嬉しいもんですね♪
幽々子「……家が壊れたら困るから空で良いかしら、戦う場所は」
一方通行「どこでも構わねェよ」
幽々子の体が重力を無視して上へ浮いた。
そしてそして、一方通行も続くようにベクトル操作によって空へ浮かせる。
一方通行は背中に竜巻を生成し空でも自由に移動できるようにしている。
が、しかし。幽々子は普通に空を飛ぶ事が出来るので、見た目には変化がなかった。
幽々子「………さて、始めましょうか。ちょっとしたオシオキの時間よ」
一方通行「返り討ちにあって惨めに泣くのはオマエだぞ?」
幽々子「ふふふっ。それはそれは、楽しみね」
遂に戦いが始まった。
まず最初に動いたのは幽々子だった。
先程までおっとりした雰囲気を醸し出す彼女の顔はどこか恐怖を感じさせる笑みをしていた。
そんな幽々子は、自分の後ろに無数の弾幕を出現させる。
その弾幕はとても美しく、空を照らすように輝いていた。
幽々子「さてさて、これだけの数……避けられるかしら?」
無数の弾幕を一斉に一方通行に向かって発射する。
肉眼でギリギリ捉えられるほど素早い速度だった。
が、しかし。
一方通行「そンな程度じゃ俺には届かねェ」
突如、一方通行の周りには大きな竜巻が発生していた。
その竜巻に幽々子の弾幕は全て飲み込む。
まさにそれは光さえ喰らうブラックホールのように。
一方通行「……次はどォすンだァ?」
周りにあった竜巻は消えていた。勿論、弾幕もだ。
どうやらあの竜巻は弾幕を消すためだけに能力で発生さてたものらしい。
幽々子「へー……、じゃあ次はこれよ」
まず一撃目は、完封された。
しかし、幽々子の表情は変わらない。
閉じた扇子の先端を唇に当てて怪しく微笑み。そして、第二撃目の弾幕を出現させた。
一方通行「あァ?さっきのやつとは違うな」
また幽々子は弾幕を出現させるがさっき出した弾幕とは違う感じがした。
色も違う、というのもあるが本能かもしくは勘のどちらか。
そのどちらかは一方通行自身でも分からない。
だがしかし、分かっていることはただ一つ。
さっきの弾幕より、今幽々子の背後にある弾幕は強力だということだけだ。
幽々子「踊りなさい」
ぴっ、と。閉じた扇子の先端を一方通行に向けた一斉に弾幕が射出。
さっきとはまた違うパターンで弾幕が一方通行を襲う。
光弾。光線。その二種は容赦はしない。
『弾幕ごっこ』ではないただ単純な闘争であるならば、もしもその弾幕が直撃するとただでは済まない。
病院行きは確定だろう。
一方通行「チッ………」
舌打ちをした後、一方通行は幽々子の弾幕を空中で避けていた。
すると、弾幕の動きはワンパターンで避けるのは苦ではない。
逆にただ宙に浮いてるだけの幽々子に攻撃を仕掛けた。
手のひらに風のベクトルをかき集め砲弾を生成し、その風の砲弾を幽々子に向かってぶん投げた。
が、しかし途中で弾幕に打ち落とされてしまった。
一方通行「_______クソったれ」
幽々子「あらあら、惜しい惜しい♪」
余裕。
明らかに下に見ていた。
幽々子から、笑みは消えない。
幽々子「次はこれね」
また新しい弾幕を幽々子は出現させる。
一方通行(チッ。アイツの攻撃は俺には効かねェ、だが無視する訳にもいかねェか…………)
幽々子「あら、どしたの?すぐ終わらせるんじゃなかったっけ?」
一方通行「舐めてンのかァ……この俺を!」
幽々子「さあ、どうかしら?」
光輝く弾幕が一方通行の方へ飛んでくるが、一方通行はその弾幕を恐れずにその弾幕の中へ突っ込んでいった。
一方通行(俺が反射した弾幕と俺の方へ飛ンでくる弾幕を打つける!)
