幻想郷を一方通行に   作:ポスター

41 / 62
幻想郷ではない

ここは学園都市だ

さあ楽しい楽しい夜の時間だ、だから踊ろうじゃないか血や人肉を浴びて




多分、誤字や脱字があると思います。
ですから、発見した場合は私に報告してくれると助かります。


5話

魔界は無事なにも事件は起きていなかった。

それを神綺が伝えてから

 

たったの数十分間の説明。

しかし、それだけでバカやガキを除く少女達は今、幻想郷の状況と一方通行の全能力を理解出来た。

 

皆、あの暴走事件は覚えている。

だがそれを詳しく知っているとは語れない。

 

でも、今は詳しく語れる。

一方通行が八雲紫が隅々、丁寧に全てを話してくれたから。

 

 

そして、いつもはうるさく騒がれる屋内の宴会場は静かな空気が走る。

が、一人の少女が口を開く。

 

魔理沙「おい、それを…………何で、黙ってた」

 

ステージには今、一方通行と八雲紫が距離をとって座っている。

魔理沙はその二人に視線を向けて質問した。

 

紫「なにを黙ってたって?」

 

魔理沙「だから…………、何で!!あの異変からもう一ヶ月以上経っていたのに敵のことを詳しく私達に言わなかった!!」

 

ただ純粋の怒りが底の底から涌き出る。

一方通行と八雲紫。

この二人しか、あの暴走事件の状況を知っていなかった。

なら、自分達は。

なんで教えられなかった。

なんで暴走者を無力化するだけで、その後は。ポイっとまるでゴミを捨てるみたいに蚊帳の外にされた?

 

魔理沙は声を上げて、自分の質問を質問で返した紫に怒鳴る。

 

すると

 

一方通行「__________邪魔だった。それ以外理由はねェよ」

 

白い化け物は、火に油を注ぐような言葉を口した。

勿論、皆にそれは聞こえる。

 

魔理沙「っ!!それは………どういう意味だ。まさか私達じゃ力になれないってことか!?」

 

一方通行「そォだ」

 

魔理沙「……、こんのっ!!!!」

 

アリス「落ち着きなさい魔理沙!!今はこんな事を言い合ってる場合じゃ_______」

 

バシ。

立ち上がり、一方通行の横っ面を殴ろうとした魔理沙の拳をアリスは抑え、座らせた。

だが、

 

魔理沙「分かってる!!今は下らない事をしてる暇は無いって…………ッ!。………だけど…………………」

 

爪が手に食い込む力量で、拳を握りしめ下を向く。

 

神奈子「少し、良いかい?」

 

守矢神社の一人の神。八坂神奈子が

 

神奈子「魔理沙の気持ちは分かるし、私もアンタらに怒りを感じる。だけどね、『オマエらは無力だ』って知らしめるためにこの場に集めて話した訳じゃないんだろ?」

 

一方通行「その通りだ。別に俺ァオマエらをキレさせるために集めた訳じゃねェ_________」

 

紫「時は来た____________ってこと」

 

一方通行が話してる途中に、紫は口を挟む。

それからは

 

紫「私は良かったのよ?貴方達を弱者と罵倒して何ヵ月前に落ち込ませても、けどそれでどうするの。なにも手を打てずただずっとやられるがままって知って…………貴方達はそれで満足出来た?」

 

静かな空間。

沈黙と、思考。

その二つしかこの場に存在しなかった。

 

紫「だけど今回は違う。今日はアイツらの計画を崩して時間を稼げるかもしれない。だから話したの……、今回ばかりは貴方達という数が必要だからね」

 

パチュリー「時間を稼ぐねぇ~………今回で全てに終止符を打つことはできないの?」

 

寝間着のような服を纏う、紅魔館の図書館に住む魔法使いは話す。

そしたら

 

一方通行「アハぎゃははははははハハハハはははははははははははははははははははははははははははははははっっ!!!!!!」

 

