幻想郷を一方通行に   作:ポスター

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やっと……やっと…………………

書き終わったぜぇぇぇえええええ!!!

っということでお久しぶりです
小説を書くとは違う趣味と仕事で小説を書けなかったポスターでございます。
いや~……仕事が忙しいんすけど休みはちゃんとあるんですよ?
ただ休みを全てこれとは違う趣味に使ってしまったため書けなかった………………
あ、仕事終わりに書くなんて無理です
仕事から帰ってきたらもう家で死んでますから

……ってオイオイ私の言い訳なんて誰も聞きたくないよ


さて、ようやく一段落つきこの物語を進めて行こうかと思います。
…………が?こっそり裏で違う小説を書こうと計画中







今まで待っててくれた方々本当にお待たせしました。
最近読み始めた方々だけじゃなく全ての方々、これの更新は相当遅いから私以外の素晴らしい小説をお読みになってください。

でも読むぜっという仏のような方々
多分というか絶対誤字があります
ですから発見した場合はお暇な方だけ報告してくれると助かります。


…………フッ、自分だったらこんなクソカスなヤツの小説は読みませんね


2話

一方通行「………………」

 

朝、目覚め自分で淹れたコーヒーを椅子に座って飲んでいると玄関ドアを叩く音が聞こえた。

一方通行はコップを机に置き、玄関に足を運ぶ。

そしてドアを開けた。

 

そしたら

 

美鈴「おはようございます」

 

一方通行「…………なンの用だ?」

 

美鈴「実は、レミリアお嬢様からの頼み事をお伝えに来ました」

 

一方通行「レミリアからの頼み事だと?」

 

美鈴「はい。お話を聞いてくれますか?」

 

一方通行「……話せ。それから考えてやる」

 

美鈴「あ、はい。今日、咲夜さんが風邪で倒れてしまい紅魔館が大ピンチなんです。それでお嬢様がこの危機を打破するために出した結論が一方通行さんなら咲夜さんの仕事をこなせるじゃないか、っと言う事で、今日だけ。今日だけで良いのでメイドの仕事をしてくれないでしょうか」

 

一方通行「なンだ簡単じゃねェか、咲夜のとこに案内しろ。俺が治してやる」

 

美鈴「それは困ります!!」

 

一方通行「はァ?」

 

美鈴「あ、あの……咲夜さんは最近全然休まないで働きっぱなしだったので休んで欲しいんです。それで今回、風邪を引いたのでそれを理由に、お嬢様の優しい気持ちで一日休ませたいと…………」

 

一方通行「つまり、全然休まねェ咲夜が風邪を引いて倒れたからそのまま一日たっぷり休ませてェと。それで俺が咲夜の変わり使用人の仕事を……か」

 

美鈴「こんな面倒な事をお嫌いなのは重々承知してます。ですが、どうか…………」

 

深々と頭を下げる美鈴。

それを目の前にした一方通行は

 

一方通行「チッ……。分かった、頭を上げろ。そォいや紅魔館に顔を出すって約束してたし、それのついでにやってやるよ。だが咲夜の仕事をやるっつってもあのメイド服は着せられねェよな?」

 

美鈴「あ、はい。多分一方通行さん専用の使用人服が渡されると思います」

 

一方通行「…………私服で仕事は禁止なのか。そォいう所はこだわってンだなァ」

 

こうして、今日一日紅魔館で使用人の仕事をすることが決定した。

しかし面倒臭がりな彼がこういうのを引き受けるのはとても珍しい…………

いや、一方通行が珍しい事をするのはもう今更か

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吸血鬼が支配する紅魔館。

一方通行は美鈴と共にその館の玉座の間にいた。

そして二人の前方に存在する玉座にはこの怪しくも美しい紅魔館の主、レミリア・スカーレットが座っている。

 

美鈴「お嬢様。一方通行様をお連れしました」

 

レミリア「ご苦労様、持ち場に戻りなさい」

 

美鈴「承知しました」

 

そして美鈴は一方通行を玉座に連れ、ちょっとレミリアと会話したと思ったらすぐにペコリと頭を下げた後、部屋を出て自分の持ち場である紅魔館の門へ行ってしまう。

それを見送った一方通行は

 

一方通行「で?呼ばれて来てみたが具体的に俺は何をすればいいンだ?」

 

レミリア「う~ん、一から十まで説明したいんだけどその前に使用人服に着替えてくれる?」

 

一方通行「メンドくせェ、このままじゃダメなのかよ」

 

レミリア「別にいいんだけどね。用意しちゃったしホラ、勿体ないでしょ?」

 

一方通行「……わざわざ用意しやがったのか。チッ、しょうがねェ。どこにあンだ、服は」

 

レミリア「口で説明するの面倒だからついて来て」

 

そう言うとレミリアは玉座から立ち上がり、宙を飛んで広いこの部屋の扉の前まで行き

 

レミリア「じゃ、行きましょ」

 

扉の前で地に降り、扉を両手で開ける。

そして紅魔館の赤い廊下を進み、その後を一方通行は歩いて付いていく。

 

歩き続けること9分。

二人は普通サイズの扉の前に立っていた。

 

レミリア「ここにあるから、着替えてきて」

 

一方通行「はいはい……」

 

想像していた以上に面倒なことが始まりそうだ、と思ったが来てしまったからには逃げたす訳にもいかず、このまま今日は紅魔館で働こうと扉を開ける時考えていた。

 

そして、だ。

 

一方通行「サイズピッタリじゃねェか、これ?」

 

着替え終わり部屋から出た時の一言がこれであった。

 

レミリア「………………」

 

扉の横で壁を背につけて待っていたレミリアは、使用人服を着た一方通行を見て何も言わなかった

 

いや

 

レミリア(カッコいい、一生見ていたい…………)

 

使用人姿の一方通行を見た感想が言葉にするのが恥ずかしくてなにも言えなかったというのが正しいだろう。

 

一方通行が着た使用人服は男性用のものである。

色は白と黒が多めの二色だけだが色のバランスは丁度良く仕上がっている。

だが、ここで一つ。レミリアはある違和感を感じた

それは

 

レミリア「……あれ、ネクタイは?」

 

用意した使用人服は、下は黒いズボン。上は黒い上着に白いシャツに黒いネクタイの筈だが……

 

一方通行「ネクタイは苦しいから外した」

 

レミリア「…………まっ、それぐらいいっか」

 

まあ、着たくれたしいっか。

ということで使用人服に着替えた一方通行にレミリアは

 

レミリア「さて、じゃあ一つめのお仕事を頼むわ。フランを起こしてさっきの部屋に連れてきてちょうだい」

 

一方通行「分かった」

 

レミリア「あ、フランの部屋がどこにあるか…………ってもう」

 

一つ返事で、一方通行はフランの部屋の場所へ行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館はとても大きな大きな館である。

だが一方通行は前にここで少しやっかいになったことがあったため、館の中は大体把握している。

 

だからこそ、迷わずフランの部屋へたどり着く。

そして扉を開け部屋へ入る。

中は前に入った時と全然変わらない

女の子らしい家具が並びカワイイぬいぐるみが床に所々転がっている。

そんな部屋に居るフランはさすが大きな館のお嬢様と言わざるを得ない白とピンクのお姫様ベットに寝ている。

 

一方通行はそのスヤスヤ眠るフランを起こし、フランの姉であるレミリアの居る場所へ連れていかなくてはならない。

 

一方通行「……………………よォ」

 

お姫様ベットの枕元に腰を下ろし、寝てるフランの額に指をはじく。

 

フラン「……………んんっ……いひゃ、い…………」

 

まだ寝ぼけてるのだろう。

動きがハキハキしていないが、ゆらゆらと手を動かし痛みを感じた額に手を当てる。

そしてもう片方の手で閉じてる目を擦る。

 

フラン「……………………ん?…………あく、せら、れーた?」

 

やっと目が開いたフランは自分の額に一撃くらわした相手を確認する。

 

フラン「……え、え、え?アクセラレータ?なんでなんで!?」

 

居る訳がない一方通行が自分のベットに腰を下ろし、此方を見ていて驚愕し慌てて上体を起こす。

 

フラン「……いや、夢なのかな?」

 

一方通行「バカが。ちゃンと目ェ覚ませ」

 

ベッドから立ち上がりペチッともう一発フランの額に指をはじく。

 

フラン「いたっ、って痛いって事は現実?」

 

一方通行「やっとお目覚めか、お嬢様?」

 

フラン「…………う、うん」

 

一方通行「じゃあレミリアがオマエを呼ンでるから、行くぞ」

 

そう言って移動しようとしたら

 

フラン「その前に良い?なんで使用人の服着てるの?」

 

