幻想郷を一方通行に   作:ポスター

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13話

人間の里の近くに降り門の所まで歩く。

まるで外から歩いて来たどこにでも居る普通の人のように。

 

そして一方通行は門を潜り人間の里に入った。

 

一方通行(……チッ、俺は何してンだァ?)

 

全然目的を果たせない自分に心の中で呟いた。

 

そして一方通行は人間の里の大きな道をまるでこの世界の住人のように普通に歩く。

目立たないように。

面倒事に巻き込まれないように。

そう意識して、

 

一方通行(……"アレ"に頼った戦い方は止めねェとな)

 

一方通行の言う"アレ"とは黒い翼のことだ。

自分のピンチを救ってくれた力。

だが、あの力は危険だ。

やはり自分ですら完全に掌握してない力を使ってはいけないのかもしれない。

 

そして次に一方通行は自分の体に何らかの異変が起きたと考えた。

能力が時が経つほど益々強力になっていっているのだ。

だから、戦闘になった時はあまり全力を使わないようにしようと考えた。

何故このような事を突然思ったというと、この先また戦う事があると思ったのだ。

 

勿論、戦う相手は幻想郷の住人たちだ。

 

一方通行(………………俺の能力に変化が起き始めてる。自分がコントロール出来ねェほどに。チッ、俺に何が起きたってンだァ?)

 

自分が暴走したあの時から力が増してきたと感じ始めた。

まるで力を蓋してた物が取れたように。

 

一方通行(まァ、アイツらも異変が起きてるか。『程度』ってやつが能力名にあった筈なのに無くなってやがる。それを自覚してるって事も謎だな)

 

考えれば考える程謎が膨らむ。

家を探しながら一方通行は考えながら里の中を歩く。

 

一方通行(……チッ、ともかく"アレ"を使う事は控えた方がイイか)

 

学園都市第一位の頭ですら謎の答えは分からなかった。『ともかく黒い翼を極力使わない』と一方通行は自分に誓った。

 

そんな誓いを立てた一方通行はある人物と出会う。

 

それは………………、

 

魔理沙「……おっ、探したぜ一方通行!!」

 

ザ・魔女と言える格好をした少女、霧雨魔理沙だ。

魔理沙は一方通行に指を差していた。

 

一方通行「探してたァ?何で俺を探してたンだよ?」

 

魔理沙「理由は後で話すから。とりあえず行くぜ!!」

 

一方通行「あァ?_______________チッ、待て!!引っ張ンなァッ!!」

 

猛ダッシュで一方通行に近付き腕をガシッ!!と掴む。

そして魔理沙は散歩を拒む犬のような一方通行を無理やり引っ張りながら走る。

そして手に持ってた箒に跨り空へ飛ぼうとしてた。

引っ張られた一方通行は箒で飛ぶと理解し箒に座る。

 

そして箒は宙に浮き、スピードを出して飛んでいった。

 

一方通行「オイ、何で探してたか理由を聞きてェンだが?」

 

箒を横の方向を正面にしてに座る一方通行が少し怒りを感じていた。

勝手に腕を引っ張られ自分の用があった里から離れて行ってるのだ。

 

一刻も早く家無しから脱したい彼がそうやって怒るのも無理はない。

 

魔理沙「着いたら分かると思うぜ」

 

一方通行「何処かに俺を連れて行ってるって事は分かった」

 

また面倒な事になったと思い一方通行は息を吐く。

 

魔理沙「なあ、もしかして怒ってる?」

 

一方通行「あァ。かなりな」

 

そう言われた魔理沙は暗い顔をして下を向いた。

 

一方通行(逃げようと思えば逃げれるが…………。まァ、イイか)

 

このまま魔理沙が自分を連れて行く所に一方通行は黙っていこうと思った。

 

そしてそれから二人は口を開かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「そろそろ着くぜ…………」

 

暗い顔。

元気の無い声で、魔理沙は一方通行に言う。

 

一方通行「そォかい。だが、その前にその面を何とかしやがれ」

 

魔理沙「……努力するぜ」

 

だんだん箒の高度が下がる。どっかに下りるのだろうか。

 

魔理沙の足が地面に着く。

そして一方通行は飛び降りるように箒から降りた。

二人の前に洋風な家があった。多分、魔理沙はここに一方通行を連れて来たかったのだろう。

 

魔理沙「ちょっと待っててくれ____ん、何だよ?」

 

