幻想郷を一方通行に   作:ポスター

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ゼロ話とはこの"幻想郷が一方通行に"が始まる前の話。
つまり、一章の『物語の始まり』より前のお話ということです。
8話は前回の続きです。

前回の話ですが、ちょっとおかしくなかったですか?
そう、実は前回は物凄く短かったんです。
理由はあのまま書き続けると、終わり方が少し変になっちゃうなって思って途中で手を止めて、編集して投稿したんです。
ですから今回のゼロ話と8話は、物凄く長いです。

あ、後これは気分的にやる過去に書いた話の誤字や脱字を探してる時に気付いたんですが『俺の小説読みにくくね!?』と感じました。
でも、このスタイルは変更できねー。

さて、と。
今さらかよと思うかも知れませんが、この物語は私のオリジナリティが含まれてる事をご報告させていただきます。
多分、誤字や脱字があると思います。
ですから、発見した場合は私に報告してくれると助かります。

それでは三章、最終話をどうぞ!!


ゼロ話と8話

ここに一人、大妖怪が居た。

その妖怪は本当はどんな種族なのか分からず、"通称"としてスキマ妖怪と呼ばれていた。

 

名は八雲紫。

知る者はその名を聞くと、嫌な顔をするだろう。

 

八雲紫の良い噂は聞かない。

ただ、幻想郷に危機が迫ると博麗の巫女と共に異変解決をしてるとかしてないとか。

そのような目撃情報が流れていた。

 

そんな八雲紫は今日。

暇だから、家で寛ぎながら手当たり次第にスキマを開いて自分が居る世界とは違う、別の世界を覗いて暇を潰していた。

 

紫「…………ん?」

 

ある一つのスキマにだ。

気になるものを発見した。

いや人だ。

 

大きな建物。整備された綺麗な道。

そして、

 

白い髪に赤い瞳の幼い少年が歩いていた。

 

紫はその少年に目を奪われた。

気になって気になって、仕方がなくなってしまったのだ。

 

それからはどんな手品か、あのだるくて暇だった心は楽しく踊る一方に。

これが好奇心だというのだろうか。

 

居ても立っても居られなくなった紫はすぐに立ち上がり、お気に入りの日傘を持ってあの少年が映っていたスキマに入り会いに行く事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからどれ程の距離を歩いたのだろうか。

行く先も、ゴールも、目標も無いままひたすらに歩く白い少年。

 

今、止まったら何か起きるのか。

と思った時だ。

 

「ねえ………坊や」

 

この町は避難警告が発令されていて誰も居ないとゆうのに。

人の声が。優しい女性の声が背後から聞こえた。

 

白い少年は、後ろに振り返る。

もしいつも追ってきて、殺しにかかる野郎どもだったら無視。

そう決めながら振り返ったのだ、

 

「________あァ?」

 

だがどうだろうか。

 

あの殺傷能力の高い武器はどこにもない。

おまけに防弾服も着ていなかった。

 

その人は久しぶりに見る、一般的な人間の姿だったのだ。

 

「誰だ…?オマエ………」

 

紫「私?私は_______」

 

笑いながら、差してる日傘をくるくる回し

 

紫「_____八雲紫。可憐で素敵な妖怪よ♪」

 

とても頭の可笑しな発言をしやがった。

 

紫「今、暇かしら?」

 

「暇か暇じゃないかと聞かれたら、暇」

 

さっきのは触れない事に決め、ちゃんと質問に答える。

 

紫「そうなの。お姉さんも暇なのよ、どう?一緒に行動してみない?暇潰しにお喋り相手にはなるかもよ?」

 

「俺と一緒に居ると死ぬぞ」

 

紫「坊やが大人の心配しないの。ただの人間程度じゃ私を殺せないわ」

 

「オマエも何か変な力持ってンのか?」

 

紫「ええ。私は神に等しい………いえ、神より上の力を持っている妖怪よ♪」

 

「ようかい……?さっきも言ってたが頭沸いてンじゃねェの?」

 

二度も言い、流石に触れられずにはいられなくなった。

 

紫「そんな言葉、誰から聞いたのよ。まったく、坊やが使う言葉じゃないわね」

 

「ほっとけ」

 

白い少年は、そう吐き捨てるように言った後、またあてもなく歩き出す。

 

紫はその少年の隣を日傘を差して歩く。

こうして二人は不思議な時間を過ごす。

お互い誰なのか、どこに居てどんな存在なのか分からないまま。

 

 

 

とくに何も話さないまま、一時間と経った。

そしてやっと口を開いた。

それは

 

紫「…………はぁ、はぁ。ねぇ、ちょっと休憩しない?」

 

だらだらと、全然運動をしていない大妖怪様だった。

 

紫は毎日、一般の睡眠時間(人間の)より多く寝て移動方法は行きたい所にスキマを開きそれを通れば『ハイ到着』と。

楽をして生活をしてたから、いくら人間より妖怪の方が力があると言っても体力は殆んど無みたいなものなのだ。

まあ途中途中、隣を歩いていると息を切らしていて白い少年は「コイツ体力ねェな」と思っていたらしいが。

 

「勝手について来て何言ってンだ………。まァいいか、腹が減ったし飯にするか」

 

周りを見渡す。

そしてあったのはコンビニだ。

 

今、この町は避難警告を発令されていて無人。

金を払わず商品を取ったって止められないし、万引きだと騒がれない。

 

白い少年を先頭に無人のコンビニに入る。

すると

 

「あそこに座る場所があるだろ。そこにでも座ってろ」

 

このコンビニにはフードコードがあって、そこに指を差して言った。

 

紫「………………疲れた…………こんな歩いたのは何年?いや、下手したら何十年ぶりかしら……」

 

ぐてー、と椅子とセットにあるテーブルに上半身を預けて座りながら呟く。

 

そしてそんな時間が経たずにあの白い少年が隣に座った。

このフードコードは角にあり、外が見えるガラス壁にピッタリと長いL字にテーブルが設置されている。

 

「飲み物と食い物だ。いらねェなら捨てろ」

 

紫「あら、私の分まで?ありがとう貰うわね」

 

コロコロ。

雑に自分の前に飲み物が入ったペットボトルと、袋に入ったパンが転がされた。

この少年は言葉は荒いがどうやら、優しい心は持っているらしい。

紫はそう感じながら、飲み物を飲もうとしたのだが

 

紫「……………………」

 

なんだこれ。どう飲めば良い。

飲み物が入ってるのが見て分かるがこんな容器、幻想郷には無く全くどんな仕組みか分からない物だ。

とりあえず手に持ち、ちゃぽんちゃぽんと音を立てながら色んな方向に傾ける。

 

「……なにやってンだよ」

 

パンコーナーに置かれてたハンバーガーを食っていると隣でヘンテコな行動をしているお姉さんに堪らず呟く。

すると

 

紫「あの……これどうやって飲むの?」

 

「………………はァ?」

 

このバカなに言ってやがる。

そんな言葉が頭に浮かぶ。

 

白い少年はペットボトルを開けるなど日常では良く起きること。

それは白い少年だけと限った訳ではない。

この世界に住む人間もだ。

だから、ペットボトルを開けられない完璧大人な容姿の女性に驚いた。圧倒的にと表現しても良いほどに。

 

白い少年はなにを言うわけでもなく、紫が持っているペットボトルを取り、そしてキャップを開け。渡した

 

すると紫はその行動を驚いていた。

嘘や偽りなど、そういった様子は一切無く。

 

紫「へぇ~……そう開けるのね」

 

「ペットボトルもねェ文化の場所で住ンでたのかよ、オマエ」

 

紫「そうよ。私が住んでる場所は幻想郷といって、この世界とは全く違う世界なの」

 

「…………やっぱオマエ、頭沸いてるわ」

 

意味不明な言葉はやはり深くツッコむことはしない。

次は紫は袋の開け方に悩まされていたが、それも白い少年がやってあげた。

 

紫と白い少年。

二人は多く話し合わず、黙々と食事を続けた。

そして時は経ち、十分に腹は膨れ体力も回復。

休憩は万全に出来た。

 

「さて…………」

 

そう呟くとゴミも片付けずに椅子から飛び降り、コンビニから出る。

 

紫「もう行くのね、全く。もう少し休めば良いのに」

 

ペットボトルは空。パンも全部残さず食べた。

何かに追われるように急いでるみたいに出た白い少年の後を追う。

 

「…………まだついて来ンのか」

 

紫「言ったでしょ?暇だって」

 

今日一日。

歩き、途中休み。また歩く。

それを繰り返し続けた。

 

するともう夜になっていた。

どこのどんな場所に自分達が居るか分からないが、近くのビジネスホテルに入り勝手に利用した。

勿論説明するまでもなく、そこは無人である。

 

「…………ここまでついでに来ンのかよ」

 

一つの部屋に二つのベットがある部屋に泊まる事にした。

のだが

 

紫「暇じゃなくなったら貴方から離れるわ。それまでよろくね♪」

 

紫はもう一つのベットに寝っ転がり、微笑み混じりで呆れる白い少年に向けて話した。

 

「…………チッ」

 

まさかここまでついて来るなんて想像もしてなかった。

何を言っても多分この女は離れないだろう。

分かるのだ、そういうのは。

この「誰の言うことも聞かん」と、オーラを放つのを見れば。

白い少年は舌打ちをするとベットに潜り目を閉じる。

そして数分後、意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八雲紫と出会い、そして共に過ごすこと今日で四日目になった。

 

それほど長い時間を共に居たと言えないが確実に初めて会ったときよりは心の距離は縮まっている。

全部をほったらかして第一級危険生物から人が逃げ、蛻の殻の町の朝は静かである。

わざわざ歩道を歩く必要がないから、道路を歩く白い少年。

と、隣を歩く八雲紫。

 

「…………」

 

紫「……………」

 

二人は同じ時間に目覚め、何も言わず支度してホテルから出て歩き始めた。

 

下らない事を話もしないで

 

「まだオマエは暇じゃなくならねェのか」

 

紫「ええ。あっちの世界はまだ平和らしいわ」

 

「…………オマエが離れねェのは分かってる。だが今だけは離れろ、あいつらが来た」

 

空からヘリコプターの音がした。

それは詰まりあの連中が白い少年を見つけ、排除しに来たということ。

 

自分は何をされても絶対に無傷だ。

だがこの女は?

