夢を見る不死   作:粗製の渡り鳥

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プロローグ:目覚め

 光が薄れていく。

 

 それに乗じ、闇もまた深まる。

 

 生も死もない灰の世界に変革をもたらし、恵みを、滅びを、光を、闇を与えてきた"最初の火"が、今まさに終わりを迎えようとしている。

 

「始まりの火が、消えていきます……すぐに暗闇が訪れるでしょう」

 

 傍で火の最後を看取る"火防女(ひもりめ)"が嘯く。

 

 艶やかに、赤く火照(ほて)る花々が咲き誇る。遠征に出向いたのだろうロスリックの騎士たちの武具が墓標の様に突き立つ、荒涼とした"最初の火の炉"。

 彼の地の守り手である、はじまりの火を継いだ神のごとき"薪の王たちの化身"。神の王グウィンから紡がれてきた薪の王(火継ぎの贄)───王たちの(生きた証)への執念から成ったであろうそれは打ち倒され、今や陰りゆく火ばかりが場に熱と音を放っていた。

 

「……そして、いつかきっと暗闇に、小さな火たちが現れます……王たちの継いだ残り火が……」

 

 彼女は告げる。

 長きに渡り、幾多の薪の王たちを糧に無理な延命を続けてきた火の時代は、今、この瞬間に幕を降ろし、新たな時代が産声をあげるのだと

 

 言葉を返す事なく、ただ佇み火の消えゆく様を見つめ続ける。

 最早、火の粉すら飛ばさない燃え殻は小さく揺れ動くばかりで、空に刻まれる人の証(ダークリング)によく似た悍ましい日輪もまた、呼応する様に暗く染まり掠れてゆく。

 世界に満ちていた(呪い)は失われ、暗闇が辺りを覆いだす。

 深く黒く染まる闇は、しかし決して害を成すものではなく、優しさすら感じる様で心地が良い。

 

 何度も見た。何度も経験した。

 それでもそれは暖かく、どこか(ソウル)に安らぎを与えてくれる様な気さえして、いつからかこの光景しか目指さなくなった。

 

 だがぬくもりの中、胸の内に異物が生じた。底冷えする様な寒気が。

 

 

 

 ()()()()()()()()()

 

 終わりと、そして始まりの合図だ。心が躍る。

 

 しかし同時に、一抹の寂しさを感じてしまう。

 

 

 

 ───灰の方、まだ私の声が、聞こえていらっしゃいますか?

 

 ()()()()()()()()()

 

 

 

 気が付けば言葉を発しようとしていた。

 

 その耳に届いたか、口がまともに動いたかさえ定かではなく、この返事自体、何の意味も持たない。

 ただそれでも、これで最後になると思うと言葉を返さずにはいられなかった。

 

 思えばロードラン、ドラングレイグの地では最後を誰かと共に迎える事などなかった。

 

 ただ1人、あの寒さに震えていた。

 

 故にこれは、きっとただの感傷なのだろう。

 

 このロスリックの地と、そこで出会ったものたちに対する若干の名残惜しさから、自然と漏れてしまったのだ。

 

 辺りは暗く最早何も見えない。聞こえない。凍てつく寒さに凍え、感覚が失われてゆく。

 単なる痛みとは比べようもない、酷く恐ろしい喪失感に埋め尽くされる中、微かに、声が聞こえた様な気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───さようなら、灰の方……貴方に()の導きがあらんことを……

 

 

 

 

 

 

 

 

 胸の内、魂に火を灯す様な、暖かく柔らかな音色だった。

 

 幻聴だったのかもしれない。しかし確かに、聞こえたのだ。

 

 全身を氷漬けにされるような怖気のする感覚に苛まれながらも、その言葉をしかと脳裏に焼き付ける。

 

 記憶力は十二分にあり、特に意識せずとも忘れることはないだろうが、何故だろうか、魂に宿したこの熱が、そうさせるのか。

 

 それとも、傍に感じていた、(ほの)かなぬくもりに気を当てられたのか。

 