箒を家の周りにある柵に寄っ掛からせ、家に入ろうとしたら一方通行に腕を掴まれた。

そして魔理沙は一方通行の方を体全体で向く。

 

一方通行「言ったよな、その面を何とかしろって」

 

魔理沙「……」

 

真っ赤な瞳が魔理沙を睨む。

 

一方通行「はァー……、俺はもう怒ってねェよ。そンな面ァされたら怒りも吹っ飛ぶっつの」

 

いつもの魔理沙からはかけ離れたとても暗い顔。

そんな顔を見てるとこっちの調子が狂うのだ。

 

一方通行「俺が幻想郷に来てから色ンなヤツに振り回されて降り回されることももう慣れてきた。フッ、まァ自分で言ってて慣れちゃいけねェモンだと思っているがな」

 

魔理沙「でも私は私の都合しか考えてなくて一方通行に迷惑をかけたのは事実だ」

 

一方通行「迷惑、ねェ。まァ確かに迷惑だ。だが、まァこォいうのも悪くねェと思ってる俺もいるのも事実だ_____」

 

そう言うと魔理沙の顔が少し明るくなった。

 

一方通行「_____だから、これでこの件は終わりだ」

 

魔理沙「痛ッ!」

 

ビシッ、と一発。一方通行はチョップした。

 

魔理沙「いきなり何すんだ!」

 

驚きと怒りを感じ、魔理沙は一方通行を怒鳴る。すると一方通行はいじわるな笑みを浮かべて

 

一方通行「ハッ…調子出てきたじゃねェか」

 

魔理沙「ッ~~~!ちょっとそこで待ってろ!」///

 

顔を真っ赤にして魔理沙は家の中へと歩いて行った。

 

魔理沙(……あんなの反則だぜ!!)////

 

ガチャ、と玄関を開け魔理沙が家に入っていった。

 

少し時が経つと魔理沙が玄関を開け

 

魔理沙「お~い!入っていいぜ!」

 

一方通行は少し警戒しながら家の中に入る。するとその家にもう一人、人が居た。

 

アリス「宴会以来ね」

 

一方通行「……誰だ?」

 

白いソファに座る金髪の女性に一方通行は見覚えがなく、質問する。

 

魔理沙「忘れるなよ、私が紹介しただろ?」

 

アリス「別に忘れてても私は構わないけどね」

 

反対側にあるソファに、体を預けるように魔理沙が座る。

 

一方通行「…あァ……、会ったな宴会で」

 

壁に寄っ掛かり片手の親指だけポケットに突っ込む。

 

魔理沙「さて!私は少し出掛けてくるぜ!」

 

座ったばっかりなのに魔理沙は立ち上がる。そして家の外へ出ていってしまった。

 

一方通行「……」

 

アリス「…とりあえず座ったら?」

 

いつまでも壁に寄っ掛かってる一方通行に、アリスは片手を案内するように動かした。そして一方通行は黙ってソファに座る

 

アリス「魔理沙が帰ってくるまで、おとなしく待っててね」

 

一方通行「……」

 

ガキ扱いしやがって、と言いたかったがもしかしたらこの一言で何か起きるかもしれないと思い、心の中で言った。

 

少し時間が経つとアリスは何かの準備を始めた。

 

アリス「…ねえ、聞いていい?」

 

準備を終え、作業に取り掛かる。そしてアリスは窓から外を見てる一方通行に質問する。

 

一方通行「…答えられる範囲ならな」

 

アリス「一つめ質問ね。貴方は何者なの?」

 

はっきり言ってアリスは他人に興味はない。

そんなアリスがこんな質問した。

もしこんなことを知人が聞いたら驚くだろう。

 

一方通行「ただの悪党だ」

 

アリス「………………二つめ。この世界に異変を起こした人物を知ってる?」

 

一方通行の回答を聞いてアリスは息を吐き次の質問をする。

 

一方通行「知ってる」

 

だんだん一方通行の目が鋭くなる。

 

アリス「貴方は何者なの……?」

 

最初の質問に戻った。そしてアリスは戦闘用の人形を操る。3つの人形が槍の先を一方通行の首に向け、そしてその他の人形は一方通行の周りに槍や剣などを構えて宙に浮いてた。

 

一方通行「ハッ、安心したぜ。オマエのようなヤツが幻想郷に居て」

 

自分に武器を構えてる人形が居るというのに一方通行は余裕をみせて笑っていた。

 

アリス「私の質問に答えて」

 

その瞳を一目見れば分かる。

アリスは一方通行に敵意を向けていた。

 