もしかしたら能力を持っているとしても、傷を負うかもしれない。

下手したら、命を落とすかもしれない。

 

紫「そうみたいね…………数は、十。いや十五」

 

パチーン!

手を掲げ指を鳴らす。

 

地上からはなにも来ていない。

空から一方的に攻撃を仕掛ける、作戦だ。

でも、片方はどんな兵器を使っても殺すことが出来なかった少年で、もう片方は神以上の能力を持つ妖怪だ。

 

紫は背後に無数のスキマを開いた。

それは空に続くほど広く。

 

紫「お邪魔虫はね、早く駆除するのが一番なのよ。それにこんな小さな子にあんな野蛮な物を向けるなんて腹が立つわ………」

 

会った時からそうだった。

この子は、何故か自分から離れるように言っていた。

初めは分からなかった、人と接するのが嫌だとかそんな感じはしていなく疑問に思っていた。

だが、今日。今、この時。

やっと理解した。

 

この子は自分が命を狙われていて、そして自分の近くに居ると傷付いてしまう。

そう思い、自分から離れて欲しかったんだ。

 

なんて優しいんだろう。何でこんな優しい子が命を狙われなくちゃいけないんだ。

紫は滅多に怒りの感情を表すことはない。

しかし今回は珍しく怒りの感情を抱いた。

それはこの世界に、この子が命を狙われなくちゃいけないこの現実に。

 

背後に開かれたスキマから、薄紫色に光る鋭い弾丸のようなレーザーが発射された。

そして複雑な軌道で空からこちらに向かって来ている軍事用ヘリコプターを次々と撃沈させる。

遠くからは爆発音が轟き、空が灰色に染まっていた。

 

ここからは悲鳴や叫び声などが聞こえないが確実に軍事用ヘリコプターに乗っていた者の中に死人はいるだろう。

理解不能な攻撃に襲われ、ホーミング性能120%の弾幕レーザーだ。

パラシュートでヘリコプターから逃げ出しても顔面を貫かれ顔のない人間一丁上がり。

まあ、それでも上空1000メートルから落下したら、ぐちゃぐちゃなお肉の完成になってしまうが。

 

「…………………」

 

紫「さ。邪魔者は消えたわ、散歩の再開よ」

 

「…………あァ」

 

問題は消えた。

毎度返り討ちにされるバカどもは、また白い少年を殺せず任務を失敗する。

しかし、相手のことなんて知るか。

勝手にやって勝手に自滅してるだけだ。

今回も、たまたま隣に妖怪が居て、その逆鱗に触れてしまい全滅した。

 

 

そしてそれから二人は歩いた、夕方になるまで。

 

 

 

 

今日は早くホテルに入った。

あの爆発場所から離れたが、それでもアイツらがまた襲ってくるかもしれない。

流石に夜に来るとウザイ。

だから、早く姿を消したのだ。

 

十分な食料も確保している。

そのため、何日かここでじっとするのも一つの手だ。

 

白い少年と、紫は今回も同じ部屋に泊まる。

今回のホテルは一番豪華なホテルだった。

 

 

「………………」

 

紫「ねぇ、アレが貴方が一ヶ所にじっとしないで毎日移動する理由?」

 

「…………別に」

 

紫「そう……」

 

そして二人は食事をして、貸し切りの風呂に別々に入り、決してここだと決めてないが最初に入ったその一室に帰って来た。

 

「…………なァ」

 

紫「?」

 

一つのベットに紫は座りちょっと隙間を開けて白い少年が寝ていると口を開いた。

 

「オマエが良く言ってる幻想郷って、どォゆう所なンだ ?」

 

紫「んー………、不思議な森があったり地獄があったり天界があったり妖怪が居たり人間が居たり神様が居たり、色々な所があって色んな子が居る楽しく騒がしい日々が送れる世界よ」

 

「それは……随分なンでもかンでも突っ込ンだみたいな世界だな」

 

紫「ええ、けどそんな世界でも私は退屈したわ。けどね貴方と一緒に居ると、とっても楽しいのよ?」

 

「俺と居て何が楽しいンだよ………」

 

紫「こうやって話してるとき、一緒に歩いてるとき。全部が全部私にとっては退屈なしの生活」

 

「………そォかよ」

 

紫「貴方って面白いのよ。興味が尽きないわ」

 

満面の笑みで笑っていた。

しかし

 

「…………………………………………………………………………………………………………………………………」

 

 

返答は無かった。

寝てしまったんだろう。

 

紫は白い少年にちゃんと毛布をかけてあげ、そして自分にも毛布にかけて今だけとは言わず今後から、この子がどこに居る子みたいに安心て寝れるよう願いながら寝た。

 

だが最後に______________から完全に意識を手離した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五日目。

 

今日は遅く起き、遅く出た。

良い子はお昼ご飯を食べ終え笑顔で公園に遊びに行く時間。午後といったところだろう。

 

なにも変わらない。

また二人で歩くと

 

思ったが

 

紫「ねえ、私ね。今日で貴方とお別れしなくちゃいけないの」

 

「……………………」

 

道路を歩いてる途中に切り出したのは、別れだった。

 

紫「私がいる世界で異変が起きたの、それを解決しなきゃいけない。いつもは私は関わることはしないけど今回ばかりはそうは言ってられないわ」

 

「……へェ。ならすぐに行けばイイじゃねェか、オマエは別の世界で生きてるンだろ?」

 

紫「……うん。やっと信じてくれたの?」

 

「所々ずれてたりすりゃ、無理でも信じるだろ」

 

紫「ふふっ……そう、それは嬉しいわ。いつか貴方が幻想郷にこれたら良いわね」

 

「行きたいとは思ってねェよ?」

 

紫「私が、よ。だって貴方と居ると退屈しないし、それに貴方だって平穏な日常が過ごせるのよ」

 

グニャン!!と目の前の時空が歪み、スキマが出現する。

 

紫「どう…………来る?」

 

スキマを背後にして話す。

 

そこに行けば本当に平穏が待っているのかもしれない。

そしてこの地獄から解放されるかもしれない。

 

しかし

 

「行かねェ………じゃァな」

 

紫を通り過ぎ、白い少年は真っ直ぐに歩いて行った。

その背中は小さく、どこか悲しくなるような冷たいもの。

だが、紫は知っている。

それは彼から距離を取って見た者からだと。

彼は優しい、例え命を狙われ悪意と憎悪を向けられているとしても

 

 

紫「…………また、会いましょ」

 

彼の背中を見た後、そう呟いてスキマの中へ消えていった。

 

 

そして、その七日後。

白い少年は学園都市と出会い、一方通行(アクレラレータ)と呼ばれる化け物となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「______________ま、こんな所かしら」

 

一方通行「その無駄に長ェ話を要約すると、ただ昔に五日間だけ一緒に飯食ったりしてただけだろ」

 

紫「ええ。なにか特別なことは起きなかったわ。だから何か期待してたらごめんなさい」

 

ただ、昔。

出会っていましたよー、と言っただけみたいな話をした。本当にそれだけ。

 

一方通行「してねェよ。なンか知らねェが気になったから聞いただけだっつの」

 

縦長の宴会テーブルにつき、目を閉じて軽い口調で呟く。

一つ、気になっていた事が解けた。

その些細なことが終えたのだ。

 

そしたら

 

『へぇ~……二人にそんな過去が』と、

一人や二人、三人ぐらいの声数じゃない。

無数の声が一斉に同じ言葉を放つ声が背後からだけと限らず前からも聞こえた。

 

一方通行「あァ?」

 

眠いからもうここで寝てしまおうと、瞳を閉じてたが開く。

するといつの間にか、あの騒いでた奴らだけじゃない。この宴会に参加した連中全員が一方通行の周りに集っていた。

 

一方通行「なに集まってやがンだ?」

 

紫「さあ?貴方の話が聞こえたからじゃない?」

 

一方通行「はァ?」

 

さっぱり分からん。意味不明なことを言われた。

だが一方通行はそれを無視して、また瞳を閉じる。

 

周りはうるさいが、それでも。

イライラなどしなかった。

逆に楽しいという感情が、内側から感じる。

しかしそれは顔には現れなかった。

 

一方通行「チッ、うるせェな」

 

さとり「貴方もうるさくすれば良いじゃないですか」

 

萃香「そうそう、バーっと飲んで」

 

ルーミア「いっぱい食べて」

 

大妖精「歌ったりして」

 

藍「途中休んだりして」

 

霊夢「とりあえず飲め!!宴会はそっから始まるのよ!!アレを見てみなさい」

 

チラッと一方通行は見た。

霊夢が片手に酒を持って指差した方向には

 

