とある魔術やら科学と問題児   作:軒下 久杉

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基本的には原作よりアニメに合わせた展開にする予定です。
私の文章力の無さから、多分その方が想像しやすいだろうと思いますので。


不幸と幸運

気が付けばもう七月の中盤でもうそろそろ夏休み…か。

そんなことを考えながら街を散歩する。

すでにこちらに来て四ヶ月近く経過したが割とあっという間だったな。

ここは俺が生まれた地球なんかより、神秘に満ち溢れて毎日が飽きないのだから。

元の世界に戻る方法は見つかってはいないが、もう少しこの世界を堪能しても誰も文句を言わないだろう。

それに、あくまで予想ではあるが、いつ元の世界に戻ったってあまり変わらない気がする。

その理由だが、そもそも前の世界に呼ばれたのは俺の他にもう二人いた。そしてそれぞれが異なる時間軸から召喚された。もしくは別世界線から召喚されていたのではないかとも思う。そこから考えるに、ここで過ごした日数がそのまま向こうの世界と同じだけ時間が経つとは考えられないのだ。もしかしたら俺がいなくなってから数分後に帰れるかもしれないし、数年後になるかもしれない。なのでここでいくら慌てても無駄である。

どうせまだ戻れないならここで得られる経験、知識を全て盗んでからでも遅くはないだろう。

 

(ま、とりあえずこの学園のlevel5に会っていきたいところではあるな)

 

「あ!逆廻さーん!」

 

考え事をしながら歩いていると、ふと道の反対側から俺の名前を呼ぶ声が聞こえたのでそちらを振り向く。

 

「あ?初春か」

 

こちらの姿に気付き手を振る初春がいた。そして傍には他に三人の女子生徒がいた。三人とも、この学園にいる全員の学生データ、確か書庫(バンク)と呼ばれるもので見た覚えがあるな…

level0の佐天…level4の空間移動(テレポート)白井…?それであと一人は…ってオイオイ。なんで見た瞬間気付かなかったんだ?アイツはlevel5第三位の超電磁砲(レールガン)の御坂美琴じゃねぇか。

会いたいと思ってる側から見つけられるなんてラッキーだなほんと!

どんなやつか話してみるか。

 

「こっちに来てくださーい!」

 

初春からも呼ばれるので、道路を軽く飛び越えていこうとジャンプする準備をする。

 

ガッシャーーン

 

が、突如進行方向右手側にある閉まっていたはずの店のシャッターが爆発する。

 

「逆廻さん?!」

 

俺は一瞬にして爆発に巻き込まれ、辺りからは悲鳴などが聴こえる。

 

(前言撤回。何がラッキーだ。アンラッキーにも程があるぞ…誰だこんなことをしでかした馬鹿は…)

 

冷静に怒りながら爆発の被害にあわされた店、銀行を見る。

 

「へへっ、ここはチョロかったな。おい!さっさと逃げようぜ!」

 

「でも、なんかいまこの銀行前に人がいなかったか?」

 

「ああ?だとしても気にすんなよ。今はとりあえず逃げるぞ!」

 

爆発と同時に銀行の中から、いかにも銀行強盗らしい三人組が出てくる。

そして煙のせいで俺に一切気付くことなく逃げ去ろうとする。

 

「ってちょっと待てやオラァァァ!!!」

 

服が少し破けるものの、無傷の十六夜は自分の体にあたって足元に落ちたシャッターの破片を拾い上げ、すかさず三人組の少し手前の地面を壊すように投げつける。

 

また大きな音を一つたて、あたりの人もよりいっそう騒ぎ出すが今は関係ない。

 

「あ、んだおめえ。俺たちの邪魔すんじゃねえ。殺すぞ?!」

 

「俺に喧嘩を売っておいて無視とはいい度胸じゃねえか…一人残らず潰してやるからかかってこいや!!」

 

すると、少し太った男が拳を掲げて走ってきた。

 