アリス「貴方は危険な存在なのか、それとも危険な存在じゃ無いのか」

 

一方通行「危険な存在?ハハッ、あァ危険な存在だぜ。俺はこの世界で一番危険なバケモンだ」

 

狂気に満ちた笑みを浮かべた一方通行。

アリスはその笑みを見て背筋がゾワッ!!としたのを強く感じた。

恐怖を感じたのだ。

今、目の前居る怪物に、

アリス「……そう。魔理沙は貴方の事信用してるけど、やっぱりそうだったのね……」

 

人形達が動き始めた。でも、一方通行は動かない。

 

そして人形達は一斉に一方通行を持っている武器で攻撃を仕掛けた。

 

普通ならもうそれで全身血だらけ……、

だが。彼は、、、白いバケモノは普通とはかけ離れた存在だ。

 

人形達の攻撃は当たらず、逆に一斉に人形達は背後に吹っ飛んでいった。

 

アリス「嘘!?」

 

一方通行は手も足も動かしていない。

そう、何もしてないのに人形達は吹っ飛び動かなくなってしまった。

 

一方通行「ったく。やってることは念動能力(サイコキネシス)と変わンねェな。そンな三下芸なら俺は飽きるほど見てきたっつの」

 

首の間接をコキコキと鳴らしながら一方通行は興味無さそう言った。

 

アリス「………ッ!?」

 

さっきので人形は全滅……っという訳でもない。

そうだ。予備に自分の後ろに隠してた一人の人形を操り攻撃を仕掛けた。

その人形の待ってる武器は鋭く尖った剣だ。

 

右横から剣を構え向かってきた人形を一方通行は掴み、床に叩き付けてから踏みつける。

そうすると人形は動けなくなってしまった。

 

一方通行「…………」

 

アリス「…………」

 

両者一言も喋らず睨み合う。どちらも動かない。

しかし。

その沈黙の時間が破られた。

アリスはため息を吐く。そして、

 

アリス「………煮るなり焼くなり好きにしなさい」

 

自分の敗けを、敗北を宣言する。

 

一方通行「………………」

 

アリス「……?」

 

目を瞑り、逃げ出したい気持ちを圧し殺して、じっとする。殺される覚悟を決めたのだ。

 

もしかしたら原型が無くなる程殴られるかもしれない

 

もしかしたら刃物で滅多刺しにされるかもしれない

 

もしかしたらゆっくりと痛めつけながら殺されるかもしれない

 

そんな事をアリスは考えてた。けど、物音がしない。

何故なのか。そう思いゆっくりと目を開けてみると普通に座る一方通行が居た。

 

アリス「……え?」

 

一方通行「あァ……?」

 

そしてアリスは口を開けて驚く。

一方通行は踏んでいた人形を拾おうとした瞬間に言われ、人形を拾おうとした手を止め、声のしたアリスの方を向く。

 

アリス「………何で、なにもしないの?」

 

一方通行「はァ?オマエ何言ってンだァ?」

 

アリス「だって私は貴方の事、殺そうとしたのよ!!なのに……!」

 

一方通行「だからどォした?」

 

敵意を向けた。殺意を向けた。武器を向けた。けれど一方通行は何もせずに黙って座り、踏んでいた人形についてたホコリを能力で取っていた。

 

一方通行「もしかして俺が仕返しにオマエを殺すとでも思ってたのかァ?」

 

人形を目の前にある机に乱暴に投げる。

 

一方通行「オマエみてェに、警戒心があるヤツはこの世界に必要だ。……この世界のバカどもは警戒心が無ェからな………ったく」

 

いいや一方通行にだけ警戒心が無いのだけど、

それを真っ白な彼は見事に勘違いしていた。

 

アリス「……ごめんなさい。…私、勘違いを……」

 

一方通行「勘違いィ?ハッ……、今オマエが思った事が勘違いだ」

 

イイか?と一方通行は続けて

 

一方通行「オマエがあン時、俺を危険と感じ攻撃したのは正しい。俺みたいな悪党を正義のヒーローが殺ンなくちゃなァ……。ただ、俺はまだ死ぬ訳にもいかねェから抵抗しただけだ」

 

アリス「?……」

 

一方通行「簡単に言うとだな。気にするな、って事だァ」

 

頭を掻きながら一方通行はアリスに説明した。

 

アリス「でも……私」

 

一方通行「チッ、グチグチうるせェな。黙ってオマエがやろうとしてた事をしやがれ」

 

