弱小!?海防艦娘と過ごすほのぼのとした日常(無人島編)   作:おしゅら職人

5 / 5
お久しぶりです。

8割ぐらいはすでに書いてあったのですがどうも締めまで作れず放置してたら半年たってました。

この低クオリティな小説楽しみにしているという奇特な方には申し訳ないです。


ではでは本編どうぞ。


5話

あのあと俺たちは釣りができるスポットを探し、岩場になっているところを見つけた。

 

潮が引いたのか岩は海水に濡れ光っている。時々深い穴があるので足元に気を付けながら歩く。岩に生えている海藻に転びそうになる。

 

こういう時は陸さんの半長靴がほしくなる。滑りずらいし、汚れてもあんまり目立たない。黒いのならまだ目立たないんだが、今履いているのは白い短靴だ。砂やら海藻やらでもはや元の色が何なのかわからないぐらい汚れている。

 

海からは少し高さがありつ襟をするには見通しがよさそうな場所だ。

 

岩場の端のほうまで歩きちょうどいい深さになっているところを見つけた。

 

水中を見ると細長い小魚やl黒っぽい魚が何匹もゆらゆらと漂っている。

 

これでこいつらがつれるのか?

 

左手の釣り竿もどきの頼りない感触を感じながら思う。

 

せめてもとポケットにあるクリップとさっき拾った海藻で疑似餌っぽいのを作る、それを釣り竿の糸先に結び付けた。

 

それをひょいと海の方に投げる。浮きはないので海中に目を凝らして魚かかったか判断するしかない。めんどくせぇ。

 

しばらく待ってみるが一向に魚が食いつく様子はない。

 

「魚がいるんのは見えてんだけどなぁ。」

 

警戒しているのだろう、と思うもそもそも魚が針の方を見ていない。

 

「適当に適当を重ねても無理か。」

 

ため息をつく。ため息をつくと幸せが逃げるというが今が不幸だし。

この現実から目をそらしたくなる。

 

そういえばうちの秘書艦はどうしてるだろうか。

 

岩場に着いたとき「司令だけじゃ不安ですし、何も食べられないものかわいそうなのでイロも食材を探します!」とか言っていた。

 

ウニとかサザエとかそういうもん見つけててくれたりしないかなぁ。

 

そんなことを思いながらイロを探すと。

 

「司令!見てください、なんだかよくわからない生きものがいました!」

 

磯遊びをしていた。

 

岩が入り組んでいる中にぽつりとある潮だまり。その近くにイロはしゃがんでいる。

 

黒い生き物をつかむイロの袖は肩までびっしょり濡れていた。ところどころ海藻なり何かの欠片がついている。

 

報告してきたイロはこちらに握りこぶしで腕を差し出した。すごくいい笑顔をしてる。

 

「ハァ。」

 

期待していた俺がバカだった。

 

イロの握る手には20センチほどの黒っぽくて細長い生き物がいた。ナメクジのようなビラビラやカタツムリのようにとっがっている短い触覚も見える。

 

 

なんだかよくわからない生き物と報告してくる時点で食えねぇだろ。毒の可能性が否定できない。

 

こいつ食材探しなんか忘れて遊んでやがったな。

 

イロはその生き物をつついたりもんだりして遊んでいる。

 

 

「なんかムニュムニュしてますね。骨とかはないんでしょうか?あ、押すと角が引っ込む!」

 

イロがキャッキャと楽しそうに生き物をいじっている。

 

あれって確かアメフラ...。

 

「おいイロ、それあんまりいじってると、」

 

多分、無駄だと思うが一応警告する。

 

イロは感触が面白いのか触るのに夢中で聞いていないようだ。

 

目をいじるのをやめると今度は腹をもみ始めた。

 

「うわっ、なにっ。なんか変な汁が。」

 

そのアメフラシはイロの手から逃れようとしたのか体から紫色の汁を出した。

びっくりしそいつを投げ捨てようとした勢いをつけようとしたところで頭上ですっぱ抜ける。

 

勢いにのったアメフラシが空中で最高点まで到達した後イロの頭の上に落下した。

 

「ぴ、ぴぷぃ!」

 

イロが驚き変な鳴き声でなく。

 

イロの頭上にはでーんとアメフラシがのっかっている。

 

その姿は一矢報いたし、とでも言うような貫禄だ。べっちょりと紫汁にまみれているが。

イロはのっかっている感覚が気持ち悪いのか頭を激しく振って落とそうとする。だがうまくいかず、汁が頭からイロの髪や頬を伝って落ちていく。

 

