幻想郷を一方通行に   作:ポスター

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私は純粋な日本人です。
だがしかーしッ!!!!
漢字って難しいですね……。(・・;)


あ、続きをどうぞ~♪




3話

一方通行「…………。あァ?それが理由か?」

 

レミリア「えぇ。それが貴方を呼んだ嘘偽りもない理由よ」

 

一方通行「そンなのオマエがやれよ。オマエら姉妹の問題だろォが。なンで俺が関わらなくちゃいけねェんだ」

 

腕を組んだあと、目を細める。

そして一方通行は乱暴に机の上に足を乗せた。

 

しかし、その行動に動じずレミリアは

 

レミリア「私だって可能なら自分一人で解決したいわよ。でも、出来ないの。私は妹に会うことが出来ない。私はあの子と会うことに…………、恐怖を抱いている」

 

咲夜「お嬢様………」

 

体を少し震わせる悪魔のような翼を生やす小さな吸血鬼の少女。

普段のレミリアを知っている者からは想像ができない姿だろう。

しかし、こんな姿を話でしか知らない白い彼に見せてでもこの頼み事を承諾してほしいのだ。

…………そう、なんとしても。

 

一方通行「理解できねェな。相手は自分の妹だろ?家族だ、しかも年下だ。どこが怖いってンだよ?」

 

レミリア「私の妹。"フラン"はとても恐ろしい力を持っているの」

 

一方通行「………ほォ。それで、ってか?」

 

レミリア「いいえ、違うわ。"フラン"はその力を完全にコントロールできなくて余計なものまで『破壊』してしまうの。そして私はもしもあのままフランを自由にしてしまったらいつかこの幻想郷すら跡形もなく壊してしまう。そう考え深い地下室に閉じ込めた…………。フランの心境を頭にも入れずに……ね」

 

とても辛そうで、悲しい顔をしていた。

多分それは後悔から出た表情だろう。

 

そして、レミリアの話を聞いて一方通行は自分の昔の事を思い出していた。

あの……、光も無い暗闇で生きるしか出来なかった幼い自分の姿を…………。

 

レミリア「_______________あの子の能力はありとあらゆるものを破壊する程度の能力……。"だった"……」

 

一方通行「だった?それはどォいうことだ?」

 

レミリア「あの子の能力も突然進化したのよ私達と一緒でね。そして、『ありとあらゆるものを破壊する能力』となり前より歯止めが効かない程能力は増幅され、更に危険で強力で強大な力と化した」

 

一方通行「だから閉じ込めたのか」

 

レミリア「"だから"じゃないわ。能力が進化する前から閉じ込めていた。昔からフランは特に理由もなく破壊と殺戮を繰り返していた。その性格も直すためにも閉じ込めたのだけど……………。忘れられないのよ、あの子の最後の表情が」

 

額に手を当てて下へうつ向く。

 

そして、今でも鮮明に思い出せる。

自分のたった一人の肉親たる妹のフランを地下に閉じ込めようとした時最初は抵抗された、

しかし他にこの紅魔館に住まう者に手を借りてやっと彼女を抑え込むと、もう抵抗はせず素直に従って自分の足で地下室に入っていった。

 

しかし。最後、、、、

 

真っ暗な地下室の中に消えていく時、振り替えり自分の顔を見ていた表情はとても悲しそうであった。

もしかしたら、『やっぱりいいわ、フラン』と手を掴んで止めてくれるかもと思っていたのだろうか…………。

 

だがレミリアはただ黙って表情ひとつ変えず暗闇に消えていく妹の姿を見送ったのだ。

 

一方通行「質問するぞ、オマエはその妹を何年閉じ込めた」

 

レミリア「そうね…………、軽く百年は越えてるわ」

 

一方通行「百年以上……か」

 

