天空の乙女達 ―La Sylphide―   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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AGL.04

 2機のF-15MJ イーグルはランディングギアを降ろし、アプローチに入る。エアロブレーキを開き、タッチダウン。ウィリー滑走の後に前脚を付けて減速しきる。

 エプロンに入り、パーキングブレーキをセットしてキャノピーを開く。そして、2人は降りた。

「やあやあ、お2人さん」

 そこへ、補給科のクリーム色――もとい、松平 恋香がやってきた。

「マッちゃん、何か用?」

 美紀が親しげに問うと、恋香は含み笑いを見せた。

「いやね、格安のサイドワインダーが手に入ったから、お得意さんに売ろうかなーってね」

「いくら?」

 遼子が「またか」という顔をしながら尋ねると、恋香は答えた。

「50発で1000ポイント!」

「1発20ポイントって……半額以下じゃない!?」

「それ、まさかロケットブースターがイカレてないでしょうね?」

 あまりの安さに、美紀は驚き、遼子は呆れる。

「馬鹿言わないで! この松平 恋香様が飛ばないミサイルを売った事があるとでも!?」

「でも、不良品のシーカーの所為で目標を追い掛けないサイドワインダーを渡されたぜ」

 突然、1人の男子高校生が割り込んできた。遼子は彼の名字を呟く。

「赤峰……」

「赤峰 大希! 何であたしの商談を邪魔する訳!? その程度で恨むなんて器小さ過ぎよ!」

「当然だ。不良品を使わされてみろ、こっちは命懸けで戦ってんだ。航空科全員から袋叩きにされたくなきゃ、ちゃんとした奴を売れ」

 そして去っていった。恋香は握り拳の親指を立て、それを地面に向ける。

「ふんだ、文句言うなら買わなきゃいいのに」

「マッちゃん、ちょっと話があるんだけど」

 怒り心頭な恋香に、美紀が話し掛けた。

 

 

 

 翌日、ホームルームにて――

「全員、揃っているな?」

 遼子達の教室に、スーツ姿の女性教師が入ってきた。

 生徒達は一斉に起立し、敬礼する。――机に伏せているただ1人を除いて。

「来鳥、起きろ」

 女性教師が小突く。そして、長いウェーブがかった黒髪の少女が、頭を上げた。

「眩しい……」

 そして、また頭が机に着地した。

 

 朝の教室に、何かをひっぱたく音が響いた。

 

 

 

 ここ、青衝学園では――というより、幻夢大陸にある高校は全て単位制を取っている。それも、「ストライクエンゲージに一定数参加する」か、「所定のポイントを払う」かのどちらかが必須条件である。

 そして、今日もストライクエンゲージが行われる。

 

「どうせ、3年の先輩方の弾除けでしょ? 1年はセイバーやスターファイターで基礎教練なのに……」

「勝手に出撃して、追い掛けてきたF-16をF-104で返り討ちにした癖に」

「それは遼子もでしょう? まさかイーグルをキルするとは思わなかったわ」

 2人は、駐機場に並んで止まったF-15MJ イーグルのコクピットで話していた。

 すると、整備員が準備が整ったのを知らせた。その手には8本の安全ピン。

 遼子はキャノピー開閉ボタンを押し、キャノピーを閉める。APU(補助動力装置)起動、電力を溜めて左エンジンのタービンブレードを回す。GE/IHI F100Jターボファンエンジンが唸り始め、エンジン回転計の針が回る。右スロットルレバーを前へ倒し、右エンジンも始動させる。

 広域通信システム起動、メインミッションコンピューター・オールグリーン、マスターアームスイッチ・オフ、FCS(射撃統制システム)異常無し、レーダー・チェック、ジャイロコンパス・OK、INS(慣性航法装置)・応急規正、兵装・AIM-120 アムラーム中距離空対空ミサイル 4発、AIM-9 サイドワインダー短距離空対空ミサイル 4発、20mm M61バルカン砲 940発、増槽 3本。

〔フジタワーからアイオロス1、2。Cleared for takeoff!〕

 見れば、滑走路から2機のF-15MJ イーグルが編隊離陸していく所だった。片方は炎をイメージした派手な塗装、もう片方は青色の洋上迷彩が施されていた。

 

 

 

〔アイオロス13、16。Cleared for takeoff!〕

 2機はアフターバーナーを焚き、トゥブレーキを解除、滑走を始める。

 

 そして、飛び上がった。

 




次回登場機

F-15MJ イーグル
F-1
F-2A バイパーゼロ
F-4EJ改 ファントムⅡ
EF-2000
F-104S スターファイター
E-2C ホークアイ
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