狂ったように、まるで何も無い所で転んだ人をバカにするような表情を浮かべて白い化け物は笑った。

 

一方通行「……イイねェ、そりゃ一番イイ。なら全員力ァ合わせて学園都市をブッ潰しに行こうじゃねェかッ!!無関係な人間を巻き込ンでなァ!!!」

 

そう。敵は学園都市というが本当はアレイスター、一人。

他に学園都市に住んでるのは無関係な人間ばかりだ。

だが、幻想郷の能力者を集めて一斉に無差別攻撃を仕掛ければ都市の八割程度塵に変えられる。

そうしたら、いくらアレスターといえど少しの時間は壊れた所を復旧に全力にチカラをいれるだろうから、ちょっとの平和を望める。

 

____________背負い切れない罪を犯して。

 

詰まり、その作戦を実行しても真の平和は手に入らない。

 

でも、一方通行はこの作戦で良かった。

道連れや、痛み分けなどとは違うがそれでも。

幻想郷やアイツらの辛さが、少しでも分からせてやれるならと。

 

しかしそれは"自分ひとり"なら、だ。

 

一方通行「俺は良いンだぜ?あンなクソな所に居る奴らを殺しまくってもォ。一万以上、人を殺してきてるしなァ!!」

 

 

だが今回は皆で実行する作戦だ。

 

 

パチュリー「…………………………」

 

黙った。思考すら止まった。

それは決してパチュリーだけでは無い。

他の全員全てだ。

そして衝撃が一方通行の『罪』を知らなかった少女達を襲う。

 

幻想郷を、私達を助けてくれた人は、化け物だった。狂った人殺しだった。

そう、思った子も居たしに恐怖を白い化け物に感じた子も居た。

 

一方通行「はァ~…………、ヤメだ」

 

ジェットコースターの急降下と、表現できる程一方通行の上がりきったテンションは冷めた。

 

一方通行「さっきの提案はかなり良い。だがそれは一人でも迷っちまったらそこから染みができて、内側から必ず崩壊する」

 

少女達の顔を見て、そう言った。

たしかにあの提案を良いとゆう意見を持った子も居るのは分かる。

しかし、それだけの理由で実行に移せない。

 

それを一方通行は誰よりも知っていた。

『狂った事は、狂って壊れたヤツしか出来ない』

これは短いが彼の歩んだ人生で分かったこと。

 

 

一方通行「っつゥことでパチュリー。オマエの提案はボツだ」

 

パチュリー「……だったら貴方の提案は?」

 

一方通行「あァ?霊夢を速やかに救いだし、ちょいとクソ野郎を地獄に導く」

 

最初から考えてたことを、下らなそうに伝える。

 

紫「私もそれで良いと思うわ。けどもう少し普通に言いなさい。えー……と、一方通行が提案した作戦は霊夢を救う。霊夢を攫った人にちょっと痛い目にあって貰う_________」

 

全く……。と言いたげな表情で紫が話す。

そして

 

紫「_____って事何だけど他の提案ある?」

 

決を採った。

すると、誰も挙手もしない。

これは全員一致と言っても過言ではなかった。

 

 

紫「フフっ。無いのね……だったら話を続けましょう」

 

ハイ一段落。

 

そして。カチ、カチ、と。

時が刻むように話し合いは続いた。

 

霊夢を救うと言っても、そこは紫や一方通行を除く者達は未知の世界。

暗闇の迷路の中を壁に手を当てて進むような、危険な真似をしながらじゃ霊夢は救えない。

 

一方。

チルノ、ルーミアは端で遊び始めた。

萃香は酔っ払っていて寝てしまい、つられて橙も寝る。

 

でも、他の皆は思考や意見を飛ばし会う。

そんな中、悪魔に似た翼を持つ吸血鬼の少女が

 

レミリア「______ねぇ。こうゆうのはどう?五人程度のチーム二つを組んで別々に行動するってのは」

 