幽々子「ここに居たら不味いわね」
一方通行は幽々子の居る所まで一直線に進む、そして幽々子は危機を察したので今自分の居る場所から後ろの方へ下がった。
一方通行(クソッ…下がりやがったか。だったらッ!!)
幽々子に近づく事を諦める。
一方通行は両手を広げ空を見上げていた。
幽々子「?……ッ!?」
何をやってるか幽々子は分からなかったが、だんだん風の向きが変化していることに気付く。
一方通行「俺は近づいて戦ったほうが得意だが仕方がねェ。オマエが離れて戦うと言うンなら、俺もそォしてやる!」
一方通行は頭上に
幽々子「それをどうするつもり?」
一方通行「あァ?分かンだろォ、これをオマエに向かって放つンだよ」
一方通行はニヤリと笑いながら言う。
幽々子「そう。だったらその前にそれを破壊さしてもわうわね」
一方通行「もォ遅せェよ」
高電離気体は一筋の光線となって幽々子に襲いかかる。
幽々子「ふふっ……そうとは限らないわ」
弾幕が高電離気体が激しく打つかる。
一方通行「なるほどな、力を比べってかァ!?」
幽々子「いつまで持つかしらね?それ」
光と光が打つかり、とても眩しく宙に輝く。
しかし、一方通行の高電離気体は無限に放つ事は出来ない。
だが、幽々子はほぼ無限に弾幕を放つ事ができる。
一方通行「クソッ!」
幽々子「あらあら……もうおしまい?」
結果。
一方通行は押し負けてしまった。
一方通行「もォ一度生成する」
幽々子「させると思って?」
「
一方通行「………チッ……!」
頭上に小さいが高電離気体を作ったが、それを幽々子の弾幕に消されてしまう。
一方通行「だがオマエの攻撃は効かねェンだよ!」
幽々子の弾幕が自分に触れた瞬間ベクトルを操作して、違う弾幕に打つける、だがこの状況をどうにか出来た訳では無い、本体、つまり幽々子をどうにかしなくては勝つことは出来ない。
一方通行「力ずくで進ンでやる!」
ドカン!ドカン!と弾幕と弾幕が打つかるたび聞こえる。
一方通行は移動速度を一気に上げ幽々子に近付き腕を大きく降り風の砲弾を作る。
そしてその風の砲弾を幽々子に向かって放つが弾幕に邪魔される。
幽々子「……ふふっ」
一方通行「……が……ぐっ……!」
幽々子は笑いながら優雅にふわふわと空を移動する。
弾幕と弾幕が打つかる瞬間、煙が目の前に出来てしまう。
一方通行はその煙を手を降って消した瞬間、弾幕が360度全てから一方通行に向かって襲いかかる。
そしてついに一方通行に幽々子の弾幕が当たる。
一方通行(……俺の計算式にくるいはねェ。なのに何故俺の反射が破られた?)
弾幕が当たって体勢が崩れてしまったが、何とか踏ん張った。
一方通行「クソったれ……本気で潰してやる!!」
幽々子を強く睨みそう決意する。
一方通行は砲弾よりも速いスピードで空を飛び回るが、幽々子から十三メートルぐらい離れた場所で止まる。
幽々子「さすがに撃ちすぎたわね。少し疲れたちゃった」
そして幽々子は弾幕を撃つのを止めた。
一方通行「オマエに恐怖を刻み込ンでやる……ッ!!」
低い声でそう言い放つ。
そして一方通行の背中には黒い翼が生えていた。
幽々子「ッ!!………その力はッ!?」
八雲紫のように怪しく微笑んでいた幽々子の表情が変化していた、
この世の闇を一ヶ所にかき集め形にしたような真っ黒な翼を見て。
一方通行「さァて、どォ料理して___________あァ?」
いつもと違う感じがしたので自分の背中から伸びる黒い翼へ顔を向ける。
その翼は噴射に近い。
黒い翼の噴射速度が以上に早く、天まで届くぐらい大きくなっていく。
一方通行(黒い翼を本気で使った事はねェが、こォなるとはな。チッ……いつもと違うが俺なら…………)
制御が困難だが自分なら出来ると思い能力解除しなかった、それが最悪の展開へとなる事も知らずに。
一方通行「くっ……ァァァァあああああああ!!」
突然苦しみ始める一方通行。
幽々子「いったい、あの子の中で何が起きてるの……?」
妖夢「幽々子様ッ!!」
黒い翼が大きく荒れ狂う。
そして幽々子の事が心配になり妖夢が幽々子の元まで飛んできた。
一方通行(……コロス……コロス……コロス……コロス……コロス……コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!壊す、破壊する、ぶっ壊す!この世界全てェッ!!)
