらくフリーズした。
 本気で気付いていなかったのである。
 気付いた時には、すでに洸に葱が活けられた後だったのであった。

ハイト。
 接触している人間は名前を覚えるが、大して接触していない人間は簡単に名前を間違える。
 なので、これからは響の名前を間違えないだろう。
 だが、例えばセレナの姉とかは。

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