紫「それは……つまり?」

 

レミリア「仮に一つのチームが作戦を失敗しても、もう一つのチームがサポートする。だけど十人で動いては目立つじゃない?だから、片方のサブウエポンと言うべきチームは情報収集に集中するとか」

 

紫「それでメインが失敗したら、サブがサポートね」

 

レミリア「自分で言うのもどうかと思うけど良い作戦じゃない?でも、ここの人数じゃ作戦で残って貰う子は居るわね」

 

_________出番の無い子はごめんなさい。とレミリアは続けて言う。

 

 

紫は考えた後、他の者達に視線を向けた。

そしたらどうだろう。

首を縦に降ったりして、納得したように見える。

 

が、

 

 

「__________却下」

 

黙って唇を動かして無かった白い化け物が

 

一方通行「言っとくが却下、っつゥのは今までの作戦全部だ」

 

レミリア「それは………冗談かしら?」

 

一方通行「冗談?そォだなァ…………」

 

ギシリ、と。裂いたように笑ってレミリアに言い放った。

 

一方通行「新ネタだ」

 

そして、ため息を吐く。

 

一方通行「………、なンかよォ…………俺が思ってもねェ展開に進ンじまったから黙ってたけどよォ。霊夢を救うのも木原を殺すのも俺一人でやるっつの。オマエらは幻想郷の警備をしてれば良いンだよ」

 

幽香「それこそ冗談?って聞きたいわね」

 

微笑んだ調子で幽香は話す。

 

幽香「一方通行。貴方は霊夢を攫った人に負けたんでしょ、敗北したの。その貴方が一人でやるって?出来るって?随分とアホに成り下がったわね最強さんは」

 

一方通行「なンとでも言え。だがここに居る奴等が現在の幻想郷の最高戦力と知って俺は言ってンだ、だからこそレミリアの作戦は却下だ。ここの半分も学園都市に行って必死してみろ、アレスターはその隙を狙って幻想郷を襲うかも知れねェぞ?そォなったらどォするってンだ。霊夢を救って帰って来たら幻想郷が跡形も無く崩壊してましたァってかァ?笑い話にもならねェだろクソったれ。だったら一番学園都市に詳しくて一番守るンじゃなく破壊に特化した俺が一人で行った方が現実的な作戦じゃねェか?」

 

 

今日何度目かの沈黙。

それは思考する時間を意味する。

 

鈴仙「……………たしかに一方通行なら一人で出来そうだし、もしかしたら私達は足手まといになるかも知れない」

 

____________けど、と。鈴仙は続けて言いた。

でも、口が動かない。

これは別に特別な能力を使ってるとかそんな下らないイカサマをされてる訳じゃない。

 

それは皆そうだ。

言いたい、彼を止めたい。

 

しかしそれが出来ない。

もし自分が行った場合、足を引っ張る様子などを想像してしまったから。

 

だったら

_________私達が信じるヒーローを一人で、と。

 

 

だが、ある一人のスキマ妖怪は一方通行の作戦を許さない。

 

紫「却下。それは絶対に却下よ」

 

一方通行「なンでだ。俺が失敗するとでも?」

 

紫「失敗以前の問題でしょ。貴方は________」

 

唇がそれ以上動かなかった。

 

誰にも聞かれたくない、知られたくない話。

それは一方通行が『願い』という呪いにかかってること。

決して呪われてる事を知られたくない訳では無い。

呪いをかけた人物が知られたくないのだ。

 

霊夢。

あの子を紫は人一倍理解してる。

だからこそ、呪い。『願い』を知られたくない、拷問されても口を割らない人にさえ。

 

人に知られるということは情報が移動すると考えても良い。

もし、仮に脳を直接食べて情報を引き出す能力者が居て秘密の情報をたまたま知られたらどうする。

そして仮にその能力者が口が柔らかかったらどうする。

 

考えれば考えれば考えれる程、答えが、違う未来が広がる。

 

紫は恐れている。もし、どこにでも居る能力者に『願い』という呪いをかけた霊夢の事が知られてしまったらと。

 

なのに、そう思ってる自分が。今、こんなに人がいるなか何を話そうとしていた?

