物語の始まり
小さな島国の日本。
その日本に存在する学園都市。総面積は東京都の3分の1を占める広さを持つ。
総人口は約230万人、その8割が学生である。
そこは科学的に超能力開発を成功した場所で、外部からは文明レベルが約30年程先に進んでいると言われている。
最先端の科学技術が研究や運用されている科学の町。
そしてそこは特に、超能力開発や実験に没頭している。
そして、そして、だ。その町の夜。
学園都市のとある学区の薄暗い裏路地で今、夜に光を灯すかのような白い髪に白い肌で赤い瞳の、ここ日本ではとても目立つ容姿の少年か少女か区別が難しい中性的な人物の周りに好戦的な目をした男三人が立っていた。
不良1「おい、お前が
不良2「噂で聞いていたより弱そうじゃねぇか」
不良3「アハハハハッ!!こりゃ案外楽勝だな、学園都市の頂点なんてこんなザコみてぇなヤツがなれんなら俺達でも余裕で最強になれるぜ!」
そう言って、物騒な勝負を仕掛けようとしている者達は自分達の勝利を確信した様に、ニタニタ笑って金属バットを握っていた。
彼らはいわゆる不良というヤツだ。
だから『最強』と言う称号をアホみたいに欲している。
そして。
この町で最強の位置に座する一方通行と呼ばれてる白髪の人物はそんな奴らを見て
一方通行「くっだらねェ⋯⋯⋯」
心底つまんなそうに呟いた。
その次の瞬間であった。不良の男三人が一斉に手に握られていた金属バットを白が特徴の人物に振り下ろした。
不良1「これで俺が最強だーッ!!」
不良2,3「「うぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!!」」
鉄パイプより危険な武器として扱われた金属バットは頭に向かって振らなければ命を奪う可能性は少ない。
しかし、だ。
彼ら不良少年達は殺意剥き出しで白が特徴の人物の頭部目掛けて雄叫びと共に振り下ろした。
だが、だった。
白髪の人物は焦りの表情を一つも見せず普段と変わらぬ様子と同じ落ち着いて避けずにただ瞳を閉じて立っていた。
そして次の瞬間、
大きな怪我をしたのはまさかの攻撃を仕掛けた不良少年達だった。
怪我の具合は手が曲がってはいけない方向に曲がり男三人は、自分のやった愚かな行為を後悔しながら惨めに、哀れに涙を浮かべて地面に転がっていた。
一方通行「で?“最強”に踏み潰された気分はどォだ?」
学園都市の第一位は不良達のリーダーと思われる頭を踏んでいた。
残りの二人の不良はその光景を見て全身を小刻みに震わして酷く怯えていた。
不良1「…………た……っ…………た、すけて…………っ…くだ、さい…………」
一方通行「勝手に攻撃して来て勝手に自滅して何言ってンだ?」
一方通行は頭を踏んでいた男を壁に向かってサッカーボールのように蹴り飛ばした。
蹴られた男は壁に強く激突し、気絶して大の字で地に倒れ落ちた。
次に、だ。
最強の超能力者はゆっくりギラギラした瞳で残りの二人の方を見て、
一方通行「オマエらはどォなりてェンだァ?」
ゆっくり、ゆっくり……と。
不良少年達の心の奥に恐怖を刻むには十分な程、裂いたように悪魔のような笑みでひしひしと距離を詰める。
すると、
不良2,3「「……う、うわぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!」」
二人の男はその姿がどれ程情けないとしても、
白髪の人物に恐怖して泣き叫びながらその場から逃走を試みた。
だが一方通行がそれを許す訳がなく爪先をちょんと地面に当てる。すると、二人の足元が地雷が爆発したかの様な衝撃波が発生した。
一方通行「この俺から逃げれると思ったかァ?」
無様に一方通行の前に転がり倒れる不良少年の二人。
その二人にだ。
この町の『怪物』は鳥を一瞬で殺せそうなほど、心が凍り付くぐらい殺気を込めて睨む。
その目を見た哀れな不良二人はこれ以上ない恐怖を覚え体が硬直してしまった。
その後。二人は彼の『最強』の能力で心身ともに打ちのめされたのだった………。
痛々しい傷が所々ある白目を向いて口をかっ開き倒れる男達を見向きもしないで、いつもの様に学園都市の頂点に君臨する白い怪物はその場から去っていった。
そして、薄暗い細い路地を歩いている最中不思議なことが起きた。
なんと、音もなく突如目の前に真っ黒な扉の様な物が出現したのだ。
一方通行「あン?何だこりゃあ?」
今まで見た事がない現象を不思議そうに眺めていた。
だが急にその真っ黒な扉の様なものは一方通行を吸い込もうとしたのだ。