一方通行「あン?あァ…咲夜がぶっ倒れてな、それでその代わりで俺が今日一日使用人にって訳だ。平たく言えばアルバイト中」

 

フラン「へぇ~。ならフランのお願いごと今なら聞いてくれるんだ………」

 

一方通行「………喉が乾いたから、逆立ちして飲み物持ってこいとか言ったら千発尻叩きだからな」

 

フラン「そんなイジワル言わないよ?」

 

一方通行「あっそォ。で?オマエのお願いごととはなンだ?」

 

フランが座るベットの前で膝をつく。

 

フラン「あのね。髪をとかして欲しいな」

 

一方通行「そンなことかよ。だったら………」

 

立ち上がり一方通行はフランの頭に手を当てた

すると、寝癖で酷かった髪は一瞬でさらさらに

 

一方通行「ホラよ終わりだ」

 

フラン「…………なんか思ってたのと違う………」

 

一方通行「この俺になにを期待してたか分からねェがさっさと着替えろ。俺は外で待ってる」

 

フラン「…まって!!」

 

一方通行「今度はなンだよ………」

 

部屋の外へ出ようとしたのに、面倒臭そうにフランへ振り返る。

 

フラン「もう一つお願いあるの……きいて、くれる?」

 

一方通行「チッ………ったく、ワガママなお嬢様だせ。次はなにがお望みだ?」

 

フラン「着替えさせてほしいな」

 

もじもじと、照れているのか恥ずかしいのか分からないがそうしながら次のお願いをする。

 

一方通行「フラン………オマエまさかその歳で自分一人で着替えらンねェとか言うンじゃねェだろォな?」

 

フラン「うー、そんなんじゃないもん!!」

 

一方通行「じゃあなンだよ…………」

 

フラン「アクセラレータに、私の何でもいいから任せてみたいの……」

 

ポッと頬を染めて言った。

それは恥ずかしいという感情が表に出て頬が染まったのではない、それ以外の感情の理由で頬が染まっている。

それは普通の者ならどんな感情を抱いているか簡単に分かる。

だがしかし相手は一方通行。

超ド級の鈍感確定と皆の頭のノートに印鑑を押された彼だから

 

一方通行(今の内に、この俺を使ってやろうって魂胆か)

 

ホント。

ここまで分かりやすい彼女達を見ても何故気付けないのだ………

 

一方通行「けっ、仰せのままにお姉様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして。

着替えさせてもらった上機嫌なフランとこれからまた面倒が降りかかるかもしれないと考えている一方通行は、手を繋いで赤で統一された廊下を歩く。

最初は一方通行の提案でスキマを開きそれを潜って一瞬で移動しようとしたがここでまたフランお嬢様のお願いだ。

『手を繋いで歩きたい』

それは一度断った。

しかし、彼女の計算か無意識かは知らないが最強と謳われる彼の弱点。

少女の悲しそうな表情でお願いを聞かせた。

 

それで、今に至る。

 

 

でも楽しい時間とは直ぐに過ぎてしまうものだ。

気付けばもう、レミリアが待つ玉座の間に通ずる扉の前に立っていた。

 

 

ガチャン

 

扉を開ければ玉座に座るレミリアが

一方通行とフランはその玉座の前に行き

 

 

一方通行「連れて来たぞ。次は何をすれば良い?」

 

レミリア「昼まで自由にしていいわよ」

 

一方通行「ホントにいいのか?」

 

レミリア「構わないわ」

 

フラン「なら、私達と一緒にいよ!」

 

レミリア「それはダメ。フランは私と二人っきりで大事なお話よ」

 

フラン「え?大事な話ってなに?」

 

レミリア「一方通行がどこかに言ったらそれを話してあげる」

 

そう言うとだ。

一方通行の姿が一瞬で消えた

咲夜同じ時間を停止させて何処かに移動したのだろう。

 

そして一方通行が居なくなった玉座の間で

 

レミリア「じゃあお話をしましょうか。今日一日全部使って絶対に成功させたいことを」

 

フラン「……………………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方通行「適当に廊下に出たがどォすっかなァ………」

 

昼まで自由の使用人さん(仮)は赤い廊下を歩く。

すると

 

一方通行「…………………………………………あン?」

 

寝間着少女が廊下のど真ん中で倒れてるのを発見した。

一方通行は倒れてるパチュリーに近付き、足の爪先で頭をつつく。

 

 

一方通行「オマエいつも廊下で寝てるのか?」

 

パチュリー「…………んな、わけないでしょ……」

 

一方通行「だったらこンな所でなにしてンだァ?」

 

パチュリー「珍しく図書館から出てみたけど、体が弱いからここで倒れちゃったのよ。体力も気力もないし魔法なんて使えない、今だって少し回復した力を振り絞って会話してるの…………」

 

姿形を見ればパチュリーはとても若い少女だが、今は少女の姿をした明日死んでもおかしくないおばさんに近い

それに、言葉が途中途中止まっている。

 

一方通行「………そォか」

 

一言、吐き捨てその場に背を向け歩き出す。

しかしそれはいつもの一方通行ならだ。

 

今日の一方通行は使用人(仮)だ

ならやるべき行動はただ一つ

 

一方通行(………この状態で出歩きやがったのか……)

 

しゃがみ、彼女の体に触れ能力で体の状態を把握する。

彼女自信が言っていたが元々パチュリーは病弱。

だから部屋から出るのは体調が良いときだけなのだ

 

しかし今日は体調が悪かった。だがそれを自分で気付けず体を無理させてしまった。

どんな物でも無理をさせれば不具合、最悪の場合壊れてしまう。

 

パチュリーの状態は酷い。

でもちょこっと一方通行が触れ、ベクトル操作の能力を使えば

 

 

パチュリー「……………………あれ、なんか体が楽になってきた……?」

 

一方通行「ベクトル操作だ。殺すことしかできねェと思ってた力だが、オマエの喘息の症状を和らげることができたらしい」

 

パチュリー「………ありが、とう」

 

意外や意外、あの一方通行が自分を助ける訳がないと思っていたから少々体が硬直してしまった。

しかし、いつまでも廊下で寝ているわけにはいかない。

パチュリーは立ち上がるがよろけてしまった

 

が、それを直ぐ様片手で抱き寄せ倒れるのを防ぐ一方通行。

 

一方通行「………………チッ」

 

パチュリー「…………………」

 

白と赤。

その二色しかない一方通行の顔が間近にあるという理由もあるが今の自分の状況を理解し頬からだんだん熱くなってしまう。

 

パチュリー「……あの、もう…_______________きゃ!」

 

一方通行「満足に歩けねェだろォから今から俺が部屋に返してやるよ。お嬢様」

 

パチュリー「あ………あぁ……あぅ…………」

 

もう限界だ。

急にお姫様抱っこされそれでも赤面確定だと言うのに、慣れないお嬢様扱い

 

パチュリーは顔を赤くして頭から湯気からゆらゆらと出ていた。

 

 

一方通行「オイ、そォいう反応されると逆に俺が恥ずかしくなるだろォが」

 

パチュリー「…だってぇ……」

 

帽子を深くかぶり真っ赤な顔を見えないよう隠す。

それからパチュリーはピクリとも動かず黙りだ。

 

 

とにかく一方通行はパチュリーを大図書館に運ぶ。

今日は一方通行は使用人。

紅魔館の住人を助けるのもお仕事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界にピンチに駆けつけるヒーローなんて居ない。

そう思っていた。

 

自分のことは自分でなんとかする。

それが普通、それが常識。

 

だがそれは残酷だと思う。

だってひとりで何でもかんでもできるのなら人はひとりで生きていける。

でも、こんな言葉がある

『人はひとりでは生きていけない』

 

その言葉は人間だけじゃない

神、妖怪、魔物、悪魔などなど……

そう、この世に生きる全てに言える言葉だ。

 

だからこそ、残酷だと思い矛盾してると感じる。

しかしだ。

そんなことを思ったって自分はただ魔法を使えるだけだし、体は普通の人間より脆弱

 

そして今。

私はピンチというやつに陥る。

気分転換にあの大図書館から出て、屋敷の中を散歩していたら体が急に重くなり胸が苦しくなって意識が飛んでしまい、糸が切れたように気絶してしまった。

気付けば、真っ赤な廊下で力なく倒れていた。

 

この状況はまずい。

気がついたもののまだ意識はまだはっきりしていなくて、魔法が思うように使えない。

 

自分の問題は自分で解決

そんなの無理だ

力というものは確かに人よりある

だがそれが今は使えない。

だから……誰か…助けて

 

 

同じ館に住む家族に近い存在の者達は居るが、あの子達はこのバカデカイ館の中でポツリと倒れてる私を見つけ助けてくれるだろうか………いや無理だ。

咲夜ならワンチャン。と思ったが今日咲夜は高熱で倒れそれからずっと寝たきり。

 