 全くに度し難く、しかし悪くはない感覚を覚えながら、俺の意識は失われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 光だ。

 

 眩しく、鮮烈な光に包まれている。

 

 それはあまりに力強く、瞼を透過し瞳を焼くようで少しばかり煩わしい。

 

 代わりに先程まで感じていた寒さもぬくもりも、骨の内から焼けるような感触も今はなく、前回前々回よりも控えめな気怠さが少し残る以外に身体に不調はない。

 

 ゆっくりと目を開く。

 

 そこは記憶にない、見知らぬ場所だった。

 

 空に位置する燦然(さんぜん)とした輝きは、白く透き通るようでいて力強く、熱を持つ。

 

 それは最早、先程まで見えていた陰り溶けたような暗い穴ではない。

 

 暗闇はなく、ただ光が満ち溢れている、全くの新世界。

 

 ロスリックの時代、その先の未来へと飛んだのだろう。

 

 また、新たな冒険が始まるのだ。

 

 未知の戦いが待っているのだ。

 

 そう思うと歓喜に魂が打ち震える。

 

 期待と興奮に胸を躍らせながら身を起こす。

 

 同時に、ほんの一抹の、些細な寂寥感(寂しさ)を胸の内にしまい込む。

 

 今はただ、前を向いて歩き出そう。

 

 どんな困難が待ち受けていようと構わない。

 

 その悉くを避け、あるいは潰し、突き進んでみせよう。

 

 この身は朽ちる事のない、不死人(アンデッド)なのだから。

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

 

失われてゆく

 

肉体も精神も零れ落ちてゆく

 

だがそれで良い

 

幾ら人を超えた身であろうと人の形に囚われていては()()の後釜となる事しか出来ぬ

 

それでは

 

彼女を守れない

 

あの老醜が成したのだ

 

いつかまた繰り返すに決まっている

 

ならば完全に切り離す

 

私の身ではそれしか出来ない

 

世界が無事に残ったとしても業は失われるだろう

 

故に

 

あの世界からこの場所に辿り着く者など永久に現れはしない

 

彼女は何者にも脅かされず眠る事が出来る

 

その為に捨ててしまおう

 

歪で身勝手な自我も

 

狂おしい程に破滅的な衝動も

 

悍しく醜い、下卑た情欲も

 

苦しく切なく、それでいて熟れ腐った恋心も

 

ただひとつを残し全て捨ててしまおう

 

 愛

 

ただ無償の愛だけがあればいい

 

もう彼女に求める事などない

 

もう十分に貰った

 

彼女の声を聞いた時から

 

朧げに姿を捉えた時から

 

己という器から溢れてしまう程に

 

己が如何に異常であるか理解出来る程に

 

彼女に与えられてきたのだから

 

 

 

もう終わりは近い

 

思考能力も消え失せ 概念に近い存在に成り果てるだろう

 

誰も気付けないよう 辿り着けぬよう この場所を覆い

 

彼女を包み込みぬくもりを与える

 

ただそれだけの存在

 

だが

 

それだけで幸せだ

 

1番大切な(ヒト)

 

愛を捧ぐ事が出来るのだから

 

 

 

最後に()()に願おう

 

最初で最後の神頼みだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうか

 

 

 

どうか 愛おしい彼女(ヒト)

 

ずっと幸福な夢を見ていられますように

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 ある世界で

 

 定められた二つの結末、そのどちらかにしか行き着く事のない物語が、また一つ幕を下ろした

 

 その終着点は本来の結末の片割れに似て、しかし、決定的に異なる結果をもたらす事になる

 

 再び世界に浸透していた禁忌の業、その根幹の完全な喪失

 

 神そのものが永久に失われたのだと、後に人々は知る事になる

 

 北方に位置する伝承の神殿より現れた、世界の要であった者が語ったのだ

 

 常軌を逸した何かが起こり、全ての脅威と霧、それを生み出した()が消え失せたこと

 

 霧の中、健在であった者たちが自身を含め記憶に欠損があること

 

