For Honor:Another   作:祈Sui

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第一章・騎士/第二話〈‐北の主‐〉

‐北の主‐

 

村には、沢山の死体があった。

数少ない村の警備隊が皆、剣や盾を持ったまま息絶えていた。

気のいい奴らだった。村に戻ってきたときには必ず訓練をせがまれた。

戦場へと赴く前、自分たちが村を守るからと笑って言っていた事を思い出す。それが果たされなかったとしても、彼らは逃げなかったのだ。最後の一人まで、村を守ろうとして死んでいった。それがその遺体の状態から痛いほど良く分かった。

村からはもう、木材の焼ける音しか聞こえなかった。襲撃者たちはもう立ち去ったのか?そう考えながらも慎重に生存者を探して進んだ。

焼かれた家、その崩れ落ちた木材の下から、炭化し、もはや誰なのか分からなくなった人の手が伸びていた。

小さな畑では、老人が死んでいた。その横には、鍬が落ちている。戦おうとしたのだろう。子供のころから世話になった人だった。老人には、身寄りが無かった。子供はおらず、妻とは死に別れた。そう聞いた。小さな菜園が趣味で、できた野菜を良く貰った。会うたびに、立派になったと言っては、肩を叩かれた。その身体が、今は枯れた枝のように見える。

燃えずに残っていた家を覗けば、折り重なるように死んでいる夫婦の死体があった。

彼らはまだ、新婚だった。出立前に生まれた赤子を抱かせてもらった。赤子の相手は苦手だったが、断り切れなかった。抱いた赤子は、すぐに泣きだしてしまったが、これできっと貴方のように強い子になると夫婦は喜んでいた。

襲撃者たちは、夫を殺した後、彼女を犯そうとしたのだろう。服が強引に剥ぎ取られている。それでも抵抗を続けた彼女を犯すことを諦めた襲撃者は、そのまま彼女を刺し殺したのだ。そして、先に死んでいた夫の遺体の上に捨てた。近くにあった布を掴み、彼女にかけてやろうとしたときに気が付いた。壁の下で、赤子がぐったりと横たわっている。もう息が無い事は一目でわかった。彼女は、我が子を守ろうと抵抗を続けたのだろう。それに苛立った襲撃者たちは彼女を刺し殺し、その腕に抱いていた赤子を引きはがして、まるでゴム毬のように壁に叩きつけたのだ。あり得ない方向に曲がった首。投げ出されるように伸びた小さな手足。祝福されて生まれた命は、汚い手で玩ばれ、奪われた。

進めば進むほど、足は重くなった。悲しみとそれ以上の怒りが溢れるのを感じた。もし襲撃者を見つければ殺す。立ち去っていたとしても、どこまでも追いかけて殺す・・・・。そのつもりだった。

だが、村の奥に進むと村人たちに混ざり襲撃者達とおぼしき死体が点々と散らばっていた。全員が剣によって殺されている。そんな事を為せる者を私は知らなかった。そしてその死体の様子から、略奪品をめぐる同士撃ちではない。何が起こったのかまるで理解できない。立ちすくんだその時、炎の爆ぜる音に紛れ、微かに乾いた笑い声が聞こえた。

 

***

 

あの日から数年が経っていた。騎士世界の大半を掌握したブラックストーンはヴァイキングの土地を目指して進軍している。ヴァイキングたちの土地は、遥か北方に位置し、私たちの進軍を阻むように、冷たい風が吹き荒れていた。

針葉樹の森には雪が積もっている。初めの内こそ騎士たちは、その雪を珍しがっていたが、今や退屈な風景となった。本格的な冬が到来すれば、雪に閉ざされるだろう土地を、私たちは追い立てられるように進む。

