追記:幾つか誤字修正しました
追記2:前書きの表記を現在のプロットに従って修正しました(16話投稿時点)
──頭が痛い。此処は何処だ。
覚えているのは、会社に向かうバスを待っていたら突っ込んできた車に轢かれて、いや、違う。友達と話していたらしつこかったストーカーにナイフで刺されて、違う、バイトに行く為にホームで電車を待ってたら突き飛ばされて線路に、違う、違う、××みたいになりたくて、**に死んで欲しくなくて、違う、違う、違う!
真っ白で、真っ黒で、誰かが見てて誰もいなくて、無になんてなくなりたくなかったからとにかくバラバラだったのを掻き集めて、集まって、きっと他の誰かが沢山混ざってたけど気にしてられなくて、とにかく足掻いて其処から逃げ出したのだ!
「ぁあぅ…うぁ…」
死ぬ瞬間が一気に何個もフラッシュバックする。
呻き声が漏れるがそんなのどうでも良い。
音がする。
何かとナニカがぶつかる鈍い音。知っていたような、全く知らないような声が上げる甲高い悲鳴。恨みがましく狂ったような誰かの言葉。ドチャリと音を立ててナニカが崩れ落ちる汚い音。
その全てが同時に聞こえる。
目の前の光景は幻覚と混ざりすぎていて、どれが正解かわからない。
苦しい自分とは別に思考する自分が居る。
彼処はきっと人が最後に行く場所で、天国でも地獄でもない終わりで、自分は終わり損ねの塊で。
では此処は何処だ?若しかして生まれ変わったのか?
でも赤ん坊ではない。じゃあ前世を思い出した系?
…前世ではない。
段々フラッシュバックも収まり、呼吸と頭痛が落ち着いてきて、思考がしやすくなるのが分かる。
前世ではないのだ。今ここに居る自分は、終わってしまった者達が残した、「××みたいに生きてみたい」と言う願望の塊だ。
先程から「自分」と称してはいるが、俺とも私とも僕とも、違和感を持ちながら自然と言えそうだ。
フラッシュバックの中にも、現実には有り得なさそうな風景や物が見えていた。きっと誰かが想像した××や**の死に様だ。
要するに、恐らく自分は造られたのだ。「誰かみたいに生きれる者」として。
「っうぅ…」
痛む頭を抑えて歩き出す。
周りは見るからに貧民街と言った様相で、豊かでは無さそうだ。
けれどこんな身寄りのない出来損ないが混ざるにはいいかもしれない。
出来るだけ生きやすそうな人格を選んでそれだけを真似してれば、いずれ人格も安定して、もっと生きやすくなるはずだ、多分。
とにかく今は飯をどうにかしないと。
折角あんなとこから逃げ出して、生きてるっぽくなれたのだ。
あんな死の記録を、今ここに居る自分の記憶にする気はない。
食い物と、どっか寝れる場所を探しに行こう。
そうして、当時は此処が死んだ魂が来る街で、死神なんてのがいるなんて知らなかった俺は、生き延びるための活動を始めたのだった。
根源(型月)みたいなもんを想定しています。
BLEACHのない現代(BLEACHの現代現世に非ず)の人や、死神や流魂街の住人が死んだら其処に行くってことにしておいて下さい。