お前はとっとと無に帰れ   作:燈祁

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リンクスにゴッズ実装おめでとうございます!!!!!!
お久しぶりですすいませんデュエルしてました!!!!!(土下座)
ブルーノちゃんと謎Dと各種満足さんの実装待ってます……
あとアロマvsアロマは当分やりたくないです(げっそり)

いつの間にか全体UAも一話UAもガンガン増えてるしお気に入りが250を越えている………凄く嬉しいです、今話が難産+イベント続きで遅れた分次のは出来るだけ早く仕上げます……!!!

追記:後書きで言った手/描/き/動画はガ/ジ/ェの方でした
ネガはU/T/A/Uのみです、すいません



親友と言うよりは腐れ縁

ぐぇ、と余り聴き心地の良くないであろう音声が僕の喉から飛び出した。

くるくると回転しながら眼前を通りすぎていく木刀の風圧が凄い。前髪が数本持っていかれた気がする。

 

「…っぶねぇな!怪我無いか!?」

「は、はい……」

 

空式四席が咄嗟に後ろ襟を掴んで仰け反らせてくれたお陰で顔面を貫かれる事態は避けられたが、心の方はポッキリ行く寸前である。なにこここわい。

 

僕が起き上がる間に四席が回収した木刀を見ると、通常の半分程度の長さしかなかった。端は木片がバキバキと出てしまっており、僕の物らしき髪が二本程引っ掛かっている。問題はスピードだけではなかったらしい。掠ってもアウトでしたか。

刀身をよく観察すれば元来の表面部分は凹みや削れが少なく、余り使い込まれていない印象を受ける。

 

「新入りの方の、ですかね」

「どうだかな。此処はよく手合わせで武器駄目にするから」

「え、そうなんですか?」

「ついこの間俺が此処を担当した時も使い始めたばっかの折ってたからな」

 

その時も破片飛んできたから気を付けろ、と恐ろしい忠告。先に言って欲しかったです。

確かに此処が最高難易度の隊舎なのだと再確認させられた。

 

あ、そういえば。

多少パニックになっていたからか、地面に落とすことなく抱え続ける事に成功したのにすっかり忘れてしまっていた腕の中の箱を確認する。

内部に泥は入らなかったようだ、良かった。傷口に直に接触する物だから汚さないようにしなくては。

背負い籠も四席に確認して貰うが、問題なさそうだ。

 

「やっぱ俺が先進むわ。最短距離で補充箇所回っちまおう」

「はい」

「あと次なんか飛んできたら出来るだけ自分で避けろよ。戦場に衛生兵として随伴する時の予行演習とでも思っとけ」

「わかりました」

 

僕の試験のような物なので少し申し訳ないが、このままでは命が幾つあっても足りなくなってしまう。此処に何度も来ているであろう四席に先導してもらえれば幾分かは安全だろう。幾分かは、だが。

自力で回避って、何処まで出来るんだろうか。僕は戦闘が不得手だから四番隊に来たという面が大きいのだ。

 

 

上がり込んだ室内を四席は慣れた様子で進んでいった。

道中に居た十一番隊の隊員にも臆せず声を掛けて人探しをするのは流石と言うべきか。僕は強面の人々に対し会釈位しか出来ない。

 

興味本意で覗いた道場で目が合った斑目三席───つるりんと呼ばれていたのは恐らくこの人だろう───に絡まれる(空式四席が木刀の事を引き合いに出して退かせてくれた)とか草鹿副隊長(on更木隊長)に再遭遇する(間近で見ると思ってた以上に背が高くて怖かった)とかのイベントが発生したがなんとか補充を済ませ、僕達は四席の目的の隊員に辿り着く事が出来た。

 

「すまん、待たせたな」

「いえ。……もしかして急がせてしまいましたか?」

「ん?ああいや、そんな複雑な話じゃないから大丈夫だ」

「そうですか」

 

綾瀬川五席に会う際、相談室案件だからと僕は少し離れた所で待機していたのだが、別れる際の二人の遣り取りが「常に何らかの含みがあります」な闇属性の会話だったので同席しなくて良かったと思っている。

ダーティな取引、若しくはアダルティな展開でも始まるのかと思ったし。

相談室の人は皆、あんな遣り取りが出来るのかな。それとも空式四席特有の技能なのか?