心の底から出てきた破壊衝動。
それにもしも身を委ねてしまったら周りも、そして自分も危険な状況になってしまうと分かっていた一方通行は、なんとか破壊衝撃に飲まれないように抗っていた。
だが、それも限界だ。
下を向いたまま彼は内心で壮絶な葛藤をしていると知らない幽々子と妖夢は、
妖夢「ともかく離れましょう、ここは危険です……」
幽々子「………ええ、そうしたほうが良さそうね」
一方通行を見て、警戒しながら離れて行く。
紫『________________もしもの話よ』
こんな時に、
こんな時だからと言うべきだろうか、
一方通行から距離を取っているとき幽々子は前に紫が話していた事を思い出していた。
日付は覚えていない。
しかし、天気が余り良くなかったのは覚えている。
天気が悪ければ家から出てこない幽々子の友と呼べる大妖怪・八雲紫が珍しく天気が悪い日に家に遊びに来た。
そして、いつも通り茶菓子とお茶を机の上に並べ向き合うように座る二人。
すると、紫が急に真面目な顔をして話始めた。
その話には最近幻想入りした現在幻想郷で一番噂されている"真っ白い彼"の話だった。
紫『___________あの子が『暴走』しそうだったら止めてあげて』
幽々子『なんで?』
紫『あの子はまだ力に目覚めたばかりだし、それに呪いのせいで無理やり能力を底上げさせられたから本気で能力を解放してしまうと、余りにも強力な力により暴走してしまうのよ』
幽々子『その子はすぐ暴走しちゃうの?』
紫『いえ、そう簡単に暴走はしないと思うわ。もしもって、先に言ったでしょ?』
幽々子『なんで、なんでそれを何で私に?』
机の上にある和菓子をパクっと食べた後に、紫に質問する。
紫『これは……、貴方にしか頼めないことなの』
幽々子『それは友達として?』
紫『それもあるわ。けど、他にも理由はあるの。それはこの事を霊夢には頼めないから』
幽々子『博麗の巫女に頼めない事なのこれは?』
紫『私は霊夢にこの呪いの事は知られたくない。呪いの事を教えたくないのよ』
珍しく紫は暗い表情をする。
紫『一方通行にかかった呪いは全て善意で出来たもの。でもそれは結果的に彼を幻想郷に縛り付けることになってしまった。この事を知れば霊夢は自分を責めるわ。そもそももとはと言えば原因は私_______』
幽々子『もういいわ紫』
紫『幽々子』
幽々子『貴方、前より優しくなったわね』
ニッコリと笑いながら幽々子は紫に言う。
幽々子『要は博麗の巫女には呪いの事を隠したい、って事でしょ。そして貴方は友達が少ないから私にしか頼めない……と言う事?』
紫『最後の所は悪意があるけど……まあそんな感じね』
幽々子『そう。しょうが無いわね。いいわよ』
紫『ありがとう幽々子』
話は一件落着、と思ったが紫は大事な事を思い出す。
紫『最後に忠告良いかしら?』
幽々子『んー?』
真剣な顔で紫は話す。
紫『一方通行が暴走したら気をつけて。あの子はこの幻想郷を簡単に破壊する力を持ってるわ』
妖夢「幽々子様、幽々子様!」
幽々子「ッ!……どうしたの妖夢?」
妖夢「すいません、幽々子様がぼーっとしてたもので」
紫と話していた事を思い出していたため、ぼーっとしていたらしい。
妖夢「どう、しますか幽々子様?」
今にも暴れ始めそうな一方通行を見て妖夢は幽々子に話す。
幽々子「そうねえ、白玉桜が破壊されたら困るからあの子を止めるとするわ。それに紫との約束もあるからね」
妖夢「それでは、お供させていただきます!」
刀を構える妖夢。