チルノ「あははははははははははははは!!!!アタイは最速最強ぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

顔を真っ赤にしてこの宴会場を、暴走したジェット機みたいに飛び回るチルノの姿が。

 

霊夢「アレぐらい酔いなさい、分かった?!」

 

一方通行「…………角で吐いてるぞ」

 

霊夢「え?…………えぇぇえええええええ!?コラー!!吐くなら外って言ったでしょ!?」

 

大妖精「大丈夫チルノちゃん!?」

 

ルーミア「あはは!!吐いてるー!!」

 

三人は吐いてるチルノのに駆け寄っていった。

 

一方通行「…………………オイ」

 

ほんの少し目を離した隙に、自分の前にはガラスのコップがあり透明な水が入っていた。

しかしそれは匂いで分かった。

これは普通の水ではない、アルコールが含まれる飲み物。すなわち酒。

 

一方通行「誰が置きやがった……」

 

妖夢「…………?」

 

幽々子「…………?」

 

紫「…………?」

 

橙「zzz…………」

 

藍「だ、誰でしょうね?」

 

一方通行「オマエだろ、藍」

 

最後の藍だけ顔を反らして言い、明らかに嘘を吐いた反応だった。

 

藍「違いますよ、ね。紫様」

 

紫「そうねー、一方通行が飲めるような弱い酒を自前で持ってきていてそれを注いだなんて、私は口が裂けても言わないわ」

 

藍「バッチリくっきり丁寧に全部言っちゃってるじゃないですか!?」

 

紫「ふふ、私ったら♪」

 

藍「何ですかそのわざとらしい反応はー、もー……」////

 

いじけた仕草をして照れていた。

そして一方通行はその話を聞いた後、ガラスのコップを持つ。

その瞬間、周りの女子達は動きを止めた。

 

妖夢「え………まさか…………」

 

一方通行「……これは弱ェ酒なンだよな」

 

藍「は、ハイ。とびきり」

 

一方通行「…………そォか」

 

そう呟くと、コップを口元まで運び。

そして酒を一口飲んだ。

 

皆はそれを固唾を飲んで見守っていた。

 

で、見守もられていた一方通行は

 

一方通行「……………………………………いける」

 

長い沈黙の後、ポツリと呟く。

 

その声が皆の耳に届くと、わーッ!!!!!!とまるでオリンピックで金メダルを取ったかのように騒がしくなった。

 

魔理沙「さぁー!!一方通行が酒を飲めた事に乾杯だー!!」

 

ステージに立ち、お猪口を掲げて叫ぶ。

すると

 

「「「かんぱーい!!!!」」」

 

次は皆が持っていた酒を掲げて叫ぶ。

 

一方通行「…………オマエら、それが言いてェだけだろ。チッ、くそったれ」

 

面倒臭そうな口調で呟くが、このバカ騒ぎにかき消された。

 

魔理沙「そーだ、一方通行。飲めるようになったんだ、他の奴らとも飲むよな?」

 

一方通行「あァ?そンな_____________」

 

魔理沙「よし!!順番に飲みに行くってよ!!お前ら待っとけ!!」

 

言葉は途中で遮られた。

そして了承してないのに、知らない内に話しは進み一方通行はこの宴会に居るすべてのグループと飲むことになった。

 

文句の一つ二つ。

いいや、百や二百と時間が経つにつれ出てくるが一方通行はそこでため息を吐いて諦めた。

半分はヤケクソだ。

 

この宴会にはグループが存在する。

例えば

今、居るグループは白玉桜グループ。

などとそういった感じだ。

 

そしてこの宴会にいるグループは、永遠亭。紅魔館。地霊殿。妖精達と妖怪達。守矢神社。博麗の巫女とその他。

一方通行はこれら全員と飲まなくてはいけない。

 

まずは

 

永琳「いらっしゃい」

 

一方通行「おォ」

 

永遠亭の連中が集まってる場所に来た。

 

永琳「無理して飲んでも大丈夫よ、良い薬があるから」

 

一方通行「それはオマエが持ってるビンのやつか。だったら遠慮しとく、ガッツリドクロマークある薬をハイそうですかっつって飲むわけねェだろ」

 

縦長の宴会テーブルの右側の中心に一方通行が座っている。その隣にてゐと輝夜。

左側には鈴仙、永琳、妹紅との順番だ。

詰まり一方通行の前には永琳が座っている。

 

一方通行「………っつゥか思ったンだが、順番に飲むってなンだよ?」

 

鈴仙「順番に移動して話す、ってこと」

 

一方通行「それはアレか、俺は毎回毎回移動する度に話のネタを探さなきゃいけねェのか」

 

てゐ「アハハハ!!まっじめ~!そんなの気にする必要なんか無いよ、ただあなたは一緒に飲めば良いの。ホラ」

 

そう言って取り出したやかんからコップに注がれたのは、ゴポゴポと泡が立つ猛烈に熱い赤い液体だった。

 

てゐ「さ……グイッ!と」

 

居酒屋に居そうな、気の効いた姉ちゃんのような、そのような表情で絶対に飲み物じゃないクソ熱赤液体を勧めやがったから、

 

一方通行「あァ_________って、飲むわけねェだろォがァァ!!!」

 

一度飲もうとする行動を起こした、だがそれはフェイクで隣にいるてゐの頭をガシッ!と掴み持ってるコップに入ってる液体をてゐの口に流し込む。

 

てゐ「ッ!!!ガッ!…………ボブバファッ!?ババババババババッッ!!!?」

 

一方通行「さァて一人片付いた」

 

一撃KO。

その赤い液体の正体は熱く温めたありとあらゆる辛いものを混ぜ込んだ激辛ジュース。

しかし、辛いわ熱いわでお口と喉は大パニック☆で、どんな猛者でも倒せる究極のイタズラ兵器。

 

鈴仙「いやいやいや!?一人ずつ片付けていくのが宴会じゃないからね!?」

 

一方通行「あ?なに言ってやがる。俺の宴会の最後の記憶はオマエらに無理やり喉奥まで酒をブチ込まれたやつだぞ?」

 

鈴仙「……あー、アレは一方通行が悪い」

 

妹紅「うん」

 

輝夜「うん」

 

永琳「関係ないけし、知らないけど私もそう思う」

 

一方通行「………四対一かよ」

 

コップを交換して、それに酒を注ぎ飲む。

 

一方通行「チッ…………」

 

妹紅「なー、一方通行。お前どうやって生活してんだ?」

 

輝夜「どうしたの急に?」

 

妹紅「気にならないか?仕事もしないで生活してるんだよ?」

 

輝夜「へー……たしかに」

 

永琳「どっかの誰かさんと一緒ね」

 

鈴仙「もう目で分かっちゃいますよ師匠。完璧その人に目がいっちゃってます」

 

一方通行「あン?輝夜と一緒にすンな、俺は働く必要がねェだけだ。前に金がたンまり手に入ったンだよ」

 

妹紅「なにそれ!?犯罪臭が凄いすんだが!?」

 

輝夜「いちいちソイツの台詞にツッコミをいれたらキリがないわよ?」

 

鈴仙「たしかにそうですね」

 

一方通行「まァ一応答えを言うと、何人も__________」

 

永琳「ストップ。その話はここではしないの」

 

一方通行「………チッ、酔いが回ってた。忘れろ」

 

ゴクゴク。

アルコール度数が低くても酒は酒。

飲み続ければ必ず酔いは回るもの。

オマケに一方通行は酒に弱い体質なのだ。

だが永遠亭の連中と酒を飲み、軽くおつまみを摘まむ。

 

輝夜「そろそろ移動みたいよ、行ってらっしゃい」

 

一方通行「あァ、いつかまた永遠亭に世話になる時が来るかもしれねェ。そン時はよろしくなァ」

 

鈴仙「了解よ」

 

永琳「いつでも来てね」

 

妹紅「途中私の所も寄れよな」

 

一方通行「覚えとく」

 

こうして永遠亭の人達と飲むことは終わった。

次に向かった場所は

 

フラン「やったー!!アクレラレータだ!!」

 

一方通行「さっきからずっとこの宴会場に居るだろうが………」

 

紅魔館メンバーが居るところ。

席は右側のまたまた中心で、フランとレミリアに挟まれた状態。で、左側にパチュリー、咲夜、美鈴、小悪魔だったのだが。

ここで急遽変更となった。

フランが「なんかアンバランス」と訴え

 

フラン「これでバランスが良くなった!」

 

一方通行「……オイ」

 

フランの席は一方通行の膝の上。

そしてさっきまでフランが座ってた席には小悪魔が座る事になった。

 

レミリア「フランの次は私ね」

 

フラン「良いよー!!」

 

一方通行「勝手に決めンな」

 

レミリア「咲夜…………」

 

咲夜「はっ」

 

名前を呼ばれ視線を向けられただけなのに、それだけで主の命令が伝わり行動に移る。

 

咲夜「…………どうぞ」

 

一方通行「なァ、コーヒー渡せば何でもやると思うなよ?」

 

レミリア・咲夜「えっ!?」

 

一方通行「本気で思ってやがってたか、クソったれ」

 

出されたし、飲むか。

だが彼の本心は咲夜の淹れるコーヒーが今まで飲んできた中で一番美味しく、金を払って飲みに行きたいほど。

そのため"飲むか"、じゃなく"飲みたいから飲む"。が正解。

 

酒を飲んでいたが、ここにきて一方通行はコーヒーを口にした。

やっぱり、俺は酒よりコーヒー。

そう確信したのは言うまでもない。

 

一方通行「でェ、ここでは俺は何をすりゃ良いンだ?」

 

フランが膝の上にいるのはもう良い。

退かすことは諦めた。

 

パチュリー「レミー達の話でも聞いてあげなさいよ」

 

一方通行「話ねェ……ンなもンあンのか?」

 

パチュリー「聞かれてるわよー」

 

レミリア「え?そうね。あぁ、前から聞いてみたかったんだけど、たまにうちにバイトしに来ない?」

 

一方通行「はァ?」

 

レミリア「正直あの家広すぎて、咲夜だけじゃ足りないのよ。他の使用人は全然使えないし」

 

美鈴「ちょっと待って下さい!!私は!?」

 

咲夜「居眠り門番は黙ってなさい」

 

美鈴「…………、はい」

 

しゅん、と。

枯れた花のように、美鈴は萎れた。

そしてブツブツと呟きながら酒を飲む。

 

レミリア「で?どうなの?返答は」

 

一方通行「………考えとく」

 

レミリア「そう。にしてもこれが言えてよかったわ、あんたって殆ど霊夢が連れ回してるじゃない…………少しは私の所にも来なさいよ」////

 

最後の方は小声になってしまう。

顔が熱くなるほど恥ずかしいが、それでも伝えたかった。

 

一方通行「?…………悪ィ」

 

おいおい嘘だろ!?

