幻想郷を一方通行に   作:ポスター

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一方通行はロリコン、って言ってるヤツが多くて嫌になる今日この頃。
ま、ネタにされる程人気なのは知ってんだけど………………ね~…………。


多分、誤字や脱字があると思います。
ですから、発見した場合は私に報告してくれると助かります。


3話

主の命令により、地上を飛ぶ鴉らしい真っ黒な翼を持つ霊烏路空(れいうじうつほ)

その彼女が目的地はともかく音がする所。

つまり、今のところは衝撃音が鳴り響く里といったところだ。

 

別に急ぎの用って訳じゃないが空を飛行する速度を上げた。

 

空「?………お、発見!!」

 

順調に空を飛んでいると里付近に到着して上空で制止し、見た。

目に映ったのは里が燃え壊された光景で、目を見開いてしまうほど酷いと感じた。

 

空「これはさとり様に報告しないと…………、_____________ッッ!!!!!」

 

主の元へ帰ろうとした時、空は突如起きた暴風に襲われた。

しかし遠くに吹き飛ばされたり、切り傷のような怪我も無い言葉がおかしいだろうがどこか優しい暴風だった。

 

空「………………アレは!?」

 

なんと、里の炎が鎮火してる。

それはあの風が原因なのか、だとしたらその風を起こしたのは誰なのか。

鳥頭とバカにされてるが、必死に考える。

だが、先程の説明通り空は頭の回転はいい方ではない。

 

空「……………ッ!?」

 

まだまだ頭を悩ませてると、空から里へ落ちる白い少年か少女のような人の形をしたものを発見した。

それからは行動が早かった。

あの高さから人が落ちたならまず、命はないだろう。っと、ゆうのもあるが。何故か、そう何故か気になるのだ。

あの落ちていく白い人が。

 

空「確かこの辺りに………」

 

多分、白い人が落ちたであろう所の上空で制止して辺り一体を見渡す。

でも、里は火が消えたといっても瓦礫が多くあり人一人探すのが結構苦労する。

 

しかし、空は諦めない。

そこまでするほどあの人とは仲良くない。とゆうか知らない。けどほっとけない。

それだけ。それだけの理由で必死に探し続けた。

 

そして、ようやく。見付けた。

瓦礫の山に全身から血を流し意識を失なってる一人の人。

 

空はその白い人の近くに降り、そっと近付き、上体を優しく抱く。

 

確信はそんな持てないが、男だろう。体つきは女性みたいだが胸部は平らだし、少しだけ男性的な筋肉の固さがある。

 

空「素敵…………」///

 

彼の顔を見ていると軽く頬を染め意識せずに口から洩れた言葉。それは本当に思っているから出たのだろう。

が、「ハッ!」と思い出す。

自分の主の命令を。

 

 

こう止まっている訳にはいかない。

直ぐ様、空は白い少年を横抱きして主の家へと飛んで行く。

 

急がないと

彼の体温がだんだん低下してくのを肌で感じる。

早く!早く!早く!早く!

初めて会ったけど。名前も知らない少年だけど。

 

この人が死んでしまったら、世界が終わる気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして空ちゃんは瓦礫の中から“王子様”を拾いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下卑た笑い声。

機嫌を損ねてしまうような嫌な音。

そして、なにも無い。

まるで空のカンの中に雫を一滴たらした音と共に心に染みた敗北。

 

それが彼の中に奥の奥まで浸透していった。

 

一方通行「…………………………………………………………………………ン」

 

パチ

ゆっくり瞳を開けた。

多分、何処かの屋敷に救われたのだろう。

 

大きな天井や部屋。

そしてこのキングサイズベットを見れば屋敷と確信するのは容易い。

 

一方通行「………チッ。またこのパターンかよ」

 

まだまだ先のある人生だが何度も気を失っては誰かの家に運んでもらい治療される。

……と、このような経験を何度もしていると一般の人からすると普通は感動ものだが、一方通行からするとため息ものだった。

 

とりあえず上体を起こし自分の体、次にこの部屋を見る。

治療方法は永琳と比べたら悪いがそこまで完璧と言えない。

というか永琳の腕が他の奴らと比べ物にならないからなんとも言えないが………………

 

一方通行「………………………?」

 

この屋敷の主の所へ、礼と挨拶でもと。思いベットから出ようとした時。違和感を感じた。

それは左手からだった。

 

 

すこしずつ毛布から左手を出す。

そして彼が見たのは自分の黒い手だった。

 

だが別に一方通行の肌が黒くなったのでない。

黒い布製の作業用グローブが彼の左手に填められていた。

 

もしかしたら治療したヤツは左手に埋め込まれた爆弾に気付いたのか?