そう言うと一方通行は椅子から立ち上がり周りにある人形を回収し始めた。

アリスは言いたいことがいっぱいあるが、また一方通行に怒られそうなので口を閉じ黙って作業に取り掛かる。

 

一方通行(まだ、死ぬ訳にはいかねェンだ。アレイスターを殺すまではな)

 

全ての人形を回収し机に置く。

そして一方通行は息を吐いた後ソファに座った。

人形が全て机に置かれるとアリスはその人形を操り、元のあった場所へ移動させた。

 

アリス「……ねえ、お詫びに人形の作り方を教えてあげる」

 

一方通行「断る」

 

アリスは人形を作っている最中、一方通行に詫びたいのだけどいい案が見つからず悩んでいると作ってる人形を見て思い付いた。

 

人形の作り方を教えよう、と。

 

アリス「……そう」

 

一方通行「………はァ、どォやンだ?」

 

一度断るがやっぱり教えてもらうことにした。

理由は簡単だ。暇だからだ。

 

アリス「!!ええとね、人形の作り方はね____」

 

そしてアリスは人形の作り方を丁寧に一方通行に教える。聞いてる一方通行は途中アクビをしたりするが、ちゃんとアリスの説明を聞いていた。

 

ある程度教えてもらい、今から人形を一方通行は作り始めた。

 

一方通行「そォいやオマエは何で人形を作ってンだ?」

 

アリス「いつもは私の目的のためだけど、これは違うの。魔理沙のためよ」

 

一方通行「頼まれたのか」

 

アリス「頼まれてないわ。私があの子にプレゼントしたいから作ってるの」

 

手に持ってる、あともう少しで完成の人形を見てアリスは優しく微笑む。

 

アリス「いつも頑張ってるあの子にサプライズプレゼント。ってところかな?」

 

一方通行「あっそ」

 

アリス「魔理沙は私が知るヒトの中で一番の努力家よ。たくさん努力して強くなろうとしてる。けど最近は以前よりもっと努力するようになった。どっかの誰かさんの影響でね」

 

一方通行(どっかの誰か?誰だよそいつ?)

 

二人は人形を作りながら会話をしてた。ちょくちょく一方通行は失敗し舌打ちをしたりしてイラついてたが人形作りを止めはしなかった。

 

アリス「なにをイメージして作ってるの?」

 

一方通行「あン?あァ、オマエだよ」

 

アリス「えっ?なんで私?」

 

だんだん一方通行の人形が完成し始めるが、どんなに人形になるか分からず質問する。すると一方通行はアリスを見ずに手に持ってる作ってる途中の人形を見ながら言った。

 

一方通行「目の前に居るから。ただそれだけだ」

 

アリス「そ、そう……」

 

その後、長い沈黙状態が続く。

 

黙って人形を作っていると、まず最初にアリスの人形が完成した。手のひらサイズの小さくて可愛らしい人形だ。

次に一方通行の作ってた人形も完成した。

アリスが作ってた人形と同じサイズの人形だ。

 

一方通行「チッ。本物のオマエみたいに綺麗に作れなかったが……まァ、始めてにしては上出来か?」

 

作った人間を一方通行は机に置きアリスにそう言ったら、アリスは頬を赤く染める。

 

アリス「……え……ッ~~~!!」////

 

一方通行「オイ、これの感想を聞きてェンだが?」

 

突然、綺麗と言われアリスは物凄く照れていた。

しかし一方通行は自分が作った人間に指を差しアリスに感想を聞く。

 

一方通行「チッ。聞いてンだから答えろよ」

 

アリス「そ、そうね……。上手にできてると思うわ」

 

一方通行「………人形作りをマスターしても俺にはいらねェスキルだが、いつか役に立つこともあるかもしンねェな」

 

こんなことを言ってはいけないと思うが、一方通行にとっては無駄なスキルを習得。

今後、人形を作れるというスキルを使う事は多分無いと思うが魔理沙を待ついい暇潰しになったと思った。

 

その後アリスがティーカップを二人分持ってきて、カップに紅茶を注ぐ。

 

アリス「は、ハイ、どうぞ……」

 

一方通行「?あァ、悪りィな」

 

何故かアリスはそっぽ向きながら紅茶の入ったカップを一方通行の前に置く。

 

アリス(…あれから私、ずっとこの人の事意識してる。何で?何でなの!?)