幽々子「大丈夫。と言いたいけど私一人の力じゃ無理だから、お願いね妖夢」
妖夢「ッーーー!!……はい!」
頼られた事がとても嬉しくてニヤけそうだったが何とか耐えた。
一方、一方通行は
一方通行(…こiuoをonsfxちゃmupiい)
背中にある黒い翼が十本ぐらいになっていて、幽々子と妖夢の方を向いていた。
一方通行(……oauign言bjurk分huxye)
幽々子「そろそろ来そうね」
妖夢「…ふぅ~……ッ!」
一方通行が黒い翼を止めてるのだろうか、黒い翼がガタガタと震えて居る。
幽々子は弾幕を自分の背後に設置、そして妖夢は深呼吸をした後に刀を構え直した。
一方通行「mero殺wp」
最強の化け物がついに動いた。
黒い翼が妖夢と幽々子に襲いかかる、その黒い翼の速度はとても速く目で追える速度では無い。
幽々子「ッ!!……妖夢!」
妖夢「…く……うっ……!」
幽々子は何とか翼を避けた。
そして妖夢は黒い翼を刀で受け止めたが刀は弾かれてしまいそのまま翼が妖夢を襲い地面に叩きつけられる。
幽々子「……ッ!……妖夢の事が気になるけど、妖夢の所へ行けない」
もう一度黒い翼が襲いかかるが、また何とか回避。
気を抜けば黒い翼に殺される、そんな状況で他人を心配する暇なんてない。
一方通行「reku離yo」
幽々子「……うっ!……何て言ってるの、あの子?」
黒い翼が幽々子の肩を擦める。
意味不明な言葉を発する一方通行に疑問を持ったが、今はそのような事を考えている暇ではないと思った。
妖夢「……幽々子様が……戦っているんだ……私も!」
ゆっくりと立ち上がり空で戦ってる幽々子を見る、そして妖夢は空を飛びもう一度暴走状態の一方通行の所へ向かう。
幽々子「今思ったけどこの子を止めるって、どうすれば良いの?………ッ!?妖夢!」
妖夢「はっ…ふっ!すいません。お怪我は?」
幽々子「大丈夫。って、妖夢のほうが怪我してるんじゃない」
襲いかかって来た黒い翼を妖夢が刀で斬り払う。
妖夢はたった一撃でボロボロに、それ程一方通行の力は強いのだ。
妖夢「幽々子様。どうすれば一方通行さんを止める事が出来ると思いますか?」
幽々子「んー、ともかくダメージをあたえれば___ッ!」
妖夢「幽々子様!___うっ!」
空を飛び回りながら黒い翼を回避していたが、幽々子が翼に当たってしまう、そして妖夢が幽々子を心配して止まってしまった。
止まった妖夢に黒い翼が向かって来て、妖夢は横腹を擦った。
一方通行「何nebd俺iukohc聞nadx」
黒い翼は十本だったが、それが百本ぐらいに。
幽々子「……凄い子を呼んじゃったみたいね」
妖夢「…幽々子様……」
二人は大きく広がる黒い翼をもう眺める事しか出来なかった。
もう死を覚悟する、二人で戦っても傷一つ付けることも出来なかったのだ、この化け物に。
でも異変を感じる、何故なら次の攻撃が来ない。
幽々子「…どうしたのかしら?」
妖夢「?黒い翼が……止まった」
一方通行の黒い翼がガタガタと震える、そして
一方通行「くtargァァァあああああああああああ!」
大地を揺らす程の咆哮する一方通行、その後の背中には黒い翼は無かった、そして気を失い地面へ落ちていった。
ポスター「一方さんのノイズ書くの難しい!」
一方通行「俺に言うな、三下ァ」
ポスター「一方さん以外言えるか、こんなこと!」
一方通行「オマエ、俺の事なめてンのかァ?」
ポスター「い……いいえ」ビクビク
一方通行「……つゥか、霊夢はどこだァ?」
ポスター「どっか行っちゃった☆」