レミリア「本当は私が地下室に行ければ良いのだけど、あそこに行くのがとても怖いのよ。もしも拒絶されたら、って考えてしまって。自分で閉じ込めておきながらこんな事を考えてしまうなんてね、自分で自分が情けない…………。だから、ここで待ってあの子に会うため心の準備が必要なの。でもフランはきっと私が言ってももうあそこから出る気はないみたいなの。無理やりフランを地下室から引っ張り出してここまで運べるのはきっとフランと同じ世界をひっくり返せるような強大な能力者だけ。そう思って_________」

 

一方通行「_________俺を呼ンだってか」

 

レミリア「……こんな姉妹の面倒事に巻き込まれるのはきっと嫌でしょう。表情や態度で分かるわ。……でも、それでもお願いさせて。あの子と向き合うためには貴方の力が必要不可欠なの」

 

咲夜「私からもお願い致します」

 

二人が頭を下げいた。

そして少しの沈黙の空気があった。

 

一方通行はコーヒーを飲んだ後に、

 

一方通行「ふざけンなよクソったれ。勝手に呼び出されて来てやったらどォだ?俺を殺そうとしてきやがったオマエらに親切に手を貸せだと?自分の都合しか考えられねェクズになンで俺が手を貸さなきゃならねェンだよ_____________」

 

ごもっともだ。

しかし、

 

一方通行「__________っていつもの俺なら言うが、今回は違ェ。良いぜ、やってやるよ。オマエらがそンなに言うなら地下室に籠った困ったちゃンは相当強ェンだろ?実は今猛烈にリハビリ相手が欲しかった所だ」

 

レミリア「…………や、やってくれるの?」

 

一方通行「二度同じこと聞かなきゃ記憶できねェのか?」

 

レミリア「…………………ホントに、ありがとう」

 

一方通行「だからその引きこもりの居る地下室の場所を教えろ」

 

ポケットに手を突っ込み椅子から立ち上がる。

 

レミリア「咲夜。一方通行をフランの元へ案内しなさい」

 

咲夜「承知しました。ついて来てちょうだい」

 

そう言って部屋を出た咲夜に一方通行はついて行った。

この館は何度も説明するが広い。

目的の部屋へ行くだけなのに、ちょうど良い散歩が出来るほどだ。

 

そして、ほんの30分ぐらい歩くと

 

咲夜「_________ここよ」

 

案内された場所は深い深い地下室に通ずる階段であった。

地下室もあるとは驚きだが今はそんな事を考えてる場合ではない。

 

一方通行「この先にいるのかァ?」

 

咲夜「ええ」

 

一方通行「ンじゃ、ちょっくら行ってくるか」

 

タン……、タン……、タン。っと、ゆっくりと階段を降りて行くと頑丈そうな作りをした鉄の扉を発見した。

そこで下へ降りる階段はなくなっていた。

ここが目的の引きこもりお姫様が居る部屋で間違いないだろう。

 

一方通行はなんの躊躇もなくその鉄の扉を開く。

そして部屋の中へ入った。

 

一方通行「あァ?……誰もいねェのかァ?」

 

明かりは付いていた。

部屋の中は散らかっていたが、とても可愛らしいお姫様の部屋ってかんじだった。

しかし、ここで問題が…………、

壁や床など、所々に血痕があったのだ。

だからだろうか。少し異臭もする。

だが一方通行は闇に生きていた怪物、このぐらいの異臭など何度も何度も嫌ってほど嗅いできたのでそこまで気になることはなかった。

そして、周りを見渡してみるがレミリアの妹らしき影が見当たらない。

 

すると、、、

 

???「久しぶりのお客さんだ。ねーねー、貴方はだぁれ?」

 

一方通行が周りを見渡してると突如急に後ろから声がしたので振り返ると、

そこには可愛い熊のお人形さんを抱いている背の低い真っ赤な瞳の少女の姿があった。

一方通行は、この少女がレミリアの話に出ていた妹だと理解して金髪でカラフルな宝石を吊るす小枝のような翼を生やした吸血鬼の質問に答えた。

 

一方通行「俺は一方通行だ」

 