「ちびゅっ!」

 

冷たいとか言おうとしたんだろうか?変な鳴き声で鳴いている。

 

さらに頭を激しく振るとようやくアメフラシが頭から落ちた。が、袖のところにぴっとりくっついて止まった。

 

「...つっ!なんというか...流石だわ。」

 

袖には色むらがなく、きれいに跡がついていた。白い制服に紫色がよく映える。こりゃ遠くからでもイロを認識できそうだ。アメフラシ部隊章とでも呼ぼうか。

 

「なにあれ、なにあれ!むにゅってしてたらにゅって。ってあぁ!すごい色がついてる!すっごい紫だしぃ」

 

イロはようやく気付いたのか指を海水で濡らしその指で袖をこする。だが色が落ちない。

「これ洗濯しても落ちるかなぁ?あんまり予備とかないのにぃ。」

 

イロはそれを確認するとショックを受けたようで表情をゆがませた。

 

「はぁ、本格的に洗わないと落ちないかなぁ。色がはっきり目立っちゃってるし。着替えてくるしかないなぁ。」

 

そういって荷物を置いてきている艦へ着替えに行こうとするイロを俺は引き留める。

 

「やめてとけ、いつ助けが来るかわかんねぇんだ、そんな汚れでいちいち着替えてんだったら服が足んなくなるぞ。」

 

注意する俺にイロが嫌そうな顔をする。

 

「えぇ?どうせ後でで洗濯できるんですしちょっとぐらいいいじゃないんですか?このままでいると、イヨとかに絶対にバカにされます!国民学校初等科の男子を見たような感じですよ!そんな子供に見られるのは屈辱です!」

 

今で言う小学生男子か、てか袖びっしょりに磯いじりなんかしていたから相応な評価だと思うんだが。

 

「まぁ、それはあきらめろ。てか洗濯物を増やしたところで向こうで洗濯できるなんて楽観的に思わないほうがいいぞ。」

 

一応演習先の基地では洗濯用の設備も用意されていると聞いてはいるがあまりあてにできないだろう。。

 

「え、部隊ごとに洗濯の割り当てがされてるって言ってたじゃないですか!」

 

「総勢50隻による大規模な演習だぞ、艦娘以外にも便乗してきている人員もいるんだし、そんな人数に対応できるほど洗濯機が十分にあるわけないだろう。いくら割り当てあるからって最低限しかできねぇよ。」

 

「えぇ、前線で戦っている艦娘様ですよ、それぐらい優遇してくれないんですか?」

 

「つーか現在進行形で集合時刻に大幅に遅れてんだ。俺らのせいで演習スケジュールも相当遅れてんだ、洗濯の時間なんて相当後に回されてるぞ。下手したら帰るまで洗濯する時間なんてないかもしれないしな。」

 

「えぇ!洗濯できないんですか!」

 

イロはこのことに気がつていなかったようで驚いて声をあげる。

 

「いやです!汗まみれの服をずっと着るのは嫌です。」

 

嫌なのは俺も一緒だ。

 

「はっ!それって司令も洗濯できないってことじゃないですか!イロのは乙女だから大丈夫ですけど、司令のおっさん臭いにおいは耐えられないです。帰りはイロじゃなくてイミヤにでも乗ってってください。」

 

「てめぇ、なに自分が嫌だからってなにイミヤに押し付けてんだ!ってか俺はまだおっさんじゃねぇ。まだ二十代だ!」

 

口論をしていると大きな波しぶきがかかってきた。

 

「わぷっ!」

 

急なしぶきの冷たさに言い合いが中断する

 

「場所を変えるぞ、こんなとこで延々と話していたらずぶ濡れになる。」

 

放置してあった釣り竿の糸を丸めて回収する。

 

波を避けるため内陸の方に移動する。イロもそれに続いてついていこうとするが何かに躓いたようだ。

 

足元には黒いむにょむにむにょした物体、アメフラシがいた。

 

イロはしばらくアメフラシを見つめる。

 

「あ、司令これあげます。きっと司令にはおいしいと思いますよ丸焼きとかおすすめです、知らないですけど。」

 

見つけたついでに、アメフラシを(足で)勧めてくる。棒読みで。

 

「おい、せめて人に渡すなら手でもって渡せ。」

 

「えぇ、こんな変な汁を出すものイロはごはんにしたくないです。それに毒もってそうですし。

 

「おい、毒をもってそうと思ってたのに人に勧めるのか。しかも上官に向かって。」

 

常識を考えろ常識を。

 

「司令、いくら艦娘がおなか壊さないからって毒があるものは食べません!」

 

「それを腹をこわす人間に押し付けてるのはどうしてですかねぇ?」

 

この秘書艦俺を殺したいのか?

