弱小!?海防艦娘と過ごすほのぼのとした日常(無人島編)   作:おしゅら職人

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お待たせしました、2話投稿です。


集中できる環境を整えないとなかなか書けませんね。


第2話

イロの乗るカッターが海防艦に近づいていく。

 

波間に紛れていたカッターも艦体が壁になっているおかげで安定して見える。

 

あ、今くしゃみしたな。

 

船上で仁王立ちしていた彼女の体が一瞬縮こまった。間違いない。

 

それにしても艦娘って風邪をひくのだろうか?

くしゃみなどの生理的現象は起きていることはわかるが、知っている限りでは病気にかかった話は聞いたことがない。

健康優良児そのものだ。

ただ、まれに原因不明の体調不良を起こすことがあるって教官からならった記憶がある。発症者も少なく短期間で回復したため、詳細は不明らしい。

 

そんなことを思っているとカッターがちょうど煙突の横の部分にたどり着き、動きが止まった。

イロはカッターを甲板から垂れ下がっているロープに結び付ける。

近くの縄梯子をほとんど揺らすこともなく上り、甲板へと上がっていった。

 

まるで縄梯子と体が一心同体であるかのようだ。

いや、そもそも体の一部か。

 

彼女は甲板にたどり着くとそのままステップを踏みながら艦橋の中へ入っていった。

 

 

 

 

「さて、どうしようか。」

 

イロが艦内に入っていくのを見届けるとやることがなくなった。

せっかく仕事ができない状況にもなったことだし、昼寝をしててもいいが戻ってきたイロにどやされるのも面倒だ。

 

 

 

とりあえず何か仕事をやってる感じでサボれることはないだろうか?

 

なにかいいアイデアはないか周囲を見回す。

あたりには英語やら中国語やらの空き瓶だのペットボトルだのが散乱している。

 

そんなごみの中で水にふやけたのちに乾燥してボロボロの雑誌が目についた。

表紙であったであろうページに何やら肌色のようなものが広がっていた。

目を凝らしてみてみるとどうやら日本の子のようだ。

大方深海棲艦に撃沈された船から流れてきたのだろう。

感慨深くしばし俺は雑誌を見つめる。

 

 

 

 

これは大きそうだ。

 

 

 

数少ない残された肌色の情報から推察する。最近こういう刺激が特に足りていない。

男の欲求、男なら全世代が共通の話題で盛り上がれる、その欲求が満たされるような機会が全然ないのだ。

 

そう、「女」だ。

 

うちの部隊には「女」がいない。

特殊艦艇部隊であるにも関わらず、だ。

特殊艦艇指揮という今の仕事は海上自衛官、いや自衛官全体からかなりうらやましがられる仕事だ。

 

たとえそれが命を危険にさらす前線であってもだ。

 

職業柄男所帯であるがゆえ女性の多い職場、特に特殊護衛艦隊は人気である。

WAVEが多い後方支援職よりもだ。

 

近頃は人手不足もあって戦闘職の数も多くなっているが。

 

特殊艦艇、俗に言われる艦娘はどの艦も人間では信じられないほど美人でスタイルが良い。

そんな彼女たちと、時に命を共にし戦場を潜り抜け、信頼関係を結び、絆を深め、そのあと基地でゴニョゴニョ......。

誰もがそんな妄想を抱き地獄のような訓練や狭き門である選抜試験をくぐり抜けていった。

そしてその先には男が誰でもうらやむ美女たちが

 

 

 

 

が、うちの部隊に所属しているのは海防艦だ。

見目麗しい女性などどこを探してもいない。

いるのはちんちくりんだけ。

 

胸なんか大きなスイカどころかみかんほどですらまったく期待できないほどぺったーーーんだ。

 

女性というか女児である。

 

ベットに連れ込んでも寝かしつけることしかすることはない。

色っぽい生活など期待できるわけがない。

 

やっとの着任に小躍りしていいたのも昔の話だ。

配属時にショックを受けたことは今でも覚えている。

隣で同期がざまぁ見ろという顔で祝福していたことを今でも覚えている。

 

今度会ったらぶっ飛ばす。

 

 

 

 

 

 

まぁ、こんなことを考えていてもしょうがないので時間つぶしの手段を考えてみることにする。

相変わらず周囲にはゴミしかない。流木やら何かの破片、布切れなどだ。

 

漫画だとこういう状況だと漂流物を駆使してサバイバルなんかをしていたなぁ。

 

「おっ!」

 

いいアイデアを思いつき声が出る。

 

最悪の時代に備えて使えるものを探していた、という事にしょう。

 

指揮官たるもの常に最悪の事態を考えて行動しなければならない。

たとえそれが、一歩間違えれば死と隣り合わせな状況であっても。

 

うん、ナイス言い訳。

 

さすがにずっと探していただけでは怪しまれると思うので、かまどとか釣り竿とかを適当に用意することにする。

 

 

 

材料になるものが無いか探しながら海岸沿いに30mほど歩くと、いい感じの棒と紐を見つけた。

棒の長さとか振り回すには結構いい感じだ。

紐の方は耐久性やら細さに難があるが、まぁ、見た目だけごまかせれば十分なので気にしない。

 

実際に使うことなんて全然考えてないのだ。

 

ぶっちゃけ艦の方に非常食は俺一人なら一ヶ月分はあるし、寝床も艦に戻れば必要もない。

艦娘は生きていくためには食事をとる必要はないしな。

別に何週間、何か月でも水もなしに生きられる。

かと言って与えないと猛抗議が来たりはするんだが、まぁ軍艦では食事が唯一の楽しみだった名残だろう。

 

まぁ非常時だし、あまりにもうるさかったら分けてやってもいいか。

さすがに一ヶ月分の食料が無くなるまでには助けが来るだろう。

自衛隊だって俺ぐらいの役職人材はなかなか補充が聞かないのだ。

ここらへんもあまり深海棲艦も出没することはないらしく、捜索ができないといこともないだろうしな。

 

特に心配することなんて何もない。

危険な目に遭いながら罠で動物を狩ったり、湧水を探して深いジャングルに入って迷うこともない。

 

俺は不安を抱くこともなく、のんびりと釣り竿制作をする。

編み込まれた紐をほぐして解いていく。

 

時々艦の方を見るがイロはまだ作業中のようだ。

 

そもそもなんで無線が故障していたのだろうか?

別に攻撃を受けたわけでもないし、電波妨害を受けたわけでもない。

深海棲艦がEMP攻撃なんて仕掛けてくるわけでもない。

あれか?整備不良とかじゃないだろうな。

大戦時なんかは初期不良やら故障やらと海防艦は大変だったらしい。

そーいうのを艦娘になっても引き継いでるとかは勘弁してほしい。

 

そんなことを考えながらいるとやっと細い糸が取れた。

それをさっき拾った棒の先に結んでいく。

 

やっぱりあれは俺が悪いわけではない。

速度を出しすぎたイロが悪い、いくら艦隊から遅れていたからって飛ばしていくのは無謀だった。

イロは計算上は間に合うとか言ってたがそもそも艦隊と進む方向が違ってれば意味ないだろう。

おかげで燃料がつきてこのざまだ。

 

大体あいつはいつも慌てて突っ走ってばかりで、

 

「司令、戻りましたよ。」

 

「おうっ!」

 

考え事をしていたせいかすっかり油断していた。

背後から声をかけられ変な声が出る。

 

「何ですか、バカみたいな声出して。」

 

どうやらイロが戻ってきたようだった。

 




今回は司令の独白ばっかりになってしまいました。

なかなかうちの子(オリジナル艦娘)たちが出せないっ。
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