「学生は大人しく家に帰りな!」

 

大きく振りかぶった拳がこちらの顔面を殴り飛ばそうと迫ってくる。が、たかが一般人の攻撃など俺からしたら遅すぎる。

紙一重で体を左足を軸に右回転させながら攻撃をかわし、勢いをそのまま利用して一回転し右足の踵を太った男の脇腹に入れ銀行の中へと蹴り飛ばす。殺さないギリギリまで手加減したが、男は勢いよく店内へと突っ込み壁に当たって盛大な音をたてる。

 

「はっ!ダラしねえなぁ!もっと俺を楽しませろやぁ!」

 

「っく、調子に乗ってんじゃねえぞ!!」

 

今度は髪の毛をあげてる男がこちらと対面する。そして突然右手を前に出し、手のひらを空に向けて開いたと思ったら、そこに炎が生成される。

 

発火能力者(パイロキネシスト)か」

 

「ああそうさ!そして俺はlevel3。お前が一体どんな能力を持っているかは知らねぇが俺の炎で燃やしてやる。今更泣いて謝ったって許さねーぞ!」

 

男は怒りを思いっきり顕にし能力の強さまでわざわざ教えてくれる。てか戦いの途中で能力を出してくるならまだしも、こんなお互いに止まってる状態で作り出すとか…

どう考えても炎で攻撃しますよって合図じゃないか…

もしかしてこいつら馬鹿なのか?

 

「くらいやがれ!!」

 

右手に集まった炎を玉のようなな形にしてこちらへと投げ飛ばしてきた。

真正面からの攻撃などかわしてくださいと言っているようなものだ。

だが、

 

「しゃらくせェ!!」

 

誰が避けるなんて情けないことするか。元の世界にいた炎を扱うヤツらなどこんなものの比ではない。正面からその炎を殴って消し飛ばす。

 

「な…んだと…」

 

固まっている発火能力者に、そのまま殴り飛ばそうとゆっくり歩いて近付くと突然ツインテールの女。白井黒子が目の前に現れる。

そして流れるような体捌きで男を転ばし、能力を使って地面に縫い付ける。

 

「オイオイ、これはアイツらが売って俺が買った喧嘩だぞ。邪魔すんじゃねーよ」

 

正直こんな小物どうでもいいのだが、突然獲物を横取りされたことに軽く怒ってますよアピールをする。

 

「ジャッジメントですの!こういった事件は私達が本来対応すべきなので殿方は大人しくしていてくださいませ」

 

「しゃーねーな」

 

こうなっては仕方がないと、元々興味も失せていたので簡単に手をひく。大人しく初春の方に合流しようと目を向けると、いつの間にか目の前から逃げていた犯人の1人が男の子を盾にしようと連れ去る直前だった。しかし、それを必死に止めようと初春が子供の胴体をしっかりと掴んでいるのが見えた。

 

「くっ!離しやがれ!時間がねえんだよ!」

 

「絶対に嫌です!」

 

少しの間子供の引っ張りあいをするが、男の方が痺れを切らして初春の頭を蹴り飛ばしながら逃げていく。

 

その光景を見た俺はついにキレる。

今まで、さほどこの銀行強盗たちのことについては怒っていなかったのだが、仲間が手を出されたと言うなら話は別だ。

 

「くろk…?!」

 

どうやら御坂も頭に来たらしく、手をだす許可をもらうために声をあげようとしたっぽいが、俺の放つ威圧で黙る。

 

「…オイ風紀委員。さっきは引き下がったが前言撤回だ。俺がやる」

 

一度、前の世界でも仲間が重症を負わされた時もキレてたな。『強きを挫き、弱きも挫く』というもう一つの座右の銘など今じゃ全然当てはまらないな、なんてことを一瞬頭で考えながらも、逃走しようと車に乗り込む犯人にゆっくりと近付く。

 