フラン「えっへへへ、変わったお名前だね。私はねフラン。フランドール・スカーレット」

 

ニッコリと笑う幼い少女。

可愛らしい人形も大事そうに抱えており、こんな子が無差別に殺戮を犯すなんてある訳がない。

…………と。一方通行は思わなかった。

一瞬だ。

一瞬で少女は変貌する。

ギュッ!!と抱いている人形を潰した瞬間能力を発動。一方通行に攻撃した。

しかし、間一髪だ。

目に見えなかったが後方へ高速移動することにより攻撃を回避。するとフランは手を叩いて楽しそうに笑っていた。

 

フラン「アハハハハハハハハハハッ!!よーけた避けた!!最初の一発を避けた人間は久しぶりだなあ、あはっ!!キャハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

一方通行「……チッ。思ってた通り壊れてやがる」

 

先程まで立っていた場所を見る。

すると、そこはまるで重機ですくい掘られたような、ボコッとへこんだ穴となっていた。

自分の部屋だろうがお構い無しのようらしい。

そう、だからだ。

フランはどこから取り出したか分からないが、手に燃え盛る大きな炎の剣を持ち、

 

フラン「アハハハハッ!!あそぼあそぼ、アクセラレータ!!」

 

一方通行「__________あァ。来いよ……」

 

自分の身長より何倍も大きい炎の剣を持って突進するフラン。

そして一方通行の前まで辿り着くとその手に持つ炎を纏う大きな剣を振り下ろした。

しかし、白い怪物はその剣を躱わし吸血鬼の少女を横から蹴り飛ばす。

 

一方通行「おら立てよ。まだ始まったばかりだぜ?お遊びはよォ」

 

壁に強く激突した後、地面に倒れる。

しかし、さすが吸血鬼といったところだろうか。

フランはまるで何事もなかった様にすぐ立ち上がったのだ。

 

フラン「ふ~んっふっ~ふ~♪いいね強いね。だけど、私はもっとツヨイヨ?」

 

白い怪物に手を向けて拳を握ると一方通行の立っている場所が"弾けた"。

 

フラン「どーお?すごいでしょ!」

 

一方通行「そンな単純な攻撃は俺には効かねェぞ」

 

手応えがあった。

確かに攻撃が当たった…………。

だが、一方通行は無傷で立っていた。

 

フラン「あ、あれ?無、傷……ッ!?」

 

さすがにフランも驚いていた。自分の能力が当たったのに効かない相手など初めてだ…………。

そして、フランが驚いてる隙に一方通行は地面を踏みつける。

その時にベクトルを操作することによりフランの立っている場所が弾けた。

 

フラン「_____________ッ!!」

 

勘ではあったが危機を感じてその場から跳躍。そして宙を飛ぶことに回避した。

だがその一瞬で一方通行はフランの前から姿を消していた。

 

フラン「あれ?……どこ行っちゃったの?」

 

一方通行「後ろだ、クソガキ」

 

声のした後ろへ慌てて振り返るとそこには一方通行の姿があった。

フランは白い怪物の姿を確認した瞬間能力を使おうとしたがそれは叶わなかった。

一方通行はフランの髪を掴み思いっきり振り落としたのだ。

 

一方通行「もう終わりか?クソガキ」

 

手には綺麗な金髪の髪があった。それをぱらぱらと手を振って落とす。

床に激突、そして倒れた金髪の吸血鬼の少女の前に着地した一方通行は挑発するようにニタニタ笑っていた。

フラン「クソガキじゃ……、ないもん!!」

 

破壊の力を司る吸血鬼の少女の逆鱗に触れた。

勢い良く立ち上がりフランは一方通行を睨む。

その眼には殺意と狂気がぐちゃぐちゃに混ざっていた。

しかし、一方通行はそんな瞳を向けられても怖じけることはなかった。

そして、フランは全力全開で能力を一方通行に向かって発動した。

そう……、『ありとあらゆる物を破壊する』能力を。

 

