お前はとっとと無に帰れ   作:燈祁

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9000UA、80お気に入りありがとうございます!
現実逃避って一番の創作意欲だと思うんですがどうでしょう?

申し訳ないんですが、映画版については見てない奴もあって設定わからんので総スルーします。
原作すらふわっとしか覚えてないからね、仕方ないね

追記:相談室の飲食物について一文抜けてたのを追加しました。
追記2:ルキアが朽木家に引き取られた時期勘違いしてたので訂正しました。



嘘発見器ならぬ怪しい奴発見器である。

「…………」

 

目が覚める。今日はわりかしさっくり死ぬ夢だったのか身体に痛みはなく、楽に上体を起こせた。

あ、でも首痛い……折ったか?

 

…年を経るにつれて、夢の内容をハッキリとは思い出せなくなってきた。

ぼんやりと、どの辺が痛かったなー苦しかったなー、というのがわかる程度で、状況とかはもう点で駄目だ。

ただそれと反比例するように、夢で負った怪我で発生するだろう痛みが体の感覚として残りやすくなった。

怪我の程度にもよるが、最近だと長ければ昼頃まで続いてしまう事がある。

痛む怪我の種類も、前は四肢の切断とか規模のでかいやつだけだったんだが、段々骨折、裂傷、打撲と軽いものでも残るようになったし、この間なんて下半身と手首が痛くて全く覚えていない夢の内容が簡単に推測できてしまった。

手首がピンポイントで痛まなければ、下半身が事故か落石かなんかで潰れたかって思ってスルーできたんだけどなぁ……

朝っぱらから気持ち悪いもん想像させられるのはほんと勘弁して欲しいわ…

 

「ん……おはよう、境」

「はよ、青乃」

 

風呂上がって以降眼帯の代わりに巻いてた布きれを解いて髪を括っていると、俺の目が覚めたのを破晶が感知したんだろう、青乃も体を起こして目を擦っていた。

 

…うし、終わった。眼鏡は……ここか。

無いともう物の輪郭がハッキリ見えないんだよなぁ。

 

 

朝飯を食い終わり、午後から仕事だからと死覇装に着替えていると、青乃が後輩死神のことを話題に出してきた。

 

「そう言えばさ、今ルキアって任務で現世に居るんだよね?大丈夫かなぁ」

「死神になってまぁまぁたったし、任されるって事は実力も付いてきてるって事じゃねぇ?」

 

あのちびっ子が、とうとう現世の任務を当てられるくらいになったのか。

なんか年取ったって感じするなぁ……外見はまだピッチピチ(死語)の二十代って感じなんだけども。

 

「とか言って、境も心配なんでしょ?」

「そりゃ、同じ釜の飯を食った仲だし?……傷薬一式揃えるときにこっそり種類増やしたりはしたよ」

 

四番隊から支給されるセットに、手製の捻挫用とか火傷用の軟膏も説明書付けて突っ込んでおいた。

昔から俺も持ち歩きに使ってる掌サイズの薬壺だし、そんな嵩張らない筈。

 

ルキア、あと恋次って奴は昔この家に住んでいた子供だ。

腹空かしてたのを青乃が見かねて、霊術院に入るまで面倒見てやってたんだよな。

その間も俺は泊まりに来てたから、面識はガッチリある。

良い子達だったぞ?

「眼帯や前髪をどけて左眼を見ようとしない」なんていう、好奇心の強い子供には難しいだろう約束をきっちり守ってくれていたし。

「見た奴は食べてしまわなければいけない」とか適当言って一寸脅かしたりもしたのは些細なことだ。

……お陰で今現在の恋次には多少呆れられてるみたいだけど。

 

「…うし、どうだ?目ぇ見えちまってないか?」

「大丈夫、ちゃんと隠れてるよ」

「オッケー。じゃ、行って来るわ」

「いってらっしゃい」

 

挨拶を交わしたら破晶に偽装鏡面を張ってもらい、青乃について外に出る。

透明人間状態だからな、俺が扉を開けたりしたら変に見えるだろ?

青乃はそのまま散歩に行くらしい。目を合わせる素振りも無く、さっさと歩いて行った。

…まあ挨拶はしたし、破晶として傍に居るしね。

透明だから仕方ない。

 

"なんか買っていかなきゃいけないもんとか無かったよな?"

『うん、無い筈。古本屋は?』

"寄ってく。まだ九時台だろ?"

『そうだね、九時三十七分だよ』

"じゃ、十時半になったら教えて"

『了解』

 

 

十時半、瀞霊廷にほど近い、死神も多く立ち寄るエリアの古本屋から漢方の研究書を一冊買って出た。

今は菓子屋で相談室用のクッキーを見てる。

此処のは個包装で一杯入ってるセットが多いからな、ピッタリだ。

 

なんか山で盛られてる菓子よりも、個包装で二、三個出された方が自分のだって明確に分かるから手が出やすいと思うんだよな。人のを取っちまったって思わずに済むし。あと個包装だと保存が楽。

一寸でも食い物を口にすれば多少は気が楽になるし、喋るようになるだろ。

 

そういう理由から、相談室には菓子も飲み物も結構な種類を揃えてる。

甘いのが苦手だったり、紅茶・コーヒーの香りが駄目って奴も居るからな。

次来る頃には茶葉が足りなくなるか?

