変身空母 赤城   作:作者アアアア

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今回は少し短いですが楽しんでいただけると幸いです。


三話 二航戦、参戦

 湯船の中、飛龍は考えていた。

 先日、加賀の変身をこっそり見てしまった事からどの様に過ごせばいいのか悩んでいた。

 

「飛~龍!」

「あ、蒼龍だ」

「……反応薄すぎない?」

 同期で仲の良い蒼龍に後ろから肩を掴まれつつ声を掛けられる。

「何か悩みでもあるの?」

「いや~、そこまででもないんだけどね」

「ないんだけど?」

「うん、実は……」

 

 飛龍は加賀が廃工場でコスプレを披露した事を話した。

 

「それって、加賀さんが子供を助けた時だよね?まさか加賀さんが……」

「でしょ、あの鉄仮面とか影で言われている加賀さんだよ」

「私も見てみたかったな~」

 

 二人が話してると、髪を下した加賀と赤城が入ってきた。

 

「私の陰口が聞こえた様な気がしたのだけど」

「えっ!?何も!」

「私も気になりますね、どんな話を?」

「いえいえ!それほどの話ではありませんから!」

「あっ、飛龍!」

 

 飛龍は逃げるように銭湯を出て行ってしまった。

 

「怪しい……」

 

 蒼龍はそれを睨んでいた。

 

 

 

「二人共、本当にありがとう!」

「い、いきなりなんですか?」

「これを見てくれ!」

 

 工蔽にて、博士に呼び出された、湯上り一航戦は、四つの変身装置を見せられる。

 二人の物とは少し差異があるが、紛れもなく同じ物である。

 

「これは?」

「念願の正規版だよ!長かった……三人の協力が無ければここまでこれなかった……」

「待って頂戴、三人と言うのは?」

 

 博士の矛盾を指摘する加賀。

 彼も思い出したように言う。

 

「ああそうだ、加賀君が着ける前に何人か志願者がいてね、その内一人の子に試させたんだ。完成したし、声でも掛けようかな?」

「そ、そうだったんですか……」

 

 博士に反応する赤城を横に、加賀は口を開く。

 

「その一人が着けるとして、あと三つ、当てはあるの?」

「そこで、お願いだ。君たちが三人の人を選んできてほしい」

「私達がですか?」

「それだけ、君の慧眼に期待しているんだよ」

 

 すると、警報が鳴り出し、工蔽にいた明石が叫ぶ。

 

「お二人共!深海棲艦が二体現れました!場所は鎮守府から南西の森の方です!」

「何!?二人共!」

 

 博士が声を出す頃には二人の姿はなかった。

 そこへ、一人が現れる。

 

「博士!」

「君は……!正規版ならもう完成しているぞ!」

「やった!それじゃあ早速……」

「やっぱり、そう言う事!」

 

 突如現れたツインテールの人影が叫ぶ

 

「げぇ!?」

「?君は?」

「友達。ねぇ、これは一体……」

 

 問い詰めようとした所で、博士が言う。

 

「友人か……教えてもいいんじゃないかな?」

「えぇ……」

 

 

 

 森の中にて。

 戦艦タ級とル級が徘徊している。

 そこへ、一航戦の姿が。

 赤城は、右手を装置に添え、左手を左上に上げる。

 加賀も左手を頭の右側に構え同時に叫ぶ。

 

「変身!」

 

 ドレスを装着し早速挑む。

 しかし、戦艦特有の耐久力とパワーを前に、苦戦を強いられてしまう。

 

「加賀さん!大丈夫ですか?」

「ええ、何とか、一対一では危険です。個別に狙いましょう」

「しかし、最低でも三人はいないと分断が……」

 

 戦力不足を呪う二人、その時。

 

「赤城さん!加賀さん!」

 

 突然の叫びに四人は思わず声のした方を向く。

 そこには、二航戦の二人の姿があった。

 

「もう一体は私たちに」

「任せて下さい!」

 

 そう言うと、二人は手に持った装置を左腕に当てる。

 するとベルトが飛び出し、左腕に固定された。

 

 

 

 二人は装置の電源を上げる、すると飛龍からサックス、蒼龍からフルートの音色が鳴り出す。

 飛龍は両手の爪を立て、手首と手首を合わせて右手が上になるように前に突き出し、蒼龍は、左手を頭の高さまで持って行き、同時に叫ぶ。

 

「変身!」

 

 飛龍は、両手を半回転させ装置を起動させつつ自身の胸に引き、すかさず、右手の爪を立て、左手を右肘に持って行き、両腕で龍の形をとると黄色の衣装が。

 蒼龍は、装置を起動させると頭の横で腕を小さく交差させ一回転させ、両手首を合わせて天に向けて伸ばすと緑色の衣装が。

 目の前で浮かび上がって、二人に装着される。

 

「二航戦飛龍、勝負!」

「二航戦蒼龍、負けないんだから!」

 

 飛龍は拳を握り、構え、蒼龍は、片足を上げて構える。

 

 

 

 先に動いたのは飛龍、ル級の目の前まで、突っ走るとそのまま、タックルで相手を怯ませる。

 一瞬の隙を突き、懐に飛び込みさらにそこへ胴体へ目にもとまらぬ速さでパンチを打ち、確実に体力を削っていく。

 

「蒼龍!」

「了解!」

 

 掛け声と同時に一気に距離を取りそこへ、蒼龍がル級の脳天にかかと落としを直撃させる。

 二人の連携に呆然としている三人。

 赤城は思い出したように叫ぶ。

 

「加賀さん!私達も戦いましょう!」

「え!えぇ……!」

 

 二人はそれぞれ、拳と手刀を使いタ級に立ち向かう。

 

「飛龍!そろそろ決めよう!」

「言うと思った!」

 

 二人のキックを受け、息を切らすル級。

 二航戦が高く飛ぶと、飛龍は右足、蒼龍は左足で相手の頭目掛けて、回し蹴りを放ちつつ同時に叫んだ。

 

「ツインドラゴンキック!」

 

 大技を受けた、ル級は吹き飛び、地面に倒れると爆破し、消えた。

 

「はぁ!」

 

 一方、一航戦は、二対一で優位になったからか、タ級を追い詰めていた。

 そして、トドメに、高く飛び、両肩にパンチとチョップを打つ。

 タ級も吹き飛び、爆破、消滅した。

 

 

 

「ふふん、どうですか?」

「まさか、二人が選ばれるとは思っていませんでした」

「いえ、赤城さん。博士は三人選んでほしいと言っていました。どちらかが、これを使った事があるという事になるわ」

「あ、それ、私です……」

 

 飛龍は申し訳なさそうに言う。

 

「でも飛龍って何で大切な事、隠してたの?」

「えっ、だって恰好が……」

「え~、カワイイじゃんこれ!」

「そうじゃなくて……知り合いに見られるのがなんか……」

 

 二航戦のやり取りを聞いていた加賀は自分の恰好を思い出し、顔が一気に真っ赤になるが一同に背を向ける。

 

「加賀さん?」

「な、なんでもないわ」

 

 加賀の顔はしばらく赤いままだった。




【鎮守府】
提督の指揮の下で動いている艦娘達の拠点。
規模が大きいほど、施設、待遇が良くなるが同時に過酷な訓練、戦闘を強いられる。
赤城達が所属するのは、最も大きい横須賀から離れた中堅の鎮守府となっている。
部屋は、2~4名の同室、工蔽、銭湯、訓練場、執務室の最低限のもののみとなっている。


次回で、変身するメンバーは全員出ると思います。
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