 

「えっ、司令って人間だったんですかぁ?これ食べても全然ぴんぴんしてそうですけど。」

 

「うっせぇ、こんなのレンジャーでもなければ普通は食わんわ!」

 

「うっそだぁ、司令ぇ絶対毒でも食べられるでしょ。だって司令こないだ期限切れの牛乳飲んでたのに全然平気だったじゃないですかぁ。」

 

イロが明らかにバカにした声で言う。

 

「あれ、石井三曹なんか一日中トイレにこもりっぱなしだったのにぃ。司令の胃って本当に人間なんですか?」

 

石井三曹、うちの基地の隊員だ、主に艦娘の艤装の整備などを担っている。

 

「おまっ、あれはたかだか数日過ぎてるだけじゃねぇか。だいたいあいつの腹が弱すぎるだけなんだよ。訓練が足りてないんじゃないか?てか毒食っても平気なお前らの方が化け物だろ。」

 

「化け物って、むぅ!失礼です!あの大戦で戦った艦としても、この清く可憐な乙女としても!化け物呼ばわりは!」

 

「あぁ?どこにそんな可憐な乙女がいるんだ?ここにいつのは紫”イロ”のちんちくりんのガキしかいないんだが?」

 

「ちんちくりんって何ですかぁ!紫が何です!このコンパクトな体の美しさが分かんなんですかぁ!」

 

ちんちくりんという言葉に反応しイロはこちらへ足を一歩踏み出す。

 

「いいですか!この最小限の大きさと最小限の装備を積んだって無駄のっ、のっぷっぷっっつ!!」

 

ちんちくりんな体を誇示しようと無い胸をそらすが、足を滑らした。波しぶきのおかげか海藻がヌルヌルになっている。

 

「そんな虚勢を張るからなちょっ、おまっ!」

 

そのまま転ぶのでも見物してようとしたらイロが両手で俺の腕をつかむ。

 

腕にかかるイロの体重で体のバランスが崩れる。

 

踏ん張りがきかず、つられて滑りそうになり慌ててつかみやすい岩をつかもうとする。

 

がつかみ損ねた。

 

「ちょっ!」

 

そのまま足を滑らせる。ちょうど姿勢を崩した方向は海の方だった。イロを見ると俺の足から手を放し、なんとか岩場の方に踏み止まれそうに見えた。イロの口元がしてやったり、とでもいうように笑っている。

 

このまま一人で落ちるのもむかつくので道連れにすることにした。

 

「ぴゃっ!し、しれっ!」

 

崩れた姿勢のままイロの首根っこをつかむ。

 

イロが腕を放そうと抵抗する。が無駄な抵抗だ。

艦と指揮官は運命をとするものと相場は決まっているだろう?

 

俺はその姿勢のまま思いっきりイロを投げ飛ばすし、そのまま海面に落ちた。

 

 

 

$$$

 

大きな水しぶきが上がるとともに、横っ腹に痛みを感じた。変な姿勢で突入したおかげが水面に思いっきり腹を打ったみたいだ。思わず体を丸めたくなるがそれを我慢し、体の力を抜く。ぼやけた視界の中でイロらしきものが見えた

 

完全に力が抜けると肺の浮力で体が浮いてきた。

そのまま水をかいて海面に出る。

イロは先に浮かんでいたらしく、俺を見つけるとすぐに泳いで寄ってきた。

 

「ちょっと司令、何するんですか!?いきなり海に投げ込むって、イロの愛らしい顔に傷でもついたらどうしてくれるんですか!」

 

放り込まれた後の第一声がこれか。よくできるもんだ。

 

「お前が先ぶちこもうとしたんじゃねぇか。自業自得だ。」

 

「司令、いいですか?イロのコケティッシュでぷりちーな顔を傷つけることは軍法会議ものですよ!」

 

器用に立ち泳ぎをしながら抗議するイロ。

 

「あー、はいはいごけ茶色のぷりTーね。」

 

そんな文句をてきとーに受け流す。

 

「なんですかその態度、乙女に向かって失礼です。だから司令は三十を前にしても彼女がいないんですよ。」

 

「って、てめぇ、それは関係ないだろうが。」

 

こいつ、最近気にしていることを!