 

悲しいな、不幸とは突然に訪れる。

まさか、私は自分の家で呆気なく死ぬのだろうか……

そう諦めた時だった

 

 

この幻想郷を一度だけじゃない

 

二度も救ってくれたヒーローが私の前に現れた。

 

それから彼は難なく助けてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてよろけた私を支えてくれた。

まだ、歩けない私を横抱きして大図書館まで返してくれるらしい。

 

顔が……近い。

 

あれ、どうしてだろう。

彼の事を見ると顔が熱くなる

頭の中が彼のことでいっぱいになる

 

 

あぁ……そうか。

 

皆と同じようにこのヒーローに

 

 

私も___________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____________落ちちゃったのね…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バタン。

扉は触れずに開きそして閉じる

 

一方通行とパチュリーは大図書館に着いた。

 

前に来たときと全然変化はない

どこを見渡しても本、本、本、本、本、本、本、本。

 

大量の本が綺麗にきちんと本棚に並べられている。

そんな大図書館の中を進む

 

そして、だ。

どこかにあった椅子が勝手に浮き宙を移動したと思ったら一方通行の前にカタンと落ち、その椅子にパチュリーを下ろす。

 

一方通行「そこから動くな。動こうとしたら両足をへし折る」

 

一般から見れば怖い表情だったが、もうパチュリーからすれば全然怖くない。

むしろどんな顔をしててもずっと視界に入れていたいぐらいだ

 

まあ、そんな事を考えていたら一方通行は『本を借りる』と一言吐き捨て本を探しに行った。

 

パチュリー「……………………」

 

手前に二人で使うには丁度良い円形の小さい机が空から下りてきた。

多分姿は見えないが一方通行が能力で持ってきたのだろう。

 

パチュリーはその机に肘をつき待つことにした。

 

 

 

そして数分後。

 

一方通行「……ちっとばかしオマエに聞きてェ事があるが構わねェな?」

 

魔法などが記された書物。

魔道書を三冊ぐらい持ってきて、それを机に置き近場にあった椅子を能力で自分のもとまで運ぶ。

 

パチュリー「それは魔道書ね。魔法に興味が?」

 

一方通行「あァ、そォなンだが…………チッ、邪魔が来た」

 

パチュリー「え………?」

 

なにを急に?と言おうとした時、ドガーン!!!とここの扉が破壊された音が図書館に響き渡る。

 

一方通行「………………誰が来たか分かるな?」

 

パチュリー「…………もちろん。貴方はとっくにご存知だったみたいね。レミィの力を使ったの?」

 

一方通行「運命を操って少し覗いてみたら、な」

 

と、話していたら「また貴方ですかぁぁぁぁ!!!いい加減にしてくださいよぉ!!!」「ケチケチすんなよ!こんなにいっぱいあんだからさー!」と声がした。

小悪魔と魔理沙の二人の声だ。

 

 

 

そして箒に股がり宙を移動する魔女の少女は図書館の中で逃げ回りつつ目当ての本を探す。

 

魔理沙「ったく、しつこいぜ。ちょっとはゆっくり本を見ながら回りたいっての______________ん?」

 

パチュリー「………………」

 

一方通行「…………………」

 

魔理沙「………げ」

 

じーっと自分を見つめる影が二つ。

寝間着の魔女と使用人服を着た最強の超能力者だ。

 

パチュリー「ねえ。私が次になにを貴方に頼みたいか分かる?一方通行」

 

一方通行「どォせアイツをここから追い出せだろ。別にやってもイイが俺もオマエも魔理沙も争うよりかは平和的な方法で解決してェと思ってるはずだ」

 

パチュリー「そうだけど……嫌よもう魔理沙に本を貸すなんて……………」

 

一方通行「だろうな。そして魔理沙も本を取らなきゃここから意地でも出ねェだろ。だが俺はどちらも満足できる解決方法を思いついた、だから魔理沙。とりあえず黙って降りてこい」

 

魔理沙「………降りた瞬間バーンとか無しだからな」

 

一方通行「しねェよ」

 

そしたら魔理沙は箒をのり宙を浮いていたが、だんだん高度を低くし最終的には一方通行とパチュリーが居る場所へ降りる。

その時、股がっていた箒は床に立てるように持つ。

 

魔理沙「お前がさっき言っていた平和的解決ってのが気になるがその前になんで使用人の服なんて着てんだ?」

 

一方通行「今日咲夜がぶっ倒れて、俺がその代わりをやってるだけだ」

 

魔理沙「ふーん。つまりバイト中?」

 

一方通行「おう。で、今からオマエらの願いを叶えるが…………来い小悪魔ァ!!オマエに命令だ!!」

 

小悪魔「はいは~い!!この声は一方通行さんですね~」

 

ヒューんと急いで飛んできた小悪魔はスタンと一方通行達の前に着地する。

 

小悪魔「それで、今日咲夜さんの代わりを任されたお人が私になんのご命令ですか?」

 

一方通行「魔理沙が借りてェ本を一緒に探して来い。探し終わったら図書館の中央に来い」

 

小悪魔「え、まさか魔理沙様に本を貸せと……?」

 

パチュリー「ちょっと話が違うじゃない。どっちもの願いを叶えるって………」

 

一方通行「だから本を持って来いって言ってンだよ。さっさと行ってこい」

 

魔理沙「よく分からんが持ってくれば良いんだよな。じゃいくか」

 

言われるがまま、魔理沙と小悪魔は本を探しに行った。

そして残った二人は

 

一方通行「さて、移動するぞ」

 

パチュリー「……これからなにが起こるかさっぱりだけどとりあえず貴方の言うことを聞くわ」

 

さあ、立って移動だと思ったが

 

パチュリー「………え、え!?体が!?」

 

なんと勝手に体が宙に浮いた。

そして

 

一方通行「誰がもう歩いてイイと言った?オマエにゃ用がある、変な所で倒れられたら困ンだよ」

 

パチュリー「……………………」

 

またまたお姫様抱っこである。

さっきと違うところがあるとしたら、一方通行が持ってきた本を自分の体に乗せられているところぐらいだ

 

そして移動し

 

一方通行「…………後はここで待つか」

 

パチュリー「…………え、えぇ」

 

この大図書館の中央には大人数が一度に利用できる四角いテーブルがある。

そこの椅子にもじもじしてるパチュリーを下ろした。

そしてパチュリーは無理やり持たされた本をテーブルに置く。

 

魔理沙「お~い、持ってきたぞ~」

 

小悪魔「今回は随分少ないですね」

 

二冊ずつ本を手に持ちならがら二人は一方通行とパチュリーが待つ場所へ来た。

 

魔理沙「……よっ、と。それでこれから何をするんだ?」

 

小悪魔「それは私も気になります。さっきから具体的に話してくれませんでしたからね」

 

持ってきた本を机に重ねておき二人とも椅子に座らず立ったままにいた

 

一方通行「説明すンのが面倒だから言わなかっただけだ。今から起こることを見て自分で勝手に考えやがれ」

 

そう言うと人差し指を魔理沙達が持ってきた本に乗せる。

そして瞳を閉じ一息する。

 

その様子を三人が見守っていたら

 

ポンッ!!とコミカルな音と共に四冊の本が机の上に出現する

それは、魔理沙達が持ってきた本にそっくりだった。

 

魔理沙「……な、なにが起きたんだ?」

 

パチュリー「分からない。分からないけど、魔道書が増えたってことは確かよ」

 

小悪魔「……………そのようですね」

 

一方通行「魔理沙。オマエの前にある本が俺が作った本だ、本物と間違えねェように早くしまえ」

 

魔理沙「お、おう。分かったぜ…………」

 

腰に巻いてあるオシャレなポーチに一方通行が作った魔道書をしまう。

 

パチュリー「……作ったてことは、まさか模倣能力で作ったの?」

 

一方通行「あれは本物に限りなく近く作る力だ、そしてその力は例えばさっきみてェに本を模倣をすると本物と若干違う部分がある。ある時は素材ある時は字とかな。だから模倣能力でコピーすればもしかしたら大事な文を間違えて作っちまう」

 

小悪魔「じゃあどうやって?」

 

一方通行「はァ……結局説明しなきゃいけねェのか。なに単純だ。模倣能力にはおまけで自動解析能力があってなそれで魔道書を解析し神綺の創造の力で全く新しい魔道書を作ったってわけだ」

 

魔理沙「あー、神綺の力か。だから…………」

 

と自分の背中を指差すから、一方通行は自分の背に目を向ける。

 

一方通行「…………なンだこりゃ?」

 

神綺の力のせいなのか、無意識に神綺の背から生える白い翼が自分の背中にも生えていた。

 