 

「これ下さい」

 

青乃や同僚との飯代、本、自前の薬の調合器具の調達以外殆ど金使ってないからな、経費で落とすわけにもいかない相談室の飲食物はポケットマネーで賄ってる。

結構差し入れとかしてくれる奴も居るから、其処までかかってないけどな。

 

 

店を出るとどこぞの隊長だろうか、遠目に白い羽織が見える。

十二番隊の奴等の白衣って事は無いだろ、滅多に表に出てこないし。

 

"羽織着てる奴拡大してくれ"

『はーい』

 

……げ、「五」だ、五番隊。つまりは藍染隊長殿だ。

あの藍染隊長(伊達眼鏡お澄まし糞野郎)、苦手なんだよなー。

本音を笑顔で隠すのが上手いって言うか、如何にも猫被ってますって感じがする。

いやまあ俺が言えたことじゃねぇってのはわかるんだけどな?同族嫌悪じゃあないんだよ。

記録で散々色んな人間見てきた俺の勘が、彼奴は裏でヤバいこと考えてる奴だって言ってんの。

囁くとかそういうレベルじゃない、目覚まし代わりに打ち合わされるフライパンとお玉並みには煩い。

…触らぬ神に祟り無しってな、あっち通らないでおこう。いや神って呼ぶのは癪だけども。

 

…猫被ってるっつか、何考えてるかわからんのは市丸隊長も一緒だけど、あっちはヤバいのベクトルが違う。

一瞬、一瞬でしかなかったけど、命を賭けてる相手を見る目をしてた彼を見たことがある。

誰が相手かまではわからんかったが、間違いなく其奴が市丸隊長の中での「一番」で「絶対」だ。

其処までなら親近感も湧くってもんだが、ヤバいのは其奴の為に命賭けてすることが恐らく彼の独断と偏見に基づいちゃってるだろう所だ。そんでそれを自分で理解した上でやろうとしてるってのでヤバさ倍率ドン、だ。

じゃなきゃ憧れでも欲求でもない、諦めと謝罪と祈りを混ぜたような、手に入らない物を見る表情(かお)はしないはずだ。

……まぁなんにせよ、誰かのために命を賭けるってのは俺が出来なかったことなので一寸羨ましい。俺に影響のない範囲で是非頑張って欲しいと思う。

 

 

………仕事の休憩時間に後輩捕まえて、黒幕呼ばわりの真相を含めた瀞霊廷通信の取材の様子を一から吐かせていたんだが、「昔好きな人が居たって●●五席が」とか出て来やがった。

口止めでもされてたのか、うっかり言ってしまったって感じで「あああ違うんです、これはえっとその」なんて言いながら真っ青になってて一寸可哀想だった。

 

「●●五席も随分昔のことを……口滑らせちまったのは内緒にしとくから安心しろ、な?」

「は、はい。ありがとうございます……」

「代わりと言っちゃあ何だが、お茶のおかわりを淹れて貰えるか?丁度飲みきった所だったんだ」

「!…わかりました!」

 

よし、今現在がどうかは聞かれずに済んだ。

下手な貸し借りは火種になるからな、軽くても良いからさっさと返しを要求してチャラにしておくに限る。

他の隊の隊員?あれは俺の頼みを快く聞いて貰えるような関係を構築してるだけだから。大丈夫だ、問題ない。

 

……しっかし好きな人、ねぇ……

恐らく●●五席は喜助さんの事を指して言ったんだろうな。まだ弟子だった頃を知ってる人だし。

 

確かにある意味惚れ込んでいたって言うのは間違っちゃあいないし、今もそれは変わらない。

顔が良いな、イケメンさんだなってのは初対面でも思ったし。

あと恋人ってほら、その、そういうコトもするだろ?喜助さん以外が相手だったら急所を晒して抵抗しないなんてあり得ないので、消去法で恋人にしても大丈夫な人は一人になる。

 

…うん、当時俺を女の子と仮定してたんなら恋してるようにも見えたんだろうなぁ。

そもそも俺がなりたかったのは褒めて貰える弟子であって恋人じゃないから、結局のところ的外れなのだけれども。

 

「空式四席、お茶入りましたよ」

「ああ、ありがとう。……この羊羹は?」

「お裾分けです。人が少ない今のうちにと思って、人数分切り分けたんですよ」

「そうか、有り難くいただくよ」

 

…うし、切り替えだ切り替え。

これ食ったら書類一気に片そう。

………あ、美味い。

 




主人公は心理学(偽)持ち。
対象が師匠になると正確に読み取った上でネガティブな解釈をするので(偽)。
他人に対してでも負の感情の方が読みやすい。

色恋沙汰なんて死亡記録の原因上位にランクインしてるだろうし、全然記録にない「師弟」の方が主人公にとっては安心できる関係なので、態々自分から「恋人」になろうとは思わなかった。
破晶は自分自身or兄弟扱いだし、「人間の三大欲求とか無いよ?」と自己申告されているので考えに入れていない。
……恋愛ルート書くかもとか言ったけど自信なくなってきた、この主人公恋愛する気なさ過ぎるわ。

活動報告の方に要望云々書きましたが、なにもなくともおまけか、何本か纏めてとかで短編書いたりすると思います。というかすでに何本か溜まってます。

因みに前話時点の主人公は既に〔リリィ〕ではなく、二十代前半、と言った感じの外見。
身長は170ちょいで打ち止め。
髪が全体的に伸び、前から回した分が肩甲骨位、他が腰当たりまで伸びている。地面に座ってギリギリ下に付かない位。
今更だが基本方針は「向こうに勝手に勘違いして貰うだけで、嘘は出来るだけ言わない」である。
胸は聖剣持ってる方の騎士王と同じか少し大きい位で、絶壁ではないが巨乳でもない。
サラシできっちり潰してるので胸板か貧乳か、と見られている。
後輩からかってるときと営業スマイルおいときますが、作者の絵じゃうざさがわからんって方は亡軍国様か極楽満月の店主をご想像下され。

【挿絵表示】

死覇装の着方がおかしい?細けぇこたぁ良いんだよ!別に着崩してるわけじゃ無くて作者の技量が足りなさすぎるだけだからネ!
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