弱小!?海防艦娘と過ごすほのぼのとした日常(無人島編)   作:おしゅら職人

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初投稿です!
読専だったのですが、深夜のノリで登録して投稿しようと思ったのでよろしくお願いします。


第1話

「暇です。」

 

浜に打ち寄せる波とともにそんな声が聞こえてきた。

 

「司令、何かお仕事ないんですか?」

 

退屈そうに横でしゃがんでいる緑髪の少女はそう言った。

 

「そう言れてもなぁ。」

 

司令とよばれた俺はそうつぶやくと遠くの方に見える雲を見つめる。

 

 

あぁ、あの雲、あの雲は............綿菓子に見える。

なんにも似てる物が思いつかない、そんな始末に困る雲だった。

 

 

「ここ、無人島だし。」

いかにもなザ・ジャングル無人島からの現実逃避から目をそらせなくなった俺はあきらめてそういった。

 

「むぅ、無人島ですかぁ。」

 

男の隣にいる少女、小学生ぐらいの少女は渋柿を食べたときのような渋い顔をしていた。

 

先月、あまりにも甘味不足だったという勝手な理由で基地の近くに成っていた柿を食べたと彼女が言っていたことを思い出す。

人様の物を勝手にとってきた上にまずいと報告してきたときはどうお仕置きしようかと考えたものだ。

 

「しかし、なんでこんなことになったんだろうな?」

 

だがそれとは比較にならないぐらい悩まし状況がいまここにある。

今、俺達はは無人島にいるのだ、絶海の。

 

「司令、それは司令のせいだとイロはおもいます。」

 

俺の呟きにイロという少女はそう答えた。

 

「はん、あれは俺のせいか?」

 

それは心外だ、と言わんばかりに俺は抗議する。

 

「お前が調子づいて回しすぎたからだろ、第二戦速までにしろって言ったのに、一杯までだしやがって。燃料が尽きちまうってどういうことだよ!」

 

「ちーがーいーまーすー!そもそも司令が燃料の補給量を間違えたのが原因です!満杯だったらちゃんと帰りまで足りましたぁ!」

 

「いや、そもそもあれは補給課のやつが追加の燃料の手配ができてなかっただけで俺には責任がねぇよ!」

 

「そういうことを防ぐのが司令のお仕事でしょう!」

 

「てか、いくら管理しようとしても、指示に部下が従わなかったらそんなの無理だろ、たとえば航海中のお前とか。」

 

「あれは航海が久しぶりすぎてストレスが溜まっていた結果ですぅ!そもそも今日みたいな外洋に出るような訓練が十分じゃないんです!この無能司令のせいで!」

 

「無能とはなんだ、沖縄戦役以降深海棲艦の出現率が減ったんだ!燃料の特別配当枠だって削減されてるんだよ。いくら自衛隊だからっていつまでも優遇されてたら国内企業はお冠だっつーの。それくらい我慢しろっつーの!」

 

「それを織り込んででも司令がイロを制御できなかったのが今回の原因です、そもそもかつての海上護衛の教訓を忘れたんですか!十分な訓練も与えないで――」

 

「それはそもそも脅威となる深海棲艦の遭遇率が大きく下がったんだからそれとは関係が......。もういいわ、腹が減ってきた。」

 

うちの菓子狂いと口論していると腹が減ってきた。

 

特に頭を使った気がするので糖分がほしい、特にシュークリームとかシュークリームとかシュークリームとか。

 

「あ、司令、今シュークリームのこと考えたでしょう。ずるいです。イロだってシュークリーム食べたいです!」

 

おい、なんでお前は俺の考えたことがわかるんだよ。

 

「当然です、イロはお菓子があれば気づきます、たとえそれが司令の頭の中にあっても。」

 

エスパーかよ、お前は!

 

待てよ、でも艦娘ってオカルト的な存在だから別にその能力も否定はできないよな。

 

船の魂の生まれ変わりらしいし、巨大な軍艦を召還した上によくわからない方法で一人で操艦してるし。

そもそも突如海上で見つかったり、過去の軍艦の部品から召喚されるとか意味が分からん。

てか艦魂の生まれ変わりということは艦には魂が存在しているってことになる。

でもなぜか特定の時代に存在をしていた艦しか現れないしかも軍艦だけ。

 

「あ、司令、今度は間宮さんのところで練乳あずきパフェ・大和盛を超える、裏メニューミッドウェイ盛を食べてますね!ずるいです、まだイロも食べたことないのにぃ。」

 

訂正、少なくとも絶対こいつにはそんな能力なんてないわ。

 