 

一方通行(コーヒー…………)

 

もしかしたらコーヒーと思った自分がバカだった、と一方通行は思いながら紅茶を飲んでいた。

そしたらドアの方から足音が聞こえてきて、外が見える窓から外を除くと魔理沙が肩掛けバックを身に付けて歩いてきた。

 

玄関がガチャと開く。そして魔理沙が、

 

魔理沙「ふー…、ただいまー!」

 

と言って笑っていた。

 

アリス「お、お帰り。魔理沙」

 

一方通行「人を無理やり引っ張った挙げ句に待たせるとは。イイ度胸してるぜオマエ」

 

魔理沙「悪かった悪かったて」

 

帰って来て、アリスが少しいつもと違う反応をしたが、魔理沙は気にならかった。そして一方通行は待たされた事にイライラしていて、待たせていた時間が結構長かった思い魔理沙は心の中で反省した。

 

魔理沙「じゃ、じゃあ二人とも。座って待っててくれ!」

 

そう言うと魔理沙は台所へ行ってしまう。

 

一方通行「まァた待たされンのか……」

 

待つ事を好きでは無い一方通行は下を向いてため息をつく。

 

アリス(どうして台所に行ったのかしら?)

 

結構長い付き合いなので、魔理沙は無言で台所を使うことが出来る。が、台所を使って薬を作ろうとするとアリスに物凄く怒られる。

 

一方通行「この匂い………」

 

アリス「もしかして料理でもしてるのかしらね」

 

外をボケーっとして見ていると香ばしい匂いする。

アリスは本を読みながら一方通行に答えた。

 

そして魔理沙が、待たせたな!と言って二人の前に木のお椀を持ってきた。

その中を除くと美味しそうなシチューが入っていた。

 

アリス「ねえ魔理沙。これって……」

 

魔理沙「んー、時間的には昼御飯ってところだな」

 

一方通行「で?これをどォしろと?」

 

魔理沙「食べてくれ!」

 

ちゃんとスプーンも机の上にあり、そのスプーンをアリスと一方通行はほぼ同時に持つ。そしてシチューをスプーンで掬ったら魔理沙が

 

魔理沙「キノコは新鮮だから旨いと思うぜ!」

 

そしたら一方通行はピクッ、と動きが止まる。

 

アリス「なるほど、さっきはキノコを取りに行っていたのね」

 

魔理沙「まあな」

 

一方通行「オイ、ちょっと待て」

 

アリス、魔理沙「?」

 

一方通行「もしかして、そこら辺に生えてるキノコを取って来たンじゃねェのか?」

 

魔理沙「そうだぜ。それが何か問題か?」

 

一方通行「大問題だクソボケ!!」

 

スプーンをお椀の上に置き、一方通行は怒鳴る。

 

一方通行「あの意味不明な森に生えてるキノコなンて全部毒に決まってンだろ!!」

 

窓から見える森を指差しながら一方通行が言うと魔理沙は

 

魔理沙「あのなぁ、私はキノコは結構詳しい方なんだぜ?ちゃんと毒が無い美味しいキノコしか入れてないぞ。なあ、アリス」

 

アリス「いや私に言われても、一緒に作ってないし」

 

一方通行「……。(見た目は旨そうだが。キノコって聞くと毒のイメージしかねェ……ン?待てよ、俺毒効かねェか)」

 

もしキノコに毒があったとしても、能力を使えば何も問題は無い。

 

一方通行「………………」

 

そしてもう一度スプーンを持ちシチューを食べる。

 

一方通行(これは……スゲェな)

 

シチューを口に運んだ瞬間、一方通行の動きが止まる。そしたら魔理沙とアリスが見守るように見てると

 

一方通行「……」

 

また、スプーンでシチューを掬い口の運ぶ。

 

魔理沙「あ、味はどうだ?」

 

無言で食べているので気になり質問する。すると一方通行は

 

一方通行「……イインじゃね?」

 

魔理沙「そ、そうか!良かったぜ!」

 

はっきり言ってめちゃめちゃ美味しい。けど、一方通行はそんな事、言うタイプではないので美味しいとは言わなかった。

 

魔理沙は嬉しそうに笑いながら台所へ行った。

 

その後、魔理沙も自分の分を持ってきて一方通行の隣に座り三人仲良くシチューを食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見事、全員完食。

 

シチューしか食べてないのに、お腹いっぱいだ。だから動くことが一方通行は出来ず、お椀を魔理沙に片付けてもらった。

 

魔理沙「そう言えばさっきから気になってたげど。これ、アリスに似てないか?」

 

ついでにアリスのお椀も片付けた魔理沙が一方通行の隣に座ると机に置いてある手のひらサイズの人形を持つ。

 

