しろねこフレンズ   作:RASN_Pixiv1本になります

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帰還とお祭り

「……!?」

 

「きゃぁ…!?」

 

RASNとカモメはドタンと尻餅を草原にへと着き、目の前にはユキムラ達が立っていたのであった。

 

「大丈夫か!?」

 

「……!」

 

「私は平気です…ってこっちは夜なんですね…。」

 

そう言って見上げると空には月と星がRASNらを淡く照らしていた、そんな中メグとユキムラはひっそりと話していたのであった。

 

「メグ、日時とかは分かったりできるか?」

 

「んーと…ルーン時計は…まだ大丈夫だお…。」

 

「そうか…それなら大丈夫だな…。みんな!取りあえずは下山してみないか?こんな時間だし多分みんな気にしていると思うしな。」

 

「そうですね!心配させてはいけませんからね!」

 

「メグたんも賛成だおー!」

 

「エクルもー!」

 

「船長は…?」

 

「…!(コクッ)」

 

「よし、それじゃ足元に気を付けていくか…。」

 

一行は手持ち品を確認して無くなっていた武器を装備し直してから下山した、道中は特にモンスターやお化けに襲われることもなくロッジにへと到着したのであった。

 

しかしやって来たロッジは中の明かりも付いておらずで人気も物音もしなかったのだった。

 

「真っ暗ですね…。」

 

「……!」

 

「中には…誰かいるのか?」

 

「おー…暗すぎだおー…。」

 

「わからないですねー、でもゾゾゾーな感じでお城がありそうですねー?」

 

「おしろー?井戸ならあるよー?」

 

エクルが指差す方には井戸がポツンと置かれており、そこには灯りが灯った提灯が置かれていた。

 

「明かりか…そういえば…そうか。」

 

「…?」

 

「RASN、良かったら取ってきてほしいお

 

…そうすれば辺りがよく見えると思うおー?」

 

「…!」

 

RASNは快く頷き井戸の方にへと近付いた、よく見ると井戸の回りには柳が植えられておりその葉は垂れていたのだった

 

「………、……!」

 

異様な雰囲気に震えながらも提灯にへと手を伸ばした、するとズサァと井戸から白い手がRASNの腕を捕まえたのだった。

 

「……!?」

 

「ぎにゃー!?」

 

「……?!」

 

RASNは驚いて尻餅をつくと聞き馴染みのある声と共に井戸からキャトラが発射され、RASNは慌てて飛び出したキャトラを受け止めた。

 

そして腕の中のキャトラは何故か白い着物と三角巾を着けていたのだった。

 

「ふぇー…驚かすと思ったら驚かされたわー…?」

 

「…?」

 

「この格好?まぁお化けの島だから一度やってみたくてねーうらめしやー…カニカマおいてけー。」

 

「……。(汗)」

 

「さてと…そろそろ良いかしらねー?」

 

「…?」

 

そう言ってキャトラは三角巾のみを取り外してからRASNの腕から降り、落ちている提灯を前脚で叩いた。

 

「…?」

 

「何してるかって?…まあ見てなさいよー?」

 

するとその提灯が上へと上っており、いつの間にか辺りにあった垂れ柳も無くなっていたのだった。

 

「…?!」

 

「ライトあっーぷ!」

 

キャトラの号令と共に辺りが明るくなった、そしてその光源は先程キャトラが叩いていた提灯と同様の物がたくさん並びそしてそれらの下には暗幕が被された何か並んでいたのだった。

 

「そんじゃ!やっちゃいなさーい!!」

 

そうして暗幕らは内側から一斉に全部剥がれ、中からは屋台が出てきて中にはRASNの顔馴染みの冒険家達の姿があったのだった。

 

「……!?」

 

「RASN…?」

 

「にーに!」

 

「パパ…!」

 

RASNは名前を呼ばれて振り返るとそこには浴衣姿のアイリスとコヨミとヒナが立っており、アイリスの手には蝋燭が立ったケーキを持っていたのであった。

 

「みんな声張り上げなさーい!せっーの!」

 

「「「「「「誕生日おめでとうー!!」」」」」」

 

