祝福と目の覚めない悪夢   作:タラバ554

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前回でギルガメッシュに勝ったと思った方……そんな訳が無いんだよなぁ……。


25話 固有結界4

血を垂らしながら落ちる二人。

 

一周回って落ち着きを取り戻したギルガメッシュは再び鎖を呼び出す。

 

「エルキドゥ!!」

 

天の鎖を体に巻き付けて宙に留まる英雄王、そして両手をからめとられ十字架に張り付けにされた様な姿勢で吊るされる異邦人。

腕に力は入らず右手は雷の出力に耐えきれず皮膚が焼け爛れ、柄に癒着している為どうにか剣を手放さずにすんでる。

正に満身創痍。エネルギーの切れた機械の様で呼吸をするだけで精一杯というのが実情だ。

 

自分と異邦人の状態を冷静な英雄王の眼が正確に射貫く。

 

「我の玉体を斬り落とすとは……中々やるではないか。しかし最後の詰めを見誤るとは戯けめ。

 それでも……それでもエアの一撃を乗り越え我の元へ辿り着いたのは貴様が初だ。

 貴様を勇者と認めよう、雑種」

 

手向けだ

 

その一言に英雄王の矜恃が乗せられていた。

そこから行われるのは地上……砂漠での戦闘の焼き増し。

違うのは今度こそ加減無しの本気であり相手は五体満足だが上がらう事すら出来ない状態。

数えるのも馬鹿らしくなる程の黄金に輝く波紋。そこから覗く暴力の権化が異邦人の身体を捉え飛び出していく。

 

ギルガメッシュの最上クラスの宝物、数の暴力の前に使徒と混ざり合い肉体の強度が跳ね上がった身体でも宝具は彼の身体を打ち、衝撃は身体を駆け抜け、刀身は肉を貫く。

 

やがて針山の様な体になった彼に向けて英雄王の一言がダメ押しをする。

 

「爆ぜよ」

 

 

 

英雄王の一言に彼の財宝は従い宿る神秘の圧縮を行い崩壊、神秘の暴走という形で爆発という現象を引き起こし男の身体を内側から爆発させる。

爆破に耐えきれず千切れる両手、吹き飛ぶ腹部。唯一頭だけはATFが守り原型を留めている。

爆破により鎖に繋がれた部位が欠損し自由落下を始める。男の落下を見下ろしながら英雄王は手足の治療を始める。

暫しの時を経て両手足は再生。英雄王の目線は再び男を捉える。

まもなく地上へ到達するであろう男もまた少しづつ再生をしているのが見て取れた。

 

「存外貴様の張り付けは様になっていたぞ、異邦人」

 

そう言いながら蔵から取り出すのは『聖人を刺したとされる槍』

 

「裁定の時だ、勇者諸共逝け!」

 

英雄王の腕の一振りに合わせ射出されるは『ロンギヌスの槍』

ソレを選んだのは偶然か、それとも王の眼が見通しての事かは本人にしか分からないが槍は蔵から飛び出し再生を始めていた男の心臓目掛けて飛んでいく。

実に40Km超の距離の差を物ともせず槍は空気を切り裂き男の心臓目掛けて飛んでいく。新たな脅威が迫りくる事に気が付いた使徒は当然防御の為にATFを張る。

槍はオーソドックスな形の穂先でありエヴァ世界のロンギヌスの槍とは全くの別物だった。世界が違うので当然だ。だが、槍がATFに接触した時、不可思議な事が起こった。

ATFに拒まれた槍は確かに止まったが尚も進もうと接触面から火花を散らし、甲高い金属音を鳴らしながら進行を止めない。震える槍は穂先からその身を光に包み全身が光となった所で形を変える。

エヴァ世界においてのロンギヌスの槍。二股の捩じれ絡み合う朱色の長槍。

槍の変化に持ち主の英雄王、衛宮一行、そして男の内から見ていた者達も一様に驚き目を見張る。

槍はATFを破り遂に男の胴を貫き絶大な運動エネルギーと共に地面へと縫い付ける。

叩きつけられたエネルギーは地面に走りクレーターを作る。衝撃に砂が浮き、空気は揺れクレーターを中心に砂塵が舞う。

 