 業も神も、最早戻る事はないことを

 

 世界はあるべき形を取り戻し、私たちは未来を得たのだと

 

 老いさらばえ、渇き、死の淵にありながらも強い意志を発する要人は、魂を震わせ声高々に、そう宣言した

 

 かくして世界は平穏と自由を取り戻した

 

 困惑の中、多くの者が歓喜する傍ら、拠り所を失った者たちがいた

 

 新たな一歩を歩み出した世界の裏

 

 業と神の消失により失墜した者たちは暫しの間、あるいは生涯を賭けて神を探し求めたが、何者も神に辿り着く事はなかったという

 

 

 

 

 

 神は眠る

 

 遥か昔、子であった者と共に

 

 誰も知り得る事のない、知ろうと(まみ)える事のできない次元の内で

 

 他次元の上位存在であろうと手出しの出来ぬ深い濃霧の中

 

 彼らは終わりの無い幸せな夢を見ている




 







※ここから先はソウルシリーズの用語の解説、本編のわかりにくい部分の補完、作者の見解の書き置きなので読み飛ばしていただいて構いません

自分から見ても本編の内容はソウルシリーズ未プレイの方に大変不親切に感じたのでちょっとした説明や分かりにくい部分の補完のコーナーを設けました

自然に本編の中で説明できれば良かったのですが主人公の気質と自身の技量の無さが相まって無理でした…
おそらく面白みも少ないうえ、原作のネタバレも多いため注意してください

本編以上に雑に書き殴るので読みにくいとは思いますが、更新も展開ものろまな本編と異なり、執筆に大した時間はかからず、半ば趣味で書いてる部分もあるので、本編の執筆には問題は出ないと思います
他に分からない点や気兼ねなく感想欄で尋ねてください
原作厨なのでフロム公式が出した情報と明確に異なる点も発見されたなら教えてくれるとありがたいです


また、考察…というか個人的な見解も載っけておこうと思います
こちらは確たる証拠の無い妄想も混じった妄言みたいな物ではありますが、私ではない誰かが、限りなく正解に近い答えを見出す手助けとなれるかもしれないので載せておきます

これより下は前半が用語やわかりにくい部分の解説、後半が見解です。
ある程度見分けやすいように区切っているので、興味のない方はどうぞスルーしてください


ーーーーー



最初の火

ゲーム「ダークソウル 」の核とも言える存在。
灰色の岩と大樹と、朽ちぬ古竜ばかりがあった灰の時代に、無からおこったのか、どこからか現れたのか、その火は突如として燃え盛り世界に大きな影響をもたらした。
世界に対し強い影響力を持ち、光と闇、生や死といった様々な概念を対となる形で生み出し世界そのものに定着させた他、燃え盛る事で正の影響を、火が衰える事で負の影響をもたらしていたとされる。
また、闇より生まれ、それでいて火に惹かれた幾匹かのモノに、強大な力を秘める王のソウルを与えた。
"ダークソウル"とは、この王のソウルの一種である。


不死人

何度死のうと蘇る力とダークリングという印を持つ人間の呼び名。
単に不死と呼ばれる場合も多い。
主に不死の成れの果ての1つとされる篝火を起点に復活する。
不死人は死ぬと今までに得た固定していないソウルなどを失うが、それを取り戻す力も有している。
また、死の際に大抵の異常を跳ね除ける活力を持つ。
彼らは死や時間の経過によって脳、或いは魂にダメージを負い、人間性の流失が起こる。
それに伴い発見力の低下、物忘れが激しくなるなどの症状が現れ始め、限界を超えると壊れてしまい亡者という自我を失った忌まわしい化け物となる。
亡者となった後も症状は進行し、最終的には身体を動かす事も出来ない朽ちぬ屍や灰となる。
亡者となると多くの者はまともなソウルを持つ人間=生者に襲いかかるようになり、それ故に不死でない一般の人間は亡者化していない不死人であろうと同じ様に忌み嫌う。
ただ、作中に登場する非不死人はごく僅かな上に不死人に対する偏見を持っていない者ばかりなため、プレイヤーはそういったヘイトの全容を把握する事は出来ない。
多くの者は呪いだと認識しているが、実際は祖先から受け継いできたダークソウルの力が発現しただけであり、人間の真の姿と言う者もいる。
最初の火が消えかける度に増える。