疑念はあった。これまでも必要とは思えない戦いをアポリヨンは行っていた。その戦いでどれだけの民が犠牲になったか、それは民を守ると誓いを立てた私に重い澱みとなって蓄積されている。そして今回のヴァイキング攻めだ。ヴァイキングとは小競り合いはあったが、脅威になるほどの存在とは思えなかった。確かにヴァイキングには強力な統治者、グズムンドゥルが台頭した事によって、部族間の抗争が終了し、まとめられていると聞いたが、それを危険視するのであれば、北方へ攻め込むよりも守りを固めたほうが理に適っているだろう。この雪の地を見れば、犠牲を払い手に入れたとして、維持するのは難しく、穀物の収穫も望めそうにない。それでも私たちは進み続けた。

斥候であるマーシーの報告をもとに、幾つかの砦を落としながら、奥深くへと攻め込んだ私たちに、アポリヨンが最後に示した目標は、巨大な要塞だった。スヴェルンガルド要塞。ヴァイキングたちはそう呼ぶらしい。そこにヴァイキングの統治者グズムンドゥルがいるとアポリヨンは言った。見れば、要塞は既に防衛体制をとっていた。要塞内部から投石。それにこちらも投石で応じる。巨大な破城槌を伴って、我々は進軍した。

 

***

 

 城門が、巨大な破城槌によって揺るがされている。破られる時が近い事は誰もが理解していた。皆、手に斧や剣を持ち、その時に備えている。誰かが、雄叫びを上げれば、それに皆が応える。これ以上後が無いのだ。私も剣を持ち、構えていた。剣の訓練は幼い頃から受けていたが、実戦の経験はほとんどなく。まして今更これほど大規模な戦いが起こるなど考えたことも無かった。緊張から手が震える。それでも、私は先陣をきって戦い、皆を鼓舞しなければならない。祖先たち、なによりも義父の恥にならぬように、深く息を吸い込み、強く足を踏み出す。前に進もうとした身体が、急に後ろへと引かれた。振り返れば、見知った顔が笑っている。

「見つけたぞ。グズムンドゥルが呼んでいる」

「離せ、私は」

二本の片手斧を腰に提げたその男は、私の抗議を無視し、その剛力によって私の身体は無理やり引き摺られてゆく。仲間たちが雄叫びを上げて前に向かう、私の側を通り過ぎる仲間たちが私の肩を叩きながら、笑顔を向けて歩んでゆく

「離せ、私も戦うのだ。皆と共にこの地を守るために」

叫んだその声は、仲間たちの雄叫びによって掻き消された。

仲間たちの背が、城門へと向かう中、私だけが、後方へと引き摺られていく。

 

***

 

門を破り踏み込んでみれば、そこは我々が用いる城のような単なる軍事施設では無いようだった。ヴァイキングの建造物は、確かに我々の様式とは大きく異なるが、この要塞の最奥には大きな倉庫のような物が、いくつも建ち並んでいる。何かの集積場のようにも見える。そして奥へ進むたびにヴァイキングたちの攻撃は苛烈を極めた。彼らの神が戦死者をヴァルハラと呼ばれる天国へと導く事は知っているが、それにしても、異常な戦いぶりだ。まるで逃げ場がないとでもいうように向かってくる。それは今まで落としたどの砦でも見られなかった事だ。

そして、いよいよその倉庫のような建築群の中でもひときわ大きな物の間近に迫った時。そこへ多数の狼を引き連れて、一人の男がやってきた。

金属製の羽飾りをつけた兜。蓄えられた髭は束ねられ。髪もまた幾筋かの束とされている。身に纏うのは狼の毛革。今も男の周りからこちらを窺っている狼たちの先達ならば、死してなお、主を守っている。

「グズムンドゥルだ」

男をみた騎士の中から声が上がり、どよめく。

その隙を見て、グズムンドゥルは狼たちをけしかけた。跳びかかる狼に、味方は混乱し、そこへグズムンドゥルの背後から現れたヴァイキングたちが殺到。騎士達を押し返していく。狼たちが戻ってくると、そこには私とグズムンドゥルだけが残された。それほどの信頼を目の前の男は得ている。グズムンドゥルならば負けることは無いと、そしてグズムンドゥルは、私を自らが当たるべき敵として認識したのだろう。