魔理沙「前に見た白い翼となにか違うと思ったらなるほど、神綺の翼か」

 

一方通行「チッ」

 

下打ちをして、背中の白い翼を消す。

そして一方通行は学習した、神綺の模倣した力を使えば自分の意思と関係なく神の白い翼が生えてしまうということを。

 

一方通行「とりあえずこれで無事解決ってことでいいな?」

 

パチュリー「………そうね。私は本を失わず、魔理沙は目当ての魔道書を手に入れた。どちらもハッピーって感じ」

 

一方通行「ならここからは俺の自由にさせてもらうぜ」

 

そう言って椅子に腰を下ろしやっと自身で持ってきた書物を読む。

一方で

 

小悪魔「でー?魔理沙様はいつまでいるつもりですか?」

 

魔理沙「いや~……ちょっと、な」

 

パチュリー「彼の珍しい姿を目に残しておきたいんでしょ」

 

魔理沙「…あの……そのー………………あはは」

 

小悪魔「うわ……この最強様は何人の女を落としてるんですか……」

 

パチュリー「さあ?ただ私は魔理沙の気持ちは分かるわよ。彼の使用人服姿、結構似合ってるもの」

 

魔理沙「ま、ま、ま、まさか…………パチュリー、お前…………」

 

小悪魔「嘘ぉぉぉぉ!!!パチュリー様!!パチュリー様までこの人を!?」

 

なんやかんや話しているが、そんな声は一方通行の耳に届かない。

そして今、彼が読んでいるのは魔道書。

魔法の使い方、魔法とはなにか?などなど記されてある。

 

その書物を読み続け一方通行は魔法の知識を得る。

そしてバタンと最後の魔道書を閉じ

 

一方通行「大体は覚えた」

 

そう発言する。

が、前に紫が言ってたことを思い出す。

 

一方通行(……クソ、紫のヤツこの世界では魔術は魔法と言っているとか抜かしてたが全然違ェじゃねェか、この世界でも魔法は魔法、魔術は魔術だ。知ったかしやがったなァ………………。いやそンな訳ねェ、アイツは人間が想像も出来ねェほど長生きしてる妖怪。もしかしたらこの俺より頭は回る存在、そンなヤツがただ知ったかをしたと思えねェ。なにか………なにか意味があるはずだ……………………)

 

考える。紫のあの嘘の中にある伝えたかったことを

そして一方通行は二つの考えが浮かぶ

一つは『自分は嘘をつくからあまり信用するな』

もう一つはまるで『魔法と魔術は同じだと思わせようとしてる』だ。

 

が、考えるのを止めた。

これ以上は面倒になったのだ。

 

 

元、科学の町に住んでいた者からすれば魔法というオカルトなど信じがたいが幻想郷入りし、目撃しそれに触れた一方通行は魔法という力を認めている。

だが、魔法の仕組みはとても難しい

なのにパラパラ魔道書を読んだだけ一方通行は魔法を会得する。

それを示すように一方通行は腕を前に出し手のひらを天に向ける。

 

するとその手のひらに赤い魔方陣が浮かぶ。

そして

 

ボッ!と炎が出現する。

 

魔理沙「………うわっ、魔道書を軽く読んだだけでマジで魔法を使えるようになってやがる」

 

パチュリー「天才な一方通行なら炎魔法なんて余裕でしょ」

 

小悪魔「ですがですが早すぎません?」

 

簡単に魔法を会得した一方通行に驚いたり、彼なら余裕と冷静な彼女達を横に

 

一方通行(模倣(コピー)能力でじゃなく、俺自身で魔法を使うのは初めてだがこれなら問題ねェな……)

 

模倣した魔力でじゃなく、体内で生成された純粋な魔力を使用して魔法を発動したがなにも異常事態にならなかった。

 

っと思っていた。ここまでは

 

 

魔法を消しどうせ本を片付けなきゃパチュリーがうるさくなるだろうから魔道書をしまいに行こうとした時だ

 

一方通行「……ッ……く………………ゴハッ!!」

 

全身に激痛が走り大量の血を吐き床に手をついて倒れる。

その時、手にしてた本は地面にバラバラに落としてしまった

 

魔理沙「一方通行!!大丈夫か!?」

 

一方通行「…大したこと…………ウッ、が……!!」

 

魔理沙「こんなに吐血を………………ヤバいだろ!早く治療をしなきゃ!!」

 

パチュリー「………回復魔法ね、今やるわ」

 

小悪魔「さすがパチュリー様!!こんな時でも冷静に状況を判断し行動に移すなんて!素敵すぎます!!」

 

急に体に異変が起きた一方通行を心配して駆け寄ってくれた魔理沙にパチュリーそのおまけで小悪魔。

そしてパチュリーが回復魔法を展開するが

 

一方通行「このぐれェ平気だ…………」

 

回復魔法が発動する前に一方通行は自身で体を治す。

そして、先程大量の吐血したと思えないほどけろっと立ち上がった。

 

一方通行(そォいうことか…………)

 

ここで一方通行は紫のあの言葉に隠された本当に伝えたかった事を分かった。

二つの考えのどっちかではない。

 

どっちもなのだ。

 

『自分も嘘をつくからそう簡単に信用するな』それと『魔法と魔術を同じように思わせようとしてる』。

最初から紫は分かっていたのだ、一方通行が今後魔法に触れそれを操ろうとするということを。

だから魔法を使っても魔術を使っても体が壊れてしまうと遠回しに教えようとしていたのだろう

 

全く、紫はどこまで知っているのだろう。

強力な能力を持つ妖怪より並外れた頭脳の妖怪のほうが恐ろしい。

しかし紫は強力な能力を持ち並外れた頭脳をしている。

そして味方か本当は敵か………………

 

やはり、アイツの存在は警戒した方が良いだろう。

 

だが今は心配そうにしている奴らに自分は無事なことを伝えよう。

 

一方通行「俺には模倣能力で手に入れた再生能力がある。前にオマエら集めた時に説明しただろ」

 

魔理沙「…あ、あぁ。だがさっきのは異常だぜ!?一方通行、お前になにが起きたんだ?」

 

一方通行「それを今から調べる」

 

まず先程同様、魔力を体内で生成しそれを使用した魔法を展開する。

使用する魔法はなんでも良い。

だからとりあえず水を生成する魔法を発動。

すると一方通行の前に魔方陣が展開。そしてその魔方陣から球体の水が生成された。

 

だが

 

一方通行「…………ぐっ…………!!」

 

体に異変が起き、すぐに魔法を消す。

さっきみたいに血反吐を吐くことはなかったが、血が口いっぱいになり、その口横からは血がちょびっと流れる。

さすがに血をまた吐くと掃除が面倒だから今回は我満だ。

 

そしてこんな事をしただけで自身を解析しながらだったから大抵のことは理解できた。

 

一方通行(どォやら俺は魔力や魔法といった、オカルトに過剰な反応を起こすみてェだな。そォいや初見の時は魔法をうまく反射出来なかったし、俺の能力。つまり科学の力はオカルトの魔法と相反する存在。そのため科学の力を持つものは魔法や魔力を使用すると副作用みてェなモンが発生するってことか………………)

 

だが……とここで一方通行は思った。

前の話だ

霊夢が学園都市に攫われたあの日。

一方通行は魔法ではないが魔力を使用した。

あらゆる力を足に纏わせた蹴り技。

その使用した力を数字にするなら、神力40、魔力20、妖力60。

この時、力の調整は無意識だった。

だがそれでも魔力を使用しているのになぜ?

使用した力が模倣した偽物だからなのか?

 

疑問に思った一方通行は口内の血を飲み込み、次に模倣した魔力をシンプルに使う。

 

 

一方通行(あ?…………__________くッ!?)

 

模倣した魔力なら大丈夫なのか

そう思ったがやっぱり違うみたいだ。

体内がズタズタに引き裂かれた感覚ある

これは魔法使ったときの現象だろう。

 

なにがなんでも魔力を使えばダメ。

っという訳ではなかった

 

そう一方通行は気付いたのだ。

序盤、魔力を使用した時は異変が起きていなかった。

一方通行は魔力を使用したらだんだん向上するように発動させる。

全て一発で最高火力を出せば魔力を扱える体でもガタが来てしまう。

だからこそ魔力は絞り出すように発動させているのだ。

 

ここで、だ。

誰もが気づくだろう。

最初らへんに魔力を使ったとき、問題ない。だがその後は副作用みたいなものが起きる。

最初の魔力は微力。途中ともなれば魔力は増幅している。

この二つの事実を重ね考えると

……………………魔力を抑えて使えば問題ない?

