変身空母 赤城   作:作者アアアア

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今後の方針、本作の追記、修正をしつつ、新作の検討(おそらく、アズレン、ラブライブ辺り?)


最終話 空母部隊、永遠なれ

「だあああああ!!」

 

 六人は勇ましく叫び立ち向かう。瑞鶴、飛龍がパンチを打ち、赤城、加賀が両側面に周りキックを打つ。しかし、リエはそれよりも速くパンチを打って前二人を吹き飛ばすと、両端のキックをそのまま塞ぎ、薙ぎ払う。リエがゆっくり歩いて来た所を翔鶴が前に立ち、掴もうとするが、逆に掴まれ、かかと落としを放つために宙に上がった蒼龍目掛けて投げた。それでも六人は立ち上がり挑む、しかし、リエは赤城の腕を掴むと、彼女が弓を放し明後日の方向飛んで行っても、彼女を振り回し、五人を一掃。赤城自身も五人を飛ばすと床に叩きつけた。

 

「がっは!」

 

 六人は衝撃で変身が解け、リエはそのまま赤城の腹に足を置き軽く力を込める。

 

「言い残す事はある?」

「……ありません」

「ふーん」

 

 興味なさそうに聞くが、赤城はリエの片足を掴み、腹に置かれた足を退かそうとしながら叫ぶ。

 

「生きて、貴方を倒す為です!」

「こいつ……!」

 

 手を振り払い、足を大きく上げると、蒼龍は手元に赤城の弓に気づいて、拾い上げると引き金を引く、一発の光弾がリエの肩に当たり、爆発する。赤城もすかさず、転がって、拘束から抜けた。

 

「赤城さん!」

 

 蒼龍の叫びに振り返ると、弓を投げ渡した。それを受け止めると、リエに斬りつける。それでも決定打にはならず、斬っても大きな傷にはならず、リエの攻撃を弓で塞いでも飛ばされてしまう。

 

「しつこいんですけど」

「……まだ……戦える!」

 

 六人は立ち上がり、それぞれ叫ぶ。

 

「変身!」

 

 衣装がボロボロになっても立つ六人。先頭に立った赤城は後ろの五人に向けて呟く。

 

「皆さん……!」

 

 赤城は、五人の姿を見た後、リエに向き、叫ぶ。

 

「一航戦赤城、参ります!」

「一航戦加賀、いざ」

「二航戦飛龍、勝負!」

「二航戦蒼龍、負けないんだから!」

「五航戦翔鶴、舞います!」

「五航戦瑞鶴、絶対勝つ!」

 

 叫ぶと六人は再び立ち向かう。突進する瑞鶴と飛龍。

 

「ふんっ!」

 

 ストレートのパンチを打つが二人は二回目と言う事もあってかそれを見切った。腰を落としタックルを放つと二人がかりで壁に押さえつける。

 

「蒼龍!翔鶴姉!」

 

 瑞鶴が叫ぶと、蒼龍、翔鶴がキックを打ちダメージを与えた。

 

「貴様!」

 

 腕を動かし抵抗を始めた所で放すと今度は翔鶴と蒼龍が押さえつける。

 

「早く!」

「二人共、今です!」

 

 今度は瑞鶴は胸倉を掴んで顔面をひたすら殴り、手を放すと、飛龍が腹にデンプシーロールを打ち込む。

 

「うがああああああ!!」

 

 咆哮をあげ、拘束を無理矢理解くと、加賀に斬りつけられる、更に腕を掴まれ、部屋の中央にまで突き飛ばされる。

 

「やあああああああああ!!」

「んぎいいいいいい!」

 

 そこへ、赤城が脳天目掛けて、拳を落とした。その威力は凄まじく、執務室にも、その下の階にも穴が開き、そのままリエは落ちていった。しかし、それと同時に衝撃からか、鎮守府の崩壊が秒読みの状態になる。

 

「逃げましょう!」

「はい!総員、退避!」

 

 赤城の指示に走り出そうとした時、翔鶴が足を押さえて悶える。

 

「翔鶴姉!?」

「す、すいません……足が……」

「私が運びます!」

 