それは名誉な事なのかもしれない。

ヴァイキングたちを束ねる偉大な統治者は、円形の盾を構えると、無骨な片手剣を抜き放った。そのままグズムンドゥルは突進。流れるように振るわれた剣を受け止める。剣のリーチは私の方が有利だが、片手に持った円形の盾と、より小回りの利く片手剣によって、接近戦に持ち込まれるとリーチの長さは生かせず。むしろ短所となる。腰を下ろし肩から盾に当たる。グズムンドゥルを押し返し、距離をとる。追撃を放とうとした私に、すかさず狼たちが跳びかかってきた。狼たちを振り払えば、グズムンドゥルが既に距離を詰めている。

厄介な相手だった。グズムンドゥルは自らの武器の短所を理解し、そしてそれを補う為に狼達を操っている。何が蛮族なものか、グズムンドゥルは完成された戦士。いや一人にして軍団であった。繰り出される剣と盾を掻い潜り、跳びかかる狼を跳ね除ける。戦いは持久戦となり、それはこちらの圧倒的不利を意味していた。狼を一匹屠ったところで、また別の狼がその穴を埋める。繰り返せば、いつか狼を駆逐することができる筈だが、その時に、グズムンドゥルと戦い勝利するだけの余力はないだろう。 

だが、狼たちがいる限り、グズムンドゥルの隙を生み出すことはできない。狼を払い。グズムンドゥルに斬りかかる。グズムンドゥルは、倉庫のような建造物の方へ後退し、代わりに狼の群れが、左右から殺到する。私はそれを無視し狼の牙が届く前に前進。待ち受けていたグズムンドゥルの上段斬りを受け止め、強引に押し込む。グズムンドゥルは、さらに後退。建築物の入り口付近へと到達。背後から狼たちの強襲。剣で薙ぎ、数頭の狼を斬り裂きながら、横転。先ほどまで居た位置に。グズムンドゥルが刃を振り下ろしている。立ち上がりながら狼たちを牽制し、呼吸を整える。過酷だ。

不意に、空を赤い光がはしった。味方の放った多数の火矢だ。それはグズムンドゥルの背後の建築物に突き立ち。屋根を燃え上がらせた。ついに、味方の後続がヴァイキングたちを突破したのだ。私は剣を構え直した。グズムンドゥルが、個では無く軍であるならば、こちらもまた軍として戦えばいい。仕切り直しだ。

しかし、グズムンドゥルは、燃え上がる建造物の屋根を呆けたように見つめていた。それは、グズムンドゥルほどの戦士にとっては異様な姿だった。それゆえに、絶対の隙にもかかわらず斬りかかる事を躊躇った。

周囲から跳びかかってきた狼たちもグズムンドゥルの様子に統制を失っている。だがそれが合図となった。私は狼たちを斬り払って、グズムンドゥルへ向かう。グズムンドゥルも私に向き直ったが、一瞬遅れる。態勢の整わぬまま、私の強引な一撃を盾で受けたグズムンドゥルは、大きく弾き飛ばされる。その体躯で建築物の扉を破り、そのまま中へと倒れ込んだ。私はすかさず踏み込む。建物の中ならば、狼たちの追撃を制限することができる。グズムンドゥルは転がるように建物の奥へと後退し、体勢を整えようとしていた。燃え落ちる屋根の一部。その炎が内部を照らした。中にあったのは沢山の樽。崩れ落ちた屋根に倒されたその内の一つからは、芋が転がりだし、私の足元にまで散らばった。この建築物が何なのかようやくわかった。グズムンドゥルが、怒りのこもった眼でこちらを見据えている。急に自分が握っている剣を酷く重く感じた。何のために戦っているのか、その疑問は私の動きを止めた。