 

紫「__________________」

 

大人しく、口を閉じた紫を疑問の表情を浮かべて見る子達もいたがそんなことより。一方通行は注目を集まるようにステージの真ん中に立ち、話を続ける。

 

一方通行「今回もオマエ達のチカラは必要ねェ。だが勘違いすンなよ、霊夢救出に必要としてねェだけでこの幻想郷を守るには必要だ。だから俺が霊夢を助け出すまで、オマエらに幻想郷の守備を頼みてェ。もしそォしてくれンなら俺は思いっきりあっちで暴れられる」

 

諏訪子「大変良い作戦だと思うけど、一方通行。貴方がしくじったら全て終わりよ?」

 

一本の優秀な矢を放ち。それに全てを賭けて全力で防御する。

そのような作戦だと、諏訪子は思った。

だから心配。不安を感じ質問すると

 

一方通行「あァ………そォだな」

 

素直な答え。

それがまさか、あの一方通行の口から出ると考えてはなくて戸惑った子も居た。

が、それだけではなかった

 

一方通行「だから…、俺はここで誓ってやるよオマエらに。霊夢を無傷で救いだしてやる、あの平和な日常を奪ったヤツらに地獄を見せてきてやる。これを俺は絶対に守る」

 

フラン「ねえ、良いの?それをしたらアクセラレータは二度と自分の世界に帰れないんだよ…………」

 

吸血鬼の妹の少女の不安。

 

もう、後戻り出来ない作戦。

今日この日この時より一方通行は学園都市に反旗を翻す者として、存在し続けることになる。

だが

 

一方通行「なに言ってンだ。俺の家は幻想郷にある、俺の守りてェモンは幻想郷にある。だが、元居た世界にゃなンにもねェ、あンのはクソったれでクソったれなクソの思い出だけだ。そンな所に躊躇する理由はどこにもねェ」

 

意図も簡単に白い化け物は世界に、神にすら唾を吐きかけ敵に回せる。

狂ってるからだとか、イカれてるだとか、ちゃちなモンなんかじゃない。

 

守りたいからそうするだけ。

こんな単純な動機だけど彼にとってはそれだけで十分だった。

 

 

 

 

そして、時間が進み。

皆で決めた作戦を実行する時となった。

 

想いが交差して、いっぱい話し合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいし「お姉ちゃん」

 

地下の空間に広がる世界にある地霊殿の前に立って少女は話す。

 

こいし「お兄ちゃんはなにを考えてんだろうね」

 

さとり「…………………、分からない」

 

こいし「え…………?」

 

さとり「もう、あの人の心が読めなかった…………」

 

こいし「そっか………………」

 

二人の姉妹は自分の家に帰り一方通行から伝えられた通り、地下の世界を守る事に全力を尽くす。

それだけ。

 

それだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人の化け物と一人の酔っ払いが宴会場に残っていた。

 

一方通行「オイ、オマエは妖怪の山担当だ」

 

萃香「あらら~………、寝ちゃてたか~……あははは」

 

ゲシゲシ。

と、寝ていた萃香を蹴って起こす。

 

一方通行「ちゃンと聞いてたンだろォな」

 

萃香「大丈夫~、大丈夫~……、聞いてたってー」

 

ふらんふらんして、立ち上がる。

それは路上で酔い潰れた親爺と似てると言って良いほどに。

 

そして

 

一方通行「____________あン?」

 

ポスッ。

 

小さな拳が優しく一方通行の腹部に突き刺さる。

 

萃香「あ~……悪いね~……」

 

まだふらんふらんしてる萃香は軽く謝る。

一方通行は酔っ払ってるし、わざとじゃなそうだしと見逃してやろうとする。

 