火防女

篝火という、不死人が死した際に復活するいわゆるリスポーン地点を守る者。
火や闇に干渉する術に長けているが、火防女と成る者は人間性の闇に身体を蝕まれ、視覚を失う上に何処かしら醜くなるようで甲冑やローブで肌を隠す者が多い。
また、特定の条件を満たせば、篝火だけでなく不死の超越者である亡者の王や世界の根幹を成している最初の火にまで干渉できる。
人でない者でも成れる。


薪の王

消えようとする最初の火を存続させる為に焚べられ、薪の代わりとなる存在を表す呼び名。
最初の薪の王でもある神、太陽の光の王グウィンが後世へと火を紡いでゆくために仕組んだシステムの犠牲者。
火が消えかける度に現れる、闇の王と成り得る力を秘めた不死人が主に選ばれる。
格の高いソウルの持ち主こそが薪として望まれるためか強者が多い。
薪となった者のソウルの質が良い程火が長く保つが、その間全身、骨の内までも熱に焼かれるような痛みに苛まれ、自我を失うかソウルが燃え尽きるまで酷く苦しみ続ける。
薪であるが故に火を纏う。


グウィン

闇より生まれたモノの一匹。
最初の火に惹かれ、王のソウルを見出したという。
神族の王であったが、単に、大王・光の王と呼ばれる事が多い。
最も強いソウルの王であり、太陽の光とも称される雷を扱う。
最初の火が起こった灰の時代の終わり、火の時代の始まりに、野心からか、それとも恐れからか、一族や他の王のソウルを見出したモノたちと共に、朽ちぬ岩の古竜に対し戦いを挑みこれを討ち倒し、火の時代を築き上げた。
多くの配下に慕われ、数多くの一族を支えた偉大な王であり、その傍ら、ある蛇と鱗のない竜を友とした。
始めて最初の火が消えかけた際、自らを火の薪とし、また、自らの子と友たる蛇に薪の調達を託したとされる。
人間を恐れている。


王たちの化身

多くの名も知れぬ薪の王たちの化身。
最初の火へ干渉しようとする主人公の前に最後の壁として立ちはだかる。
薪の王の集合体であるために多様な戦闘スタイルを持つ。
「ダークソウル(リマスタード)」「ダークソウル2」で色々な武器やスペルを自分で使っていたりオンライン上で他者と多く関わった者程好きに、或いは嫌いになれる。
多様なスペルを扱うが唯一闇属性を伴う術だけは見られない。
また、主人公が入手する事が出来る化身の装備は化身自身とは大きく異なる。
パッケージなどを飾っていたブロードソードらしき直剣や灰を握る黒く焦げた騎士のデザインもまた異なるなど未だ謎が多い。
神の如きその身には、確かに血が流れている。




最初の火により生み出された闇から産まれた存在。
「ダークソウル 」の神族は世界の始まりからいた訳ではなく、人々の思いから産まれた訳でもないため大して特別な存在ではない。
だが、人間などと違い力を持って産まれた影響か、上位存在を気取り世界の支配権を賭けて竜に挑んだ他、人間が力をつけ歯向かわないように管理しようとした。
全体としては他種族を利用したり排除したりするような利己的な者が多いが、中には例外もいる。
上記の神族の他に、かつて人であった英雄が後の時代に信仰の対象として祭り上げられ神格化した例もある。
王たちの化身に似て命ある神として新たに生じたのか、或いは人々が伝承に見出した架空の神かは不明。
大抵の神族は闇に弱い。