そんな言葉がどこからか、聞こえたが気のせいだろう。

一方通行は素直に悪いと思った。

何故かと、聞かれれば答えることは出来ないが。

 

レミリア「う~……恥ずかしい」////

 

咲夜「……お嬢様」

 

一方通行「……はァはァして鼻血を垂らすな、クソメイド」

 

それは変態と、蔑まれる領域に足を踏み入れた熱狂的なアイドルファンのような、危ない目に淫らな顔。

酒が入ってるせいか、今まで隠してた咲夜のもうひとつの顔が明らかになる。

 

小悪魔「我々紅魔館からすると、いつものことです。気にしないでください」

 

一方通行「何でここに来て、オマエがまともぶってンだよ」

 

小悪魔「生まれてからずっとまともですよ!!」

 

一方通行「…………常識人は勝手に人の家に住まねェよ」

 

小悪魔「うっ……痛いところを」

 

パチュリー「でも貴方よりはまともよ?」

 

小悪魔「パチュリー様………」

 

パチュリー「今日だって…………あれ?こあの、まともなエピソードが浮かばない…………」

 

小悪魔「って!!何ですかそのオチ!!上げて下げるパターンですか!?」

 

パチュリー「そんな大声出さないで、飲み過ぎた…………頭に響く」

 

小悪魔「パチュリー様?パチュリー様ぁぁあああ!?」

 

ぐらんぐらん、頭を回したと思えば後ろに倒れた。

パチュリーは余り外出をする方じゃない、それに宴会参加する柄じゃない。

無理をしたのか、してないのかは本人しか知り得ないがとりあえず休ませてあげよう。

小悪魔は倒れたパチュリーを気にかけ、氷水を作り側にいてあげる。

 

一方通行「そォいや宴会が始まって、どンぐらい時間が経ったンだ?」

 

自分の膝の上に座っているフランの頭の上に頭を乗せる。

もうなんだか何もかも面倒になってきた。

座ってることすらも。

 

咲夜「もうかれこれ一時間以上は経過したんじゃない?」

 

一方通行「まだ続くンだよな……これ」

 

フラン「嫌なの?」

 

一方通行「いや、俺の体はどこまで持つかなァ……てなァ」

 

美鈴「そのような心配はする必要がないかと。それに私達と一緒に飲む時間は終わりのようですよ、次に移動ですって」

 

一方通行「だ、そうだ。どけフラン」

 

フラン「…………もっと一緒に居たかったのに」

 

一方通行「オマエの姉に忠告されたとうり、オマエらにも顔を出す」

 

フラン「ホント?」

 

一方通行「あァ。もしかしたら、そン時は庭の掃除をしてるかもしれねェがな」

 

レミリア「……それって!?」

 

フランを持ち上げ横に座らせた。

そうすれば自分が立つ邪魔をする者は居ない。

 

一方通行は立ち上がり、次に向かう。

 

さとり「お待ちしてましたよ、どうぞ」

 

燐「あらら、顔が赤くなってますね。これ以上は酒を飲まない方が良いのでは?」

 

一方通行「安心しろ、最悪の場合俺のバックには毒薬がある」

 

燐「何で真顔で、背後に毒薬宣言…………」

 

お次は地霊殿のメンバーが集う場所。

一方通行はまたも姉妹に挟まれる。

そして反対は燐と空が座っている。

 

空「えっと……あくせら…………れーた?」

 

一方通行「良く覚えられたな鳥頭」

 

こいし「毎日紙に書いて覚えてたからね。楽勝だよね?」

 

空「はい!」

 

一方通行「楽勝って意味わかって使ってるか?」

 

こいし「簡単にできるってことでしょ?」

 

一方通行「そォだ。簡単に覚えれるやつは毎日紙に書くなンてしねェで聞いて一発で覚えれるンだよ」

 

こいし「そうなの?お空は毎日紙に書いても覚えられなかったものがあったよ?」

 

一方通行「…………どォしよォもねェな」

 

人それぞれに価値観というものが存在する。

ゴミクズを宝に見える者や、見えぬ者。

金貨がゴミで、塩が高価。

などなど。

 

それに似たようなものだ。

何度も書いて覚えたと、何度も書いても覚えられなかったもの。

何度か書いて覚え、楽勝と胸を張るのも。

 

こうゆう時の正解な答えは

 

一方通行「……しっかしアレだ。良く覚えられたなァ、素直に褒めてやるよ」

 

褒める。

柄じゃないとか、心の中で吐き捨てているが。

それでも言った。

 

別に一方通行は冷たい人か冷たくない人と問われれば、冷たくない人に分類される。

冷たい人が他者を助けるだろうか?

冷たい人は頼み事を引き受けるだろうか?

 

彼自身、自分をどう思ってるかは何となく分かるがそれでも。

この世界の意見からすると、温かい人の側に彼は立っている。

 

空「うん……、覚えたかったからすぐ覚えられたんだ」////

 

一方通行(………たった数文字を覚えられねェ、っつったら笑い話の元になるもンなァ________)

 

いい加減、気づけるだろうが。

と他の女性達は自分の中で呟く。

 

そして、ここでも言おう。

決して空は覚えの悪い方ではない。

頭の回転も悪くない。

しかし、それは自分が大事と認識しない限り、一般的な頭脳は働かないのだ。

毎日紙に一方通行と書いてたと言うが、それは彼に特別な感情を抱いてる故の行動。

 

こいし「…………」

 

さとり「…………」

 

空「うにゅ!?」

 

 

二人の姉妹が動く。

その行動に空は目を丸くした。

これが横に座る特権。

とでも語るような、そのような目を空に向けて、こいしとさとりは片方ずつ一方通行の腕に抱きつく。

姉妹は空が抱いてる感情は知っている。

しかし、それは自分もだ。

些細なことがきっかけだとしても、それでもこの感情は曲がりのない真の心。

家族もクソも関係ないというヤツだ。

 

ここで、一人。

この甘々な雰囲気に取り残されたのが燐だ。

さとり、こいし、空は何か楽しく一方通行を中心にやっている。

しかし、燐は一人でその楽しそうな雰囲気を眺めるだけ。

 

燐(…………楽しそうだなー。____________あ!!)

 

だがしかし、暇になった燐は見た。

それは

 

一方通行(……両手が使えねェから食えねェ…………)

 

テーブルの上にある宴会料理を、じっと見つめる一方通行だった。

燐はその姿を見て思い付く。

自分もあの三人と一緒にこの不思議な雰囲気に混ざる事が出来る方法を。

 

燐はすぐに行動に移す。

まず、一方通行が見ていた宴会料理を自分の箸で掴む。

それはローストビーフ。

男女問わず好きな食べ物と言っても過言ではない。

安いものは不味いが、この宴会に出された料理の数々は超高級品。

金持ちが二日に一回食べれるようなものだ。

そして燐はローストビーフを箸で掴んだまま、優しく微笑んで一方通行の顔の前に差し出す。

 

これは恋愛漫画やラブラブカップルが良くやる『あーん♡』である。

 

燐「さあ!どうぞ?」

 

一方通行「…………」

 

楽しそうだ。

そう、一方通行は思った。

しかし空やさとりにこいしは思考が止まってしまう。

 

燐「どうしたの?これが食べたかったんじゃないの?」

 

一方通行「………………」

 

こういう場合どのようにすれば正解なんだろう。

幻想郷最強にして、神より上の次元に君臨する一方通行は悩む。

これは悪意か善意かは分かる。

善意だ。

 

なら…………。

と、一方通行は首を前に動かし口を開きパクっとローストビーフを食べる。

 

一方通行「………これで満足か?」

 

食べたものを飲み込んだら、質問を燐に投げる。

 

燐「…………うん(まさか、ホントに食べるなんて………)」

 

一言の回答。

それとまさかの出来事。そのふたつが燐の頭の中に浮かび、答え。そして驚く。

 

しかしそんな燐は置いといて、さとりとこいし、空は黙っていられない。

自分達も箸を持ち宴会料理を掴む。

そして一方通行に料理を食べさせていた。

そんなバカバカわんこそばみたいにハイペースではないがそれでも一方通行はキツく途中で能力を使って脱出した。

 