そしてアイリスが蝋燭に火を立てるとRASNの方にへと近づけたのだった。

 

「さぁRASN、一気に吹き消してね?」

 

「……………………、……!…!!!」

 

RASNは唖然としたもののアイリスの方にへと近付くと一息にてケーキ上の蝋燭の火を消したのであった。

 

「わっー!!」

 

「きゃー!!」

 

「めでたいわ!踊るっきゃないわ!」

 

「おめでとうございます…!」

 

「うぉぉぉぉ!!ワッショォォィィ!!」

 

「おめでとうね…ケホッ…ケホッ…!」

 

「ケーキ…!じゅる………。」

 

「今日はめいいっぱい誉めてやるよー!でもやっぱ俺も誉めてくれー!」

 

「おめでとねー。」

 

火が消えた後に辺りからは拍手と歓声や汽笛やら竜や獣達の咆哮が鳴り響いたのであった。

 

「……ぎにゃぁぁぁぁ!!?ちょっと開幕式みたいなのやるから少し黙らっしゃぁー!?」

 

キャトラの叫声により辺りは静かとなり、RASNの頭にへとキャトラは移動するとアイリスによってルーンインカムマイクが付けられたのだった。

 

「あーあー、よしっ。それじゃドッキリも一応成功したし…今からRASNの誕生日を祝っちゃう祭りを始めるわよー!飲んで食って騒ぎまくるわよー!ぎにゃー!!」

 

そうしてまた辺りは騒がしくなったのだった。

 

「ふぅー…疲れたわー…。」

 

「お疲れ様キャトラ、はいお茶。RASNもいる?」

 

「ありがとねー、。」 

 

「…!」

 

アイリスは水筒を開きRASNとキャトラにへとにお茶を差し出したのだった。

 

するとRASNらのところにへとユキムラ達がやって来ていたのだった。

 

「おっ、ユキムラ達じゃなーい。お疲れ様ー、でもなんか随分と遅かったわねー?」

 

「あぁ、少しトラブルがな…そうだ、誕生日おめでとうRASN。」

 

「おめでとうございますー!」

 

「おめでとうなのー!」

 

「だおー!」

 

「おめでとうございます!船長!」

 

「…!……?」

 

ジャパリパークを一緒に歩いた皆も浴衣姿であり、彼らからもお祝いの言葉を受け取るとキャトラにこの事を聞こうとしたのであった。

 

「ん?あぁ、そういえばまだ説明してなかったわね。まぁ簡単に言えば盛大な誕生日パーティね、こっそりと盛大にするのにユキムラ達に手伝ってもらったわけよ。」

 

「…?」

 

「あぁ、だがああなるとは全く思いもしなかったがな。」

 

「…!」

 

「…?まぁ詳しいことは後で聞くとして…今はお祭りよー!食べまくりよー!!」

 

「そうですね!楽しんでいきましょー!」

 

「いっぱい遊ぶのー!」

 

そうしてキャトラとイロメロにエクルは元気よく屋台の方にへと突っ込み、三つの溜め息と共に三人がそれらを追いかけたのであった。

 

「にーに!お祭り一緒に回ろうよー!」

 

「ヒナ…パパと一緒がいいな…?」

 

「そうですね、四人で一緒に回りましょうか?」

 

そして残されたコヨミとヒナがそう言ってがそこに連ねるように赤い金魚が散りばめられた白い浴衣なカモメが入ってきた。

 

「…!」

 

もちろんRASNは頷くと四人で一緒に屋台を巡りにいったのだった。

 

 

 

「この林檎飴…中々美味しいですね!」

 

「…!」

 

「あむあむ…綿菓子も美味しいよ!カモメねーね!」

 

「…バナナおおきい…。」

 

祭り囃子が響く中で四人は祭りを満喫していたのであった。

 

だが一旦ベンチにへとカモメとRASNは座ったのであった。

 

「大丈夫…パパ…?」

 

「………!」

 

「少しはしゃぎすぎましたね…二人は気にしないで遊びに行ってくださいね?」

 

「うん、分かったよ!行こ、ヒナちゃん!」

 

「…またね…?」

 