一方通行「まァ、ソイツに似せて作ったからな」

 

魔理沙「…えっ!?もしかしてこれ、一方通行が作ったのか?」

 

一方通行「あァ?何か問題か?」

 

魔理沙「お前、器用だったんだな」

 

両手で人形を持ちながら魔理沙は驚いていた。

 

アリス「(渡すには絶好のタイミングね)ハイ、魔理沙」

 

魔理沙「ん?可愛い人形だな」

 

アリス「それプレゼント」

 

魔理沙「えっ!くれるのか。やったぜ!」

 

先程作った人形を魔理沙にあげると、嬉しそうに魔理沙は笑っていた。

 

魔理沙「……でも何でくれるんだ?私、誕生日でも何でもないぜ?」

 

アリス「理由は無いの、ただ魔理沙のために作っただけよ」

 

一方通行「あン?なに言ってやがる、さ_____」

 

アリスが人差し指を口の前で立てていた。それを見て、一方通行は察し最後まで言うのを止めた。

 

魔理沙「ん?ん?なに?なんだよ?」

 

一方通行が言おうとしたことが気になっていたが、聞いても答えてはくれなかった。

 

 

話の話題を変え、魔理沙とアリスは楽しそうに会話する。たまあに一方通行もその会話に混ざったりした。

 

一方通行「……はァ~…。寝やがった」

 

右肩に寄っ掛かりながらスヤスヤ魔理沙が寝ていた。とても幸せそうな寝顔をしながら。

 

アリス「…さっきは、ごめんなさいね」

 

一方通行「別に構わねェが、理由を聞かせろよ」

 

魔理沙が寝てると確認すると読んでいた本をパタンとアリスは閉じ、謝る。

 

アリス「実はね魔理沙は努力をしてるのを知られるのは大嫌いなの。もしあの時あなたがあのまま最後まで言ってしまったらこの場の空気は最悪になっていたでしょうね」

 

一方通行「…………………」

 

アリス「いつも明るくて悩み事なんて無縁の子に見えるだろうけど魔理沙は人一倍悩みをもっているの」

 

ソファから立ち上がりアリスは一方通行の隣に座る。

 

一方通行「オイ、何でこっちに来ンだよ」

 

アリス「さあ?何でかしら?」

 

一方通行「チッ……何で俺が移動しなきゃいけねェンだ……」

 

三人座れるサイズのソファだが、はっきり言って邪魔。だから向かい側にある、際ほどアリスが座ってたソファに移動しようとすると

 

アリス「あら動くの?別に良いけど魔理沙を起こさないでね」

 

一方通行「……クソったれ……」

 

アリスが意地悪な顔をしながら言う。すると一方通行は隣に居るアリスを睨んだ。

 

肩に寄っ掛かって寝ている人を起こさないで動くなんて時間を止めたりしないと不可能だ。けど、一方通行は時間何て止められないので諦めて三人でソファに座る事にした。

 

アリス「意外。あなたって結構暖かいのね」

 

一方通行「………………チッ」

 

アリスは、一方通行の肩に寄り掛かりる。

 

今日何度めのため息か知らないが、一方通行は面倒くさそうにため息をついた。

 

一方通行「ったく、俺はオマエらの枕じゃ……」

 

言葉が途切れる。

 

何と、まさかアリスまで寝るとは思わなかったからだ。

 

そして一方通行は吐き捨てるように「クソったれ」、と言った。

 

一方通行「…………」

 

二人の眠気が移ったのだろうか、一方通行を眠気が襲う。だがこれに抗う理由何て無いからゆっくりと目を閉じ一方通行は両肩に可愛らしい少女を寝かせながら自分も寝ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方通行「…ッ………くっ、ふァー……」

 

一番最後に寝たのにまさか一方通行が最初に起きた。まだ、二人は寝ているが一方通行に寄り掛かって寝ていないため起こさずに立ち上がる事が出来た。

 

窓から見れば外はすっかり夜だ。けど、一方通行は外に出ようとする。泊まるのは悪いと思ったのだ。

 

玄関の前に移動し、玄関を開けようとしたが魔理沙とアリスを見る。すると二人仲良く寄り掛かって寝ていた。

 

一方通行は黄色い薄い毛布が目に入る。そしてその毛布を仲良く寝ている二人にかけてあげた。

 

玄関を二人を起こさないように静かに開け一方通行は家から出て行った。

そして月日が照らす魔法の森の中を進んで行った。








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