 

オカルトの力は科学の力と相反すると言えど絶対に使えない訳ではなかった。

魔力をあえて抑えてなら使えるのだ。

 

だからあの時学園都市で魔力を使っても異変が起きなかったのだ。

 

 

ここでパズルのピースが填まった気がした。

 

 

自分は無意識で魔力を抑えて使用していたから副作用みたいなことが起きてなかった

 

一方通行(体内で生成された魔力は最初から俺が無傷で扱える力を越えちまってて、無理だ。だが模倣した偽物の魔力を抑えて使えば俺でも使えるのか…………)

 

 

「_____ぃ_________________オイ!!」

 

一方通行「あン?」

 

大きな声を掛けてきたのは魔理沙だった。

 

魔理沙「さっから呼んでるのに聞こえなかったのか?それで、なにか分かったのかと聞きたいがその前に口から血が垂れてるぜ」

 

ちょんちょんと自分の口横を差し、教える。

それで一方通行は垂れてる血を手で拭った後

 

一方通行「……………………あァ」

 

魔理沙「それで。何が分かったんだ?」

 

一方通行「俺は容易く魔法を使えねェらしい」

 

魔理沙「なんでだ?」

 

一方通行「超能力があるからそれに魔力や魔法の力が反応して、副作用みてェなのが発生すンだ。だから」

 

魔理沙「超能力があるからって………超能力あるけど魔法を使える奴は居るぜ?」

 

一方通行「忘れたか?俺は外来人だこことは違う世界の人間、オマエ達とは違うンだよ。だが元俺が居た世界にもオカルトの力があった、が、俺はその存在を知らなかったンだ。なにか………あの世界に俺が想像もできねェような何かがある。それを知れば分かるかもしれねェ。何故、俺は魔力や魔法を使うと体がぶっ壊れるのか…………」

 

魔理沙「超能力を持つ者が魔法を使えるが、一方通行は違う世界の人間だから容易くは使えない。しかしそれが分かっただけであって、何故そういう現象が起こるかは不明っと。なんか難しい話になってきたな…………」

 

一方通行「……今考え込ンでも無駄だ。だからこの件は後で情報を多く集めてからゆっくり考える…………そォいや確か俺は本を片付ける途中だったけか」

 

魔理沙「それなら私も手伝うぜ!」

 

地面にバラバラに落ちた本を拾った時、体内がズタズタに引き裂かれているのを思いだし再生能力で治す。

そして何故か本を片付けを手伝ってくれる魔理沙と一緒に大図書館の中を歩いて行く。

 

小難しい話をしていて、その話には入り込めず完全に蚊帳の外となっていたお二人は

 

パチュリー「………………」

 

小悪魔「な、なんか二人で解決しちゃったみたいですね。私達を無視して」

 

パチュリー「そうみたいね」

 

小悪魔「パチュリー様はなんか思わないんですか?」

 

パチュリー「ん?"は"とはどういう事?こあはなんか思うところがあるの?」

 

小悪魔「いや~あははは、いやだな~…………全然ないですよ~」

 

パチュリー「そう。なら一方通行の血を綺麗に拭き取っといて」

 

小悪魔「承知しました!」

 

小悪魔は頼まれた仕事に移る。

そしてパチュリーはいつもと同じく読書に没頭する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本を片付け時計を見れば思っていた以上に時間が経っていた。

一方通行は魔理沙やパチュリーや小悪魔にこれから用があると言い、大図書館を去った。

魔理沙は、どうやらまだここに用があるみたいで家に帰らず残ると言っていた。

 

そして一方通行はこの館の玉座の間に向かう。

 

 

一方通行「昼になったから来たぞ。それで仕事はなンだ?」

 

レミリア「……真面目なのか不真面目なのか、ホント判断難しいわね貴方は」

 

フラン「わーい!さっきぶりーアクセラレータ!!」

 

一つの玉座を仲良く二人で座る姉妹。

その玉座の前に存在する少しの階段の前に一方通行はズボンのポケットに手を突っ込んで立っている。

 

レミリア「…………さて、これからお昼を支度して欲しいんだけど料理できる?」

 

一方通行「一般レベルになら」

 

レミリア「なら構わない。私、フラン、パチェ、小悪魔の四人分にお昼を用意して頂戴。作ったら食堂に運んでくれる?そしてそれが終わったら私達を食堂に呼んで。あ、そうだ咲夜のも用意して。もちろんあの子は病人なんだからお粥よ。それでお粥を作ったら咲夜の部屋に持っていってね、そうねついでにそのまま看病をしてあげて」

 

一方通行「美鈴はどうすンだよ」

 

レミリア「あ、忘れてた。彼女は簡単なおにぎりでいいわ」

 

一方通行「……………分かった。最初に言っておくが不味くても文句言うなよ」

 

 

そして厨房の場所をレミリアに教えてもらった後、一方通行は厨房に行った。

 

厨房に着いたが、どんなものを出せば良いのかと悩んでいたら一冊のノートを発見した。

そのノートを開くと一行一行ビッシリ献立が書いてあった。

このノートは咲夜のだろう。

 

助かった

一方通行は館に住む者達の気持ちなど知らない。だから昼になにを食したいとか分からないのだ。

けど、このノートがあればもう安心。

 

紅魔館のメイド長を長く勤めた者のノートだ信頼できる。

一方通行は今日の献立を見て料理を開始する。

 

そしてそこで☆向き(ベクトル)クッキング☆の始まりである。

 

ベクトル操作とは便利な能力だ。

紫外線を防げるし、核兵器を跳ね返せるし、空を飛べるし料理にも使える。

 

 

一方通行は能力を活用して料理をするが凄かった。

なにが凄いというと食材に少し触れれば丁度良く細かく切れる、食材や食器や調理器具などが自由に宙に浮き一方通行が必要とすれば前に落ちてくる。

それを遠くから見ればなにがどういう原理で動いてるのか分からなくて混乱してしまうだろう。

 

 

そしてだ。

そんなこんなでこの館に似合うお昼ご飯が完成する。

和、洋となんでもごさる。

しかし食べるのは女の子達、量は少なめである。

 

完成したお昼は次々と食堂に運ばれる。

どう運んでるのはか大体想像つくだろう。

スキマを開き、厨房と食堂を繋げそこから食堂の机に料理を置いているのだ。

事あるごとに紫の能力を模倣した力を使うが仕方がない、だってすごい便利なんだから

 

 

全ての料理を運び終えたらレミリア達を食堂に呼んだ。

彼女達は机の上に並べられている料理に驚いていたが、一方通行にはまだまだお仕事ある。だから次に美鈴にお昼ご飯を持っていってあげる

簡単なお握りで良いと言われたが、ただの塩むすびではない。

ちゃんと鮭や梅などの具材を入れたお握りを渡す

 

美鈴は喜んでいた。正直、結構美鈴は粗末な扱いを受けている。だからだろうがまあ門番なのに寝てしまうんだからしょうがないちゃしょうがないか…………

 

まあまあまあ、それは良いとして美鈴にお昼を渡したし次だ。

と、いうより最後。

 

咲夜にお昼を作りそれを渡すと、それのついでに看病。

っと仕事を頼まれても一方通行は咲夜の部屋を知らない。

だがそれを美鈴に言うと咲夜の部屋の場所を教えてもらい一方通行は美鈴に礼を言った後、咲夜のもとへ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方通行「……………………入るぞ」

 

ほかほかのお粥を載せた木製の盆を持ちながら部屋の扉を開き、足で扉を閉じる。

意外にも咲夜の部屋は結構シンプルだった。

その部屋を進むとある普通サイズのベッドには寝込む寝間着の咲夜の姿が

 

一方通行「……オイ、飯の時間だ。起きろ」

 

咲夜「……………………っ、ん………………………へ?」

 

どこかで聞いたことがある声が聞こえぼやぼやとしながら目を開けると、珍しくキッチリとした服装の一方通行が視界に入った。

 

一方通行「…………その顔、なにかいくつか質問がありそうだが悪りィが飯が先だ。さっさと黙って食いやがれこの俺がわざわざオマエの為に作ったンだからよォ」

 

咲夜「………あ…は、はい」

 

思わず敬語になってしまったが上体を起こす。

するとほかほかのお粥を載せた木製の盆が咲夜の膝上に置かれる。

そして一方通行は適当に椅子を探し発見するとベットの近くに持ってきてそれに足を組んで座る。

 

一方通行「……………………」

 

咲夜「…………美味しい」

 

お粥をスプーンですくい口に運ぶ。

口の中では卵の味が広がりほかほかのお粥のお陰で体がぽかぽかと暖まった。

 

一方通行「…………そォか」

 

咲夜「本当に……本当に美味しい。ありがとう一方通行」

 

一方通行「…………分かったからさっさと食え」

 

それから咲夜は黙ってお粥を食べる。

寝込んでから何も食べていなかったのか、食べる勢いは凄まじくあっという間に見事完食だ。

 