まあそんな事はどうでもイイ。

 

体が動かせるなら目的は一つ。

木原を殺し、攫られたであろう霊夢を無傷で救う。

それだけ。

 

それだけしか、今の一方通行の頭の中にはなかった。

 

しかし。

 

 

……ガチャン。

 

 

玄関にありそうな扉が開いた。

勿論この部屋のだ。

 

そして、

 

「やっとお目覚めですか」

 

やや癖のある薄紫のボブに深紅の瞳にフリルの多くついたゆったりとした水色の服装をして下は膝くらいまでのピンクのセミロングスカートで頭の赤いヘアバンドと複数のコードで繋がれている目のようなものが胸元に浮いている少女が扉を開け姿を現す。

 

一方通行「誰だ」

 

多分、この屋敷の主で間違い無いだろうがとりあえず敵意を向けた睨みを一回。

 

だが

 

「ああ、そう警戒しなくて良いですよ。私はこの地霊殿(ちれいでん)の主、古明地(こめいじ)さとり。どうぞよろしく」

 

ご丁寧な挨拶をした、少女。

でも、どうしても。

このさとりと名乗った少女が危険に感じるのはどうしてなのか。

 

一方通行「……挨拶が遅れて悪りィな。俺は一方通行、外来人ってヤツだ」

 

さとり「おや、外来人でしたか。」

 

ただの言葉の交わし合い。

でも、さとりは眉をひそめた。

 

一方通行「もォ少しマシな演技は出来ねェのかよクソガキ」

 

さとり「……………」

 

ベットから出る。

そして一歩、一歩と確実に距離を詰めて最終的に手を伸ばせば届く距離まで近付いた。

 

一方通行「オマエ俺の心を読ンだな?そして俺が考えてる事を知って動揺しただろ?」

 

さとり「………ッ……………………」

 

一方通行は挨拶と同時にちょっと仕掛けてみた。

そう、名乗った時に軽く考えてみたのだ、"この屋敷に居るヤツ全員殺す"と。

 

一方通行「俺はよォ、オマエの能力に近い力を持ったヤツとは結構会ってきてなァ。相手の大体の能力は予想出来ンだぜ?」

 

さとり「………………人を試すのは本来私の方だったたんですけどね」

 

一方通行「相手が悪かった。それだけだ」

 

さとり「しかし疑問ですね。何でそう思ったんですか?」

 

一方通行「俺がこの屋敷の主を探そうとした時、大分オマエとの距離はあっただろ。だがオマエは離れた距離からでも俺の心を読めた。そのぐらい高位な能力を持ってンならどォせ言葉にしなくても分かってンだろ」

 

さとり「結構な評価ですね」

 

クスクス、

手をそっと口に添えて笑う。

 

一方通行「で、ここまで話しても説明しなきゃ駄目か?」

 

さとり「いえいえ、大丈夫です。貴方が能力者が多く存在する所に住まいそして能力者達との戦い、研究者達との会話など見せてもらいましたから。これら全てをまとめれば分かります、貴方は少しの時間しか生きていないのに私達より多くの知識を持ってることを」

 

一方通行「それこそ過大な評価だっつの。まァ…イイ、とりあえず俺がどのくらい寝てたか教えろ」

 

さとり「3時間と10分です」

 

一方通行は「そォか」とだけ言ってさとりの横を通り過ぎ、扉を開けてこの屋敷の出口へと行こうとした。外に続くか知らないけど

 

 

そんな彼の腕が掴まれた。

 

一方通行「…………離せ」

 

赤く鋭い、ひと睨みでカラスを殺せそうな目を腕を掴んださとりへ向けた。

 

さとり「それは出来ません」

 

一方通行「あ…………?」

 

さとり「貴方が行おうとしてる事は分かっていますが、此方には此方の事情があります。ですから少し付き合ってもらいますよ?」

 

一方通行「…………この俺がオマエの用事に付き合ってくれる程優しいヤツに見えるか?生憎俺ァ悪党だ。邪魔をするなら殺す。それだけだぞ」

 

さとり「ではこうゆうのはどうでしょう?ここは旧地獄。地上に存在しない地下に広がる洞窟空間の世界。ですからこの屋敷を出たとしても本当の意味で出るには案内無しだと相当困難を極めますが、…………それでも外に行くと?」

