「如何なさいますか、ご主人様?」
どうする、とは、まぁ建造のことだろう。キューブと資金は、ここのところ建造どころか物資の購入もしていなかったせいで有り余っている。ならば大型建造や特型建造にぶち込むのか、と言われて即座に頷くほどの決断力はない。
「イベまで放置・・・と言いたいところだが、シリアスだのキュラソーだのが来たってことは、いまイベント中なのか?」
もしそうだとしても、シリアス以下メイド勢追加・・・ロイヤル陣営イベだとすると、この三人以外のまだ見ぬメイドさんがいる可能性もある。それを取り逃がすわけにはいかない。
いかないのだが、資金とキューブは、なにも建造だけが使い道ではないし、核兵器の製造や購入を検討する身としては金はあるだけ困らない。というか早急にヴィシアに前回のぶんを支払わないと・・・。え? 無償提供じゃないのか? 無償ですよ? ただ次弾分のチャージはしておかないと。
「どうするか・・・というか、新国連の方にも資金供与って要るのかな?」
「我々は実効武力としての貢献を求められるでしょうから、そこまで大きな出費にはならないと思いますよ?」
キュラソーが慰めるように言うが、ほんとぉ? と言わざるをえない。
「僕ら10億ずつ出すんで、アンノウンさん5億でいいよ!!」とかいわれても、「いや、5億もないです・・・」と返すしかないし。
「発言をよろしいでしょうか、誇らしきご主人様」
「はい、シリアス」
「全員殺せばすべて解決では?」
「天才か?」
正直言って、セイレーンの餌でしかない現状の人類は枷にしかなっていない。しかも全自動足引き機能付きだ。どこぞの少尉もびっくりである。
「やはり戦力拡大は必須か・・・とはいえ、艦船だけだと限界があるんだよなぁ」
呟くと、カーリューが控えめに挙手した。
「セイレーンを取り込むのは如何でしょうか」
「天才か!? ・・・いや、待て。俺ら何と戦ってんの?」
「え?」
「え?」
・・・え?
「・・・つい先日、我々は北連と事を構えておりました。」
「あ、うん。・・・言われてみれば。」
あ、あれぇ?
確か国連の大会議場で、しかも代表諸卿の前で『ボクら、人類側なんで(キリッ』とか言ったはずなんだけど。
じゃあなんで攻撃されたって話ですよ。
俺の記憶通りなら、先制核攻撃とかされたし。・・・よく考えたら先制核攻撃って頭のおかしい言葉だな。その後報復核攻撃とかした訳だし、これは核戦争と呼んで差支えないのでは??
「・・・いやいや、落ち着け。」
「はい。」
整理しよう。
まず俺たちは、いきなりこの世界にやってきた。
で、基地周辺にいたセイレーンをタコ殴りにしてる間に、この基地が国連の強襲部隊に包囲されて、これを撃退。
その後なんやかんや平和な日々を過ごしていたら、北連が宣戦布告ナシの突発核攻撃。これを防いだのち、北連にカウンター攻撃し、焦土化。
「・・・あれ? 人類としか戦ってなくね?」
「・・・まぁ、人間の敵は往々にして人間ですので。」
妙に釈然としない。
「ま、まぁ、うん。原作再現ってことで・・・」
セイレーンと戦ったのは初戦も初戦。この世界に来てから初めての戦闘で鎧袖一触に屠っただけだ。北連戦の方が数十倍面倒だった。数の力、その偉大さを思い知った戦いだった。自分の甘さを思い知った一時間だった。
「・・・」
思考放棄が安牌、か。
そんな結論に至った俺は、とりあえず晩御飯を食べることにした。
まぁ繋ぎ回なんですけどね。