咲夜「ごちそうさまでした。誰かの手料理なんて食べたの、久し振りだわ…………」

 

一方通行「そンなモン手料理と言えるモンじゃねェけどな。つゥか結構がっついてたがそンなに腹が減ってたのか病人なのに?」

 

咲夜「それはその…………」

 

視線を反らす咲夜だが頬は赤く染まっていた。

恥ずかしいのかそれとも病気の熱でなのかそれともお粥のせいなのか、その正解は一方通行には分からなかったがそもそもそんなのを気にする訳がない。

 

咲夜「あ、あの食事も終えたことだし質問良いかしら?」

 

木製の盆をベット付近の小さな机の上に置き一方通行に顔を向ける。

 

一方通行「どうして俺が紅魔館に居るのか、何故使用人服を身に纏ってるのかだろ?その答えはオマエだ」

 

咲夜「私?どういう事?」

 

一方通行「オマエ勘が絶望的に悪いなァ。オマエがぶっ倒れたからに決まってンだろアホ」

 

咲夜「……………………そう、なの。ごめんなさい私のせいで」

 

一方通行「気にするな、この世界に来てからこォいうのに慣れた。だからオマエはただ寝て休ンでろ」

 

咲夜「そういう訳にもいかないわ。貴方なら私の病気を治せるんじゃない?お願い私を治して」

 

一方通行「それはレミリアに善意を踏み躙ることだが良いのか?」

 

咲夜「………それは…どういう……?」

 

一方通行「最初俺も咲夜、オマエがぶっ倒れて紅魔館がヤベェと聞いてオマエを治せば万事解決と提案したが、全然休まねェオマエを見兼ねてレミリアは病気を理由にゆっくり休ませてェンだと」

 

咲夜「…………お嬢様」

 

一方通行「だがオマエの穴が開いた紅魔館は十分に機能しねェ、だから俺がオマエの代わりにここで働いてるわけだ。全部理解したか?」

 

咲夜「うん、ちゃんと理解したわ。私はなんて幸せなのかしら………」

 

一方通行「ハッピーなのは良い事だがオマエは病人だ。寝てろ」

 

咲夜「ねぇ、今一方通行は使用人なら頼みって聞いてくれるの?」

 

一方通行「内容によっては断るぞ」

 

咲夜「体が汗でベタベタなの、このままだと気持ち悪いから拭いてくれる?」

 

一方通行「咲夜……。それを誰に言ってるか分かってンのか…………」

 

さすがの一方通行も咲夜の一度は耳を疑ってしまうような頼みを聞いて表情に変化が

 

咲夜「分かってるわ。さあ早く脱がしてくれる?力が入らないの」

 

一方通行「確かに飯を作ってオマエの所に運ぶついでに看病も頼まれたが…………」

 

咲夜「あらそうなの……なら何を躊躇ってるの?」

 

一方通行「オマエ女だろ。そォいうのは同姓に任せるのが普通だろうが」

 

咲夜「使用人ならこういうのは男女関係なく頼まれるの。あ、タオルなら私が盆を置いた机の引き出しに入ってるからお願いね」

 

一方通行「………分かった。それがオマエの望みならなァ」

 

こうして一方通行は汗で体がベタベタして気持ち悪いと訴える咲夜の体を拭くことになった。

まず最初はタオルを手に取るとこから始まる

机の引き出しに入ってるといわれたタオルを取り、次は咲夜の着る寝間着に手をかける。

その見た目とは考えられないちょっと口が悪いが子供っぽい寝間着だった。

そしてそれのボタンを一つ一つ外したが?

 

咲夜「………ブラも外してくれる?」

 

一方通行「……………なに?」

 

咲夜「だから、ブラよブラ」

 

一方通行「…………はァ」

 

ため息を吐いた後、貞操概念どうなってンだよっと思ったがまあやるしかなかった。

そしてブラジャーのホックを外し

 

一方通行「じゃあ拭くからな…………」

 

それから腕や脇や首の周り、そして胸部などなどの汗を拭いていたら

 

一方通行「……………………」

 

咲夜「随分手際が良いわね。誰かにこんなことしたことあるの?」

 

一方通行「ある訳ねェだろ」

 

咲夜「そう。なら私が初めてなのね……」

 

不思議な空気だ

病気のせいか何故か今日は素直になれてる気がした。

そして、だ。

体を拭き終え

 

一方通行「どォだ、少しは良くなったかよ」

 

咲夜「うん、ありがとう」

 

一方通行「チッ」

 

ここにきて咲夜は本当に力が入らないのか、とか疑問に思ったがもう終わったことだしどうでも良いことだ。

 

女性を半裸にしとくなんか悪趣味はない

一方通行は咲夜にブラをつけてその上から寝間着を着させる。

 

咲夜「…………なんか…眠くなってきたわ」

 

一方通行「急にかよ。まァイイ安静にしてろ、この紅魔館は今日は俺が何とかしといてやる」

 

咲夜「…………頼むわ」

 

ゆっくりと目蓋を閉じ床に就く。

それを確認した一方通行は空の器が載った木製の盆を片手で取り部屋を出た。

そして木製の盆を持ったまま厨房へ向かう。

 

厨房に着き木製の盆を台所に置くと次に食堂に行った。

食堂はもう誰も居なかったが作った料理は気持ち良いぐらい綺麗に完食されていて置き手紙に『美味しかった、ごちそうさま』っと書いてあった。

誰が書いたのかとか疑問に思わず食堂の机の食器を片付ける。

 

そして食器を片付けた後はそれらを洗いついでに食堂を掃除する。

なんか、今日初めてなのに使用人が板に付いてきた。

 

黙々と一仕事をし、それが終わったら………………疲れた。

時々(うご)くがほぼ毎日自堕落の生活の一方通行は体力がそんなにない。

学園都市に居た時も少し動いていたが幻想郷の生活に比べればその生活が活発と言えるだろう。

 

疲れが見えてきたが、まだ午後になったぐらいだ。

この程度で倒れる訳にはいかない、というかこの程度で倒れたらカッコ悪いから意地でも倒れてたまるか

 

 

一方通行(くそ……体力なさ過ぎるだろ俺。チッ、情けねェがそれは後だ。レミリアはフランと何か大事な話をしてたンだったな、だったらこっからは俺が勝手に考えてうごくとするか…………)

 

ここまでくれば使用人の仕事がどんなのか大体解ってくるものだ。

だから一方通行は次になにをすれば良いのか分かっている

 

次はそう、買い物だ。

買うものは主に食べ物、つまり食材だ。

 

料理をしようとした時の話だ。実は食料保管庫が大分空きのスペースがあったのだ、それにあの厨房で発見した咲夜のノートにも今日は買い物の日と書いてあった。

 

ということで一方通行は金は持っているし紅魔館から出て人間の里へ飛んで行った。

説明するまでもないと思うが、門番の美鈴は立ちながら寝ていた。

…………ちゃんと仕事をしてくれ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方通行「………ちゃっちゃと済ませるか」

 

いつもと違う服を纏い人間の里でお買い物だ。

 

里は午前より午後のほうが人が多い、だから買い物をするなら午前だがこればかりはしょうがない。

 

一方通行は食料保管庫に足りない大体のものを把握しているため片手にメモを持ってお買い物というお決まりの絵面ではなかった。

 

「よう白髪の兄ちゃん!!今日は雰囲気が違う服じゃないか」

 

一方通行「うるせェ。バイト中なンだよ」

 

一方通行が色々な店が横並びする通りを歩いていると馴れ馴れしく声をかけたのは珈琲豆専門店の店主だ。

最初は声をかけるのを躊躇ってしまっていた店主だったが自分の店の常連になった一方通行はもう顔馴染みみたいなもの

 

「使用人のバイトか、頑張れよ!!」

 

一方通行「あァ、また豆が切れたら店に来る。俺が買うモンは在庫残しとけよ」

 

「ああ、君は常連様だ。たんと仕入れとくよ」

 

今日は珈琲豆専門店には用はないからスルー。

 

野菜や肉などを買いたいため、そういうのを取り扱っている店に向かっている最中………………

 

霊夢「……あ…………一方通行?」

 

一方通行「霊夢か。オマエも買い物かァ」

 

霊夢「妖怪退治でお金が入ったからね。ってそれより何よその格好、そんな服持ってたの?」

 

一方通行「これは俺のじゃねェよ。今、紅魔館でバイトしてっからそれで着せられてンだ」

 

霊夢「へぇ~なんか色んなことやってんのねアンタ」

 

一方通行「あァ、これでも大忙ししてンだ。じゃあな」

 

こうして一方通行は食料を取り扱っている店に向かって行った。

その背中を見た霊夢は

 