 

一方通行「…………」

 

さとり「おっと。上に向かって勢い良く飛び地上へ出ると考えは良いと思いますがそれだと多くの迷惑を掛けます、それでも?」

 

一方通行は「チッ」と一回、舌打ちをした。

流石、この一つの屋敷の主と言ったところだ。

さとりは瞬時に一方通行の心を読み、地上へ出ようとする行動がどれだけ哀れか伝え、そして自分達が地上へ出る方法を知ってると言った。

だが…………しかし………それでも、例えここが幻想郷じゃない世界だとしても白い化け物は嘲笑うかのように目的地に帰る方法を知っている。

でも、この事をさとりは知らない。

 

 

さとりは彼はどうやら口で言うほど悪人じゃ無いと思う。

あの時、過去を言葉なしに伝えた事や。

理由なしで命を奪わない事や。

誰かを守りたいと思ってる事や。

それら全て、悪人ならしないだろう。

まだ、隠してる事はあると思うがそれでも、

 

あの血肉と死しかない、惨劇の『実験』を見してくれた事は本当に凄いこと。

それは評価するしかないぐらい。

 

一方通行「一時間だ……。一時間だけオマエに時間をくれてやる。だがその一時間を越えてみろ、その時は俺は手段を選ばないからな」

 

さとり「ご安心下さい。あなたから時間を貰いますがその時間に見合う手伝いはしますので」

 

一方通行「オマエが俺に手伝うメリットはねェと思うが?」

 

さとり「私はこの地霊殿からそんな出ないので外の情報は良く知らないんですよ。だから情報収集がてらお手伝いでも……と」

 

一方通行「あァそォ。つか、いつまで腕を掴ンでるつもりだ?」

 

さとり「……………………、?」

 

どうやらまだ腕を掴んでたことを気付いてなかったらしい。

それに一方通行はため息を吐く。もう癖ってレベルじゃないほどに。

 

さとり「……一応まだ掴んでおきますね。逃げられたら困りますから」

 

一方通行「そォかよ、だったら腕じゃなくて手にしろ。そっちの方が違和感がねェ。っつゥかよォ、俺の心読ンでンなら逃げねェ事ぐらい分かンだろ」

 

さとり「先程心を読んだとき嘘を()きましたからね。保険に、ですよ」

 

一方通行はさとりに舌打ちで答え、部屋を出た。

そん時は可愛らしい少女と手を繋いで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タン、タン、タン、タン、タン……………

二人の足音だけが響く長く豪華で赤と黒とたまに紫色の廊下。

 

その廊下を手を繋いで歩く白い化け物と嫌われ者の妖怪少女。

 

一方通行「………で?オマエは俺を何処に連れてこうってか?」

 

さとり「……答える前に一つ、そのオマエとゆうのを止めて下さい。私には『さとり』と名前があります」

 

一方通行「チッ………あァハイハイ。さとり、俺を何処に連れてくつもりだ?」

 

さとり「まずは貴方を助けた私のペットに会ってもらいます。会ってみたいと先程考えてましたよね?」

 

一方通行「オマエが助けた訳じゃ無かったのか」

 

さとり「私の体を見て下さい。男性一人運べるように見えますか?」

 

一方通行「…………無理だな」

 

さとり「ハイ無理です。いくら貴方が一般の人より軽すぎる体格をしてるとしてもです」

 

一方通行「…………」

 

さとり「おや?気にしてるんですか?」

 

一方通行「………うるせェ」

 

クスクス、

一方通行には悪いが笑ってしまった。

そして二人の空気が和んでいった時、大きな扉の前に立ち。足を止めた。

 

そこは一方通行を助けた霊鳥路空が居る部屋。

さとりはまだ手を繋いだまま、扉を開ける。その時に手を離し言った。

 

さとり「お進みください。私は後ろに居て見てます」

 

一方通行「別に逃げたりしねェよ」

 

ポケットに両手を突っ込んで、面倒な顔をして部屋を進む。

 

一方通行(しっかしさとりはペットって言ってたが調教しだいで動物が自身で考えて行動するもンか?)