フラン「原型が無くなるまで壊れちゃえぇぇぇぇええええええええッ!!!」

 

その能力は目に見えない。しかもこんな至近距離だ。

しかしそんなのはどうでもいい。

破壊の能力にだってベクトルが存在している。

だから一方通行はその目に見えないフランが放つ能力のベクトルを操作して片手で受け流す。

そして、流された破壊の能力は壁に衝突し、ボゴン!!と轟音を立てて壁に大にな穴を開けた。

 

一方通行「……オマエはこォやって全てを拒絶してきたのか」

 

フラン「………………」

 

一方通行「能力でドンパチしてからだから信じられねェと思うが俺はここに遊びに来た訳じゃねェンだよ」

 

フラン「?………じゃあなんでここに来たの?」

 

一方通行「オマエの姉貴、レミリアに頼まれたからだ」

 

フラン「お姉さまに…………ッ」

 

明からに雰囲気そして表情が変化した。

『レミリア』という言葉を聞いたらフランは急に縮こまったのだ。

そして、一方通行は続けた。

 

一方通行「聞いた話によるとどォやらオマエはここに百年以上も閉じ込められてるらしいなァ」

 

フラン「それが……、なに?」

 

一方通行「百年以上"も"閉じ込められたンだぞ、憎くねェのか?レミリアのことが」

 

フラン「お姉さまは悪くない!!全部、フランが………フランが………」

 

さっきまで狂気に満ちた笑みはすっかり消えており、幼い姿の吸血鬼の少女フランの声と体は震えていた。

 

一方通行「実は俺もなァ、クソったれな場所に閉じ込められたことがある」

 

フラン「___________えっ?どうして……?」

 

一方通行「オマエと共通の理由……。強力な力を持っていたからだ。しかもそこら辺のヤツらよりもずば抜けて強ェ力をな」

 

フラン「強力な……力……」

 

一方通行「まァ、オマエみたいに百年もって訳じゃねェがな__________」

 

すっかりフランは一方通行の話に夢中だった。

 

一方通行「________だが、オマエの気持ちは少し分かる。辛かっただろ、寂しかっただろ。ここにサンドッバック代わりに送り込まれた人間をいくら殺しても埋められねェよな『孤独』ってやつァ。オマエが本当に求めてるのは暇潰し程度に殺せる人間じゃねェ、本当に求めてたのは何だ?それは________」

 

目線を合わせるように一方通行は片膝を床につけた。

 

一方通行「______『自由』。どこに居ても、行っても良い"自由"。皆に受け入れて欲しかったンだろ?認めて欲しかったンだろ?自分をよ。言ってみろ、打ち明けてみろよ本心を。もォ我慢なンてする必要はねェ、俺がオマエをここから解放してやる。オマエの『味方』に、『理解者』になってやる」

 

フラン「………無理だよ。フランは絶対に自由を手にすることはできない。フランはバケモノだから……、お姉様を、皆を不安にしてしまうからこの地下に縛られてなきゃいけないんだ。じゃないと皆が安心できないんだ」

 

一方通行「言っただろ、俺はオマエの味方になってやるって。他のやつらが、例え全世界の人がオマエを拒みオマエを居たくもない場所へ縛ろうとするなら俺がそいつらを蹴散らしてやる」

 

フラン「___________ッ!!」

 

一方通行「なァ……オマエはまだこンの所に居たいか?」

 

フラン「…………ぅ……あ…………っ…………」

 

両手で必死に口を抑えていた。

何十年、百年以上ここに居て多分叫んだのだろう本心を。

しかし、それはダメなのだと堪えてきたのだろう。

『自分の本当の願いは言ってはいけない』。

そう思い続けることにより癖になってしまったのだ。

願いを、想いを言えないように自分の手で口を抑えることが。

 

それを一方通行は解く。

 

一方通行「いいンだよ、言いてェことは言っていいンだ。我が儘だろォがなンだろォが言ってみろ。全て俺が聞いてやる」

 

