とある魔術やら科学と問題児   作:軒下 久杉

1 / 4
プロローグ

「…ですか…?」

 

気持ちよく睡眠をしていると、どこからか声が聞こえてくる。なんて言っているんだ。

朦朧としていた意識はゆっくりと覚醒していく。

 

「大丈夫ですか…?」

 

今度ははっきり聞こえた。どうやら、人の安眠を邪魔しに来ているようだ。ちょっとばかり不機嫌になりながらも、初めて聞く声なので、起こしてきた人物は誰なのかとゆっくりと目を開ける。

 

「…んだよ?」

 

「あ!…気がついた!」

 

目の前にはお花を頭につけ学校の制服らしきものを着ている人がいた。

訳が分からず目を擦り、二、三度瞬きした後、もう一度しっかりと顔を見つめる。そこでおかしな点に気付く

 

(どういうことだ…?)

 

目の前の女生徒らしき人は、どう考えても日本でよく見る学生服を着ている。ただのコスプレってわけでもなさそうだった。

あたりを見渡すと、今自分がいる場所はどこかの公園の芝生の上で、周囲には目の前の女性とは違う制服を着ている人や、社会人として当たり前のスーツを来ている人がいる。

極めつけは高層ビルがいくつも見え、さらに車まで走ってるときた。

 

俺はたしか白夜叉という和服を着た見た目ロリっ子のババアに許可をもらって、白夜叉が所有している本を読み漁っていたはずだ。あらかた読み終わり、休憩として寝ていて、目が覚めたら全く別の場所。むしろ室内ではなく外。

 

どうしてこんなところにいるのかは分からないが、どうやら元いた世界とはまた別の世界に二度目の異世界転生でもしたということだろうか。

 

「あ、あのぉ…私の顔になにかついていますか…?」

 

目の前の名も知らない少女は少し顔を赤くして視線をそらした。

そういえば状況を飲み込むのに多少の時間がかかり、特に意識をしていた訳では無いが彼女の顔を見つめていたままだった。

 

「あぁ、綺麗な顔ってぐらいだな」

 

とりあえず適当なことを言うと、少女はさらに顔を赤くしてしまった。そんなことはさておき色々と確認してみたいことがあるので少女に色々と質問してみることにした。

 

「お花少女。俺は逆廻十六夜(さかまきいざよい)だ。一つ確認したいんだがここはどこだ?」

 

「お花少女って私ですか…?」

 

「お前以外に誰がいる…」

 

そんな特徴的な格好をしておいて、他にも同じことをしている人がいたら正直この世界の常識を疑う。幸いにも頭に花をつけているのは少女だけなのでよかった。

 

「私は初春飾利と言います。もしかしてこの学園都市の外から来たのですか?」

 

「んーまあそんなところだ」

 

「なら簡単にここのことについて説明しますね」

 

初春という子の話を簡単にまとめると、

ここは学園都市と呼ばれる人口230万人が住む都市らしい。

ここの学園都市と呼ばれる敷地内は、学園都市の外よりも二、三十年進んだ技術力を誇るらしい。

さらには超能力というものが存在しており、level0からlevel5までと能力の強さによって位分けされ、level5に至っては一人で軍隊レベルの強さを持ち、この学園都市にも七人しかいないとされるすごい存在らしい。

 

「へー、ところで今って何月だっけ」

 

「二月の終わりですよ!だから、こんなまだ寒い時期にも関わらず外で倒れるように寝ている逆廻さんを見て、心配して声をかけたんです!」

 

「あー心配かけて悪かった…」

 

見知らぬ人間なのにここまで優しくしてくれる初春に最初に会えてラッキーだったかもしれない。

まあこの世界に来てしまったことは幸か不幸かまだ分からないが。

 

「ありがとな。色々教えてくれて、ちょっくら散歩してくるわ」

 

「はい!気をつけてください。あ、またなにか困ったことがあったらコチラに」

 

「親切にどうも」

 

別れ際にメールアドレスをもらった。

ここからはいつ元の世界に戻れるかも分からないので、とりあえずこの世界で生きていくために色々と準備をしなければならない。

まず今持っているものを確認してみよう。

ポケットを漁るとまず最初にギフトカードを取り出した。

このカードは所謂四次元ポケットでもある。

所持している恩恵(ギフト)、こちらの世界では異能にあたるものを確認すると、おかしなものが入っていた。

(なんだ、この「十六夜」って…もしかして白夜叉のような自分のゲーム盤。自分の異空間を作れるのかな…?あとで試すとしよう)

続いて出てきたのは身分証明証。俺の名前、顔がある。

いやなんでだよ。なんで持ってるんだ。ありがたいけどさ…

次に、取り出したのは通帳。

だからなんで持ってるんだ…

中身を開いてみるとまさかの俺名義である。お金は…なんかすごい桁だが、もしかしてここはインフレでもすごいのか…?