 

可愛くふわふわのクッションが広がる部屋を奥へ奥へ。

しかし、その部屋に居る多くの種類の動物達は一方通行をじっ……と見つめる。

その目は警戒。

犬や猫は勿論、殆んどの動物達は縄張り意識が存在する。そのため見知らぬ匂いを漂わせる生物が自室に入ろうものならいつでも主人のため、排除しようと少しは考えるものだ。

 

そんな中の一方通行に

 

さとり「ああ………そこに寝てるのが貴方を助けた私のペットです」

 

扉から一方通行の方へ歩くさとりが指を差して話した。

 

一方通行「……あァ?」

 

素直に指の差された方へ向く。

そこには大きなクッションの上に気持ち良さそうに寝る少女らしき姿が。

 

一方通行「さとり。質問がある」

 

さとり「はい?」

 

一方通行は少女の姿をしてるのにペットと呼ばれた空を見るなり、振り返りさとりに質問する。

 

一方通行「ここは旧地獄で、地下の世界なンだよな?」

 

さとり「そうですが?」

 

一方通行「もしかしてこの地下の世界は地上の世界と違い"奴隷"っつゥのが存在してやがンのか?」

 

人の形をしたものをペットと言っているため奴隷と勘違いしたのだ。

 

さとり「奴隷、ですか。そうゆうのは無いと思いますよ。ここに居るのは妖怪ばかりですから支配するよりかは命を奪う方が好きな方が多いですからね」

 

にっこり。

笑って少女は言った。

しかし、もし人間がさとりの言葉を聞いてその笑顔見てみたら背筋が凍るほどゾッとするだろう。

 

でも勘違いしてはいけない。

たしかに旧地獄には亡者や妖怪、怨霊がうようよ居るが殺伐としてない平和な世界である。

 

一方通行は「そォか」とだけ返して疑問を打ち消す。

さとりの言葉には嘘や偽りは無いだろう。

だから信じる、この少女の言葉を。

 

さとり「さて。空、客人ですよ」

 

空「…………ぅ~~~。うにゅ?さとり様?」

 

まだ寝惚けてそうだが目を擦ってから欠伸(あくび)して上体を起こす。

 

さとり「ほら、貴方が助けた人がお礼に来たのよ」

 

うとうとしてる空にさとりは近付きそっと頭を撫でる。

そして一方通行の居る方向へ視線を向ければ空も視線を向けた。

 

空「…………?」

 

一方通行「寝てる最中に邪魔しちまって悪ィが俺ァ一方通行。ちっとばかし挨拶に来たモンだ」

 

クッションに座る空の前に立ち言った。

その時にはもう二人だけの空気。さとりは(なにかを邪魔するヤツは馬に蹴られてなんとやら……)と、もうとっくに空に芽生えた感情を理解していて遠くに離れてペットに囲まれて二人を座って眺めていた。

 

さとり「フフっ………」

 

それはもう子を見守る母親のような表情で。

 

空「あー、あなたがあの時の………。私が拾った時は真っ赤だったから最初見たときは分からなかったよ~」

 

一方通行「そォかよ。ま、俺がオマエに言いてェのは感謝してるっっつゥ事だけだ」

 

明るい笑顔で話す空に対して一方通行は笑う事もせず、ただいつもの表情で返した。

 

一方通行「オイ……名前聞いてもイイか?」

 

空「うん!霊鳥路空。空でもお空でも好きに呼んで」

 

一方通行「空……か、覚えとく」

 

空「あなたは、えっ……と…………パセリとレタス?」

 

一方通行「それでオマエは何を作ンだよ…………。アクレラレータ、このぐらい覚えられるだろ鳥頭」

 

空「頑張る…………」

 

ため息が出た。

喋らなければ大人っぽいが話せば話すほど段々年齢が低く見える(頭の)。

まあ、それは愛嬌ってことで勘弁して欲しいと遠くで見守るさとりは思う。

 

空「……………」

 

一方通行「…………、あァ?」

 

さて、と。

もう挨拶も済んだしこの部屋を出てさとりの用に付き合おうとしたが空が何故か、じ~…っと見てくる。

 

一方通行「……………」

 

空「………………」///

 

理由も無しに訳が分からないが一方通行の顔を見てしまう、声を聞きたくなる、ちょっとでも一緒に居たくなる。が、しかしその感情がなにか空には分からなかった。

ただ、彼を見てると頬が少し熱くなるのはどうしてだろう?

