とある魔術やら科学と問題児   作:軒下 久杉

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基本的には上条が関わった事件に、十六夜も関わっていくことになります。


十六夜の新たな生活

そろそろ五月も終わりが近く、残り数日で六月へと入る今日この頃。

この学園都市については三ヶ月もいたのである程度のことはすべて覚えた。

俺がlevel5と認定されたことはまだあまり世間にバレてはいないが、知られ始めたら何かと面倒なことが起こるだろう。いや、正確にはかなり新しくlevel5到達者は出たという事は噂されている。ただ俺の姿まではわからないってことだ。

ちなみにだが元の世界に戻る方法は未だ手がかりすら掴めておらず、完全に手詰まり状態であった。

一つ可能性があるとしたら、この学園で一番偉いとされるアレイスターとかいう野郎に会うことだがその方法もない。

なんて考えていると突然携帯がなった。

未だ交友関係が広くない俺に誰からだと思い見てみたら、全く知らない番号だった。なにかの通販か、などと思いながら電話に出てみる。

 

「もしもし」

 

「やあ、初めまして」

 

道端であった人とかいう可能性も考えていたが、本当に一切聞いたことのない声だった。

 

「誰だお前、悪いが通販とかはお断りだぜ」

 

無駄に手間を取らされたな、などと考えつつ電話を切ろうとした。

 

「待ちたまえ。私はアレイスター=クロウリーという者だ」

 

即座に電話を切るのを止める。そして、思考を切り替え自然と真面目な目付きになる。こちらが会いたがっていた相手がわざわざ連絡をよこしたのだから。

 

「これはとんだビッグネームだな。どうせ知っているだろうが一応名乗るぜ。逆廻十六夜様だ」

 

「ふふ、礼儀正しいやら悪いやらよく分からんやつだな」

 

「これが礼儀正しいと思うなら、お前はよっぽど頭のおめでたいやつだな」

 

さて、どうでるか。聞き出したいことは色々とあるがまずは用件でも聞いてみるか。

 

「んで、なんでかけてきたんだ。ただの挨拶って訳でもねーんだろ」

 

「まあ半分は挨拶も含まれて居るんだがね。何しろ突然この学園内に現れて、さらに強大な力を持っている。興味がない訳なかろう」

 

「ハッ!そいつはどーも」

 

今の話を聞く限り、向こうも俺がこの世界に来た理由を知らないのか…?

だが、突然現れたということを見られてたのならその時の状況はいずれ聞き出せるだろう。

もしかしたら、空間転移によって遠くから突然出現したってことも考えられている可能性はあるのか?いや、だがずっと監視されていたとすると俺がそんな能力がないのもバレているか。てか、監視されていたって思うと気味悪いなコイツ。

 

「さて、用件の方だが大したことではない。私が君を必要とした時にちょっとばかり働いて欲しいのだよ」

 

「俺のメリットはなんだ?それ次第でのんでやるよ」

 

「この都市内全て(・・)のアクセス権限なんてどうだい?」

 

…なんだと

この都市内は全てのものがほとんど機械に頼っている。この学園が所有する全ての情報だって手に入るだろうし、様々なセキュリティだって突破できる。最悪この学園都市を滅茶苦茶にすることだって可能だろう。

 

「オイオイいいのか?俺は問題児と呼ばれた男だぜ。この学園がどうなっても知らないぞ」

 

「なに、別に君ほどの者なら悪用なんてせずとも簡単にこの学園を落とせるだろう。私は君を高く買っているつもりだよ」

 

確かに俺が持つ星を砕く一撃と称されたほどの奥の手を使えば、この星ごと壊せるだろう。まあ壊したあと生き残れる自身はないが。

 

「一体どんな無理難題を押し付けるつもりだ…?」

 

「君の力を調べたいだけだよ。それにどうせ君は元の世界に帰るのだろう?まあそれでも信じることは出来ないだろうから君に拒否権も与えよう」

 

異世界から来たことは知ってたのか。てかつくづく上から目線でムカつく野郎だな…いっぺんぶん殴りてぇなおい

少しだけ携帯も嫌な音をたてている。

 

「付け加えるなら、命令を飛ばすことは滅多になかろう。君がこれから調べる情報で面白そうな事件があったら、勝手に首を突っ込んでいくだろう?」

 

否定はしない。問題児と言われる俺は快楽主義であり、面白いことにはいつも参加してきたのだから

 

「っち、そこまでされるならのんでやるよ。こっちも用ができたら今度はお前の目の前まで会いに行くから、覚悟しとけよストーカー野郎」

 

「ストーカーとは心外だね。まあいい、君の実力。楽しみにしているよ?」

 