ダークリング

不死人の証。
この(サイン)を通す事で、不死人はソウルを代償に自らの死と篝火への帰還を成す。
故郷への帰還を叶える、高位の聖職者の使う偉大な奇跡「家路」と似た効果ではあるが、この輪は、不死人が骨になってなお惹かれる篝火を故郷と捉えるのだろうか。
その火の封は神の枷だと考えられている。


何度も見た。何度も経験した。

「ダークソウルシリーズ」は周回制のゲームであり、エンディング後に物語の冒頭から再スタート出来るのだが、次の周には一部アイテム以外の全てを持ち込む事が出来る。
これだけだと強くてニューゲームといった具合に聞こえるだろうが、同時に敵も強くなる上に増えたりもする(残念ながら増えるのは2のみ)。
なので基本的に俺TUEEE!なんて事は出来ない。
現実は無情である。
今作の主人公はエンディング→振り出しに戻るを繰り返しながらも「ダークソウル」を1→2→3と辿ってきた設定である。
ゲームでの敵の強さは8周目でカンストする。


ソウル

命の根源に近いもの。
生命を持つ者全てが持ち、その営みにも深く関わる。
身体や武具の強化の他、売買やゴーレムの製造など様々な分野で活用される。
それ故かソウルの力に魅入られる者も少なくない。


ロードラン

ダークソウル(R)の舞台
神代の時代の、古い王たちの地。
かつての栄華を垣間見ることはできるが、既に多くの神々から見限られ僻地となっている。
亡者と成り、朽ち果てるまで外界と隔離された監獄に囚われていたはずだった呪われた不死の化け物───主人公がある不死の騎士によって救い出され、彼の願いに導かれるようにして辿り着くことになる。
使命を託された主人公は願いのため、或いは唐突に降って湧いた余生を有効に使うために、駆け巡る。
己のため、使命のために戦う不死たちの裏では、人間を駒とし神や蛇が暗躍している。


ドラングレイグ

ダークソウル2の舞台
ある戦争により滅び失われた地
かつての栄華は最早失われているが、武器に魔法、ゴーレムや人造竜など、ソウルを活用した高度な技術の産物は未だ数多く機能している。
不死の呪いをどうにかしたい主人公が、呪いをどうにかできるという眉唾物の噂にて語られていた朽ち果てた門を探し出し、その先に突如として発生した謎の渦潮に身を投げる事で辿り着くことになった地。
嘲笑われたりあやふやな指示に翻弄されながらも主人公はめげずに突き進むがどうにもならなかった。
しかし、ある日を境にドラングレイグには差異がもたらされ、ある賢者との問答の末主人公はもう一つの道を得ることになる。


ロスリック

ダークソウル3の舞台
未だ燃え尽きぬ薪の王たちの故郷が流れ着く地
かつて、最初の火の存続のため、多くを捧げたロスリック王家の治めていた国でもある。
滅びゆく間際にあり国も人も荒れている。
いつか、どこかで尽きたはずの主人公が火のない灰として再び立ち上がり、積み重ねられた火継ぎの先で最古の火継ぎの再現を成すために駆け巡る。
やがて王狩りと呼ばれた先、主人公は未だ朽ちぬ蛇たちの思想のもとに、あるいは自らの手で見出した答えを胸に、全ての始まり(終わり)の地へと導かれる。


記憶力は十二分

「ダークソウル」のレベルアップは幾つかある能力値の内から1つだけ選び、ソウルを経験値代わりにそれを成長させるという形式の物であり、上げられる能力の中には記憶力もある。
そのため、能力値をひたすらに振り続ければ脅威の記憶力99という暗記の天才を生み出せる。あるいは、その先も可能なのだろう。
なお、ゲーム中ではスペル枠を増やす以上の事は記憶力の意味はない場合が多い。
余程の魔法狂いか化身コスでなければメリットは少ないので、実際に記憶力をカンストさせるようなプレイヤーは殆どいないものと思われる。
当たり前だがゲーム中の主人公の実際の記憶力はプレイヤーに依存する。
エレベーター落下事故などには気を付けよう。