 

 

空がその感情に気付くのは、少し先の話。

 

さとり「……今日はここまでにして貰えますか?今後の楽しみに取っておきたいので」

 

さとりの言葉を一方通行は理解出来なかったがとりあえず相槌(あいずち)をした。

そして

 

一方通行「邪魔したなァ空」

 

と言ってユラユラ水色の炎のようなものが周りに浮いてる二本の尻尾を持つ黒い猫を抱くさとりと、一方通行は部屋を出て行き、空は「う……うん」とだけ言って頬を染めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さとり「それでは次です」

 

一方通行「…………」

 

また廊下を歩く。

でも前と違う所が一つ。

それはさとりが不思議な猫を抱いているというところ。

しかし、ペットを飼っていて溺愛してるのならどこもおかしな所はない。

一方通行は黙ってさとりが行こうとしてる部屋に黙って付いていった。

 

 

 

 

 

また違う扉の立ち止まる。

 

さとり「さあ、本題にいきましょうか。救世主さん」

 

木製の扉をさとりは器用に黒猫を片手で抱え開く。

 

部屋のなかは食事をする場所。っといったところだろう。

長いテーブルに、綺麗に置かれた椅子。

周りはとても薄暗い。だが、天井にステンドグラスが設置されていて明かりはちゃんと確保できる。

 

さとり「お座り下さい。ちょっと私は飲み物を取ってきます」

 

一方通行「その飲みモンってのはいくつ持ってくンだ?」

 

さとり「???…………私と貴方の分なんですなら二つに決まってるじゃないですか。この部屋には"私達二人しか"居ないんですよ?」

 

なにをとんちんかんの事を言っている?っといった声音で返した。

まあ、今はこれから喉が渇くだろうし黒猫を下ろし飲み物を持ってこよう。

さとりはこの部屋の右にある扉を開きその中に入る。

そして一方通行は椅子に座った。

黒猫は自由に歩き、落ち着ける場所を見つけるなり丸くなるように寝た。

 

 

さとり「どうぞ。コーヒーがお好きなんですよね?」

 

一方通行「心読ンでるオマエなら聞くまでもなく知ってンだろォが」

 

自分の前に置かれたコーヒーに目をやる。

とても旨そうだ。

しかし、手をつけない。

そう例え好物が置かれても"嘘"をついてるヤツが出したものを口に入れるのは気が引ける。

 

さとり「その様子。どうやら私が聞きたい事をもうとっくにご存知ですね」

 

一方通行「あァ、すぐに(さっ)せるっつの。俺から今現在何が起きてるか聞くつもりなンだろ?」

 

向かい合うように二人は座っていた。

 

さとり「フフっ。やはり貴方は他の方と比べて頭の回転が恐ろしく速い。ハイ、その通です。先程も言いましたが私は外にあまり出ないので情報量は少ないんで貴方…………、つまり今現在近くに最も情報を持ってる者から聞こうと思いまして」

 

一方通行「ハっ。だったら俺の心を読ンで知りゃァイイじゃねェか。オマエのその能力は何の為にあるンだっつの」

 

さとり「そう……、そこです。普通なら私はそうします。が、しかし貴方は知識だけで私に嘘をつきましたそんな人間……ああ失礼。そんな"神"に真っ正面から聞くほど私は間抜けじゃありませんよ」

 

一方通行「へェー……だったらしょうがねェ、面倒だが話してやる。だがどォ何だ?知っちまったら、いつもの日常に戻れねェがそれでも聞くか?」

 

さとり「覚悟は出来てますよ」

 

一方通行「オマエは別にイイだろ。俺は他のヤツ等に聞いてンだ」

 

さとり「他のヤツ……ですか?」

 

一方通行「……この部屋に猫が一匹、ガキがもォ一人っつったところか」

 

さとり「まさかただの猫に言ってたんですか?それにもう一人居るなんて…………」

 

一方通行「ぎゃははは!!俺の能力についてオマエはどこまで覗き見れた?」

 

さとり「ベクトル操作…………です」

 

一方通行「あー……やっぱなァ……正解なンだが惜しい、もォ一つ俺には能力がある。説明すンのが長くなるから短く言うとコピー能力、そしてそれにオマケとして自動解析能力もついてンだ」

 

さとり「そんな………!?」

 

ベクトル操作。

この能力だけでもさとりは厄介と感じたのにまさかのもう一つあったなんて。そしてそれがコピー能力だなんて。

もう滅茶苦茶すぎる。

 

一方通行「……で。解析した結果……この部屋に化け猫一匹とクソガキもう一人を見つけたってわけだ」

 

まだ、俺に嘘を吐き続けるか?

一方通行はそう言い放つ。

 

さとりはため息を吐いた。

そして

 

さとり「…………降参です」

 

落ち着いた様子で一口、紅茶を飲む。

すると

 

くるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくる…………パパーン!!

