お前はとっとと無に帰れ   作:燈祁

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前話の挿絵一寸手直ししました。某一族みたいな目になってたので……
前のは挿絵一覧の方に置いておきます

今の所ダイジェストっぽくなっちゃってるので、抜かしてるところとかさらっとしか書いてないところは何時か番外編として書こうと思います。

結末はなぁ…師弟エンドと恋愛エンド、どっちも捨てがたい……
とりあえず師弟エンドを目指しますが、何時かIFルートとして恋愛エンドも書くかもです。
まあ、主人公のSAN値が更に削れる以外は大した違いが出ないと思いますがねHAHAHA
……因みにこの時点で恋愛エンドに入ろうとする(師匠ロ〇コンルート)と、某美人英語教師ルートの如く5秒で終わるので分岐はもう一寸後です。

追記:後書き重複して書いてたので訂正しました。
追記2:前書き一部抜けてたので訂正しました。



何故医者みたいなもんなのに給料が安いのか

どうせ休みにはまた帰ってくるので、隊舎には寮に持って行っていたのと同じ、最低限の生活必需品だけを持っていく。

つっても其れ位しか「俺の荷物」って言えるもんは無い。私服も帰る時用に持って行っちまうからな。

強いて言うなら、ここに来てからずっとお世話になってる布団一式と、師匠が読み終わって俺に譲ってくれた本が、「置いていく俺の荷物」ってギリギリ呼べる。

……ぶっちゃけ生きていくことと師匠の役に立つこと以外にあんまり興味が湧かないんだよ、驚いたことに。自分用の嗜好品とか買った記憶が無い。

知識はあればあるだけ良いから欲しいし、旨いもの食べて味を盗めれば嬉しいとも思う。師匠の手伝いがしやすいし、「美味しい」って言って貰えるからな。

けど俺が何か物を得るのは師匠に影響がない。師匠に必要なさそうなもんを手に入れようと思えん。

我ながらつまらん奴だと思うが、まあ周りからしたら「読書・料理が趣味」って見えてるだろうし、変に目立たなければそれでいいさ。

 

「じゃあ師匠、また次の休みには帰ってくる。頑張って働いてきます!」

「無理はしないで下さいね」

「其れそのまんまお返しするわ。研究に根詰めすぎてぶっ倒れないでくれよ?」

「アナタが居るときに倒れるように、ちゃあんと計算してるんで大丈夫ッスよ」

「いや俺が居るとか居ないじゃなくて倒れないで欲しいんだけど?適度な休憩を挟むって選択肢はないんですかね師匠?………行ってきます」

「……はい、いってらっしゃい」

 

うし、師匠が態々見送りまでしてくれてんだ。やる気入れろよ俺。

師匠の下で働けるようになるまでに、「自慢の弟子です」って言って貰えるような功績おっ立ててやる!

 

 

…俺、四番隊って治療が主って聞いたからさぁ?優しい人が集まるとこだと思ってたんだわ。

何ぞこれ?上司大半恐い…マジで何で…?

副隊長が癒やしだ。他もいい人なんだけどね…威圧か小言かの2択とかさあ……

働き始めて早一ヶ月、異動願いを出す日が既に待ち遠しい。

 

…ただまあ、手当てと回道、薬学に関しては来て良かったと心底思う。

他とは知識量が桁違いだ。実地も兼ねてるから理解も深まる。

…漢方に凝ってる記録とかもあったが、記録はあくまで違う歴史を辿った世界線の知識だからな。見た目が同じ草でも、向こうで薬草、こっちじゃ毒草、なんて風に成分が変わってる可能性があるから使えなかった。こっちの知識を習えるのはほんとありがたいわ。

 

暇な時間には、記録の中で造り主達が対処できなかった怪我を書き出して、それらへの対処を考えている。

少なくとも、これで同じ末路を辿ることは無くなるだろうからな。

 

仕事の方は直ぐに慣れたが、怪我を見た時、夜に似た傷の出て来る記録を夢に見るようになってしまった。

そのものは平気なんだけどな……どんな傷であれ、記録の傷=致命傷よりはマシだからな。

破晶曰く魘されているらしいし、猿轡でもしてから寝るべきだろうか……いや、誰かに見られたらコトだしなぁ……ドMの変態野郎だとは思われたくねぇ。

布団を出来るだけ深く被れば良いか…?