そうじゃなければ当分お金には問題ないだろう。

 

持っていたものはこれだけだった。だが、お金はあるので家を買えそうだし、さらには戸籍もちゃんとあるので一番めんどくさいところがどうにかなっていた。

(ここに俺が呼ばれたのは誰かが意図的にってことか)

 

(ま、何はともあれまずは家を買い、情報収集だな)

 

色々と頭の中で思考を巡らせながら街を歩いていく。

 

ー数週間後ー

 

かなりたくさんの情報を集めた。

この世界が地球、いやむしろ全く同じだったり。案外ここはこれだけの警備が敷かれていながら治安が悪かったり。現在存在する超能力を調べたり、と。

情報収集をしている間ホテルなどで暮らしたりしたが漸く家も買った。

どのぐらいこの世界に居るのかも分からないので贅沢はせず、マンションの一室を借りることにした。

ちなみにだが、お金は普通にバグを起こしてるレベルで金持ちだった。

 

「さて、必要なものはこんな感じかな」

 

日常品を色々と購入して自分で設置していく。

 

「明日は初めてのシステムスキャンか…」

 

この学園で最も重要とされる超能力の強度を調べるものだ。

と言っても、どうせ自分の能力はラプラスの悪魔ですら分析することが出来なかったのだから、たかが機械ごときで測定できるわけもないが。

 

おっと、いけない。引越しというか、家を購入したことだし隣人に挨拶するか。

 

家を出て、そこら辺で買った食べ物を持ち、隣の部屋のインターホンを押す。

 

「はいはい、どちら様ですか?」

 

少ししたあと中からツンツンな髪の毛をした青年が出てきた。

 

「隣に引越してきた逆廻十六夜だ。よろしく」

 

と、同時に食べ物を渡す。

が、少年は固まっている。

 

(なんだ?ここの世界ではもっと別の品を選んだ方がよかったのか?)

 

お互いに少し固まったままのあと漸く相手が動き出す。

 

「あ、あなたが神か…?!」

 

「十六夜様だ」

 

「ありがとう!本当にありがとう!!まともな食べ物がなくて困ってたんだ!!」

 

ボケてみるも、それすら一切気にしないあまりの勢いに思わず軽く引く。コイツはよほど苦しい生活をしてきたのだろうか。もしかしたら、前の世界にいたコミュニティより酷い生活をしていたのかもしれないと少し暖かい目をする。

 

「あ、俺は上条当麻と言います。よろしく!」

 

と握手を求められたので握り返す。

 

「この学園都市に来て間もないから、何かあった時は頼らせてもらうぞ」

 

「そうなのか。この上条さんにまかせなさい!」

 

そんなこんなで軽く雑談したあと、部屋に戻る。

そしてさっきの出来事を振り返る。

レベル0の能力無しと言っていたが、なんか腑に落ちない。握手した瞬間違和感を感じたし、何か隠してることでもあるのか…?

だがまあ人が良さそうな奴だし、これでも人を見る目はあると思っている。これで飛んだ食わせ者だったらそれはそれで面白い。

 

「ヤハハ、案外この世界も、最初にいた退屈な地球より楽しそうだなオイ!」

 

その日もテレビやネットによる情報収集をした後、睡眠をとり明日に備えた。

 

ー翌日ー

 

所変わって今いる場所は研究所である。システムスキャンをするために訪れた場所だ。

 

「んー君は機械じゃ何も出なかったんだが、なにか特殊な力はあるかい?」

 

研究員のジジイが尋ねてくる。

 

「あぁ?ま、身体能力はズバ抜けて高いぜ」

 

「じゃあ肉体強化か何かを持ってるか、それとも一般人に比べたら良いって事なのか…とりあえず、身体能力を測ってみようか。グラウンドがあるからそっちに行こう」

 

そう言われたのでそのままついて行った。

 

入口とは逆の場所に設置された扉から施設を出ると、陸上の競技場のような広い場所があった。

 

「じゃあまずは100mでも測ってみようか。準備体操が必要なら待つけどどうだい?」

 

「いらねーよそんなもん」

 

「そうか、じゃピストルの合図とともに向こうから走ってきてくれ」

 

りょーかい、と気だるく返しスタート地点まで歩いていく。スタート地点にはさっきまで一緒にいたジジイとは違う、女性が立っていた。

きっと俺の測定のためにわざわざ手伝わされているのであろう。

女性に被害が及ばないようにできるだけ離れた場所でスタート位置につく。

 

「それじゃあ行くわよ」

 

思えば100m走なんて何年ぶりだろうか、いつも死ぬほど手を抜いてたことだしたまには少しスピードを出してもいいか、なんてことを考えながら構えなんて取らず普通に立ったまま合図を待つ。

 

「よーい」

 

パンッ!

 

合図と同時に足に軽く力を込め走るというより前に跳躍する。

そして一瞬にしてジジイの前につく。ジジイは目を点にしていた。

それもそのはずである。

十六夜は普通の状態で本気で走ったら第三宇宙速度、約16.7km/sで走ることが出来るので、たとえ手を抜きまくったとしても0.1秒すらかからない。人間がストップウォッチ程度で測れる訳がない。

 

スタート地点を見てみると踏み切った場所は軽く抉れ、地面に小さなクレーターが出来ていた。

 

「は、はは…」

 

ジジイは固まったままだった。

 

その後も色々と測定して言ったのだが全て測定不能。なんともつまらない結果で終わり、結果は後日報告とのこと。

 

施設をただの測定で半壊(・・)させてしまったが、俺の能力を甘く見たあいつらが悪いと、特に罪悪感も感じずに帰る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果はlevel5となった。

能力がほとんど不明だが、実力的には確実にlevel5以上。

だが、なんの役に立つのかは誰も一切分からないので順位は最下位とされた。




一応逆廻十六夜がどれだけすごいのかというと、
第三宇宙速度で走れます。
第三宇宙速度で物を飛ばせます。
能力をある程度うち消せます。
刃物系統は効きません。槍も刺さりません。
当てれば確実に相手を殺す技があります。
相手を第六宇宙速度で刺せる槍もあります。
あと最近でいうと、光と同じぐらいの速さで動けるんでしたっけ…?

なんでしょうこの化け物。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。