能力値

ソウルによって上昇させる事ができる。
総合的な能力の高さはレベルとも呼ばれる。
それはソウルの記憶であり、一度その者の肉体を巡ったソウルはずっと記憶に刻まれる。
それは強さであり、ある種の呪いでもある。


ダークソウルの主人公

不死の中でも極めて異常な存在。
不死人、火の無い灰と呼ばれる。
人を、竜を、神を、王を殺す者。
不死としては打たれ弱いが、どれ程の強者が相手であろうと必ず討ち滅ぼし、前へと進み続ける。
その心が折れぬ限り





また、囲んで叩くと死ぬ。


(アレ)

死という概念を持たない、ただ使命の為に存在し続けた無慈悲で愚かな超越者(要人)
彼の人物に対し終わり無き苦悩を与え続ける事で無限のソウルを得る事が可能である。
だが、それを実行する者もまた相応の苦悩を、もしくは虚無を味わう事となる。


(神)

獣と呼ばれる世界の異物。
ソウルに飢え渇き、ただ貪るために様々なモノを生み出した。
それは人々にとっての悪意であり奇跡である。
この作品の世界線では()()のついでに幸せな眠りを得ることになる。


(彼女)

神が生み出した古く強力な脅威の一つ。
要人に封じられ獣に対する駒となり長い時を生き永らえてきた。
ただ殺し奪う者として生み出され、後にそれを否定され神殿という小さな世界に封じられ続けたが故に、人に似た姿でありながら純真な存在となる。
()にとっての全ての欲の象徴。
獣が人々にとっての神であったのならば彼女は()にとっての神となるのだろう。
柔らかくあたたかい愛に包まれた彼女は、もう決して目覚める事はない。
形のない愛に抱擁され、永劫の時の中、彼女は終わる事のない幸せな夢を見続けている。


ーーーーー



火の炉のロスリック騎士

3の最初の火の炉ではロスリック騎士の剣や槍が墓標のように突き立っている他、兜や盾なども散乱している
彼らについての詳細を知り得る事は出来ないが、「王たちの化身」の兜や鎧の意匠を見るに最新の薪となったのだろう
彼らは何故火の炉にて果てたのだろうか
贄として産まれ育ち、ただ薪として消費されるはずであった王子ロスリックを新たな王と認められず、離反し集い、本来の国、ロスリック王家の在り方に殉じ使命感から薪となったのか
王子を聖王と認め、忠誠か、あるいは同情から責務を譲り受けようとでもしたのか
いずれにせよ、それを語る者はいない
きっと、彼らの犠牲など語るべきでなく、語る価値すら無かったのだろう


薪の王(王たちの化身)グウィン

火の終わりを恐れ、闇の者たる人を恐れ、人の間から生まれるであろう、闇の王を恐れ、世界の理を恐れた
最初の火の炉にて、消えかけの燃えがらとなった彼は、どこか亡者に似て、朽ち渇いた身で最後の敵として巡礼者の前に立ちはだかる
遥かな時を超えた先、王たちの化身に宿ってまで
薪の王の試練として、あるいは闇の王から火を守るために剣を振るったのだろうか
もしくは、ソウルへの渇望、火への執着、人への恐れといった、もっと根本的なモノが彼を突き動かしたのかもしれない

ある古い言葉(ウェールズ語)で白色を表す


空に浮かぶダークリング

人によく似たそれは、輝かしくも悍ましい
最初の火が歪み、火の一側面でしかなかった闇が強まった事が原因なのだろう
その日輪は太陽の光の王、もしくは最初の火自身が世界に施した火の封なのだろうか
それとも、()こそが最初の火の本質であったのだろうか
仮に、人と最初の火の本質が同様のモノであったのならば、ダークリングがソウルと人間性を消費したように、火にとっての世界とは、そこに住まう者たちとは、不死人にとってのソウルであり人間性なのだろう
最初の火は、世界を犠牲に自らの死を望んだのだろうか

あるいは

誰も知らぬ、火の「故郷」へと帰ろうとでもいうのだろうか

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