しかし、空気が一変。変化した

 

それは奇襲が来たとか、急に隕石が落ちて来たとかでもなく。

 

萃香「なんかムカついたから、つい。やっちゃった」

 

その時の萃香は忘れもしない。

いつもは呑気な飲んだくれのとしか見てなかったのに、今日の彼女は正しく本物の鬼だった。

 

萃香「随分と私達は舐められたモンだね。それはあんたが強くなったから、それとも元から?今回の作戦、どうせ守備を頼んだけど勝手に一人で片付けるつもりでしょ?」

 

一方通行は喋らない、反論もしない、アクションすらしない。

彼は黙って萃香を見ていた。

 

萃香「まあ、皆思ったと思うけどね。あんただけ危険を冒して私達は安全な所で無事を願ってれば良いだけ…………って。そんなに……そんなに私達はあんたからしたら弱い?」

 

小さな彼女は震えていた。

それを優しく包むこともせず、一方通行はこの宴会場を後にする。

 

 

 

しかし、出る瞬間。

 

彼は言った

 

 

『悪ィ』と。

 

 

 

 

 

萃香「…………鬼は嘘は嫌いなんだ。例え優しい嘘だとしても………………」

 

 

 

強者との闘いを好む鬼が、見た目とは裏腹に可愛くない力を持つ少女が自分の無力さを知った。

 

なんて私達は弱いんだろう。

 

 

歳は遥かに上なのに、守られてばかりだ。

 

 

あの、一方通行という少年に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方通行「………………………………………」

 

とある幻想郷の夜の森を歩いていた。

自分のポジションへ行くため。

 

その時だ

 

「一方通行!!!!」

 

後ろから大きな声が聞こえた。

それは自分の名を呼ぶ声。

 

一方通行は振り返った。

 

夜の森は暗いが、彼女の髪は金髪で凄く目立ち分かった。

 

一方通行「どォした、魔理沙」

 

魔理沙「『どォした』じゃないぜ。行くなら少しは声かけろよな…………」

 

息が荒い。

多分、走って追いかけて来たのだろう。

 

魔理沙「全く……、ホラ」

 

ドス。

何かを握った拳を一方通行の胸に打つける。

 

魔理沙「なんにも効果ないが、お守り変わりに持ってけ」

 

拳を解除すれば握っていた何かは落ちる。

が、しかし一方通行はそれをちゃんとキャッチした。

 

 

自分が持っていたのはミニ八卦炉。

これは魔理沙の宝物と言える物だった。

 

一方通行「…………、預かっておく」

 

魔理沙「ああ。ちゃんと帰って来た時は返せよな、それは私の宝物なんだぜ」

 

魔理沙は笑っていた。

 

彼が大量の人殺しだとしても、死んで欲しくない。

その気持ちだけしか彼女には無かった。

 

一方通行「ハッ……そりゃ責任重大だなァ」

 

緊張や不安を感じず、いつもの調子で笑う。

そしたら

 

魔理沙「_____________霊夢を任せたぜ」

 

唯一無二の、絶対欠けてはなら無い親友を思って言った。

 

それを彼はたった一言で答えた。

 

 

一方通行「___________任せろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙は暗闇に消えていく一方通行の背中を見て思う。

 

あんなに必死に考えられて、

 

助けて貰う立場になっている、

 

 

 

霊夢が羨ましい…………と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の森の真ん中に立ち止まる。

 

目的の場所、とゆうよりかは目的の人物の場所に着いて。

 

紫「で、どうするの?一方通行。ああ皆に言ったけどまず幻想郷から今の貴方は出れないのよ」

 

一方通行「それは今からどォにかする」

 

紫「ふ~ん…………」

 

察した紫はそれから黙って目を瞑る一方通行を見守る。

今、彼は自身の能力。解析能力を使い呪いを解析してるのだろう。

 

そして

 

 

 