それでも男は微かに生きていた。

 

無いはずの左手で槍を掴み、無いはずの右手で天を掻く。

 

槍が肺を貫いている為か口からは血を吐き、目や耳鼻からも血を流してる。口からは声にならない声をか細く出しながら目は遥か上空に居る敵を睨む。

その目は瀕死の状態なぞ知る物かと言わんばかりの敵意が籠り両の眼を紅く光らせている。だが流れ出る血が多く数回の痙攣と共に動かなくなってしまう。

 

衛宮一行を襲った砂塵が収まると前方には独特な槍に貫かれた男が砂の上に赤い染みを作りながら横たわっていた。

 

「ユウカッ!」

 

ライダーが弾かれる様に砂を蹴り駆け寄ろうとすると上空から宝具の雨が降ってきた。堪らずソレ等を避け後退すると上空から黄金の船に鎮座した英雄王が降りてくる。

 

「さて、想定外はあったが……ある意味収まるべき所に収まったという事か。我の見立てを超えては来たが勝利を拾う程ではなったと……」

 

悠然と浮かぶ黄金の船を覆う様に空間が揺らぎ波紋が広がる。英雄王が最後の一言を発する前にその内の一つが向きを変え待機状態にあった武器を射出。

重々しい金属音が辺り一帯に鳴り響き英雄王目掛けて飛来した何かの進行を防ぐと、飛んできたモノは赤い軌跡を残して持ち主の元へと戻る。

 

「ランサー……まさか生きていたとはな。生き汚なさは言峰以上か?」

「っかー、あんなのと比較されても嬉しかねぇや」

 

手元に戻った槍を片手にランサーが姿を見せる。全身を包む青い鎧は至る所が焼け焦げ、出血もしている。

それでも闘志は折れておらず眼に宿る戦意は身体の状態に反して満ち満ちている。

 

「んじゃぁ改めて言うぜギルガメッシュ、アレは俺の獲物だ。これ以上やるならテメーから先に殺る」

「はっ! 吠えるではないか」

 

そこからはランサーとギルガメッシュの対決が始まった。結論から言えば対決の結果は知らない。

決着がつく前に固有結界は戦闘の余波に耐えきれず破壊され、その隙に乗じてライダーが俺を回収してくれたので争った本人達以外は誰も結果を知らないのだ。

尚、死んだ俺は柳洞寺へ運ばれた。理由はキャスターに譲ったレイズロッド。例え死んでも一定時間内であれば蘇生が可能な制限回数付きの蘇生アイテム。

狙って渡した訳じゃない……とも言えないが回り回って自分を助ける情けは人の為ならずとは言ったものである。

まぁ最も、蘇生後に相当大変な事になって目を覚ました後にキャスターに盛大に怒られたんだが。




という事で主人公が皆のトラウマ、劇場版の二号機みたいになるというのを目指した全4話(22~25)でした。

普段と比較するとかなりアッサリに仕上げてます。
後々加筆するかもですが取り合えず話を進めるのを優先します。

また数件の感想を頂いたのでこの場で返答させていただきます。

■ ■ ■ ■ ■
ガチガメッシュに勝っちゃったん…あかんやつや
>英雄王は滅びぬ!何度でも蘇るさ!
 いくら戦闘経験則数十年の積み重ねがあってもあんなのに勝てる訳ねーっす。

ランサーはどうなったのかな?
>すっごい迷いましたがぼかす形を取りました。今後の展開次第で一つ。

更新遅くてつまんねーわ
>更新遅いのはスマンの。生活(リアル)優先だから執筆に使える時間なんて一週間に3時間取れれば良い方なんや。
でも態々つまらんとか書くとか……ありがとな!
そんなんでも反応ある方がやる気でるゾ!君のお蔭で25話は早く上がったしwww
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