それだけ聞くとこっちから電話を切る。

そして大きなため息もつく。

俺の座右の銘である、天はオレの上に人をつくらず。に反している時点でもかなり気に入らないのに、あの達観した態度が本当にウザイ。

元の世界に帰る前に是非とも一度跪かせたいものだ。

一つだけ不思議なのは、なぜ三ヶ月も接触をしてこなかったって事なのだが、まあ考えても無駄か。

 

少しした後、全てのセキュリティを外すことの出来る権限が届き、早速さらなる情報集めをした。

その中にはいくつも気になる超機密事項的なものすらあることにはかなり驚かされた。

 

情報を集めるついでに情報操作もしておいた。俺の名前とlevel5ってことぐらいしか分からないようにしたことや、年齢をちょっくら弄って15歳ということにしたりといろんなことをしておいた。

 

年齢を弄った理由だが、情報を集めた結果、面白い事がおきそうなやつが身近に一人いたので、そいつに合わせただけである。

 

ー数日が経過し六月に入るー

 

「はー寝み」

 

毎晩遅くまで情報を色々と調べているせいでとにかく眠い。なにやらこの世界は、科学だけでなく魔術もあるらしくかなり興味深くつい色々と調べてしまった。

 

それはともかく俺は現在いつも通り学生服を来ていることは変わりないが、学生カバンも持って歩いている。

そう、俺は高校一年生となったのだ。

入学する高校は隣人である上条当麻のいる学校。

ちなみにだが、入る時level5ということも伝えたらあっさり許可を貰えた。

何年ぶりかの高校でどう過ごそうかな、などと考えながら近道をしようと路地裏を歩いていると、ちょうど十字に分かれるところで、いかにもチンピラらしい奴が一人正面に立っていた。

 

「オイオイ兄ちゃん。こんな所を通るなんてついてねぇなぁ?」

 

確かについてない。時間の無駄だ。

そして相手もついてない。俺は今眠いせいで少し苛立っているのだから

 

「へへへ、命が惜しけりゃ持ってる金を全部寄越しな」

 

様々な武器を持った連中がニヤニヤしながら四方向全部からどんどんチンピラが出てくる。

まるでゴキブリのようである。

 

ため息を付きながら財布を取りだすと、野郎共はみんなまだ受け取ってすらいないのに満足そうな顔をしている。

 

俺は財布を取りだすとそのまま渡すのではなく、十円玉を四枚取り出す。

 

「ああ?何やってんだオメエ。財布ごと寄越せって言ってんだ」

 

ニヤっと笑いながら相手全員を見やる。

 

「オラよ!!俺からのプレゼントだ!たっぷり受け取れよ!!」

 

そして、持っていた十円玉をそれぞれの足元に向かって放り投げた。

流石に第三宇宙速度で投げてしまうとクレーターが出来、あたりのビルが倒壊しかねないのでかなり力は抑えた。だがそれでも地面のコンクリは抉れチンピラ達は全員倒れていた。

 

「ったく、めんどくせぇな」

 

そう呟きながら携帯を取り出しある人に電話をかける。

 

「あ、逆廻さん!どうされましたか?」

 

「おう、初春。ちょっと不良に絡まれて、その全員綺麗に伸びてるんだわ。あと処理頼む」

 

電話をかけた相手は初春。なんでも彼女はジャッジメントと呼ばれる何でも屋みたいなもんだ。

 

「またなんですか?!学校前にそんな事件持ち込まないでください!それにそこら辺は警備隊にでも頼んでくださいよ!」

 

「だってめんどくさいだろ」

 

「はぁ…私から連絡を入れときますので場所だけ教えてください…」

 

「おう、サンキューな」

 

電話越しでもわかる呆れたような声が届くが、とりあえず場所を知らせる。

 

「ところで、いい加減逆廻さんのlevelを教えてくれたっていいじゃないですか。毎度簡単に不良達をあしらっているんですから、結構高いんですよね?!」

 

「あーたいしたことねーよ。そんじゃあな」

 

適当に誤魔化してさっさと通話を切る。別にlevelいくつかを伝えてもいいのだが、さんざん勿体ぶって反応を直で見たいのでわざと言っていないのである。

ちなみにだが、さっきの会話でもわかる通り不良に絡まれるのは初めてではない。何故かよく絡まれるので毎度このやり取りをしている。まあ当然ほかの用件も多々あったりするので、邪険に扱われたことは無い。

ちなみによく連絡をとったりしているせいで、向こうの周りでは「初春に春が来た!」と騒がれているらしいが十六夜は知らない。

 

そんなこんなありながら学校に着いたので、とりあえず職員室に行き担任に会いに行こうとする。が、すでにわざわざ昇降口前で待ってくれていた。

 