一方通行「…………よし、解析した結果"今の俺のベクトル操作の能力"でも調整できる事が判明した」

 

ゆっくりと瞼を開き、そう言った後一方通行は呪いの解析結果を紫に告げる。

 

そして解析の結果はこうだ。

呪いの力にもベクトルが存在していて、ベクトル操作の能力を使うことによって幻想郷に縛られてる呪いを消すことは出来ないが一定の時間だけ外の世界、すなわち学園都市に行けるとゆうこと。

らしい。

 

しかし、ベクトル操作の能力は木原数多の手によって封じられている。

が、そんなクソのような小さな心配はない。

実際一方通行の左手には特殊な黒い作業用のグローブで隠されてはいるがベクトル操作の能力を使うための演算妨害機能を持つ爆弾が埋め込められてベクトル操作の力は使えない。

 

でも、彼は言うだろう。『そンな小せェ事で今の俺は止められねェ』と。

 

 

紫「調整……ね。でもそれは呪いを無理やり力でねじ伏せるから、本来の力を十分に発揮できないわよ」

 

一方通行「はっ、それでも俺は霊夢を救いだしてやるよ」

 

余裕な表情で一方通行は鼻で笑う。

しかし紫はその奥にある微かな焦りを見破る。でもそれを顔に出すことも口にする事もしない。

 

紫「それは結構。じゃ、私はスキマを学園都市に繋げるから貴方はベクトル操作で呪いを封じ込める事に集中してなさい」

 

他の人から何も言わず一方通行は立っているだけに見えるだろう。

が、彼は呪いを封じ込める様に十メートル先の針穴に長い割り箸で糸を通す程のようなレベルの集中をしている。

 

紫「さて、そろそろ行けるかしら?」

 

一方通行「あァ」

 

もう、幻想郷から出れるようにしたら学園都市に繋がっているスキマがある所に立つ。

そして一方通行は何も言わずスキマを通ろうとしたが

 

紫「私達は絶対に追撃が来ないのに守備してれば良いのよね?」

 

一方通行「________________チッ」

 

 

スキマを通る瞬間一方通行は舌打ちをした後、幻想郷から学園都市に行った。

 

 

 

 

紫は見送った後、息を吐いてからこの場に居る予定の無い第三人目に

 

 

 

 

紫「……さて、なんか用?魔理沙」

 

後方の隠れてた木に紫の背中が見えるように寄りかかり

 

魔理沙「紫、一方通行でなにをするつもりだ。前から気になってたんだ、何故か一方通行が関わる事に協力的なお前をな」

 

紫「"で"……ね。酷いわねまるで他者を利用する悪者みたいじゃない」

 

魔理沙の方へ振り返りもせず

 

紫「何もしないわよ。けど、企んでるより……そうね、彼が関わってる計画はあるわ」

 

魔理沙「計画か。それが危険なら私はお前を退治、じゃないな…………殺す、だぜ」

 

別に肉眼で見たわけではないが、多分魔理沙の目付きは鋭く光を当たって生きてきた人間とは思えないものだろう。

しかし怪しさマックスのスキマ妖怪は夜空を向いて笑った。

 

紫「随分と変わったわね魔理沙。まあ、良いでしょう。勘づいた貴方に私の昔から決めてた計画を聞かせてあげる」

 

 

そして、それから驚愕してしまう計画を紫から魔理沙は告げられる。

 

紫「_________________________。これが私の昔から考えてた計画」

 

魔理沙「それが………………そんなことが……………………お前が昔から決めてた計画だってのか!?」

 

紫「ええ、時が来るまで内緒よ♪」

 

くるん、と紫は人差し指を立ててる手を口元に当て微笑んで魔理沙へ振り返る。

楽しそうな雰囲気を漂わせて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「懐かしィ空気だ………………」

 

ポツポツと頭や顔それに体に雨が当たりながら白い髪の怪物は大きなビルの屋上にあるフェンスに立って呟く。

 

 