霊夢(………あんな使用人が居て紅魔館の連中は良いなぁ。ってなに考えてんよ私は!!でもでも……………………)

 

いつもと違うというのはここまで破壊力があるのか

たまに里に買い物しに来た時、一方通行を出会うことがあるが今日はなんか…………変だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事買い物も終了。

買ってきた物を食料保管庫に置くと次はお掃除だろう。

 

食堂や厨房などは使用したから汚れなどが見えたが、いつも咲夜の完璧な掃除技術により一日や二日掃除をサボったって良い。

しかし、ひとつの部屋だけは無視できない。

 

それは大図書館だ。

彼処はパチュリーの管理下であり、いくら咲夜と言えど無言で入ることは禁止。

だが今日は一方通行が使用人だ。

 

パチュリーがなんて言おうがお構い無しである。

 

と、いうことで大図書館に直行だ。

 

 

扉を開き

 

一方通行「ここを掃除しに来た」

 

パチュリー「………そう、仕事熱心ね。本を傷付けないなら構わないわ」

 

あれから微動だにしなかったのか、机に大量の本を置いて読書しているパチュリー。

 

一方通行「魔理沙は帰ったのか」

 

パチュリー「ええ。またここに来たときはお願いと言っていたわ」

 

一方通行「誰が二度とあンな面倒なことすっかよ」

 

それから一方通行は図書館の中を歩く。

 

一方通行(ここでイイか。俺の能力で一ヶ所にゴミを集める_______________あァ?)

 

さあ、ベクトル掃除だ

っという時だった。

 

上から何か落ちてきてると気付く

床に見える影から推測すると降ってきてる物のサイズは本より大きい、そしてその物から「きゃあああああああ!!!!」と音というか声が聞こえる。

 

そして

 

「ふぎゃっ!!!!」

 

一方通行「………………」

 

上から落ちてきた物。いいや落ちてきた小悪魔が一方通行の目の前に落ち、床に強く激突する。

 

小悪魔「ッ~~~!?!?痛たたた…………ん?一方通行さんここに何の誤用ですか?」

 

一方通行「掃除をしにきたンだが」

 

小悪魔「そうですか、正直言ってここは汚ないですからね相当大変だと思いますよ?」

 

一方通行「問題ねェ。つか、いつまで床に座ってンだよ」

 

ひょいっと小悪魔の手を掴み、引く。

 

小悪魔「おわっ!?ちょっと女性の扱い雑すぎますよ」

 

一方通行「知るか」

 

小悪魔(……こんな乱暴な性格で恐ろしい力を持っているのになんで多くの女の子から好意を寄せられているのだろ。確かに、イケメンなのは認めるけど……………………)

 

一方通行「あン?なに人の顔じっと見てンだよ、なンか付いてンのかァ?」

 

小悪魔「い、いいえ」

 

一方通行「そォか。それでオマエはなンで上から降ってきたンだ?」

 

小悪魔「飛んで移動してる時に余所見してしまって、それで本棚に正面から打つかってしまって…………」

 

一方通行「…………ったく、バカが。次からは余所見して飛ぶンじゃねェぞ」

 

そう言ってまたこの図書館内で違う場所に移動する。

もうここでゴミを一ヶ所に集めたいが、衝撃的な光景になると思うため誰も居ない所に行こうと思ったのだ。

小悪魔は強く床に激突した。のにすぐ早く立ってここから立ち去れなんてそんな外道なこと一方通行は言わない。

 

小悪魔「あ…………はい」

 

ただ小悪魔は一方通行の最後の台詞を聞いて、分からないが彼の背中を見つめていた。

 

 

そしてそして一方通行はまたまた移動して、次こそベクトル掃除開始。

いくら巨大な図書館と言えど掃除は簡単だ。

さっきやろうとしたこと、一ヶ所にゴミや埃を集めてゴミ袋に入れる。

それだけで図書館は見違えるほど綺麗になる。

 

 

で、だ

 

 

一方通行「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

 

 

一ヶ所にゴミや埃を集めスキマを開き取り出したゴミ袋に次々と入れたが、必要になったゴミ袋の量に驚き言葉を失った。

ゴミや埃と言っているがほとんどが埃。

しかし埃だけのゴミ袋が五つ。

 

あり得ない。一般の大掃除をしてもこの量はあり得ない。

 

 

もう衝撃的な埃の量を見たくない一方通行は、ゴミ袋をゴミ置き場に繋げたスキマに全部投げ入れる。

 

 

これで終わりだ。

 

本当に終わりなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのなんやかんやあり夜。

使用人の仕事は終わり疲れを洗い流すため紅魔館の大きなお風呂を貸してもらった。

そして一方通行は銭湯にあるような湯船で一人、ぼけーとする……予定だったが

 

一方通行「なンでオマエらまで入ってンだよ…………」

 

フラン「………え?」

 

まあ、フランは勝手に入ってきてもそんな抵抗感はない。

しかし

 

レミリア「別に良いでしょ?ここは私の館よ。いつ入っても勝手だと思うけど?」

 

美鈴「…………私はお嬢様からのお誘いで…………」

 

小悪魔「…私はパチュリー様からのお誘いで……」

 

パチュリー「ただ一人でお風呂に入っても詰まらなさそうだから皆で、ね?」

 

一方通行「俺ァ一人の方が良いンですゥ。つかよォ……」

 

ちらりと何も言わず黙って体を洗ってるメイド長を見る

 

一方通行「病み上がりで風呂に入るとぶり返すぞ、咲夜。せっかく人が治してやったのに俺の労力を無駄にするつもりかァ?」

 

使用人の仕事が終了する直前、一方通行はレミリアの最後の頼みで咲夜を回復させていた。

だがだが?

 

咲夜「大丈夫よ。私はそんなひ弱な体じゃないわ」

 

一方通行「ぶっ倒れてた分際でなに言ってンだ駄メイド」

 

咲夜は体の泡を蛇口を捻り丁度良いお湯を風呂桶に溢れない程度まで溜め、溜まったら体に湯をかけて洗い流す。

それを四回ぐらい繰り返し、終わったら一方通行達が居る湯船に浸かる。

 

咲夜「ふぅ………駄メイドじゃなく略さないでちゃんと駄目メイドと言いなさい」

 

一方通行「突っ込むとこそこかよ…………」

 

パチュリー「貴方達変な会話してるわね」

 

レミリア「何か面白そうだから少しそのままにしときましょ」

 

一方通行「聞こえてンぞ、コラ」

 

そしてため息を吐いた。

一方通行の隣には彼の腕を嬉しそうに抱き締めるフラン。

少し遠くには恥ずかしくて丸くなってる美鈴と小悪魔。

レミリア、パチュリー、咲夜は一方通行の近くに居る。

 

この現状を見て思うことは

 

一方通行「しっかしあれだな。風呂で素っ裸な女に囲まれてると"そォいう"店に来た気分だな」

 

咲夜「あら、だとしたら相当お値段が高いでしょうね。こんな綺麗な女の子が六人だもの」

 

フラン「"そォいう"店?"そォいう"店ってなぁにアクセラレータ?」

 

レミリア「ちょっとフランに余計なこと教えないでよ!」

 

パチュリー「へぇ~、そっち方面はまだ教えてないのレミィ。これを機に教えてあげたら?」

 

レミリア「え?………………いやいや!!まだフランには早い、早すぎるわ!!」

 

美鈴「な~んであの方達は普段通りでいられるんでしょう…………」

 

小悪魔「きっと頭のネジがバカになってるんでしょう。きっとそうです」

 

美鈴「急にどうしたんですッ!?そんなこというキャラじゃなかったでしょう貴方は!?」

 

あっちでもこっちでもなんか大騒ぎ。

だがその話が終わると次は

 

レミリア「そういえば一方通行。貴方随分と肌綺麗よね」

 

一方通行「あァ?」

 

咲夜「確かに前はちょっとしか見えませんでしたが、こう改めて見ると下手したら頑張って美容液など使ってケアしてる私達より綺麗ですねお嬢様…………」

 

パチュリー「なにか仕組みでもあるの?」

 

一方通行「肌が綺麗だの言われても嬉しかねェがこォなったのは俺の能力だ。紫外線とか反射してっから今までダメージ一つ受けてねェってわけ」

 

フラン「よく分からないけどアクセラレータは肌が凄いスベスベってことだね」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

一方通行「あン?」

 

バシャーン!!と水飛沫を立てて急に立ち上がる、レミリア、咲夜、パチュリー、小悪魔、美鈴。

 

一方通行「どォしたオマエら?」

 

「「「「「触ってみたい」」」」」

 

一方通行「______はァ?」

 

何を言ってンだこのバカ達………

そう思った瞬間だった。

 

レミリア「フランだけズルいわ、私達にも触らして!!」

 

咲夜「お嬢様の望みよ、抵抗したら許さないわ」

 

一方通行「___________オイ」

 

パチュリー「興味があるわ、今まで紫外線などのダメージ負わなかった肌。どれほどのものなのか」

 

小悪魔「あ、私もです」

 

美鈴「すいません一方通行さん。少し触らせてもらいます」

 

一方通行「_________ちょっと待て落ち着け」

 

フラン「んふふ~♪」

 

一方通行の腕を抱き御満悦なフランの表情。

それでもう物語っている

 

一方通行の肌は誰も触れたことのないような素晴らしいものだと!!

