天空の乙女達 ―La Sylphide―   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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Tranche2 渡り鳥の条件
AGL.06


 青衝学園 第4滑走路へ、アイオロス隊の機が帰還する。

 2機のF-15MJ イーグルがエプロンへタキシング、機体を止めてエンジンを切った。キャノピーオープン、梯子が掛けられ、2人は機体から降りた。

「さて、マッちゃんの奴をとっちめないと」

 指をポキポキ鳴らしながら、美紀がそう言う。なので、遼子が尋ねた。

「何で? ミサイルが飛ばなかった?」

「いや、ちゃんと飛んだし、シーカーもイカレてなかったんだけど、信管がバカになってて、命中しても爆発しやしない。しかも、持ってったサイドワインダー4発全部よ! いくらなんでもブチ切れるわ!」

 そうまくし立て、補給科へ向かう美紀を見送り、遼子は寮へ向かった。

 

 

 

 自分の寮の部屋へ入り、ベッドへ身を投げる。空中戦の後は、いつも体がだるい。

 ベッドの側の勉強机には、物理の本やF-15MJ イーグルのマニュアル、空中戦についての資料が散乱していた。棚には、F-15J イーグルとF-104J 栄光の模型や、かつての幼馴染との写真が入ったフォトフレームが置いてあった。

 遼子は体を起こし、写真を見る。

「蒼空(そら)……」

 

 

 

 翌日、校長室へ遼子が呼ばれた。

 既に、部屋には美紀や、同じクラスの来鳥 杏子(きとり あんず)、暮 玖人(くれ くひと)、和久 尚紀(わく なおき)、和見 犀羅(わみ せいら)、担任の多円 裕恵(たえん ひろえ)、また他クラスの生徒や教師もいた。

 そして、校長の他にも、世界各国の空軍将校の姿があった。

「校長、全員揃いました」

 多円先生がそう言い、初老の男性校長が頷いた。

「集まってもらったのには、訳がある。青衝学園が誇るエース級のパイロットである君達を、新設するクラスに特別編成する」

 その言葉に、生徒達は戸惑う。

「待ってください、たったこれだけで飛行隊を作るつもりですか?」

 美紀が口を開く。しかし、校長は首を横に振った。

「話はこれからだ。各国空軍の提案で、士官学校のエリートを一緒にここで研修させる。そのためにも、こちらからもそれ相応の生徒を出す事にした」

「世界各国って……それぞれの国の企業が後援している学校があるのに?」

 玖人の質問に、多円先生が答えた。

「あくまでも企業だ。それに、これは国際交流を兼ねている。だから、1つの学校に集めるんだ」

「話は以上だ。明日、その学生達が来るので、出迎えるように。そんな派手でなくていい。質問は、多円教官に訊くように」

 

 

 

 突然の事だった。遼子や美紀、杏子、玖人達はクラス替えとなったのだ。

 

 第1滑走路へ、緑地迷彩柄のC-130H ハーキュリーズが着陸する。参矢学園攻撃で撃墜され、捕虜となった生徒達を乗せている。

 遼子は、自分のF-15MJ イーグルが格納されているシェルターへ向かった。いつも通り機首を撫で、梯子を登って席につく。硬めの座面に、手作りのヘッドレストクッションに頭を預けて瞳を閉じる。すると、声が聞こえた。

「あなたが天才イーグルドライバー?」

 まぶたを開け、声が聞こえた方を見ると、F-15MJ イーグルの側に長い白髪の少女が立っていた。

 




次回登場機

F-15MJ イーグル
F-1
F-2A バイパーゼロ
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