9月30日。時間帯は夜。

 

その日、その瞬間に、一瞬で姿を消したとある最強の能力者。一方通行が帰還した。

 

「…………あン?」

 

化け物の目に映ったのは巨大な光る翼だった。

 

しかし、ちょっと疑問に思ったがそんな事より霊夢を救うのが最優先。

 

そして

 

「……さァて、学園都市に血の雨を降らしてやるぜ!!」

 

ニッと裂いた様に笑った後、ゆっくり前から飛び降り霊夢の能力。空を飛ぶ程度の能力を使って夜空を自由に飛んで行く。

 

まず、一方通行の目的の場所は情報が簡単に採取出来る場所。

そことは闇に居た自分には知っている、統括理事長(アレイスター)を除くと十二人しかいない都市統括理事長会に若く抜擢された人物の家。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人気を感じさせない夜の都市を風を切るように空を飛んでいたら思ったより早く、目的地に着く。

 

今、一方通行が居る場所はとある玄関の前。

この家に目的の情報がある。

 

一方通行はインターホンを使わないで、ドアをノックして家の中に居る野郎を呼び出す。

すると、急いだ様子もない廊下の足音が玄関奥からでも聞こえた。

 

そして、この後惨劇を自分が経験するとも知らないボンボンのアホ外人坊っちゃんは無警戒にドアを開ける。

 

するとそこで、一方通行は咲夜の能力。時間を操る程度の能力を使って時間を停止する。

そしたら模倣した神力、魔力、妖力を込めた白銀に光る足で、バカ面のボンボン坊っちゃんを蹴り止まった時間を動かす。

蹴られたと知らないボンボンの坊っちゃんは綺麗に背後へ吹っ飛んで、高級なソファに打つかったが勢いは収まらず結局壁に激突した。

しかし、万が一のためボンボンの坊っちゃんは防弾チョッキなど命を守る装備を服の中に何時も着ていて死ぬことは回避できた。

 

 

そんなのはどうでも良い一方通行は冷静に玄関ドアを閉め、部屋奥へ進む。

 

すると目的のパソコンを見付けすぐさま起動させた。

 

ポタッ、ポタッ、と。雨で濡れてしまった髪から雫が落ちるがそんなのをお構いなしにパソコンから学園都市のデータを探る。

 

裏で(おこな)われていた実験などのデータがあるフォルダを発見し、それを開く。

そしたら『猟犬部隊(ハウンドドッグ)』と暗部の情報が出て来た。

マウスでまだまだ情報を集めていると気になる名が

 

それは『打ち止め(ラストオーダー)』と書かれていた

 

一方通行「ラスト…………オーダー?」

 

『妹達』20001号のクローン。

続いてそう書いてあり、これも霊夢と同じ攫う事が猟犬部隊の仕事らしい。

だが、一方通行は引っ掛かった。

自分がやっていた実験に必要なクローンはジャスト二万。

と、いうことに。

 

一方通行(………。どォやら俺の知らねェ所でクソッたれどもは何かをやっていたのか)

 

打ち止めの情報を全て読んだ。

このクローンの少女は死ぬために作られたんじゃない。

ただ全妹達の司令塔として生み出しただけ。

本当にそれだけだった。

絶対能力進化計画(レベル6シフト)が終わったら秘密裏に育てていく。と、打ち止めの未来は暗闇の世界で始まり、そして終わるかもしれない。けど、それでも死ぬよりかはマシだろう。

 

そう。死ぬ理由が無いなら、意味無く死ぬなんて三下以下のやる事だ。

 

 

そして、自分が知らなかった哀れな存在のクローンの情報を知って一方通行はこの時、もう一つ目的が出来てしまった。

 

無関係で、闇じゃなく光で生きていける打ち止めも一緒に闇から救ってやると。

 

 

続いてデータを読む。

 

次に出た言葉は『超高圧電波発生装置』。

その機能とは機械名通り電波を発生させるだけ。

だが、

 

一方通行(…!………時空に歪みがあると、そこは不安定で想像も出来ねェ強力な電波を当てると異世界の扉が開くだと!?)