男は逃げ去ると思っていたのだが、己のプライドがそれを許さないのか、車に乗ったまま突進してきた。

 

「逆廻さん危ない?!」

 

初春から心配する声が聞こえてくるが気にしない。たかが車ごときが俺を殺せるわけないのだがら。

 

「オイこの野郎。よく覚えとけよ。俺の仲間に手を挙げたやつは誰であろうと許さねえぞオラァ!!」

 

突っ込んできた車体の地面と並行になる面に軽く足を当て、思いっきり上空へと何回転もするように蹴り上げる。

 

男と車は空高く飛んでいき、上空を数十秒飛んだ後、重力に従って先のスピードよりも加速している車体が落ちてくるので、それを片手で受け止める。

 

「いっぺん死ぬような思いをしてどうだったか?次もし同じことをするならその時は命かけろよ」

 

ドスの利かせた声で威嚇していたが、男は既に気絶していた。

 

「ったく」

 

手で服についたホコリを払おうとする。

 

「逆廻さん!!!」

 

が、その前に涙目の初春がこちらに近寄ってきてその手を奪い取る。

 

「お、お怪我はありませんか?!」

 

「ねーよそんなもん」

 

良かったーと目の前で安堵したあと、俺の手を無意識に握ってしまっていたことに気付いたのか、急いで手を離して顔を赤くする。

忙しいやつだなコイツ。

 

「へーあんたが初春の言っていた男かー」

 

すると今度は御坂や佐天が近寄ってくる。

 

「どうも、逆廻十六夜です」

 

わざと丁寧そうに言っていることが相手に伝わるような態度で自己紹介する。

 

「私は御坂美琴。よろしく」

 

「あたしは佐天涙子です」

 

ま、知っているがな。と内心で思いつつも右手を差し出されたので握手をする。

 

「噂には聞いてるわ。あんた、相当強いでしょ。levelいくつなの?」

 

その話に、さっきまで一人アワアワとしていた初春も顔を近付けてくる。

ま、そろそろバラしてもいいか。

 

「じゃ、もう一度自己紹介させてもらうぜ。level5、「正体不明(アンノウン)」逆廻十六夜だ。よろしく」

 

軽く一例すると三人がぽかんと固まる。

 

「え…え?level5って、逆廻さんがですが?」

 

「二度も言わせるな。そうだよ」

 

最初に口を開いたのは初春だった。予想通り口をパクパクと面白い反応をしてくれる。

 

「あ、あんたが最近増えたlevel5っていうの?」

 

「それで間違ってないぜ」

 

次に口を開くのは御坂。まあ今まで都市伝説になりつつあったのだから仕方がないことでもあるか。

 

「な、なんだよ初春…あんたlevel5にもう会ってたんじゃん…」

 

「そ、そんなこと知りませんでしたよー!!」

 

三人の反応にヤハハハと笑いながらそれを眺める。

(やっぱり今日は、ラッキーだったかもな。面白いもんも見れたし)

 

「ねーあんた「名乗ったんだから名前で読んでくれ」…逆廻、正体不明ってどういうこと?全然能力が分からないんだけど」

 

「その名の通り正体不明だ。機械ごときが俺の能力を測定できるわけねーだろ」

 

「で、でも身体強化系って言ってましたよね?!」

 

「あながち間違ってねーだろ」

 

そんな質疑応答をしていると、突然目の前に先程の風紀委員の女子生徒が現れる。

 

「お・ね・え・さ・まああああああ!!」

 

「ちょ!!何する黒子!!」

 

そしてそのまま御坂へと抱きつく。百合か…

 

「酷いですわお姉様!私が一人で後始末をやらされてるなか呑気に談話なんて!少しは黒子のことも気にかけてくださいませ!」

 

この白井という女。予想以上にめんどくさそうなやつだな。空間移動で一瞬にして目の前に現れるわ、すぐさま御坂に飛びつく。

なんだか白夜叉と似た雰囲気を感じるので、もしかしたら仲良くなれるかもしれないが…

 