フラン「………………良い、の?」

 

震える声。震える唇。瞳から頬へつたわり流れた涙。

そして、

 

一方通行「あァ」

 

っと、その一言で今までフランを何百年も縛り続けた心の鎖が解けた。

それからは自分でも解らない程涙が溢れた。

 

フラン「ぅぅ………、うわぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああッ!!!」

 

そして、

涙を流しフランは一方通行に抱きついた。

一方通行は泣きじゃくる少女の頭を撫でる。

 

もうそこには化け物と言われる吸血鬼はいなかった。

ただの一人の少女、フランドール・スカーレット。

彼女は自分を受け入れてくれた白の光に存分に泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方通行「___________ほら、涙拭けよ」

 

フラン「……うん…」

 

ベットにフランを座らせて一方通行は近くにあったハンカチをフランに渡す。

 

フラン「ねぇ、アクセラレータ」

 

一方通行「あァ?」

 

隣に座ると、だ。

涙を拭き終えたフランはハンカチをベットに置き一方通行の腕を抱く。

しかし一方通行はその手を振り払うことなくフランの話を聞く。

 

フラン「フランね………外に出たことないんだ」

 

一方通行「ここにずっと引きこもってりゃ、そりゃそうだろ」

 

フラン「だからね、外に出てみたい」

 

一方通行「出ればイイじゃねェか」

 

フラン「でも、ダメだと思うの…………」

 

一方通行「だったら俺がオマエを外に連れ出してやる」

 

フラン「えっ?いいの!?」

 

一方通行「あァ、約束する。オマエを"絶対"外に連れ出してやるよ」

 

フラン「でも、お姉さまが………」

 

一方通行「知るかそンな事。オマエが望むならどンなに立ち塞がる壁があろうと俺はオマエを外に出してやる」

 

フラン「ありがとうアクセラレータっ!!」

 

一方通行「だからよォ………フラン」

 

フラン「ん?」

 

一方通行「まずはオマエの気持ちをレミリアに言いに行くぞ」

 

フラン「お姉さまに……」

 

一方通行「大丈夫だ、俺が一緒に付いて行ってやる。それじゃあ不満かァ?」

 

フラン「ううん、全然。アクセラレータが一緒ならどこに行ったって怖くないもん」

 

一方通行「そォか、なら早速出発だ。まず最初の一歩前進だ、これが上手くいかなきゃ今後に繋がらねェ。それは分かってるな?」

 

フラン「うん♪」

 

二人ともベットから腰を上げレミリアのいる部屋へ向かうためフランの部屋から出る。

そして階段を登り深紅の深紅の廊下へ出た。

 

すると、

 

フラン「ねぇ、アクセラレータ」

 

一方通行「あン?」

 

フラン「そ、そのー…………て、手を、繋いでもいい……かな?」///

 

一方通行「別に構わねェぞ。ほら」

 

フランに手を差し伸べた。

フラン笑いながらその手を掴む。

 

フラン「ふふ~んふっ~、ふっふっふ~ん♪」

 

一方通行「そろそろ着くぞ」

 

手を繋いで歩いていると、レミリアのいる部屋へ着いた。

 

フラン「…………どうしよ、緊張してきた」

 

一方通行「立ち止まってたって何も始まらねェ。開けるぞ」

 

扉を開けると椅子に座っているレミリアが居た。

 

一方通行「よう、レミリア。フランを連れて来たぞ」

 

レミリア「あっ、…………ありがとう」

 

フラン「……………………………」

 

とてもフランは緊張していた。

そしてゆっくりとフラン達の方へレミリアが歩いて来た。

 

一方通行「隠れるな、フラン」

 

フラン「うぅー…………うん」

 

一方通行の後ろにフランは隠れようとしたが阻止し、こちらに歩いて来たレミリアは少し離れた場所で止まった。

 

レミリア「久しぶりね、フラン」

 

フラン「うん……………久しぶりお姉さま」

 