 

「いーえ、関係ありますぅ。司令は乙女心が分からないから一生独身なんですよ!!」]

 

陸に上がることも忘れ、言い合っていると、

 

「あれ、司令。なにか聞こえてきません?」

 

「聞こえる?......。これは!」

 

音のする方向に耳を向けると、かすかにエンジン音のようなものが聞こえてきた。

 

音源を探るが、ちょうど向こうの岩場に阻まれて見えない。

 

エンジン音が近づいてくる、間違いない、アレの音だ。

 

「おーい、司令!イロ!居るかぁ~~。いるなら返事をしてくれぇ~。」

 

しばらく浮かんでいると、俺たちを呼ぶ声が聞こえてきた。

 

声のする方向を見ると。見慣れた艇がこちらの方へ向かってくる。ボートのような小さな船体に操舵席程度しかない大きさのキャビン。内火艇だ。

 

内火艇の舳先はイミヤが立っていた。いつもは生意気そうな顔も泣きそうになっている

 

「おーい、イミヤ!俺たちはここだ!」

 

そばに浮かんでいた帽子を取り内火艇に向け振る。

 

それに気づいたのか内火艇は進路を変え、こちらに近づいてきた。

 

「司令ぇぇ!!!」

 

「おぉ、安心しろ俺は無事だ、イロも一緒だ!」

 

泣き出しそうなイミヤに声をかける。

 

「よ、よぉーし今から浮き輪を投げるからな~。」

 

イミヤは内火艇を泊めるとこちらに浮き輪を投げてきた

 

俺とイロは浮き輪をつかみ、それを確認したイミヤが内火艇へ手繰り寄せる。

 

そのまま艇体の引っ掛かりを足場にして内火艇に乗り、適当なところに座る。

 

「よかったぁ、よかったぁ...。」

 

俺が乗って安心したせいかイミヤの目から涙がこぼれた。

 

「おいおい、そんな心配することか?ちょっとはぐれただけじゃねぇか。」

 

「だって、死んじゃってるかもしれなかっただろ。孤立して潜水艦の攻撃にあってるかもしれないし。」

 

「そんなやられるかよ、この海域は1年近く深海棲艦の発見例がないって説明したろ?」

 

「でも潜水艦なんてどこに潜んでいるか分からないし、敵の戦闘機にでも見つかってたら....。」

 

危険はなかったと説明しても泣き止みそうにない。

 

「あぁ、はいはい。泣くな、泣くな。俺は無事だから、怪我もしてないからな。」

 

しかたなく、なだめようとイミヤの頭をなでる。

 

「敵の攻撃もないし、サメにも食われなかった、だから安心しろって。」

 

そう言ってなで続けるとイミヤも落ち着いてきた。

 

「そう、だよな。無事だったもんな。だいじょうぶなんだよな。?」

 

「あぁ、大丈夫だ。泣いてないでさっさと出発するぞ、ふれよもヒグレも待っているんだろ?」

 

「そうだな、ふれよ達にも早く伝えないとな!」

 

元気を取り戻したイミヤが内火艇を動かそうとすると。

 

「ちょっと、司令!イロがまだの乗れてないんですけど!なに解決した雰囲気になってるんですかぁ!」

 

「「あ。」」

 

いまだ海面に浮かぶイロ。背丈が小さいせいで自力で内火艇に登れなかったらしい。

 

「この扱いはなんですか!、ちょっといい感じだったから黙っててあげたのに!」

 

文句を言うイロを引っ張りあげ、俺たちはヒグレとふれよのもとへ向かった。




これにて本小説は完結にしたいと思います。

本小説は無人島編ということにして、長編を書いていきたいと思っています。ですがいつ投稿できるかは確約はできませんし、エタる可能性もあるので引き続きあまり期待しないでください。


以下雑談
---------------------------------------------------------------
とうとう艦これも第二期になりましたね!

第二期になって一番衝撃を受けたのは艦これがヌルヌルになってたことでした。
マップの進行も、砲戦、雷撃戦もめっちゃヌルヌル動いてて快適さが半端ないです。
13年の時を思うと信じられませんね。

あと海域リニューアルでモデルとなった海域の地図も表示されるようになりました。日本近海や台湾周辺など海防艦の活躍した海域も多くて感傷深いです。

どうせなら大陸沿岸航路とかの輸送航路が来ないかぁ(なお、潜水マス、空襲マスだらけの模様)



出演艦一覧

イロ 第16號海防艦
イミヤ 第138號海防艦
ヒグレ 第190号海防艦 
ふれよ 第204號海防艦
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。