こうして一方通行の移動時間と脱出時間が奇跡的にマッチして理想的な感じで逃げれた。

 

 

『あーん♡』も出来たし、彼と一緒に酒も飲めた。

さとり、こいし、空は十分納得して一方通行を次に見送る。

燐は一方通行に食べさした時に使った箸を眺めていた。

 

燐(…………一方通行、ね。ちょっと良いじゃん)

 

小さな、なにかが心の奥に咲いた。かもしれない。

 

 

 

 

一方通行が逃げた先は、、、

 

慧音「様子は……大丈夫そうだな。座りなよ」

 

ルーミア「どうぞどうぞ~♪」

 

チルノ「気持ち悪い…………」

 

妖精達と慧音が座るテーブル。

そこに一方通行は腰を下ろす。

 

一方通行「…………あァ?」

 

見ない顔が二人。

一人は肩まで伸ばしてない薄紫のふわっとした髪に禍々しいデザインの服を身に纏い、異様な翼と耳と爪と羽を持っていて羽の飾りが付いてる帽子を被っていた。

もう一人は首元までかからない位の緑色のショートカットヘアに甲虫を模したようなマントを羽織り、白いシャツと紺色のキュロットズボンを着ている子だった。

 

その二人は反対側に座っている。

一方通行の隣には慧音、そしてその隣に酔い潰れたチルノ。残りの大妖精とルーミアは反対側だ。

 

一方通行「知らねェガキが居るな。っつゥかさっきから聞きたかったが教師をやってるオマエはガキが酒を飲ンでる光景を見てもなにも感じねェのかよ?」

 

片膝を立てて横を向き、話す。

すると隣にいる慧音は首を傾げて

 

慧音「歳がまだ一桁の人間の子供がお酒を飲んでたら止めるがこの子達は妖精や妖怪だ。妖精や妖怪とか酒の年齢制限はないんだよ」

 

一方通行「でもガキはガキだろ」

 

慧音「まぁ、それはそうなんだがこれは日常的に起こる事だしね」

 

一方通行「……そォだったな、普通を求めた俺が悪かったな」

 

慧音「待て待て。この子達は普通の子供達同様、ちゃんと私の所で勉強してるぞ」

 

一方通行「……オマエは人里で寺子屋を開いてるンだったな、その中には妖怪や妖精のガキも居ンのか」

 

慧音「ああ、最初は人間の子供だけだったよ。けど暇してそうだったし無理矢理取っ捕まえて寺子屋にブチ込んだんだ」

 

一方通行「……………イイ趣味してるわオマエ」

 

その言葉は褒め言葉かじゃないかと言ったら、じゃない方だ。

一方通行は酒をコップに注ぎ、そして酒を飲む。

 

慧音「………だけどねもう妖怪は里には入れない、知ってるだろ。あの暴走者が里で大暴れした日から里の人間は妖怪を恐れ今日まで一人も妖怪を里に入れてない。だから、だからあの寺子屋とは違うまた別物の寺子屋が必要なんだ」

 

狂妖怪里防激戦のことだ。

あの日、里には狂い暴走する数々の妖怪を家の中で見た人間が多く居た。そして想像し、恐怖する。自分より、力が強く武器を持ってしても敵わない。

なのにまた妖怪が、里に攻めてきたらどうしよう。

もう一度、あの日のような事件が起きたら今回みたいに一人も死者が出ずにことを納められるだろうか。

こういう場合人間はプラスに考えない、最悪の結末。超マイナス的に考える。

そうした結果が、とある特別なルート以外は、容易に里に入れなくなってしまう。それは妖怪だけじゃない、人間以外の種族全員だ。

そのせいで、今日まで慧音は裏で努力をしていた。

誰に頼ることもせず、一人で必死に。

 

一方通行「……それで?」

 

慧音「森の中にもう一つ寺子屋を作ったんだ、雨の日は利用できないけど…………」

 

一方通行「あァ……だいたい察しがついた」

 

思い浮かんだのは大樹に黒板を張り付け、そしてその前には木製の椅子や机がセットで並んでいる風景だ。

 

慧音「この話も?」

 

一方通行「あン?なにかこの話には目標のゴールがあンのか?」

 

慧音「うん。実はキミにその森の中にある寺子屋で教師になって欲しいんだ」

 

一方通行「……………………はァ?」

 

頭がフリーズする。

それは電池が切れたロボットのように。

 

慧音「妹紅がな、頭の良いヤツを見付けたって言っててな、それがキミなんだが。それを私は聞いてキミに提案したかったんだ。新しくもう一人の教師になってくれって」

 

一方通行「……俺が教師?絶対似合わねェと思うが?」

 

慧音「いやバッチリ合っているよ。私は歴史は結構得意だが数学や漢字は一般程度さ。キミは数学や漢字はどうせ気持ち悪い程完璧なんだろ?」

 

一方通行「……オイ、俺にそンなドストレートに言いやがった路地裏のクソ共は壁の染みにしてきたぞ」

 

慧音「別に構わないぞ?それで教師をしてくれるならな」

 

一方通行「………………チッ」

 

慧音「答えはすぐにじゃなくて良い。ならべくゆっくり考えて欲しいからね」

 

一方通行「………分かった」

 

慧音「…………ありがとう」

 

体勢を崩した状態で上を向く。

考える時はこうしてなにもない所を見れば良く考えることができる。

そして、息を吐き次は下を向く。

唯でさえ今は酒を飲んで酔いも回っているのに、それでもこの件は慎重に悩む。

だがこれが一方通行だろう。

もうなにもかもに面倒になり、考えるのを止めた。

 

一方通行(…………)

 

慧音「そういえばあの二人に自己紹介させようか?」

 

一方通行「あァ?」

 

慧音「名前を知らない子と酒を飲むのも何か変だろ」

 

一方通行「この状況もう変だが………………」

 

慧音「それに関してはこれ以上ツッコむな、ややこしくなりそうだ」

 

一方通行「……そォですかァ、だったらもォなにも言わねェよ。好きにしろクソったれ」

 

慧音「よし。じゃあこのお兄ちゃんに自己紹介して貰おうかな」

 

そう言って名の知らない妖怪の少女の二人に視線を向ける。

二人は顔を合わせると、同時に首を傾げた。

しかしもし断ったものならあの半人半妖の手加減なしの頭突きがくるかもしれない。

それを想像すると顔が真っ青に染まる。

 

嫌だ。酔った状況で"アレ"を食らうと脳がぶるんぶるん揺れて気持ち悪くなって死ぬ。

いや冗談抜きで。マジで。

 

「………ミスティア・ローレライ」

 

「リグル・ナイトバグ、です」

 

慧音「……ありがとね。この人は一方通行(アクセラレータ)。って言わなくても知ってるか」

 

リグル「有名人ですからね。それに前の宴会でも会ってますし」

 

そう、前の宴会でリグルとミスティアは一方通行を目にしている。

だが、その時は既にあっちこっち移動してたり、大騒ぎしてたりで会話する時間はなかった。

 

ミスティア「それにチルノが普段うるさく言ってますからねー、『白くて細いのが一方通行だ!!』って」

 

一方通行「…………………………」

 

慧音「はははっ!!それは言ってあげるなよ、チルノの寿命が縮まりかねないから」

 

ピクリ。

自分の名を呼ばれたと感じたチルノはふらふら起き上がる。

 

チルノ「………んー?あたいを呼んだ?」

 

慧音「いいや。呼んでないからまだ寝てな、気持ち悪いんだろ」

 

チルノ「……うん………、だけどあたいも混ざりたいー」

 

一方通行「…………チッ」

 

舌打ちをしたらと思うと、一方通行は手をチルノへ伸ばし、肩へ触れる。

 

チルノ「……なにかあたいについてたー?」

 

一方通行「イイからじっとしろ。酔いが回ってていつもみてェには能力使えねェンだよ」

 

そして十秒、二十秒経過する。

すると、チルノは体の変化を感じた。

 

チルノ「……?あれ、気持ち悪く………ない?」

 

慧音「え?何をしたんだ!?」

 

チルノから手を離し、肘をテーブルについてる一方通行へ質問する。

たった手を触れただけなのに、顔色が悪かったチルノが突如復活したのだ。

疑問に感じるのは当然と言えば当然だろう。

 

一方通行「……酔いの元を分解した」

 

慧音「そ、そんな事もできるのか……」

 

一方通行「ベクトル操作はただ反射するしか能のねェ能力じゃねェ。向きがある限りなにもかもを操る能力だ」

 

慧音「なるほど、体の中の流れを操ってアルコール分解の時間を早めたのか」

 

一方通行「……そォいうことだ。良い勉強になったか、慧音先生よォ」

 

人を小バカした態度で笑う。

すると、慧音はぷくっと怒りを表情で表すが一方通行にはどこ吹く風だ。

 

『復っ活!!』とチルノはまた酒を皆で飲んでいる。

楽しそうに、愉快に、素敵に。

そのバカ騒ぎをなにか言うわけでもなく、黙って飲んでいると

 

ちょんちょん。

袖が引っ張られた気がした。

一方通行は誰も居ないはずの方へ向くと

 

大妖精「お隣いいですか?」

 

一方通行「……あァ、構わねェよ」

 

もう座っていたが、ちゃんと確認を取る。

そして一方通行の返答を返されると、礼を言って微笑んでいた。

 

大妖精「……あの、前から一方通行さんと話してみたかったんです。いいですか?」

 

一方通行「いちいちそォいう確認取る必要はねェよ。話してェ時はいつでも話せ」

 

大妖精「はい……、ではお言葉に甘えて」

 

コホン。

今からスピーチでもするかのように、真面目な顔をしていた。

 

大妖精「なぜあなたはご自身が元居た世界に帰らないのですか?」

 

一方通行「……………くだらねェな」

 

大妖精「……え?」

 

疑問に思っていたことを打つけてみると、まさかの一言。吐き捨てるように言われた。

 

一方通行「あっちの世界より、こっちの方が居心地イイからに決まってンだろ。まァうるせェのは五分五分だが、それでもこっちは俺が求めてたゆっくりする時間があるしなァ……ってのが理由だが、それで満足か?」

 

大妖精「……なんか、サッパリした理由ですね」

 

一方通行「人間なンてそンなもンだ。大抵動機はこンな感じにくだらねェ理由をぶら下げて動いてる」

 

箸を持った。

腹が少し減り、食べ物でも口にしよう。

だが

 

ルーミア「これいただき!!」

 

ルーミアに取られてしまう。

しかし大丈夫。

まだまだ肉料理はある。

 

だがだが?