レミリア「……何度も貴方に会いに行こうとしてたけど勇気がなく今まで行けなかった。なんて言っても信じてくれないわよね……」

 

フラン「…………………」

 

レミリア「ところでいつまで手を繋いでるつもり一方通行?」

 

一方通行「俺のことは無視しろ。空気だと思え」

 

レミリア「え……えぇ、分かった」

 

フラン「………………ねえ、お姉さま。なんで私を一人にしたの」

 

一方通行の手を握ってる手を強く握って言った、それを聞いたレミリアは少し暗い顔をした。

 

レミリア「それは…………………」

 

フラン「ずっと………ずっと……ずっとずっと寂しかったんだよっ!!」

 

レミリア「__________ッ、フラン…………」

 

フランの瞳には涙があった。

それはレミリアが一番見たくないものだった。

自分のせいで唯一の肉親たる最愛の妹が涙を流しているのだ。

 

フラン「なんで……、なんで!!なんでお姉さまは会いに来てくれなかったの!!」

 

レミリア「会いに行くのが怖かったのよ」

 

フラン「お姉さまから見ても、私は化け物なの……?」

 

レミリア「そんは訳ないじゃない。いつだってずっとフランは私の可愛い妹よ」

 

フラン「じゃあなんで、会いに行くのが怖かったの?」

 

レミリア「フランに恨まれてるんじゃないかって、嫌われてしまったんじゃないかって、私は恐くて恐くて………………」

 

フラン「そんな………そんなわけないじゃん!!私はずっとお姉さまのこと好きだよ!!絶対絶対嫌いにならない!!!」

 

走ってフランはレミリアに抱きついた、そしてレミリアもゆっくりフランを抱きしめた。

 

レミリア「私はただ、フラン。貴方を…………っ」

 

フラン「私はもう大丈夫だよ。お姉さまに会えるだけで…………それだけで、私は………………」

 

レミリア「ごめんなさい、フラン……」

 

フラン「良いんだよ、お姉さま。もうそんな"小さな"ことは………………」

 

二人は抱き合いながら泣いていた。

その光景を見て一方通行は音を立てずに部屋から出ていった。

 

そして扉の横に咲夜が立っていた。

 

一方通行「良いのかよ、オマエの大事なお嬢様の感動の現場だぜ。アイツらの涙を拭く役目はオマエだろ」

 

咲夜「血の繋がった姉妹の絆がまた一層強く固い結ばれた瞬間よ。そんな場所に私如きが居たら邪魔だって気付けないと思って?」

 

一方通行「そォかい。じゃあ俺はまた家探しをしにいくか」

 

ポケットに手を突っ込んで歩いて行こうとしたら咲夜に呼び止められた。

 

咲夜「待って一方通行」

 

一方通行「なンだ?」

 

咲夜「ありがとうございます」

 

めんどくさそうに振り向くと、咲夜が頭を下げて礼を言ってきた。

 

一方通行「……………………チッ」

 

舌打ちをしてそのまま歩いて行った、咲夜は頭を上げ一方通行の背中を見ていた。

 

咲夜「あの舌打ちは照れ隠しかしら?」

 

小さく笑いながらそう言った、そして一方通行の背中を見続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方通行「…………………………クソったれ、迷っちまった」

 

 

 

 

そして一方通行は紅魔館の中で迷っていた。

 

 

 




霊夢「私の出番こないかな~」

一方通行「今は紅魔館編だから無理だろォ」

霊夢「ま、ここに出てるから良いけどね」

一方通行「だったら良いじゃねェか」

霊夢「でも少し暴れたいのよね~」

一方通行「だったらイイ的があるぜェ」

ポスター「えぇ!?俺!?」

霊夢「ヨシ、じゃあ。ハアァァァァッ!!!」

ポスター「えっ…ちょ…わぁぁぁぁ!!」ドカーン

霊夢「スッキリした~♪」

一方通行「あァ…そォだな……」

ポスター「………」チーン

一方通行(まじでヤりやがったァ……)

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