と、黒猫が猫耳娘に大☆変☆身☆

 

「いや~……はっはっはっ!!これはこれは凄い人が居たねーさとり様。あ!間違た神様だった☆」

 

一方通行「…………………」

 

黒のゴスロリっぽい服に身を包み、赤毛を二束の三つ編みにしている少女が派手に登場。

しかし、頭蓋骨が水色のような炎を纏いながら猫耳と尻尾がある猫耳少女。

 

一方通行はあの大人しい猫がまさかこんなに明るく五月蝿いヤツだとは考えもしてなく、こめかみがピクピクするのは仕方ない。

 

「どうも自己紹介が遅れたね。あたいは火焔猫燐(かえんびょうりん)、燐って呼んで。そしてさっき化け猫って言ったけど、あたいは妖怪火車だよ」

 

一方通行「…………………」

 

返事も無し。相槌も無し。

基本こういうのは関わるとうるさくなるだけだから白い化け物は口を一切開かず黙っていた。

が、猫が姿を現したのは良い。

でもまだ居る。

 

しかしまだその少女は姿を現さない。

だからキレた様子で

 

一方通行「……もォ一人の方はそのまま隠れてるつもりか?」

 

さとり「……こいし。もういいよ」

 

「うん」

 

隣に誰も座って無いのに優しくさとりは呟く。

すると見えなかった姿が見えた。

一方通行は解析能力で分かってはいたが。

 

こいし「初めまして~!!」

 

ニコニコ笑う薄緑っぽい癖のあるセミロングに緑色の瞳の少女。

服装は鴉羽色の帽子に、薄い黄色のリボンをつけている。結び目は左前辺り。上は、黄色い生地に、二本白い線が入った緑の襟、鎖骨の間と胸元とみぞおちあたりに一つずつ付いたひし形の水色のボタン、黒い袖。

下のスカートは、緑の生地に白線が二本入っている

だがここまできて疑問が、

 

こいしと呼ばれた少女はさとりと同じ左胸にコードで繋がれた目があった。

だがその目はさとりと違い閉じている。

まだ一方通行がその理由を知るのは後の話だが、人の心なんて見ても落ち込むだけで、良い事なんて何一つ無いとの理由で閉じている。そのためさとりと同じ覚妖怪だが、姉のように他者の心を読む事は出来ない。

 

こいし「あ~あ!じっとしてたから何だか動きたい気分!」

 

さとり「別に良いけど、今はダメよ?」

 

燐「あたいは頑張って猫っぽくするの大変だったな~、ま……猫だけとね☆」

 

一方通行「…………チッ」

 

何かさっきの雰囲気がバカみたいだ。

いつからこんなに賑やかになってしまったのか、知らないが一方通行は舌打ちする。

 

燐は賑やかで接しやすい少女。どっかの悪党さんとは大違いだ。

そして流石こいし。

幻想郷には一方通行のようなタイプの男性は存在して無かったが無邪気で放浪癖のある彼女はニコニコ接することができる。

どっちも明るいからシリアスブレイクなんてお手のもの。

 

一方通行「そンじゃま、説明するが……もォ一度聞く。覚悟は出来てンな?」

 

真ん中にさとり、右にこいし左に燐と座る彼女達に質問した。

 

さとり「………はい。もうとっくに」

 

燐「オッケー!」

 

こいし「はーい!」

 

この地霊殿の主以外軽い返事だが…………

それからはちゃんと面倒臭がりの彼は丁寧に説明した。

今現在の状況を、学園都市のことを、自分のことを、幻想郷の敵と呼ぶべきアレイスター=クロウリーのことを。しかし一方通行は全てを話した訳ではない、まだ伝えてない事が一つ二つ、いいや手で数えられる数以上に隠してることがある。

例えばあの『実験』のことを。さとりには教えたところで何か面倒事も無いだろうし教えてはいるが。

ガキとバカにはする必要はない。

 

途中、さとりは驚き表情に出たりしてたが無視して一方通行は話す。

 

そして

 

さとり「そう、でしたか。あの暴走事件は外の世界の人が元凶…………」

 

一方通行「……ま、俺が知ってンのはここまでだ。何か質問あるか」

 

燐「はいは~い!!さっき『今までの日常に戻れねェ』的なこと言ってたけどあの話を聞く限りそうは思えないけど?」

 

元気一杯。勇気百倍。

そんな様子で手を上げた燐。

しかし、一方通行はため息を吐いて

 

一方通行「オマエバカだろ」

 

燐「えぇ~!?」

 