 

 

そんなこんなで大体一年が過ぎた。

休みに家に帰ると、なんか何時もより師匠の機嫌が良さそうだった。

 

「なぁ師匠、なんか良いことあったのか?」

「ええ。境サンに異動願いを出して貰う先が今度出来るんスよ」

「! 新しい部隊って事か?」

「まだ他の人には内緒ですよ?」

「…それ俺に教えて良いのかよ?機密って事だろ?」

「境サン口固そうですから」

 

確かに固いね、喋るような相手も居らんし。

 

「……了解。成る程、まだ無い部隊には異動出来ないもんな。師匠も其処に入ってんのか。」

「そんなとこッスね」

 

環境整ったら呼んでくれるらしい。……楽しみだな。

 

 

休みが明けて、俺は底辺だけど席官に昇進。回道をそれなりに使いこなせてたから、だそうだ。

そんでもって、護廷隊は一寸組織図が書き換わった。

 

いや、確かに入ってるっちゃ入ってるけどさ?師匠局長じゃねーか!そんでもって隊長兼任かよ!そんなとことかいうレベルじゃねーよ…

趣味を仕事にしたかったから専門部署作るとかぶっ飛んでるわ。

環境整えるって言ってもこれじゃかなり時間かかりそうだな……年単位は覚悟しとこう。

俺は俺で文献漁ったり工学関係の記録見返しておくかね。

 

……今度帰ったらお祝いだっていってご馳走にしよう。プレゼントするもんとか思い付かんしな。

 

 

えー、こちら空式。只今副隊長殿に深夜の厠で吐いてる所を見付かった次第。

しやーねーだろ!?記録の夢ガッツリ見ちまったんだもんよ!久々にキッツい奴だったから気持ち悪くなっちまったんだよ!

始末を手伝って貰ったはいいが、膝詰めで説教は面倒だな……

 

「いや、一寸興味本位で酒飲んだら予想以上に強くって」

「まだ子供なんですから駄目ですよ!」

「…はい、すいませんでした……」

 

精神病の診断下されたくないから酒のせいにしてるが、まだ十四、五歳にしか見えねーからな…

…説教より部屋に帰って寝たい。よし、疑われる前に切り上げて貰おうそうしよう。

 

「大体こんな時間に…」

「あの、副隊長」

「あ、はい。なんですか?」

「俺、お酒飲めるようになりたいんです」

「?……何でですか?」

「格好良いじゃないですか、なんか渋くて」

「そう、ですかね?」

「そうですよ!…だから、その……俺がもう少し成長したら、お酒試すの付き合っていただけますか?」

「!…わかりました、でもそれまで勝手に飲んじゃ駄目ですよ?」

「はい!」

 

ウソ…俺の上司ちょろ過ぎ…!?

まぁ詐欺師の人格のスキルフル活用で喋ったから当然っちゃ当然だけども。副隊長マジ純粋。

……うん、とっとと寝よう。今度は吐いたもん喉に詰まらせる夢でも見るかもしれんが、寝ないよりはマシだ。

おやすみー。

 




悪夢によるSANチェックは0/1
今回の悪夢は失敗、1減少。

主人公は自分の出自から、かなり自己評価が低いです。
飯作ってくれて頭が回って手先が器用で見た目も整ってて飛び級まで決めた、そんな弟子が自慢じゃないわけ無いんですがね……

どの隊員がいつどの階級かとか、どっちが年上かとか、時系列あやふやな場合はぼかしたりします。

今回の記録:猟奇殺人の被害者
目隠し+拘束状態で、内臓を素手でいじくり回されたのが気持ち悪かった。
珍しく他の同系統の記録が混じらなかったが、一つでも十分キツかった。
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