そうしてベンチに二人が残され、二人は深く腰を落ち着けたのであった。

 

「…?」

 

「今日は色々とありましたからね…というかあっちでは三日ぐらいでしたけどこっちは数時間だったんですね。」

 

「…!」 

 

カモメは林檎飴片手に微笑みながらもRASNと話していた、RASNからは多数の提灯からのほのかな灯りがカモメを照らしておりとても綺麗に見えていたのだった。

 

「はい…皆さんとても良い方ばかりでとても良い所でしたね。」

 

「………。」

 

「そうですね機会があったらこちらにへと招きたいですね。」

 

すると祭りの会場に轟音が響き渡り空には花火が咲いたのであった。

 

二人はベンチからその花火を見上げており、花火は丸いの以外にも星形やハートマークやキャトラの顔などが打ち上げられていたのであった。

 

「綺麗ですねー…。」

 

「…!」

 

花火の中に人や大蛇のような影が映し出されたりしたが会場にいた冒険家は特に気にすることも無かったのであった。

 

「……。」

 

「…?」

 

そしてベンチの二人もそんなのを気にすることも無くカモメがRASNの目をじっーと見つめており、そんなRASNは首をかしげていたのであった。

 

「…。」

 

「……。」

 

「………。」

 

「…………。」

 

花火が打ち上がっている音の中、二人は静かに見つめあいお互いの顔には花火からの光が照っていたのであった。

 

「…………。」

 

「………。」

 

「……。」

 

「……うぅ…。」

 

だが先にカモメが顔を赤らめて視線をそらしてしまったのであった。

 

「……?」

 

そしてRASNは心配そうにカモメの方に体を寄せていき距離はもう体が触れ合っている範囲であり、カモメのおでこにへとRASNは手を置いたのであった。

 

「えぇっ!?だっ…大丈夫ですよ…。」

 

「…!?」

 

カモメは置かれた手を驚き更に顔を紅潮とさせたのであった。

 

「…?」

 

「大丈夫ですよぉ…、あっ…でも…。」

 

「…?」

 

「その……多分ですけどキ…キキキ…。」

 

「…???」

 

そしてもじもじと顔の前にて指を擦り付けて言葉を吃らせながらもRASNを見上げて、その赤い顔を近付かせていたのであった。

 

「キ……きっと…頭を撫でてくれたら落ち着く…かもです…。」

 

「……。」

 

そう捻り出した言葉を発し、カモメは頭を下げたのであった。

 

「…!」

 

そしてRASNは迷うこともなくおでこに当てた手を頭にへと乗せると撫で始めたのであった。

 

「あっ……んんっ…!」

 

「……。(汗)」

 

カモメは撫でられるたびに小さく呻き体を縮め込ませており、撫でるRASNは少し困っていたのであった。

 

「…あふぅ…。」

 

「……!」

 

暫く撫でられ少し慣れたのかカモメは肩の力が抜け、紅潮とした顔も引いていたのであった。

 

「…?」

 

「はい、大丈夫です大分落ち着けました…。それにしても…やっぱり私、船長の事…あっ…。」

 

カモメが言い切る前に手は頭から離れてしまい言葉は途切れてしまったのであった。

 

「あ!にーに!ねーね!」

 

そして更にそこにへと星たぬきのお面を頭に着けてかいたコヨミとヒナがやって来たのであった。

 

「…!」

 

「パパ見て…!これ…楽しいよ…!」

 

ヒナは手にしている水ヨーヨーを楽しそうにぽよんぽよんとさせてはしゃいでいたのであった。

 

「あとね!見て見て!コヨミね射的でぬいぐるみさんを落とせたよ!すごいでしょ?」

 

そう言いコヨミはタローからお祭り衣装な星たぬきのぬいぐるみを受け取るとカモメとRASNに見せたのであった。

 

「…!」

 

「はい!こんなに大きいのを落とせるとはすごいであります!」

 

「えへへ…そういえば向こうでみんなが集まってるよ?行ってみようよ!」

 

「一緒に行こ…?」

 

「…?」

 

「そうですね、では…全速前進です♪」

 

そうして四人は手を繋ぎ合うと歩き始めたのだった。

 

 


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