さとり「良い?燐、彼が言いたいのはこう。"私達はいつでも命の危険があった生活を送っていたの、けどそれに私達は気づいてなくいつも変わらない日常を過ごしてた、でももし命の危機が寝てる時でもお風呂に入ってる時でも何処にいてもさらされてるとしたら?それはもう……笑って生活出来なくらるんじゃない?"…………と、まあこんな感じ?」

 

燐「…………」

 

こいし「…………」

 

燐はともかくこいしすら理解してなかったらしく、頭上に『?』が浮いて見える。

 

一方通行「あー…短く簡単に例えると、"オマエ達は頭上に隕石がありました、だがそれを知らずアホな顔で過ごしてたが、ある時それを知って大慌て"っつーこと」

 

もしも、と。

考えて見よう。

命の危険を感じずに生活していた人類が宇宙にカメラを打ち上げた。

するとなんと地球にあと二時間で打つかる巨大な星を発見する。

そしたら人はどうするだろう。

毎日、いつもどうりに仕事に向かい、学校に向かい、遊びに向かったり寝たりするだろうか。

いや、否である。

極僅かな人達は毎日同じ生活をするだろうが、そう簡単に命を与えられた生物は強い意識が無くては簡単に命を捨てることは出来ない。それが例え子を守ろうとする親も例外じゃなく。

だからこそ、命は尊いものだのだ。

だから命の危険を感じた生物は、その命を守ろうと必死に足掻くのだ。

だかしかし、その命を守る方法を知らず自分達じゃ解決出来ないと悟ったらそれはもう、どのような生活をするか一人一人違う考えをするがある一つの考えはこうだ。

"頑張って頑張って頑張って悔いの無い人生を送ろうとするが結局最後に「死にたくない」と呟くだろう"

 

そしてこの幻想郷はそれに限りなく近い状況に立っている。

いつ来るかわからない敵が、命を脅かし幻想郷を破壊しようと計画(プラン)をたてている。

 

燐、こいし「「ん~………?理解した」」

 

 

一方通行はあんまり喋らないが、今日は結構話したから喉が渇いた。

そして目の前あるカップに注がれたコーヒーを手に取り飲む。

 

さとり「一方通行さん。これからの行動を聞いても?私はその手伝いをするので聞きたいです」

 

一方通行「あァ?学園都市に乗り込み木原を殺す、霊夢を"無傷"で助ける。これだけだ」

 

ニヤニヤ。

猫耳娘は何か面白い物でも見つけたみたいに笑い

 

燐「無傷ですか……もしかしてあの巫女は想い人か何かで?」

 

一方通行「俺にそンな感情あると思うか?」

 

さとり「止めなさい燐。からかう対象を間違えると死にますよ」

 

燐「あはは~………ハイハイ」

 

さとり「ごめんなさい、この子に決して悪気はないんです」

 

一方通行「別になンとも思っちゃいねェよ」

 

こいし「ね~!ね~!質問タイムはまだ続いてる?」

 

一方通行「ン?」

 

まさかの意外な子が次に手を上げた。

 

一方通行「なンかあンのか」

 

こいし「うん!質問っというよりかお願いなんだけど私もお手伝いして良い?」

 

さとり「っ!!どうして!?こいしは別に_______」

 

こいし「お姉ちゃん。私、あの時…………考えてたんだ。皆が暴走するなか一人で、ずっと…何で私は守られてばかりなんだろう、何で私は隠れる事しか出来ないんだろう……って。けどね、私。強くなったんだ!!命蓮寺の人達と一緒に!!」

 

暴走者が暴れ回ったのはこの地下の世界も同じ。

旧地獄に住まう者達は、異変が起きたと知ったのを遅れたためバラバラに行動していた。

でも地霊殿の住人は運良く一ヶ所に集まっていた。

そして突如来たのだ、知り合いの鬼や妖怪、それに人間が百八十度変わった様子で。

その時は今でもくっきりと思い出せる。

空、燐は暴走者に立ち向かい敗れさとりはこいしを逃がそうと自ら盾となり庇った。

もう……一人。大事な家族は暴走者へ。

こいしは涙を流してひたすら無意識を操る程度の能力を発動して逃げに逃げた。

それでも悲しい。

無意識を操る程度の能力を使用して他者に関知されなくなっても、いずれは暴走者に見つかり皆と同じように、、、

 

だがもう。あの時のこいしではない。

能力も分からないが『程度』という言葉は消え、可能な事も増え力も増した。

だから今は意思さえあれば、誰にだって…………

 

こいし「だから、お願い!!私にも手伝わせて、逃げて任せるだけじゃもう嫌なの!!」

 

さとり「はぁ…………。気持ちは十分伝わったわ。けど、その理由が七割興味が三割でしょ?」

 

こいし「ハハハっ。やっぱりお姉ちゃんには敵わないね」

 

一方通行「オイオイちょっと待て。誰がイイって言った?」

 

さとり「お願いです。この子も一緒に___________」

 

一方通行「違ェ違ェそォじゃねェよ。俺がいつオーケーって言った?」

 

さとり「え?」

 

ガタン!