 

ルーミア「これもこれもこれもこれも!!」

 

一方通行「…………」

 

次々と取られ、一方通行は箸を握り黙るだけだった。

その光景を見ていた今自分のいるテーブルに座る者達は皆笑っていた。

 

リグル「あははははっ!!ごめんなさい……笑ってはいけないと思うんですが…………ック、ははははは!!」

 

ミスティア「…………ぷっ。ハハハハハハッ!!全部取られてる!!」

 

チルノ「アハハハハハハ!!一方通行が負けた負けたー!!」

 

大妖精「ッ~~~~!!!っ、ハハハハハハ!!」

 

慧音「わざと譲ってあげたのか!?優しいな!!ははははははは!!」

 

一方通行は箸をバギッ!!とへし折る。

だが怒りが沸き上がるのでなく、ため息しか出なかった。

 

一方通行「チッ…………」

 

その後はそれが切っ掛けでリグルやミスティアも、気軽に話しかけてきた。

噂では最強など、無愛想など言われてるが話してみればそうではない。

 

優しく受け答えをちゃんとする、一人の少年だった。

 

 

そして楽しい時間は経ち、一方通行の移動時間が来る。

手を振られ見送られ次に移動する。

 

 

 

そこは。

 

神奈子「よー!!待ってたぞ」

 

諏訪子「待ちくたびれるぐらいね」

 

守矢神社の神様と巫女がいる場所だ。

一方通行は諏訪子と早苗が座ってる方じゃなく神奈子が居る方へ座る。

 

一方通行「やっぱり、そいつはダウンか」

 

諏訪子「……一口か二口目ぐらいでかな?」

 

一方通行「クソ弱ェじゃねェか」

 

諏訪子「違うよ、これは神奈子が強い酒をイタズラで何も言わず注いでそれを飲ましたからだよ」

 

神奈子「ほら、ピーマンとか黙って食べさせると克服できるじゃない?そのノリでやってみたんだけどね」

 

一方通行「その理論で何でも克服出来りゃ、この世の中の奴らは好き嫌いがなくなるぞ。だが何故好き嫌いがまだあると思う、それが間違いだからだ」

 

神奈子「そう詳しく言うなよ、ノリだよノリ」

 

一方通行「ノリかァ……酔っぱらいは怖ェな」

 

諏訪子「神奈子、もう二度としないでよ?」

 

神奈子「はいはい」

 

何と適当な返答だろうか。

手をふらふら降って、まるで聞こえてないのに受け答えする若者のような反応。

その適当な神奈子を見た、二人は

 

一方通行「こりゃァ次もやるぞ」

 

諏訪子「間違いなくね」

 

これ以上ない確信を持つ。

 

一方通行「___________ったく、頭回らねェ時にこう面倒事を増やすなよ」

 

舌打ちをして、立ち上がる。

壁に座る早苗の近くにしゃがみ、頬に手を当てた。

今回もチルノと同様、ベクトル操作でちょちょいのちょいだ。

 

早苗「…………っ、私は……寝てたんですか?」

 

諏訪子と神奈子は驚いた。

すると一方通行はまた、丁寧に自分の能力の紹介をしてもと居た席に座る。

ここで諏訪子が一つの疑問が

 

諏訪子「ベクトル操作で酔いを治せるなら、何でそれを自分に使わないの?」

 

ごもっともな質問だ。

酒に弱い体質でも、ベクトル操作でアルコールを分解しながら飲めばガブガブ酒をジュースの如く飲めるだろう。

一方通行はそれを出来る。酔いが回っても、その程度の演算は簡単だ。

しかし

 

一方通行「俺がそれをしねェのは、ただムカつくからだ」

 

諏訪子「ムカつく?誰を?何に?」

 

神奈子「?」

 

ここだけの話だ。

一方通行がムカつくのは自分と皆にだ。

酒に酔ったからといって能力を使うのは、嫌だ。

まるで『自分はこれが弱いです』と自己紹介でもしてるみたいだから。

皆に、とは。それは多分、アルコール分解に一方通行が能力を使おうものならバカにして笑うだろう、周りの連中が。

これは未来予知をするまでもなく、脳裏に浮かぶ光景だ。

まあ、実際はこの二つの理由は小さいことなんだが。

彼が一番に思うのは、『皆と一緒に何の小細工無しで酒を飲みたい』これが本当の理由。

しかしそれは胸に秘めておく。決して言わない。

 

 

一方通行「………オマエらで考えろ」

 

早苗「……あの…………」

 

吐き捨てるように呟くと、声がした。

 

一方通行「あン?なンだ?」

 

早苗「一方通行さんが酔いを治してくれたんですよね。ありがとうございます」

 

一方通行「あァ。次からは、ちゃンと飲むもンは自分で注いで飲め」

 

早苗「あははは……。そうします」

 

神奈子「隙を私に見せたら最後だぞ?」

 

諏訪子「早苗は私が守る!!」

 

神奈子「過保護過ぎるのは良くないぞ。我が子を思うなら崖から突き落としてもだな成長を______」

 

諏訪子「____早苗を百獣の王に育てるつもり!?」

 

わー!わー!と。

いつもどうり、宴会でも守矢神社に居るときでも同じテンションで会話する。

途中途中笑い、怒りなど。色んな感情を表して。

 

早苗「一方通行さんはお体大丈夫なのでしょうか?」

 

一方通行「……生憎絶不調だ。これ以上は限界だな」

 

早苗「少しでも気分が良くなるように、氷水を作ったんですがどうぞ」

 

ガラスのコップから水滴が垂れる。

そのコップを揺らせば、カランカランと氷とガラスコップが当たる音が響く。

 

一方通行「…………………………」

 

黙って、その差し出されたコップ受け取り、飲む。

喉を通るのは、キンキンに冷えた氷水。

この水をがぶ飲みしようものなら、かき氷を頬張った時のように頭痛が起こるだろう。

だから、一気に飲むのではなく一口。

そう一口だけ飲む。

それだけだが気のせいか体が少し落ち着き、それが凄く気持ちいい。

 

一方通行「……これで毒薬を飲まずに済ンだな」

 

早苗「ど、毒薬!?この後そんな危険なものを飲もうとしてたとは…………驚きですよ!」

 

一方通行「そンなンで驚いてたら今後生きていけねェぞ。ところでオマエのとこはなにか問題ねェのか?」

 

早苗「どうしたんです急に?」

 

一方通行「ここに来るまでに頼み事を聞いてきてな。もしかしたらオマエ達もあるンじゃねェかって」

 

早苗「私達はないですよ。参拝客も増えてきてますし……ですよね?諏訪子様、神奈子様」

 

諏訪子「ん?ああ、うん。特にこれに困ってるってのはないよ」

 

神奈子「強いて言うならたまに顔を見せろってぐらいじゃない?」

 

一方通行「オマエ達もか。分かった、たまにで良いなら可能だ」

 

諏訪子「にしても珍しいね。どうしたの?」

 

一方通行「……気紛れサービスだよ。くそったれ」

 

言いたくない台詞だ。

だが、たまには良いだろうと思う自分も居るのも事実。

全く幻想郷やこの世界に生きる連中は不思議だ。

思いもしなかっただろう。

一方通行自身、こうも自分が変わるとは。

 

神奈子「ふふっ、そうか。ならその気紛れついでに私が飲む酒を飲むか?」

 

一方通行「お断りだクソ女」

 

諏訪子「私が飲むお酒は優しいよ?」

 

早苗「氷水はまだあります」

 

一方通行「あのなァ……。氷水は万能薬じゃねェぞコラ」

 

今までではここが一番静かに酒を飲めた。

一方通行は宴会が終わってもそう思うだろう。

騒がず、叫ばず……

ただ神奈子や諏訪子や早苗の話を聞いて、自分も話して、と。

そんなこんなで時間が経った。

 

早苗「おや、そろそろ移動時間のようですね」

 

諏訪子「次は大変そうだね………」

 

神奈子「ありがとね楽しかったよ。行ってらっしゃい」

 

一方通行「あァ……俺も、悪くはなかった」

 

小さく呟き立って、次に行ってしまった。

勿論、三人は一方通行の声は聞こえていた。

だから、彼の言葉を聞いてくすっと笑う。

別にバカにしたとかじゃない。

純粋に嬉しかった。それだけだ。

 

 

 

 

 

 

さて、お次が最後の席。

 