出来れば特有のものであって欲しい。僕は相談室で働くのが目標の一つなのだ。必須とか言われてしまうと諦めなくてはならなくなってしまいそうじゃないか。

 

「次は二番隊だったな」

「はい」

「よし、じゃあ此方から抜けるぞ」

「わかりました」

 

 

出来るだけ道を覚えようと観察しつつ、建物を出る。

二番隊の方向は把握しているので、再び四席の隣を歩いて行く。

 

「あ、そういえば結局聞けてないんですけど、二番隊で動けない理由ってなんなんですか?」

「あぁ、話の途中なんだったな。すまん」

「いえ、別に」

「で、理由だな?模擬戦闘をしているからだ」

「は?……あ、いや、すいません」

 

模擬戦闘?隊長格と非戦闘員が?なんで?

思わず声が出てしまったが許して欲しい。訳わかんないんだもの。

 

「あー、戦闘じゃあ正しくないな。俺は大半逃げてるだけだし」

「何故そんなことに………」

「隊長になってある程度自由に隊員を動かせるようになったからだろうな。やるなら俺の代わりに補給手伝う奴用意してくれって言ったし。立ち会いとかなら他の二番隊隊員でも良いけど、逃亡者捕縛の訓練だと他隊の俺が適任なんだと。俺も始解が戦闘向きじゃない、から……攻撃を捌く練習ってことで利用させてもらってる。多分仲が悪いってのもそれをちらっとだけ見た奴が言ったんだろうな」

「な、なるほど…?」

 

わかったようなわからないような。

非戦闘員が適任と言うのも謎だ。そもそも要求を言えるということは、昔から親交があったのだろうか。

相談室の人達は何処に伝があるかわからないな………

 

「二番隊は初めてって訳じゃないんだろ?」

「はい」

「さっきも言ったが代わりの人もいるし、よろしく頼むわ」

 

その後は何処の出口で合流するか、一度四番隊の隊舎に戻って物資を補充するかとかとかを話し合いつつ二番隊の隊舎を目指した。

一瞬だけ足を止めた理由は、結局教えて貰えず仕舞いだった。

 

 

「今日はあの四席が来る予定はなかったよな?なんで急に来たんだ」

「さぁ、急にシフトが変わってしまったので僕も良く分からないんです」

「ふーん。補給で彼奴が来ると俺が荷物運ばされるから極力他の奴に来て欲しいんだけどな」

 

十一番隊の人々とはまた違った威圧感───主に横幅について───の有る大前田副隊長が、四席の言う「代わりの人」だった。

敷地内に入った瞬間に四席が荷物を地面に下ろし、「それじゃあ後はよろしく!!!」と残して駆け出していってしまい、数十秒後には副隊長がやって来た。

荷物を背負いながら「四番隊の補給だな?」と確認を取る様子から、これが頻繁に起こっている出来事なのだと理解出来る。

相談室案件で、と言うのは避けた。当事者でもない部外者には伏せるべきでしょ?