グズムンドゥルが走り、怒声と共に放った強力な一撃を、咄嗟に受け止める。だが、それ以上のことはできず、身体は大きく弾き飛ばされた。私は食糧貯蔵庫の入り口を抜け、冷たい大地の上を転がった。受け身も取れなかった脳が揺れる。いや、受け身をとっていたとしても、立ち上がれなかっただろう。私の剣は意味を失っていた。だが、視界の揺れが収まっても、終わりはいつまでもやってこなかった。

僅かに顔を上げれば、燃え上がる倉庫の中、グズムンドゥルがアポリヨンと対峙していた。アポリヨンの刃が、最後に残っていた白く巨大な狼を屠り、グズムンドゥルの刃を巻き上げると、そのまま弧を描いた大剣が、グズムンドゥルの首を跳ね飛ばした。跳ね上がったその首は床を転がり、燃え盛る倉庫から冷たい地面の上へと落ちる。一瞬見えたその目は、激しい恨みを宿していた。私の周りには何匹もの狼の死体が折り重なっている。倉庫群の大半は燃え上がっていた。

大剣の血糊を外套で拭きながら、アポリヨンが倉庫から歩み出て、倒れていた私に手を差し出す。

「・・・なぜ?」

私はその手を取らずに聞いた。

「ここは、彼らの食糧貯蔵施設だった」

アポリヨンの兜に開いた暗い穴は、真っすぐにこちらを見つめた。

「ああ、そうだ。そして我らは今、目標を達成した」

「襲う必要などなかった」

アポリヨンは、私が手を掴む気が無い事に気付き、手をもどす。

そして、まるで出来の悪い子供に言い聞かせるような口調で言った。

「いや、必要だった。あの偉大なグズムンドゥル、奴がヴァイキングを酷く退屈な存在にしてしまっていた。偉大な統治者の下で、狼が目を覚ますことは稀だ。狼は必要に迫られて目を覚ます」

アポリヨンは、そう言って笑うと、私を残して去った。私の下へと駆け寄ってきたブラックストーンの騎士達も私は無視した。

ブラックストーンが撤退を始めるなか、燃え残った食糧と大量の死だけが私の足元にあった。

私の疑念は確信に変わった。もっと早くに気付くべきだった。いや、本当は気付いていた。私はその現実を直視したくなかっただけだ。自らの戦いが、いつか誓った正義の為に実を結ぶと信じたかったのだ。その結果がこれだ。私は自らの手で誓いを破り、穢したのだ。

誓いを立てた証しであるタリスマンは、血に塗れ汚れきっている。平和を守るための剣も、その刀身に刻まれた祈りの文字が見えぬほどに汚れていた。理想は全て消えた。私が消した。首から提げていたタリスマンを引き千切る。私はしばらくそれを強く握っていた。それを持っている資格がもはや無い事は理解していた。私は賢王を裏切ったのだ。それでも、それを理解してもなお、手は動かなかった。

随分長い時間の後、ようやく私の腕は握っていたそれを谷底へと投げた。私の所為で血に塗れたタリスマンは陽光を反射し、一瞬だけ煌めくと、汚れた谷底へ落ち、見えなくなった。

神は私を罰せず、答えを与えてもくれなかった。

そして、私は、ブラックストーンを抜けた。

追っ手は、かからなかった。

 

***

 

「ウォーデンが、ブラックストーンを去ると・・・」

ホールデン・クロスは、私にそう告げ、沈黙した。

「そうか」

私がそう答え、再び沈黙が戻ると、マーシーは私を窺った。

「追う必要は無い」

それを聞いたマーシーは肩の力を抜いた。

それが安堵だったのか、だとすれば、あの強者と戦わずに済むという安堵なのか、殺さずに済むという安堵なのか、それは私には分からなかった。あまり興味も無い。それよりも、野に放たれ、ようやく本当の自由を手に入れた狗が野垂れ死ぬか、それとも狼になるのか興味があった。