霊夢「随分と遅かったじゃない。途中で酔い潰れたかと思ったわ」

 

魔理沙「まったまた~。心配してたの間違いだろ?」

 

霊夢「…………」///

 

にとり「よ!盟友!」

 

萃香「まだ飲めるか~?」

 

一方通行「……少しならな」

 

腰を下ろした。

この宴会場で一番大きなテーブル。その端に一方通行は座っている。

 

こころ「…………久しぶり」

 

一方通行「おォ。表情を変えられる旅は順調か?」

 

こころ「全然」

 

隣に居たのはこころだった。

 

こころ「あなたはまた今回も大活躍らしいね」

 

一方通行「あァ、クソったれ」

 

神綺「あら、お二人で何の話?」

 

一方通行「……これといったことでもねェよ」

 

正面には神綺が座っていて、その隣にアリス、魔理沙、霊夢との順番。

一方通行の側はこころから、にとり、萃香、幽香の順番だ。

 

神綺「そう。ならこんなに集まってるんだし、皆でお話しましょう」

 

一方通行「………構わねェ」

 

幽香「こういう場合、言い出しっぺが話を降るんじゃない?」

 

神綺「……そうね。うーん…………」

 

分かりやすく悩んでいる。

『よし話せ』と言われてすぐに答えれるほど頭は回らない今の現状。

結構厳しい。

だがしかし、言った責任は取らなくては。

 

悩み抜いた結果。口を開き

 

神綺「話題が思い浮かばないから“王様ゲーム”でもする?」

 

ここで説明しよう。

王様ゲームとは、メンバーが五~十人程度で行えるゲーム。

必要なのはメンバーとくじである。

くじとは割り箸などで作る。

作り方は簡単。割り箸に一つだけに王様の印を付け、その他は番号が書く。

そしてその王様の印があるくじを引いた者は説明不要だろうが王様だ。

くじで決まった王様は「○番が○で○○をする」「○番と○番が○○をする」などの「命令」を出す権限を手にする。

王様の命令は絶対。これは何が起きても変えられない。

それと命令を下した後の命令変更も。

それではその説明を神綺して、やるかやらないかと多数決を取ると面白そうだと言って半数以上が手を上げ、ゲームをやる事に決定する。

 

神綺「さて、手を上げなかった三人。多数決よ、分かってるでしょうね?」

 

幽香「これが数の暴力ね」

 

アリス「……はぁ、まさにその通り」

 

一方通行「…………嫌な予感がすンだが」

 

魔理沙「まぁまぁそう言うなよ。もしかしたらめちゃめちゃ面白いかも知れないぜ?」

 

それではスタートだ。

やる回数は三回。

だが予想以上に盛り上がったら、無限にやるらしい。

 

神綺「それじゃあ良い?」

 

じゃらじゃらと、神綺は割り箸を両手で持って混ぜる。

これで番号や王様の印がどこにあるかは、分からない。

 

神綺「もう一度言うけど、引くときは一斉。それに掛け声は『王様だーれだ?』よ」

 

そしてテーブルの真ん中に両手を差し出す。

すると各々の決めた割り箸を掴む。

 

「王様だーれだ(ァ)?」

 

一斉に引かれた。

割り箸を両手で持っていた神綺は自動的に残ったのを選ぶことになる。

これは、またまた『言い出しっぺだし』との理由で決まった。

 

そして皆が自分の割り箸を見ると

 

アリス「あ、私が王様だ」

 

魔理沙「おー!運が良いなアリス!」

 

霊夢「で?命令は?」

 

笑顔でアリスを褒める魔理沙とは違い、霊夢は冷静に質問をする。

 

アリス「なににしましょ?」

 

こころ「何でもいいんだよ」

 

萃香「○番がお酒を飲むとかでも良いよ~」

 

にとり「だけど死ねとかは無しだよ」

 

一方通行「にとりオマエ急にどォした?」

 

アリス「…………王様が○番に、とかは良いのですか?」

 

神綺「んー。それも盛り上がりそうだし大丈夫にしまょうかしら」

 

アリス「ということはオーケーなんですね」

 

ここでピキーン!!とアリスは閃いた。

王様が命令を下すと言っても、それは罰ゲーム。

だからなにか苦しまなくてはならない。

 

それで、アリスが閃いた罰ゲームとは…………

 

アリス「じゃあ私の全力擽りを七番が二十秒間耐える」

 

霊夢「うわっ……、本物の罰ゲームキタコレ」

 

八番と、書かれたくじを見てほっとしながら話す。

 

魔理沙「良かったぜ。私は2番だぜ」

 

こころ「残念だ。擽られたら私の表情変わるか知れたのに私は6番だ」

 

萃香「おや……7?いや1番か?」

 

にとり「1番だよ。私は5番、っと」

 

幽香「4番よ」

 

一方通行「で、俺が3番っつゥことは…………」

 

チラッ。

皆の顔がここまで喋ってないヤツヘ向けられる。

 

神綺「私が7番よ」

 

アリス「そうですか。神綺様ですか…………」

 

神綺「え?なにその極悪な笑みは!?遊びよね?軽くよね?なになに!?なんか私アリスちゃんに酷いことした!?」

 

そんじゃ、罰ゲーム執行。

皆が見るなか、アリスは持ってる人形全てを操り全力で神綺を擽る。

すると

 

神綺「あひゃははははははははは!!!だ、ダメ!!こきゅ、こっ、呼吸が!!!アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」

 

笑い転がる神綺をこれでもかと、いうぐらいアリスが操る人形が擽る。

そして二十秒が経過すると

 

神綺「……はー、はー、はー、はー、…………笑い死ぬところだったわ」

 

幽香「そんな死に方は十分幸せじゃない?私はアレで死ぬのはゴメンだけど」

 

アリス「ふぅー……。スッキリした!」

 

魔理沙「アリス。お前に一体何が………?」

 

萃香「あのぐらいの罰ゲームか。王様になれたら楽しそうだね」

 

一方通行「______あン?」

 

ここで一方通行は足元に何かが落ちてることに気付く。

感触は布で、大きさはまあまあデカイ。

そんな物、この宴会場で落ちてるとしたら……

もしかしたら、これは人形だ。

神綺が暴れるものだから擽る人形が吹っ飛ばされたんだろう。

一方通行は足元に転がってる人形を拾った。

 

一方通行「……オイ人形、落ちてたぞ」

 

アリス「ありが_______あぁぁぁぁぁあああああああああああああああ!!??」/////

 

一方通行が渡してきた人形をアリスは見ると赤面して、慌てて彼から奪い取る。

その光景は皆から見ても異様な光景だった。

 

一方通行「あァ?そンなに大事なもンなのかよ…………だがあの人形なンか__________」

 

アリス「黙って黙って黙って!!何も言わないで!!」

 

こころ「一方通行に似てたー」

 

その一言に…………

 

アリス「ッ~~~~~~~~~~~~~!!!!」

 

頭から湯気が出る程顔を真っ赤にアリスはなる。

別に一方通行は何も思わないが、それでも彼女にとっては今期最大の事件になってしまう。

 

さて、気を取り直して

 

「王様だーれだ(ァ)?」

 

次々とくじを引っこ抜き、印を見る。

 

にとり「やった~!!王様~♪」

 

萃香「命令は決まってるの~?」

 

にとり「うん。王様になったらって考えてたんだ~♪」

 

ニコやか爽やかスマイル。

だが、それが王様になってからの笑顔で不気味で仕方がない。

他の者達は自分の番号が呼ばれないように、じっとにとりを見る。

 

幽香「それじゃあご命令を、王様」

 

にとり「八番と一番が今から私の発明した物の実験台になる」

 

神綺「……え?」

 

アリス「まさか、またですか?」

 

神綺「いいえ、三番よ」

 

次に八番と一番が名乗る。

 

一方通行「俺が八番だ」

 

こころ「私は一番」

 

にとり「成る程。面白い実験になりそうだ」

 

そう言って大きな真ん丸のリュックから取り出したのはカラフルな花の装飾と河童のマークが入った縦三十センチ、横十二センチの赤いガラスが煌めく飲み物サーバー。脚はくるんと丸くなってる棒状の鋼で、その飲み物サーバーの中心には小型の蛇口が付いている。

にとりはその飲み物サーバーの上の蓋を取り、適当にそこら辺の酒を中に注ぐ。

 

にとり「………これはね。どんな飲み物でも、変換させる不思議な発明品!!さあ飲んで!!」

 

じょぼじょぼじょぼ、と。

飲み物サーバーからコップに入れ、そのコップをこころと一方通行に渡す。

 

にとり「美味いか不味いかは運だよ」

 

霊夢「随分楽しい発明したわね」

 

萃香「今日の為だけに作られたみたいな機械だね~」

 

魔理沙「はははッ!!確かにな」

 

皆が見守るなか。一方通行とこころは、ぐっと何も文句を言わず一気に飲み干す。

すると

 

こころ「…………?ちょっと苦いだけかな?」

 

反応は微妙。

だがこれはこころに問題があるだろう。

彼女は表情の変化が全くとは言えないが、そこまで変わらない。

……………………失敗か。

そう思うと

 

一方通行「__________がっ!?クッッソ!!!甘ェェェェえええええええええ!!!!…………バカですかァこりゃァ!!?」

 

結構なリアクションを頂けた。

一方通行の顔は青くなり、急いで近くにあったコップを取り口直しをする。

こころが飲んだのは抹茶程度の苦さ、しかし一方通行が飲んだのは砂糖水より百倍甘い水。

糖尿病になるんじゃないかと心配するレベルの甘さだ。

 