「あ!逆廻ちゃんですね!」

 

「おう、そうだピンクロリ」

 

「む!私はピンクロリではなく小萌先生です!ちゃんとそう呼んでください!」

 

「そうかピンクロリ」

 

「もぉぉ!」

 

俺の担任はこの目の前にいるどう見ても小学生の小さな女の子である。だが、これでも成人しているというのは本当に驚きである。どんな遺伝を持っているのだろうか。出会ったその日になにかの能力かと調べてみたものの、確実に無能力者である。まあ元の世界でも歳を誤魔化しまくってる姿をしたロリは多くいた事だしあまり気にしないようにしよう。

 

「ふん!とりあえず、みんなに紹介しなければ行けないので教室に行きますよ!」

 

はいはい、と適当に答えながら。ぷんぷんしながら歩いていくピンクロリの後ろをついて行く。

 

ピンクロリが止まった教室はまだワイワイ騒がしい一年七組。上条当麻と同じクラスである。まあ同じクラスになるように頼んだのだから当然といえば当然か。

そこら辺はlevel5なので多少の要望は聞いてくれた。

 

「それでは、紹介があるまで待っててください」

 

と言うと、みんなから見えない死角に立って紹介の時を待つ。

 

「はーい皆さん。席についてくださいねー!おはようございます。今日は新しく転入生が来たので紹介するのですよー!」

 

「男ですかー?女ですかー?」

 

ピンクロリが入るとさっきまで騒がしかった声がやみ、転入生が来ることを伝えている。そしてありきたりな質問も飛ばされている。

 

「ふふ、もう扉の前で待ってくれているの呼びますね。入っていいですよー」

 

入室の合図が出たので普通に開けて入る。本当は蹴破りたいのは山々ではあるが、さすがに第一印象からドン引きされても困るのでなるべく自然を装う。

入室すると、金髪だーやら男かーやら、イケメンだわー、みたいな声が聞こえてくる。

 

「ってお前、十六夜じゃないか!」

 

そして一際大きな声で、椅子から立ち上がってこちらを指さすつんつん頭の当麻がいた。

よっ、当麻。と軽く返し教卓の前に立つ。

 

「ご紹介に預かりました、逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃ったダメ人間ですので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してください紳士、お嬢様方?ちなみに取扱説明書が欲しい奴には作ってくるぜ」

 

と、いつぞやの自己紹介をそのまま丸パクリで使う。

だが、クラスのみんなからはかなり丁寧な態度をとったせいでちょっとした冗談だと軽く受け流されている。

 

「それじゃあ逆廻ちゃんは上条ちゃんの後ろの空いてる席にお願いねー」

 

アハハと軽く苦笑いしながら一番後ろの席を指されたので、そこに荷物をもってドスっっと勢いよく着席する。

 

「それでは、これか仲良くしてあげてくださいねー」

 

そう言うと一度ピンクロリは教室を出ていく。

そして転入生恒例の質問攻めが発生する。

 

「なんで金髪なの?」

 

「地毛だ」

 

「彼女いる?」

 

「いない」

 

「なーなー!能力は持ってる?」

 

「あー身体強化なんじゃね」

 

「だとしたらlevelいくつなんだにゃー?」

 

「5だな」

 

「かみやんとはいつから知り合いなんだー」

 

などと簡単な一問一答が始まり、適当に返していく。

そしていつから知り合ったか、という質問に対して応えようとすると突然みんなが固まる。

 

「どうしたお前ら」

 

思わず尋ねてみると、当麻が恐る恐る口を開く。

 

「お前って…level5だったのか…?」

 

「そうだよ、ま、最下位とかいう気に入らねえ順位を渡されたがな。知らなかったのか?」

 

わざとそんな風にいうが、当麻にもずっと隠していたので知らないのは当然のことである。

 

「知らねーよ!!確かにlevel5が増えたとは聞いてたけど十六夜のことか?!」

 

瞬間さっきの静まりが嘘のように、最初よりさらに騒がしくなる。

ーまじで?!

ーなんでこの学校に?

ーlevel5って初めて見た…

 

など色々言われる。

 

「あーめんどいからそんな広めようとすんなよ」

 

そんなこんなで俺の学校生活が始まった。

一週間でクラスのみんなと打ち解けたり、めんどくさいと思いながらも勉強を教えたりなど、割と真面目な生活を送る。

きっと元の世界に転生させられた当時ならもっと問題児として名を覇しただろう。

まあ、一週間で何回か呼び出しをくらってはいるが…

 




ふと思ったけど、十六夜ってエンブリオ直前なら二十歳…?
まあ五歳ぐらいなら問題ないですね。きっと。
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