 赤城は翔鶴に近づき、肩を貸すと、ゆっくり立ち上がり、歩き出そうしたその時。

 

「……お前だけでも」

 

 聞き覚えのある声に構える四人。

 

「お前だけでも……お前だけでも!!」

 

 その怒声と共に穴から複数の腕が伸び、赤城へと迫る。すかさず赤城は、翔鶴を突き飛ばす。

 

「赤城さん!」

 

 全員が叫ぶと、赤城は腕に囚われつつも叫んだ。

 

「逃げて下さい!後は必ず私が倒します!」

 

 それだけ言うと、赤城は穴に引きずり込まれていった。

 

「赤城さん!」

「加賀さん!?」

 

 しかし、加賀はその後を追う様に穴に飛び込もうとする。

 

「貴方達は行きなさい」

「しかし!」

「命令よ!そして、私達の事を必ず報告しなさい」

「加賀さん!」

 

 部下達の制止振り切り、加賀は赤城の後を追いに行った。

 加賀は穴へと落ちている二人を見つけると、手刀で赤城を縛る手を斬ると解放する。

 

「加賀さん!?」

「単体行動は危険です」

「……ありがとうございます!」

 

 地面に着き二人は辺りを見る。

 

「ここは?」

「恐らく、鎮守府の地下でしょう」

「まさか、うちに地下があったなんて……」

 

 話していると、リエが襲い掛かるが二人は負けじと立ち向かった。

 

 

 

 満身創痍の四人は屋外を徘徊する地上棲艦から隠れつつ、半壊した工蔽に入り込む。

 

「はぁ……はぁ……とりあえず休もう……」

「赤城さん……」

 

 幸いここには相手はおらず、飛龍の指示で一度、休みをとってから進もうとしていた。しかし、翔鶴は赤城の事が気掛かりだった。

 

「……やっぱり、お二人を置いていけません……!」

 

 床に座り、壁にもたれ掛かった翔鶴は立ち上がろうとするが、足の痛みに耐えきれず、両膝を落とす。

 

「翔鶴姉!無理しないで!」

「けれど、お二人が!」

 

 言い争う二人他所に飛龍は大破した機器の中に弦の切れた弓を見つける。

 

「艦載機!艦載機を飛ばそう!」

「艦載機!?でも、あるの?」

「それを今から探すの!翔鶴、やってくれる?」

「はい!」

 

 飛龍の提案に乗った三人は崩れた工蔽内をくまなく探す。

 

「あった!?」

「弓があったよ!ちゃんと弦もついている」

「甲板もあった!でも、無事だったのは」

「爆撃機がありましたが……」

「どうしたの?」

「六機だけですね……」

 

 蒼龍の叫びに対して、飛龍は弓、瑞鶴が甲板、翔鶴が爆撃機を見せる。

 

「心もとないなぁ……」

「一人、一か二、操ればいけるかな……」

「私に撃たせて下さい!」

「分かった。頼んだよ!」

 

 飛龍は翔鶴に弓を渡す、翔鶴も片膝をついた状態で構え叫ぶ。

 

「全機、突撃!」

 

 六機が大きく開かれた穴から飛びだって行った。

 

 

 

 

「うおおおおおおお!!」

 

 リエは叫びながら、執拗に赤城の顔、腹を殴る。動かなくなったのを確認すると、そのままぶん投げ、壁に叩き付けた。衝撃で壁が崩れ赤城が下敷きになったのを見ると、今度は地に伏せ、悶えている加賀の方を向く、歩いて近づくと首根っこを掴み、宙に浮かばせる。

 

「ああっ!」

「うふふ……」

「う、うぅぅ……」

 

 徐々に絞める力を増していき、それに比例して加賀の僅かな抵抗も弱くなっていく。

 

「加賀さんを……放しなさい……!」

 

 瓦礫をどかしつつ赤城が這い上がる。その姿に驚いたリエは叫ぶ。

 

「何故倒れない!?」

「私の……すべき事だから……」

 

 赤城は頭から血を流しつつ、口元の血を拭うと言い放った。

 