御坂がしつこい白井に我慢の限界が来たのか、電撃を思いっきり浴びせる。するとようやく普通に戻る。

 

「で、こちらの事件に関わっていた殿方は誰ですの?」

 

「level5の!逆廻十六夜さんです」

 

初春がやたらlevel5のところを強調して紹介してくれる。これぐらいで根に持つなよ。

 

「へー、あなたが…私は白井黒子と申します。以後お見知りおきを」

 

ちょこっとスカートを摘んで丁寧にお辞儀してくれる。意外と御坂さえいなければ礼儀正しいやつなのかもしれない。

 

「ねー逆廻。ちょっと勝負しない。私自分以外のlevel5と本気で戦ったことがないのよ」

 

さっきから妙にそわそわしている御坂が挑戦的な態度で周囲に軽い電撃を放ちながら喧嘩を売ってくる。落ち着きがなかった理由はそれか。まさか向こうから喧嘩を売ってくるなんて願ったり叶ったりだ。

 

「イイぜ。俺もlevel5には興味があったんだ」

 

「あら、どこぞの誰かさんと違って随分気前がいいじゃない」

 

予想だが、どこぞの誰かさんとは当麻のことではないかと思う。最近マンション出会う時なんだか焦げ臭い匂いをしている時がたまにあるからだ。あいつ、こんなところでもいい役を奪い取ってるんだなと軽く嫉妬するが、今は俺に敵意を向けてきてくれているので気にしないことにする。

 

「ってちょっと待つですのおお!!」

 

一触即発の雰囲気の中白井が間に割って入ってくる。

 

「んだよ。今いいところだから邪魔すんなよ」

 

「そうよ黒子。私も今テンション上がってきてるの。邪魔しないで」

 

「だからそれがダメですの!!良いですか御二方!ただでさえ能力を使うことなど禁じられているのに、ましてやlevel5同士の衝突だなんて絶対に許されないですのよ!!」

 

「別に許して貰わなくていいぞ」

 

「ダメですのおお!そもそもなんで会った瞬間から御二方とも好戦的なんですの?!」

 

「理由なんてないわ。ただ戦いたいだけよ」

 

白井…第一印象はめんどくさそうだとか思ったが、もしかしたらボケもツッコミもいける万能中学生なのかもしれない。評価を改める必要があるな。と頭の中で考える。

結局のところ今回は戦わないということでまとめられた。口論で負ける気などさらさらないのだが、流石に街中でやると一生目をつけられそうなので仕方がないとは思う。

 

「しょうがないわね。また今度にしましょ」

 

「そうだな」

 

「出来れば今後将来戦わないで欲しいのですけれど…」

 

矛を収めた俺と御坂は先程の雰囲気など嘘のように大人しくなる。白井に至っては少し髪が乱れていたが。

 

「びっくりしたぁ…突然戦い始めるのかとひやひやしましたよ」

 

「あたしもだよ…level5同士の戦いとか流石に恐ろしい…」

 

「ごめんごめん二人とも」

 

「悪かったな」

 

御坂に合わせて俺も上っ面だけの謝罪をしとく。

 

結局その後は五人で仲良くお喋りをしたあと、別れ際に全員でメアドを交換して解散となった。

厄介事に巻き込まれる災難も合ったが、結果的に良い一日だったなと満足して帰る十六夜であった。

 

 




今回の話の最後に方にあった、佐天が言った言葉。「level5に会っていたじゃない」と言うのは、確か初春がlevel5に会いたがっていた話がアニメであった気がしたのでなんとなく組み込みました。

それにしても、十六夜ってずるいですよね。能力を打ち消す力を持っているのに、自分に都合のいい効果は打ち消さないのだから。
問題児がわかる人用に簡単な例をあげると、グリフォンとの会話でもらった通訳のためのギフトとかが無効化されていないなどである。

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