奴が狼となり再び戻ってくることを私は期待していた。

 

***

 

村の奥にある小さな広場の真ん中、襲撃者たちの死体の上に腰を下ろし、少女は血に塗れた剣を抱えて笑っていた。体中には裂傷。甲冑の擦れる音を聞き、少女が顔を上げる。天使と呼ばれたほど美しかった顔が縦に走る無残な剣傷によって醜悪なものへと変じていた。だが良かった。彼女は無事だったのだ。その事に希望が湧く、状況は全く理解できていなかったが、聞きたいことが山ほどあった。名前を呼ぼうとしたとき、彼女の掠れたような声にさえぎられた。

「ホールデン・クロス、遅かったじゃないか」

その冷え冷えとした声に驚きを隠せず、それ以上彼女に近寄るのを躊躇った。聞きなれていた筈のその声は、まるで別人のように感じられた。彼女からホールデン・クロスと呼び捨てられるのも初めての事だった。

「これは・・・君が、やったのか?」

その疑問に、彼女は足元で死んでいる襲撃者の首を持っていた剣で突き刺してみせた。突き立った傷口から、まだ体内に残っていた血が、皮膚を伝って地面に垂れる。

「これの事か?そうだ、全て私が殺した。どうやら私には剣の才があったらしい」

にわかには信じがたいが、彼女のその姿を見れば、誰も疑う事はできないだろう。

「他に、他に生き残りは?」

縋るように発したその言葉に、彼女は薄く笑った。

「皆死んだ。お前の娘も妻も、誰もかも」

彼女の剣が指し示した先で、愛おしい娘の顔が何もうつさなくなった目で空を見上げていた。手から、ポール・アックスが抜け、地面に落ちた。駆け寄って、抱き上げる。その身体は、重力に逆らうことは無く、ただ冷たく、重かった。

名前を呼んだ。何度も、何度も、頬を摺り寄せれば、涙がとめどなく溢れた。隣には、剣に貫かれたまま倒れた妻が死んでいた。娘を抱いたまま。妻の手を掴んだ。その手も冷え切っていた。

自らの力を取り立てられ、ここまで来た。出世し、もう直に家族を城下へと呼ぶ筈だった。村の希望ともてはやされ、いずれこの辺りの統治を任されたときには、この村を守り、発展させたい。そう願っていた。そのすべて失われていた。もはや、戦う意味すら無い。何もできなかった自らの無力さを呪う慟哭は、ただ虚しく響いた。

それから、穴を掘った。ただ無心に墓を掘り続けた。全て終わった時。いよいよ何も無くなってしまったと思った。もうする事すら無くなっていた。うなだれる私の後ろに、静かに彼女が立った。

「残念だったな。生き残ったのがお前の娘でなくて」

冷めたその声に、答えることはできなかった。そんなことは無いなどとは言えない。その通りだとも言う事もできない。

「もしも悔やんでいるのなら。私と共に来い」

彼女は、問いかけた答えを待つことも無く、平然とそう言った。

「今更何のために・・・」

もはやすべては虚しく思えた。

「意味が欲しいのなら、私が与えてやる。お前が救えなかった全ての、お前が守りたかった全ての、その残滓が私だ」

私は、見知っている少女に対し、今や恐ろしさを感じていた。彼女は生き延びたが壊れてしまったのだろうと、だが死んでしまった娘は、彼女と共に行く事を望むだろうと思った。彼女が壊れてしまったのだとしても、いや、だとしたら、ならばこそ。なぜなら彼女は娘の親しい友人であったから。そして何もかも失った私は、何かに縋りたかった。だから、彼女を守り、どこかで静かに暮らそうと思った。

「・・・分かった、共に行こう、私が君を守る。エ・・」

「そいつは死んだ。お前の娘と一緒に。姉や母と一緒に。この村の死と共に私は生まれた。私の名は、アポリヨンだ」

誰もいなくなった村で、冷え切った声がそう宣言した。

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