「私は、幼少期に大切な人を失いました。その時から、人を守る力を求めるようになって……そして、艦娘になったんです!だから……人々は私が守ります!!」

「それもここで終わりだあああああ!!」

 

 その時、六機の爆撃機が駆け付け、リエの周りを飛び始めた。降り注ぐ爆撃に対しリエは必至に手を振り回す。

 

「このっ!邪魔だ!」

「誰が……!?」

 

 加賀が呟くとリエは、それぞれの手で全ての爆撃機を掴んだ。

 

「よし!」

 

 小さく喜ぶと、そのまま握りつぶす。その時、赤城が弓を腰に構え、リエの腹に向かって突進してきた。

 

「はああああああ!!」

「がっ!?」

「は!」

「ぎっ!?」

「まだ!」

 

 腹に刺さった弓を捻り、更に深々と刺す。そこへ追い打ちをかける様に何度も引き金を引き、光弾をひたすら打ち込んだ。

 

「貴様あああああ!!」

 

 潰した爆撃機を投げ捨て、赤城に拳を振り下ろすがそれを横に転がって回避する。

 

「許さない!許さない!許さない!許さない!許さない!許さない!許さない!許さない!許さない!許さない……!!」

 

 体の所々が爆発している中、腹の弓を抜こうとするが弓の返しにより抜けず叫ぶリエに対して加賀も叫ぶ。

 

「赤城さん!」

「はい!」

 

 加賀の指示に二人は飛び上がると、赤城は、空中で態勢を整え右足を突き出し、加賀は宙で一回転すると両足を突き出す。リエはそれを見て弓を抜くのを止めて、キックに備えて構える。

 

「はああああああ!!」

 

 二人はそのまま、三本の足で渾身のキックを放った。キックは腹に刺さった弓に当たると更に深く刺さる。リエは震える手で、二人の手を掴もうとするが、二人の勢いに負けるが耐える。

 

「うおおおおおおお!!」

 

 しかし、弓を抜こうと手を伸ばした時、弓は胴を貫通し、そこへ、三本の足が入った。そのまま、二人も貫通し腹に巨大な穴が開く。

 

「でやああああああああああ!!」

「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!」

 

 赤城と加賀の狂いなき一撃を受け、腹部に風穴を開けられると、リエは断末魔を上げて大爆発。弓もろとも跡形もなく消えた。爆破地点を後ろにそれぞれ呟いた。

 

「やりました」

「この勝利で慢心しては駄目……これからも守っていくためにも……!」

 

 その時、鎮守府の崩落が更に進み、二人はそのまま大量の瓦礫に埋もれてしまった。

 

 

 

 どれ程の時間が経っただろうか、二人は辛うじて作ったスペースで生きながらえていた。

 

「加賀さんは……何故助けに来てくれたんですか?」

「え?」

 

 赤城の台詞に疑問を持つ加賀。

 

「……私にも分からないわ」

「加賀さんって嘘が下手ですよね」

「……どういう意味ですか?」

「私を守ってくれるために来てくれたんではないのですか?」

「……今思えば、感情で勝手な行動だったわ……」

「でも、嬉しかったです」

 

 赤城に微笑まれ、加賀は思わず目を逸らす。

 

「赤城さん」

「はい」

「以前、私は提督から、少し馬鹿になった方がいいと言われました」

「言葉の意味は分かりましたか?」

「……ええ、けれどこれじゃ、あの子達に示しが付かないわね……」

「いえ、付くと思いますよ」

 

 赤城は一呼吸置き言った。

 

「すいません。少し眠いので眠ってもいいですか?」

「赤城さん」

「……」

「赤城さん?」

 

 目を瞑り、答える前に動かなくなった赤城に、加賀は聞き返す。

 

「赤城さん!加賀さん!」

「赤城!加賀!」

 

 その数分後、上司、部下が瓦礫を退かしに駆け付け、そのおかげで、地上からの光が差し込み、二人を包んだ。

 

 

 