 

やっと幻想郷に能力無しで来れてる理由が分かった。

そしてその後書かれた説明文は

 

時空を歪ませる能力を持つ者はこの世界には居ない。

しかし、約十数年前に異世界から来た来訪者。

この後名前が分かった八雲紫とゆう異世界人は特別で、時空を歪ませる別次元の能力を持つ。

そのため、八雲紫が繋げた時空の場所は不安定でモグラの尻尾を掴むような小さな可能性しかないが成功すれば異世界の扉が開く。

だが、成功しても失敗してもこの装置を発動すると莫大な電気量が必要で連続で使用は不可。

 

 

一方通行(これがあンのは、地下深くの実験施設か………。チッ、ムカつくが今回は破壊しに行ける時間はねェな)

 

その装置がある限り、学園都市の魔の手は絶対に収まらない。

でも一方通行は時間制限と本来の力の十パーセントにも満たないほどの力しか使えない。

そのため、今回自分が可能なのは霊夢と打ち止めの救出だけなのだ。

 

しかし、これは大きな発見だ。

敵の移動方法を知れたのだから。

 

 

 

まだまだ、一方通行はパソコンの画面と睨み合う。

 

次は霊夢だった。

 

霊夢を攫った理由。

『超高圧電波発生装置』は莫大な電気量がかかる。しかも連続で使用出来ない。

だから統括理事長(アレイスター)が手に入れた情報。

博麗の巫女にたどり着いた。

 

博麗の巫女は幻想郷に張られた結界を自由に操作し、内側からでも外側からでもまるでコンビニに入るような軽い気持ちで異世界に移動出来る。

そのため博麗の巫女を確保して研究、解剖をして博麗の巫女の力を手に入れる。

 

博麗の巫女の命は問わない。

 

 

一方通行「……………………」

 

ミシミシ…………。

文を読み何も言葉を発さず、手に力が入りマウスから壊れそうな音がした。

もう、怒りは噴火寸前というところ。

 

ても。でも、これから先を読んでもクソ過ぎる闇を見るだけだ。

しかし、それでも一方通行は飛び出そうな感情を抑えてデータを見る。

 

次は

 

天使(エンジェル)

 

一方通行(はァ?)

 

学園都市に帰ってきたとき見た巨大な翼を思い出したが、これは自分達は関わって居ない。

だから無視すると決めた。

 

 

 

もう、データのページは最後まで来た。

そこには

 

一方通行「……、ウイルス…………か」

 

打ち止め、霊夢。

どっちにも違う種類のウイルスが頭に打ち込まれてる。

 

だから仮に二人の肉体を奪い去っても、最後は両方人格崩壊して終了のバットエンド。

 

しかし、それを見ても希望を捨てない。絶望なんてしない。

 

通常の人間より遥かに頭の回転が良い一方通行はどっちもクソったれのパッピーエンドにしてやれる。

そう確信して、最後に乱暴にガダガダと連続でキーを押す。

 

『猟犬部隊』の待機場所発見。

 

一方通行(見つけたぜ……。やる事は簡単、俺が再び闇に戻りアイツらを殺し、そして奪う。それだけだ!!)

 

 

パソコンは落とさずぶん殴って永久停止させた。

 

そして今居る家から拳銃を一丁調達してから出て行った。

 

向かう場所はもちろん猟犬部隊が居る場所だ。




もしかしたらどんなヤツでも殺す時でも一方通行には少しの躊躇はあったのかもしれない。
だが、それもここまで。
もう絶対にないのだ躊躇とか、そんなもの。

目を見開いてろ、今見せてやるよ

これが本物の


化け物だ


怪物だ


超能力者だ


この俺………………一方通行だ



次回予告

第6話

木原対一方通行

お楽しみに~…………
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。