なんとか踏ん張ろうとしていた白い怪物は御自慢の能力を駆使して抵抗していた。
しかし。
真っ黒な扉の引力の方が彼の能力より上だったのか、その真っ黒な扉のような物に一方通行の体は吸い込まれてしまい次に瞳を開くと一方通行は見た事もない場所に立っていた。
一方通行「………ここは、どこだ?」
きっとあの黒い扉のような物のせいで訳の分からない所に飛ばされたと理解はできた。
新しい空間移動系の能力かと警戒していたら目の前には学園都市で見た事が無いボロボロの神社があった。
空を見上げれば厚くて黒い雲にこの世は覆われていた。
そして、だ。
目の前にあるボロボロの神社の中から巫女の服を着た一人の黒髪の少女が出て来た。
???「……………アンタ、誰?」
一方通行「オマエこそ誰だよ?」
強力な敵意を向けながら口を開く。
だが巫女の服を着た少女はその敵意に一切動じずに、
霊夢「…………
一方通行の質問に答えるのに少し間が合ったが巫女の彼女は名乗る。
すると次は、
一方通行「…………
霊夢「………随分変わった名前ねぇ」
一方通行「うるせェ」
霊夢「見ず知らずの場所に飛ばされて色々と困惑してると思うし、頭の整理が追い付くのに時間が欲しいと思うけどこっちは緊急事態なの、急で悪いけどこの世界の話をしたいから家に上がってくれない?」
一方通行「あン?おい、それはどォいう事だ?」
霊夢「それを話してあげるから家に上がって、って言ってるのよ。全く……」
最後にため息を吐いた。
そして、霊夢という少女はそれから何も言わずボロボロの神社の中に入って行った。
一方通行は彼女から情報を得るためその後を追うように神社の中に入って行ったのだった。
一方通行「…………これはひでェな」
霊夢「始めに言っとくけどこれは私のせいじゃ無いからね?」
彼女の後ろを付いて行ってボロボロの神社の中を進み到着した部屋は酷く散らかっていたのだ。
一方通行「でェ?なにから話してくれンだよ」
そして、だ。
ギリギリ座る場所を確保できる部屋に二人は腰を下ろす。
霊夢「…………そうね。まず最初はこの世界が何故こうなったか話すわ。実はね、本当はこんなボロボロじゃ無かったのよ。この世界も、この神社もね。でも前兆もなく急に私の知り合いや他の皆が暴れはじめて今じゃこの有り様よ……」
霊夢の声色は悲しそうであった。
一方通行は黙って彼女の話を聞いていた。
霊夢「そして今もなお私の知り合いや他の皆は暴走したままこの世界をまだ破壊し続けているわ」
一方通行「それで、だからどォした」
遂に口を開いた一方通行。
話を聞く限りこの世界は危険に陥っているらしい。
だが「そンな事知らねェ」と言うであろう彼は同情など一切せず無表情のままであった。
霊夢「…………もうこの世界で正気を保っているのは私ただ一人。それでも私は皆を止めるために暴走してしまった皆と戦った。でもね__________」
巫女服を着た少女は自分の手を爪が掌に食い込むほど強く握り締めて……、
霊夢「__________絶望に抗おうとどんなに努力したって私一人の力じゃなんにも出来なかった。それで、この絶望に満ち溢れた最悪な状況を打破する術はないかと書物を漁っていたらどこに置いていたか知らないけど見付けた一冊の古い本にこの世界を救えるかもしれない方法が記されていた。この世界を救える人を呼ぶ事が出来る方法がね」
一方通行「…………それで俺がこの世界に呼ばれたって訳か」
霊夢「そう言う事みたいね」
一方通行「チッ。くっだらねェ」
霊夢「えっ……?」
そんな台詞を吐き捨てて一方通行は立ち上がるとこの神社から出て行こうと霊夢に背中を向けた。
すると最後の、本当に最後の“希望”へ視線を向けて、
霊夢「お願いこの世界を、『幻想郷』を助けてほしいのッ!!」
涙を浮かべて縋るように声を発する。
その言葉を聞いて一方通行は足を止めた。
そして振り返ることもしないで、
一方通行「ふざけンなよクソガキが、自分の都合ばっか押し付けやがって。でェ?俺を元の世界に戻す方法は知ってるのか?」
霊夢は暗い表情で下を向きながら、、、
霊夢「ごめんなさい。知らないわ……」
彼女の回答を聞くと一方通行は何も言わずボロボロの神社から出ていってしまった。
そして、だ…………。
一方通行がこの高い位置に存在する博麗神社から下に降りる階段を下っていると神社の方からとても巨大な爆発音がして一度は振り向くが、気にするとこなく正面に向き直してそのまま階段を降りて行った。
ポスター「よーしこれから頑張るぞー!!」
一方通行「オマエじゃ無理だろ」
ポスター「酷いッ!!」