乱暴に立ち上がり、座っていた椅子が後ろに倒れる。

 

一方通行「だァから"俺がいつオマエに"オーケーって言ったって聞いてンだよ」

 

さとり「私もですか…………いやだとしたら良いんです?ここから出る方法は_______」

 

次の瞬間、さとり、こいし、燐は驚愕の表情を浮かべた。

 

一方通行は自分の隣にとある場所に繋げた空間を創る。

 

さとり「それはスキマ妖怪のッ!?」

 

一方通行「説明したよなァ。俺の能力はベクトル操作だけじゃない、模倣能力も持っていると。そンな俺が能力のコピーをしてないとでも?まァ安心しろよ、オマエらはもォ俺の役にたった。心を読む能力、無意識を操る能力、死体を持ち去る能力、核融合を操る能力…………全て本物と違い『程度』は付くがもうとっくにコピー済みだ」

 

さとり「最初からそれが狙いで出れない演技を…………ッ!!まさか一時間とは!?」

 

一方通行「あァ模倣するまでの時間だ。非科学の力はコピーすンのに時間がかかってなァ、そりゃ俺が幻想郷に染まりきってないって証拠なンだけどな」

 

今日、初めて理解した。

目の前に居る裂いたように笑う白い化け物は規格外の力を持っていると。

話では強い強いと言われているが、やはり目で見た方がハッキリと分かる。

この神より上の次元に立つ一方通行は、自分達がいくら手を伸ばそうと届かない存在なんだと。

 

一方通行「ま、っつゥ事だあばよ。精々巻き込まれねェように地下に居てろ、その方がオマエらにお似合いだ」

 

恩を仇で返すような口調で言い自分の創り上げた真っ黒いデザインのスキマを通ろうとした時、

 

ガシッ!というか、バシッ!と腕が掴まれた。

そしてそして

 

こいし「凄い凄い!!お兄ちゃんすんごい力持ってんだね!!」

 

一方通行「…………………あ?」

 

もうキラッキラッした目で見上げて腕を掴む少女に一方通行は首を傾げることしか出来なかった。

 

一方通行「は?」

 

訳が分からん。

その様な表情だった。

 

さとり「ええ、確かに。一時間と言いましたが正確に言うとまだ三十分も経っていない……なのに短時間で何一つ間違えもなくコピーするとは…………」

 

燐「それにそれに、他の人達の能力も一杯コピーしてるな~…………いやー凄い。流石救世主と言ったとこなのかな?」

 

最後の捨て台詞は無視かよ、と。

まさか貶されたのにこの反応。

ホントにこの連中は大丈夫かと心配しちゃうぐらいだ。

 

一方通行「…………」

 

こいし「ねー!やっぱり私はお兄ちゃんに付いて行きたい!!だって楽しそうだもん!」

 

燐「おや~…あれはもう無理ですねー」

 

さとり「そうね、何を言っても付いて行くわ」

 

一方通行の手をブンブン降って、まるでスーパーやコンビニに居るお菓子を強請(ねだ)る子供のようにこいしは言う。

そしてだめ押しのように

 

さとり「そうなっては私達じゃ、どうもできませんよ?」

 

一方通行「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

 

黙る、ただブンブン降られる腕を見て、楽しそうなこいしを見て黙る。

そして、息を吐いて

 

一方通行「…………分かった、分かった分かりましたァ、付いて来いよクソガキ」

 

あの学園都市が誇る第一位がもう投げやりである。

 

さとり「では私も。良いですよね?」

 

一方通行「もォ何でもイイ………どォでもイイ」

 

燐「ああ。もう気力ゼロって感じだー」

 

笑う猫耳娘を横目に舌打ちをした。

 

こうして一方通行は片方にこいしそしてさとりと、二人の少女と共に旧地獄から地上へ黒いスキマを使って出る。

 

燐はお仕事があるため留守番。

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