一方通行「……ウッ、吐きそうだァ………マジで……………………」

 

アリス「………そんなに甘いの?」

 

魔理沙「あの顔を見てみろ、冗談抜きでヤバいぜ」

 

にとり「うんうん。実験大成功!!」

 

一人はご満悦だが、あの一方通行がこんな反応するとは。

他の者達は、にとりの発明品に恐怖を抱かざるを得なかった。

 

霊夢「さーて3回目よ」

 

にとり「イエーイ!!」

 

ノリノリな者も居れば、そうでは無い者。

簡単な区別だ。罰ゲームを受けたか受けてないの違いだ。

 

「王様だーれだ(ァ)?」

 

また各々のくじを引く。

そして王様になったのは

 

神綺「わ・た・し♪が、王様~!」

 

幽香「(この中で一番王様になっちゃいけないヤツが王様になったわ………)」

 

神綺「ん?なにか言った」

 

幽香「…………いいえ」

 

空気が静まり返る。

先程の幽香の台詞。それはこのメンバー誰もが神綺が王様になった瞬間全員が頭に思い浮かべた言葉だ。

本当にヤバイ。こういうゲームの提案者は、にとりのように『私が王様になったら』と考えは必ずあるもの。

しかし、にとりの命令の方がまだマシだったって、後々そう言うかもしれないと。思ってしまう。

ドキドキと胸の鼓動がうるさい中、神綺は命令を下す。

 

それは

 

神綺「こういうゲームのお決まり。一番と二番がキスよ♪」

 

カチン!!と氷のようにこの場が凍る。

しかし次の瞬間

 

萃香「私二番~」

 

一方通行「……俺が…………一番だ」

 

『……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 』

 

数値が計り知れない衝撃が彼女らを襲い、完全に頭を真っ白にする。

頭の中はホワイトアウト。

そう例えれば、もっとお分かりになるだろう。

 

萃香「……じゃ、やる?キス」

 

一方通行「…………オ_______________」

 

神綺「___________ストップストップーッ!!命令変更!!」

 

萃香「……?急になに?」

 

神綺「絶対ダメ、それはダメー!!」

 

魔理沙「王様が言ってんだ…………、そうだよな。うんうん」

 

霊夢「王様が言うんだし?………………ね」

 

にとり「あの……その、め、盟友…………」

 

幽香「ここは王様の命令に従って、命令変更ってことに…………」

 

こころ「命令変更。良い」

 

アリス(う、ウソ。一方通行が……き、キス!?)

 

ここで一発。

命令変更を推してくる者達に、萃香の重い口撃(こうげき)が繰り出される。

 

萃香「"命令をしてからの命令変更は出来ない"だったっけ?」

 

一方通行の隣に萃香は立つ。

そして

 

萃香「さ、ちゃっちゃと済ませちゃおう?」

 

瞳を閉じた。それを意味するのは一つ。

 

一方通行「……チッ、嫌な予感的中だくそったれ。だがすぐ済ませるのは賛成だ。こォいうのは長引かせれば長引かせるほど、面倒な事になるからなァ」

 

一方通行は立ち上がり、萃香の方へ体を向ける。

容姿は小さく、幼く見えるがそれでも。一般的な男性は一方通行が見る景色を見るだけで、理性が崩壊し男という獣になるだろう。

だが、彼はそうはならない。

 

面倒臭そうに、目を閉じる萃香の口に自分も瞳を閉じて唇を近付けると

 

「それはダメェェェェえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」

 

と、王様ゲームメンバー以外も含めた叫び声と共に弾幕が一方通行に放たれた。

 

一方通行はというと、その叫び声に目を開け叫び声がした方向へ振り向いた。

するとどうだろう。手加減なんて一切なしの、全力投球の弾幕が自分の方へ撃たれていた。

それからの行動は萃香の前に立ち、自ら盾となった。

ここで一つ、情報が。

現在、一方通行は酔っ払っている状態。そのせいで自動反射は解けている。

 

一方通行(………クソッ、結局俺の宴会の最後は…………!!)

 

ドッガーン!!!

テーブルや食器。それに床がバラバラに吹っ飛び、その威力の弾幕をまともに食らった一方通行は壁へノーバンで激突し、気を失う。

 

庇ってもらった萃香は無傷で事なきを得た。

その後、破壊してしまった物を皆で片付けたそうだ。

一方通行はギリギリ破壊を免れたステージに移動され、そこで寝かされていた。

 

萃香「あ~あ。あともう少しだったのにな〜」

 

霊夢「え?アンタもしかして………?」

 

萃香「ははは!!ライバルが多いね。私も、霊夢も」

 

弾幕の全力発射事件は水に流し。

一方通行が気絶中も、この宴会は朝方まで続いた。

だが寝ずに飲み続けれた者は居なく、そっこらへんで皆雑魚寝して宴会終了となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方通行「……………………ン……」

 

パチリ。

目を開けた。

自分が弾幕を受けたことは記憶にあり、それで気絶した事を覚えてる。

 

一方通行は上体を起こしてから立ち上がった。

周りを見れば宴会メンバーが雑魚寝してる姿がちらほら。

しかし、それを何にも思わないで雑魚寝してるやつらを踏まないように歩きこの宴会場から出た。

外に出てみれば木が鏡合わせのように植えられていて、その間を通れるように大きな土の道が続いている。

空を見れば青と水色に染まっていて、灰色の雲に隠れた太陽の光が漏れていた。

いつもは一方通行はこんな早く目覚めない。だからこのような景色を見たのは記憶に無かった。

でも、その景色に見惚れるとかの感情はなく、ポケットに手を突っ込んで土の道を歩いて行った。

 

歩いていると、正面に人影が

 

一方通行「………紫」

 

スキマ開き、それをベンチのように座る妖怪の名を呟く。

 

紫「…………」

 

一方通行「…………」

 

なにも言わない紫の前に一方通行は立ち止まった。

 

紫「……ねぇ、楽しかった?」

 

一方通行「…………」

 

紫「黙り……。そうやって、楽しいとか嬉しいとか言わないわよね貴方は。少しは良いんじゃない?過去に何があったって楽しかったら笑って、嬉しいなら嬉しいって言って」

 

一方通行「……そンなことを言うためだけに、待ってたのかよ」

 

紫「そうよ。貴方はあの子達の好意は受け入れているけどそれを貴方は向けない。今は上手くいってるように見えるでしょう、だけどそれが今後ずっと続くとは私は思えない。だってそうでしょ?自分達は信頼しているのに、自分達は好意を向けているのに、貴方はどう?守るだけ?そうやって黙って去ってピンチになったら颯爽登場してまた守る。コミュニケーションを深めようとしてない…………いや、それを恐れているのかしら?一方通行」

 

一方通行「…………お説教か」

 

顔色や表情に変化はない。

 

紫「そう説教よ。いつまでそうしてるつもりなの?良いのよ。ここは幻想郷。学園都市第一位の最強の一方通行なんて知らない。あなたは幻想郷の住人の一人でしょ」

 

一方通行「……それで、違う世界に行ったからって俺の過去の罪を忘れろってか。ふざけンなよ、そンなに罪ってのは軽いモンじゃねェンだよ。まして歳が一桁の時から命を奪って生きてきたバケモンが俺だ。そンな俺が好意を向ける?良い訳ねェだろォが」

 

余りにも罪が重すぎる。

一人の少年には背負いきれない程に。

しかし、それでも一方通行は決して罪を投げ捨てないで背負い続けると誓った。

この世界で光を見たから、それで過去の過ちに気付いたから。

 

紫「別に罪は忘れろとかは言ってない。覚えておきたいなら覚えてれば良い。だけどね、一方通行。覚えておいて、今のままで居るとあの子達との関係は必ず崩壊するわ」

 

一方通行はその言葉を聞くと、舌打ちをして紫の隣を通り過ぎた。

だが、紫から二メートル程度の離れた所で足を止める。

 

一方通行「______俺とオマエは出会うべきじゃなかった」

 

紫「えっ?」

 

驚き、スキマから飛び降りて振り返った。

すると、空の状況は変化していて雲の中から発せられる太陽の光が薄くなり一段と空が暗くなっていた。

白い少年の姿は薄暗く、光がなくてはもしかしたら見失うかもしれない。

 

一方通行「____________」

 

全てを話した。

学園都市が紫の開いたスキマの跡からこの幻想郷に侵入したことを。

そして、そこから思考して出した結論を。

 

紫「そんな……。私のスキマが開いた場所から………?」

 

一方通行「あァ。だからこれからを考えンなら学園都市にスキマを開くなよ」

 

そんな台詞を最後に姿を消した。

一方通行は帰る途中、自分が学園都市で開いてしまったスキマを考えていた。

それで、アレイスターはスキマ跡を利用して刺客などを送り込んで来るだろう。

なら、それらを潰してやる。

全て()ね除けてやる。

一方通行は折れない覚悟を決め、今日も幻想郷で生きる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫(私が……幻想郷をこんなにした元凶?でも、それを知っていてもあなたに会えるなら私は………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






一方通行は幻想郷で平和に過ごしていた。
だが……幻想郷の平和を破壊する『奴ら』が来た。






第四章・【純黒(じゅんこく)に生きる侵略者】






(俺は、なにを言われてもアイツらを守り抜く!!)

「この俺に……『未元物質』に常識は通用しねぇ」


結末は………?
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