 

「単品で来る分には隊長の息抜きになるみてぇだし良いんだがな………俺の仕事が増えるのは嬉しくねぇな」

「息抜き、ですか」

「ああ」

 

四席が去っていった、恐らく二番隊の隊長も居るであろう方向を見て、彼は言う。

 

「あれがあの人達なりの遊び方なんだろうよ」

 

 

 

 

 

「………どういう心算だ」

「いや、普通に負けただけですよ。砕蜂さん手加減しないし」

「だけ、な訳ないだろう。報せも無しに来た挙句態々霊圧を揺らして私を誘い出し、かと思えばあっさり捕まって………何か企んでいるとしか思えん」

「手厳しいな………いや、本当に此処の当番になったのは偶然なんですよ、シフト変えたらそうなったんです」

 

疑わしげな目を砕蜂さんに向けられる。確かに最後に手抜いたけども。

仰向けでマウントを取られ喉元には手刀、で完全に追い詰められた状態なんだしもう少し優しくしてくれても良いと思うんだが。

……これを見られたら今度は仲が悪いどころか付き合ってるって噂が立つんじゃないか?

 

森に入った瞬間上空からのドロップキックを喰らいかけ、その後も追撃を避け森を三分程本気で走り回りつつ良さそうな茂みを探し、発見した此処に転がり込んで逃げるのを止めた。

体術のみで周囲の物を使うのは有り、一番遠回りの門に俺が辿り着ければ俺の勝ち、というルールで始まった鬼ごっこなのだが今回で二〇四八敗目だ。

今までは交互に勝ち負けを繰り返していたので俺も二〇四六勝はしているが、前回に続き砕蜂さんの勝ちなので此れはもう俺の負けなのではないだろうか。

 

「でも丁度良かった。…………今誰か周り見てますか」

 

声のトーンを幾らか落として囁けば、周囲に視線を走らせた後で「誰も居らんな」と返された。

 

「隠せ、破晶」

 

極々小さな声で解号(偽)を呟き、同時に懐(と見せ掛けて破晶のストレージ)から小振りなノートとボールペンを二つずつ取り出す。

向こうは向こうで俺の上から降りて、俺に渡されたノートを開き、ボールペンを持って俺が筆記するのを待っている。慣れたもんだ。

 

ああ、前に取っ組み合った時に無意識に左の太腿を庇ってしまっていた結果、破晶を所持しているのはばれている──序でに感触で性別もばれて機嫌を損ねた。同性愛者仲間だとも思われてたらしい──ので始解(偽)の使用は問題ないぞ。この遣り取りも初めてじゃ無いしな。

……余談だが、破晶の事は卯ノ花隊長にも多分ばれてた。以前「重心が変ですね」と笑顔で言われている。

見た目と実際の装備の差を姿勢から見抜けるのは人体を知り尽くしているからなんだろうが、卯ノ花隊長以外には早々出来る事でもないだろう。

直接言える訳も無いが、当時は「頭可笑しい」と思ったもんだ。よくよく考えれば破晶も計算出来るんだけどな。

………最低でも三人にばれてるのか。いや、百年ちょいで三人なら少ない方か?

 

〈朽木の件は二番隊にも伝わってますか〉

 

そう書いた頁を見せると首肯が返される。

数行開けて次の文を書く。

 

〈あれの指示を出してるの、四十六室じゃないです〉

《根拠は》

〈半分位死んでます〉

 

一層鋭くなった眼光を向けてくる砕蜂さんに、破晶が紙にストレージからインクを出力して作った写真擬きを見せる。

そこに写っていたのは、過半数が血溜まりに沈んでいるにも関わらず、残りが平然と椅子に座っている四十六室の老い耄れ共の集まりだった。




今回の作業用BGM:「ネ/ガ/ポ/ジ/* /コ/ン/テ/ィ/ニ/ュ/ー/ズ」
某U/T/A/U動画を見て以来、「ガ/ジ/ェ/ッ/ト/チ/ー/ト/!」に次ぐブルーノちゃんのイメソンと化してます。トラップ発動!!!

今回は十一番隊の描写丸々一回没ってるのでどっかに消し忘れなどがあったら申し訳ありません。
プロット詰め直す度に砕蜂さんの出番が増える………通常ルートがそのまま砕蜂さんとの友情エンドになりそうな勢いです。ライバルポジって凄い。

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