変身空母 赤城   作:作者アアアア

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四話 五航戦、抜擢

「さて……」

 

 鎮守府の一室、会議室にて、加賀は机に資料や履歴書を置き、椅子に座っていた。

 隣には、上司である提督、両端には二航戦の蒼龍、飛龍が横一列に座っている。

 

「提督、わざわざ協力していただきありがとうございます」

「いやいい、俺も加賀が誰を選ぶか気になってな」

「それで加賀さん、選ぶ基準はどうするの?」

「もしかして、衣装が似合う人?」

「貴方達……、洋服選びではないのだからそんな事で決める訳が無いでしょう」

 

 飛龍の疑問と蒼龍の冗談に呆れつつ、声を出した。

 

「では、これより、正規装着者の面接を始めます」

 

 

 

 一方、赤城は、鎮守府付近の海上に現れた深海棲艦を新人教育も兼ねて討伐に来ていた。

 恰好は、普段から着ている赤の弓道着、艤装も弓を装備して、新入り達の先頭に立ち進んでいる。

 

「……ふぅー……!」

 

 呼吸を整え矢を掴んだ手で弦を引く。

 

「はっ!」

 

 手を放すと、矢は空へと飛んでゆき、戦闘機に変わる。

 飛行機達は、敵艦隊に近づき、弾の雨を浴びせる。

 そして、一方的に襲われた者達は、爆炎を出しながら沈んでいった。

 

 

 

 数時間後、赤城達の艦隊は深海棲艦を全滅させ、鎮守府に帰投した。

 その時、一緒にいた一人、腰まで届くほど長く、白銀色の髪を持った空母が呟く。

 

「やっぱり一流よね、赤城さんは」

「でも、私もこの調子なら赤城さんに追いついちゃうかもね」

「もう!瑞鶴、調子に乗らないの」

 

 二人のやり取りを聞いていたのか、赤城が話に入る。

 

「二人共、初めての出撃はどうでしたか?」

「はい、まだ学ぶべき所が多く、改善すべき部分もあり、とても良い機会になりました」

「私は、今回で大きく自信を付けました。次も必ず勝ちます!」

「二人共いい反応ですね。では、弓道場に戻って、鍛錬を行ってください」

「はい!」

 

 二人は威勢の良い返答をすると、弓道場へと行った。

 

 

 

「はぁ……」

 

 十数人の候補者の面接を終えた加賀は、相応しい人が見つからず頭を抱えていた。

 

「悩んでるようだな、蒼龍飛龍、お前らは誰がいいと思う?」

「う~ん、扶桑さんかな?頼りになりそうだし」

「やっぱ、龍田!確か、薙刀を嗜んでいるって書いてあったよね?」

「だ、そうだ。この意見を入れつつ赤城と考えてくれ」

「……分かりました。近日中には必ず決めます」

 

 席から立ちあがり、部屋を去ろうとしている所で提督が呼び止める。

 

「加賀!」

「なんでしょうか?」

「これを持っていけ」

 

 加賀に差し出されたのは、艦娘の履歴書のコピーだった。

 

「え、こ、これは……」

「コピーだ、外へ持ち出さないを条件にするなら、渡そう」

「……ありがとうございます」

 

 少し迷ったが、加賀は提督の協力に甘える事にした。

 その後、自室に戻った加賀は、受け取った履歴書を熟読していた。

 その時、二人の艦娘に興味を持ち、神妙な顔で読み始めた。

 

『艦名翔鶴 家族構成妹一人 艦種正規空母 本名……』

『艦名瑞鶴 家族構成姉1人 艦種正規空母 本名……』

「五航戦……」

 

 加賀は思わず声を出していた。

 

「い、いえ、赤城さんと相談しないといけないわね」

 

 そういって弓道場へ向かった。

 

 

 

 弓道場では、赤城の視察の下、先程の二人が矢で的を正確に射貫く鍛錬を行っていた。

 そこへ、加賀が現れる。

 しかし、加賀は、二人の様子、特に深緑色のツインテールを見ると嫌そうな顔をして口を開く。

 

「まだまだね、翔鶴、弦の引きが弱いわ、瑞鶴、貴方のやり方は、型に全く当てはまってないわ」

「えぇ!?」

「んな!?どういう事よそれ!?」

 

 手厳しいコメントに困惑する二人を横目に赤城に話しかける。

 

「赤城さん、装着者の事で話が」

「分かりました」

 

そういうと、一航戦の二人は、その場から出て行った。

歩きながら、それぞれの考えを語る二人。

 

「加賀さんは気になる人はいましたか?」

「私は五航戦が……赤城さんは?」

「私は……」

 

 

 

二人の秘密の相談から、数日後、五航戦は提督に呼び出され、執務室に行く途中だった。

 

「配属場所についてかぁ……」

「どうかしたの?」

「ほら、この間のいちゃもん鉄仮面の事よ!舞い上がっている所であんな事言われたらたまったもんじゃないわ!」

「加賀さんの事?」

「もし、あの人と一緒になったら……って知っているの?」

「私達の師になるのかだから名前ぐらいはちゃんと言いなさい!」

「……はぁい……」

 

そんなやり取りをしているうちに、執務室につく。

翔鶴はドアを四回ノックしてから入った。

 

「失礼します!」

 

礼儀正しく執務室へと入る。

そこには、提督以外にも、赤城、加賀の姿があった。

 

「二人共よく来てくれた」

 

横一列に並んだ二人に話す。

 

「突然だが、お前達には、地上の赤城部隊に入ってもらいたい」

「あの、提督地上と言うのは……?」

「話すと長くなるからな……赤城達から聞いてくれ」

「提督さん、私も質問」

「何だ?」

「なんで私たちなんですか?」

「赤城と加賀の推薦だ」

 

そう提督が言うと、一航戦が二人の前に立つ。

 

「私は、二人から、力強さを感じ決めました出来ればあなた方と共に戦いたいです」

 

真剣な表情で語る赤城を見た翔鶴はこういった。

 

「分かりました!微力ではございますが協力させてください!」

「それで、瑞鶴、貴方はどうするの?」

「あ、姉がそういうなら……」

「そう……、じゃあ、私は貴方の矯正に力を込める事にしましょうか」

 

そう言った、加賀に対して、瑞鶴は叫ぶ。

 

「な、なんでこの人なのよッーーーー!!」




【地上戦用の艤装】
 博士が開発した装着者の身体能力を大幅に上げる新兵器。
 現在、出回っているのは以下の二つ。
【試作型】
最初に作られた型。出力が凄まじく力もあるが、負荷も大きいため、付けられる艦娘が限られてくる。後、外れやすい。
【正規版】
試作型から力を取り、安定を取ったもの。
新しく正規版同士での通信機能が加えられ、また外れにくくなった。それでも、駆逐艦や軽巡洋艦が付けるのは不可。
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