 あれから暫くして、地上棲艦の出現頻度は全国的に大幅に減少し、出現しても、相手が弱く、駆逐艦だけでもどうにかなった。鎮守府は全壊したため、簡単な拠点を横に設置、そこで施設の修復もしつつ深海棲艦との戦いにも備えていた。

 

「……以上が本日の戦果です」

「ご苦労、今日はもう上りか?」

「ええ、行きたい所もありますから」

「久しぶりに楽しんでこい」

「ええ」

 

 加賀は提督に微笑を見せるとそのまま、去って行った。

 

 

 

 街では、鶴姉妹が仲良く歩いていた。翔鶴の足の状態も完治し、元気そうだ。二人はある人物に会う為に大きな焼肉店へと入っていった。

 

「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」

「いえ、約束があって来ましたが、飛龍という方はいますか?」

「飛龍様……、お客様、お名前は?」

「翔鶴です。この子は瑞鶴です」

「……はい、確かに承りました。こちらへどうぞ」

 

 店員に連れられて、二人は個室に入る。

 

「ごゆっくりどうぞ」

「おおー、来たね!」

「二人も今のうちに決めちゃって!」

 

 個室には飛龍、蒼龍の龍コンビがおり、メニュー表を片手に二人を誘う。

 

「何にする?」

「勝手に決めてていいんでしょうか……?」

「大丈夫、大丈夫!赤城さんなら何でも喜んでくれるって!」

 

 飛龍は笑いながら、軽く返す。

 

「赤城さん、まさか退院したら、焼肉を食べたいなんて……」

「夜は焼肉っしょ!ってね」

「いや、そんなハイテンションではなかった思う」

 

 瑞鶴は赤城の考えに微笑み、飛龍は蒼龍のノリに突っ込む。

 

「こちらへどうぞ」

 

 外から聞こえた声に、反応すると二人の人が入って来た。それを見て叫ぶ。

 

「赤城さん!」

「加賀さん!」

 

 喜びの声を上げる四人。赤城と加賀はそのまま、席に座る。

 

「すいません。遅れました」

「いえいえ、赤城さんも退院おめでとうございます!」

「ええ、これからもまた頑張らないといけませんね。加賀さんも、お迎えありがとうございます」

「いえ、当然です」

 

 赤城がそれぞれに感謝している中、翔鶴は恐る恐る聞く。

 

「その……怪我はどうですか?」

「そうですね。日常生活が送れる程度には直りましたが、戦線に出られるのはまだ先になりそうです」

「そうですか……」

「それよりも、今日はたっぷり食べましょう!肉は頼んでおいたので飲み物を選んでください!」

「あ、ありがとうございます!そうですね……」

 

 蒼龍に押されて、注文を始める二人、暫くすると、六杯のコップが卓上に並べられた。

 

「来た来た!」

 

 同じタイミングで肉も着き、それぞれコップを握ると、宙に掲げて六人の歓声が響いた。

 

「乾杯!」




今回で変身空母赤城は完結です。
半年間の応援ありがとうございました!



以下、個人的な話
執筆自体は初めてではないですが、無事に完結まで持って行くことが出来たのは、今作が初めてです。これも全て、毎週見に来てくれている読者様があって出来た事だと私は思います。完結まで進めて、自身の作品を見直して、何処が良いか悪いかも確認でき、本作は私の黒歴史でもあり、自慢になりました。
他には……空母の娘って魅力的な人が多いですよね。










以下、更に個人的な話
メインにした六人のイメージとしては。
赤城……クール気取り、頼もしくて、可愛い(24歳)
加賀……クール、仕事は出来ても、関係づくりが出来ない(24歳)
飛龍……コメディリリーフ、しかも有能(19歳)
蒼龍……セクシー要因、おっぱいが大きい(19歳)
翔鶴……清楚、ヒロイン力なら最強(18歳)
瑞鶴……最年少、能力が最も高いが精神が未熟(17歳)

もっと技術があったら、雲龍達や大鳳、グラーフもゲスト枠で参戦させていたかも。
コメント次第では続編をやろうかな……
では、改めてここまで読んでくださってありがとうございました!次回作で会えたら会いましょう!

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