 

ならば!!!

どのぐらい素晴らしいものなか触れてみたい!!!!

 

………………っというとこで、、、

 

一方通行「オイ待て、なに考えてンだクソッタレ!!なンでオマエら目を光らせンだ!!____って、オイっ!?」

 

バシャーン!!!!と、また水飛沫が上がる。

まあ、一斉に一方通行に飛びかかったらそうなるだろう。

 

レミリア「凄いこれが!!」

 

咲夜「まさに女性が思い描く理想の肌!!」

 

パチュリー「…………これは想像以上ね」

 

小悪魔「……頑張ってケアしてるのに、私より上!?」

 

美鈴(私、一方通行さん触れちゃってる!?これが……これが…………一方通行さんの感触)

 

フラン「フランも皆に雑ざるぅ!!」

 

一方通行「だァァァァァァクソッ!!!ベタヘダ触ンじゃねェェェェェえええええッッッ!!!!!!」

 

今日の紅魔館のお風呂場はやけに騒がしかったが、みんな楽しそうだから良いだろう。

 

おや?皆?

失礼。

一方通行以外でしたね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方通行「あァー……、何か余計に疲れた」

 

もう使用人ではない一方通行は普段の服装に戻っていた。

そして今、居る場所は食堂であり縦長のテーブルに肘を付いて椅子に座っている。

 

フラン「元気ないよ大丈夫?」

 

一方通行「オマエらの…………もォイイ」

 

風呂場の一件も終わり、紅魔館メンバー皆+一方通行で夕食。

食材は今日バイト使用人(仮)さんがが買ってきたため大量にあった。

それを元気に回復した咲夜が料理する。

 

さすがベテランメイド

机に並べられている料理は全て、高級感が漂いとても美味しそうだった。

 

パチュリー「少し調子に乗ってしまったわ、ごめんなさいね」

 

小悪魔「その、私も…………ごめんなさい」

 

美鈴「一方通行さん。先程はすいませんでした」

 

一方通行「もォイイって言ってンだろうが。肉食って珈琲飲ンで忘れる」

 

レミリア「じゃあまた触らしてくれるのね」

 

一方通行「次は能力をフルに使って抵抗してやる」

 

咲夜「皆様。御夕食が全て並び終えました。どうぞお召し上がり下さい」

 

フラン「いただきます!」

 

一方通行「イタダキマス」

 

咲夜「うふふっ、別に慣れてないなら無理に言わなくて良いのよ?」

 

一方通行「…………チッ」

 

そしてレミリアやパチュリーなども手を合わせ食事を始める挨拶をする。

それから食事をしていると

 

レミリア「あ、そうだ咲夜。貴方にプレゼントよ」

 

咲夜「私に、ですか……?」

 

レミリア「そう。今日皆でこっそり用意したのよ、いつもの感謝を伝えるために」

 

フラン「じゃじゃ~ん!!それがコレ!!」

 

長テーブルの下に隠していた両手で持てるぐらいの包まれた箱を取り出す。

長テーブルには床につくほどのテーブルクロスがひいておりちゃんと隠せていたのだ。

 

パチュリー「私達からの贈り物よ。受け取ってくれるかしら」

 

咲夜「はいっ、もちろんです!!」

 

小悪魔「私のプレゼントはリボンですよ」

 

美鈴「ちょ!?言っちゃダメですよ」

 

レミリア「まあ、開けてみたら誰からのプレゼントとか分かると思うわ」

 

嬉しそうな表情でフランから包まれた箱を受け取った咲夜。

そんな光景を横目に肉を頬張る一方通行。

 

一方通行(そォか。これを秘密にしてたのか)

 

あの時、一方通行を部屋から出したのはこのサプライズをバレたくなかったからだろう。

レミリアはあの時から一方通行を咲夜の看病に向かわせるつもりだった。

もしも看病をしてるその時、うっかり一方通行が口を滑らせて知られてしまったら努力が無駄となる。

一方通行が秘密を喋るなどないと思うが念には念をということで

 

レミリア「良し。サプライズ成功!」

 

フラン「イエーイ!!」

 

ハイタッチをする可愛い姉妹にパチュリーが

 

パチュリー「そしてもう一つのサプライズでしょ?」

 

レミリア「そうね。フラン、次のやつを取り出して」

 

フラン「はぁーい!!」

 

またまたテーブルの下から包まれた箱を取り出す。

 

咲夜「?」

 

一方通行「?」

 

フラン「はいっ、アクセラレータ!」

 

一方通行「……俺にかよ。でもなンでだァ?」

 

受け取ってから言うのはどうかと思うが、そんな疑問を感じた。

 

小悪魔「今日一日頑張ってくれたじゃないですか。だからですよ」

 

美鈴「それは私達全員で選んだ物です。大切に使って下さいね」

 

一方通行「…………あァ。貰ったモンを捨てる趣味はねェから帰ったら早速使わせて貰う。つか物なのか、どンなモンなンだ?」

 

フラン「開けてからの、お・た・の・し・み♪」

 

レミリア「そういうことよ。じゃ、全てのサプライズが完了ということで食事再開といきましょう」

 

フラン「うん♪」

 

そしてまたみんな食事に戻る。

 

咲夜「今日はホント、幸せな日だわ」

 

一方通行「……そりゃ良かったじゃねェか」

 

咲夜「貴方は?」

 

一方通行「あ?…………まァ、俺としても悪くねェ一日だったな」

 

レミリア「激レアね。一方通行がそんなこと言うなんて」

 

一方通行(チッ………前までの俺だったらこンなこと言わねェっつの。オマエらと関わってから自分だって気付けるほど変わっちまったンだよ俺は…………)

 

フラン「どうしたの?」

 

一方通行「………………なンでもねェよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…………ああ、こんな平和がずっと続けば良いのに』

 

この場に居る誰もがそう思った。




ハイッ、これで紅魔館のお話は終わりです。
これが、この話が俺は昔から書きたかった!!!
ですが長かったですか?
だからこれだけ待たせてしまったんですよ
………………マジですいません!!


そういえば一方通行に贈られたプレゼントはコーヒーミルです。
どんなのー?と思った方にご説明させていただくと珈琲豆を挽くヤツです。
オマエの説明じゃ分からねぇ、っという方はググって下さい

で、ですね。
実は一方通行、コーヒーミルもう持ってるんですよね。これ裏話ですけど
だけどそれを使わず今後からはレミリア達から貰ったコーヒーミルを使います。
まあ誰もが自分が買ったやつより人から貰ったやつを使いますよね。
………違う人も居るのかな?
勿体無くて使えない的な?

あ、私のお話は終了です。これから下は霊夢達の雑談コーナーです。
興味のある方だけお進み下さい。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!!
次回は一方通行が色々やるよってお話です、お楽しみに!!
(…………一体何ヵ月後に更新されるんだろう、コレ)
























博麗神社の縁側で

霊夢「ほんっっっっっっっっっっと久しぶりね」

魔理沙「まあまあ、今回の話に出れたんだから文句言うなよ」

紫「だったら私は言って良いわよね?出てないんだもの」

一方通行「名前だけは出てたけどなァ」

紫「名前だけでしょ?全く…………」

霊夢「さて、今。なんでこの四人なの?っと思った人、今すぐ第二章のキャラクター説明に行ったら答えがでるわ!!」

魔理沙「そこに載ってるやつらがこの物語の重要人物ってわけだ」

一方通行「…………オマエら急になに言ってンだよ」

紫「前回の答え合わせよ」

一方通行「…………………自由だなァオマエら」

霊夢「ここは幻想郷よ。自由にしないやつなんて居ないわ」

魔理沙「…………ま、自由過ぎるのもどうかと私は思うがな」

一方・霊夢・紫「「「オマエが言うな」」」

魔理沙「ふえぇっ!?!?」






























結構待たせてしまったのですが、まだまだ第四章のストーリーが日常編が終わるまで始められないので少し四章のストーリーのチラ見せ




「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね」

一方通行と同様怪物として学園都市の皆から恐れられてる彼女が______に全力で能力を振るう





















そして霊夢達の前にこの物語史上"最強"の敵が姿を現す。
希望を打ち砕き絶望一色に染める"最強"が

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