さっきまでの艦娘の奥深さについて考えていた時間を返してほしい、そう横で勝手に悔しがりながら地団太を踏んでいるイロをみて思った。あとそんなメニュー初耳だ。

 

「え、司令知らないんですかぁ?イヨがチポラさん(シマロン級)から聞いたって言ってましたけど。」

 

「噂好きのあいつかぁ、それって信用できるのかぁ?」

 

「イヨのお菓子に対するこだわりは尋常じゃありません。」

 

それはお前も一緒だよな。

 

「それにイヨのことです、イロに話す前に絶対頼んでます。実際に頼んでも存在しなかった時にチポーラさんが無事でいられるとおもいますか?」

 

「それはないな。」

 

即答だった。

 

一見おとなしそうに見えるが、声も小さい彼女だが菓子にかける情熱は尋常じゃない。イヨは大人しい見かけに騙されてしまうがかなり執着心が強い。

 

つか、こないだ饅頭の奪い合いで12㎝単装高角砲持ち出してきたしな。

水鉄砲での射的でけりをつけるって言ったのに実銃をすっとばして飛ばして砲を持ち出してくるとかなぁ。

 

まぁ、そんなやつだからチポーラがボコボコになってたという報告がなければそうなんだろう。つーかやめてくれ、そうなったら始末書は俺も書かなきゃいけねーんだよ。あそこの司令気難しい人だから想像しただけで俺の胃が痛くなる。

 

「そうです、きっとあるはずです。でも司令も食べたいと思ってるんでしょうけど司令は人間なのできっと高雄盛が精いっぱいでしょう、その時はイロが手伝ってあげてもいいんですよ!」

 

そんな期待に満ちた目で見られても頼まねーよ、なんか味を想像してなんか変な踊り始めたし。

 

 

俺はそもそもシュークリーム一筋だっつーの。そういえば長鯨さんとこのシュークリームは絶品だったなぁ。

 

ってまた現実から目をそらしそうになった。そもそも今の危機的な状況を脱しなければならないのに。

 

「イロ、お前についている無線はやっぱり通じないのか?」

 

「ミッドウェイ~ミッドウェイ~。すてきなミッドウェイ~」

 

あ、こいつ一、二航戦が聞いたら最優先目標で爆撃されそうなこと言ってやがる。

 

「おい、聞けや。」

 

「で、なんでしたっけ?」

 

「なんでしたっけじゃねーよ、無線機だよ、無線機。」

 

「あぁ、そのことでしたか!難しいと思いますけど、もう一回調べてみます。少しの間待っていてください。」

 

 

そう言ってイロは浜辺に止めているカッターに飛び乗った。

 

飛び乗った後、カッターが砂浜から離床し、ゆるゆると沖のほうへ向かっていく。

 

その間彼女は意味もなく、両腕を組んでカッター舳先に立っている。そのポーズがかっこいいと思っているのだろうか?

 

もう慣れっこだが初めてあれが”ただの”カッターだと聞いたときは信じることができなかった。

 

あのカッター、エンジンもなければ、曳いてるイルカもいない。

 

よくわからない艦娘の不思議パワーで動いているらしい。

 

初めてそれを特殊艦艇学校で聞かされたときは上官にからかわれているのか同期一同は思っていたものだ。

 

ある日、同期の一人が艦娘にちょっかいを出して海に放り込まれたのはいい思い出だ。

 

そいつを救助するためにカッターを出したところで初めて本当だということに気づき一同衝撃で大騒ぎだった。

 

その結果救助が遅れた同期にはどやされたが。

 

まぁ、仕方ない。課程中の上官である駆逐艦娘様から華麗な航行テクニックを見せていただいたのだ。

 

普通の船ではできない急加速やヘヤピンカーブなど船上では同期たちと大喝采の大盛り上がりをしていた。

 

彼の被害者である駆逐艦娘様は彼の助けを求める叫びを聞きながらすごく楽しそうにテクニックを披露しておられた。

 

その時は一同、彼女には逆らわないようにしようと思ったものである。

 

 

 

 

 

 

昔のことを思い出しているとイロの乗るカッターが艦にたどり着いたようだ。

 

とんがった艦首の小さな艦だった。砲は2つしか載ってないし、強力な兵器である魚雷も積んでいない。

 

艦橋やら艦体のいろんなとこがまっすぐだったり角ばったりしていていかにも簡単に作りましたと言ってるかのような艦だ。

 

その代わりといっていいようにその艦の艦尾には大量のドラム缶のような物体、爆雷が大量に搭載されていた。

 

 

 

 

そう、イロ、彼女は海防艦娘なのだ。

 

 




ちなみに、ここで出てくるイヨは伊14ではありません。
名前被りは上等だぜ!

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