私、弘世菫は暇だった。同じクラスの照は日直で遅くなるので、私1人でチーム虎姫用の部室に来たのだが生憎誰も居なかった。
この時、淡のノートを見なければあんな事にならなかったのに…
『菫ゼルとグレー照』作:大星淡
ふむ…淡の小説か?ちょっと読んでみるか、いいかほんのちょっとだぞ!!
パラッ…
ここは深い森の中菫ゼルとグレー照はピクニックに来ていた(以下作者がめんどくさくなったので菫と照で統一)
「なぁ…」
「何?菫どうかした?」モグモグ
「何食べてんだよ?」
「クッキーだけど、菫も食べる?」と照はクッキーを差し出してくるが菫にイヤな予想をさせた。
「お前、今日クッキー持ってきてなかったよな?どうしたんだよ」そう菫は照に聞くがイヤな予想は往々にして当たるものである。
「いや菫がクッキーを落としててもったいないから3秒ルールで食べたよ。エライでしょ。」ドヤァ
照はそう言って菫にドヤ顔を向けるが菫の顔を引きつらせるには十分すぎた。
「お前の食べたそのクッキーは森に入るとき入口に迷わず帰れるように置いてきたんだよ」ハァ
「ちょっと!菫のせいで迷っちゃたじゃないかもう!!」
菫はそんな照の頬に手を伸ばし引っ張りながら「おーまーえーがー地面に落ちたものを拾い食いなんてしなければいいんだろ!」
「イファイ!イファイ!ゴメン!あやまるからゴメンて!!!」菫はハァと意気を吐いて照から手を放した。
「ここに留まっていてもしょうがないから出口を探そうか」(※森や山で迷った時には動かずじっとしていましょう。遭難の危険があります。by作者)
「そういえば照?」
「何?菫?」頬っぺたサスサス
「お前は何を持ってきたんだ?ちなみに私はクッキーとジェリービーンズだ」どうせプリンだろうと菫は思っていた。
「私はね…」と照がバカでかいリュックから取り出したのはギガプリン
「予想の右斜め上だ!?なぁ…照?」
「大丈夫だよ菫にもあげるから」
「そういう事じゃ…もういいや先に進むか?」
2人は森の奥へと進んでいった。
森のさらに奥へと入っていくとお菓子の家がありました。
「菫!菫!お菓子の家だよ!!」
「あ、ああ…」
「菫行ってみようよ!」
「おい!待てよ照走るな!!」
2人がお菓子の家の前に着くと照はズカズカと入って行ってしまいました。
「わぁ!ホントに全部お菓子だ!!」
「ああ、それにしてもすごいな」
「ホントだよね。私もこんな家に住んでみたいな」ガブ
「ちょっ!何食べてんだよ…これ絶対この家の主が帰ってきて怒られるパターンじゃ…」
菫がそう言い終えようとした時、家のドアが開きました。
「えっ!誰?なんで私の家にいるの?ああ!食べられてる!!」
そう言ってステレオちっくな魔女の格好をした気の弱そうな女性がいました。
「誰?」
「そういえば森の奥にアラフォー魔女が住んでいると聞いたことがある」
「アラサ―だよ!」
「はぁ…ところでお名前は?」
「私?私はすこやんだよ」
「それではすこやんさん、失礼しました。ほら!照帰るぞ!!」
「ちょっと待ってよ!食べたお菓子の分くらい働いて行って!!」
とすこやんは走ってきましたが、不幸なことにそこには照の置いたギガプリン入りのバッグに躓きギガプリンに頭から突っ込んで気絶してしまいました。
「・・・」
「プリンが…」
「べトベトだな」
「うん…プリンが…」
「とりあえずシャワー借りていくか」
「そうだね…プリンが…」
「ほら!行くぞ!」
「押さないで…プリンが…」
「プリンプリンしつこいな、帰ったら買ってやるから」
「ありがと、菫!」
「ほら、くっ付いてないでシャワー行くぞ」
━終わり━
なんだこの小説はと私は思わずにはいられなかった。
なんで私と照がこんなファンタジーなことを…
「あれまだスミレしかいない…うわ!スミレなに人の小説読んでんの!」
「大星これはだな…」
「これは何?スミレが人の小説勝手に読んでるー!」
「あー…分かった、今度一緒にパフェ食べに行こう」
「ホント!?ならゆるしてあげる、約束だからね」
淡はジュースを買いに行ってしまった。
私はこれから財布が軽くなるであろう週末の事を考え少し憂鬱にもなったが、可愛い後輩とのデートも悪くないなと思っていた。