ARMORED CORE VERDICT DAY ユーラヌスの人形たち   作:D-delta

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うわぁー!更新が遅くなりましたー!


記録3

 地平線から光が差し込み、地平線の向こうから光源の元である太陽が顔を出した。

 太陽の光は荒れた大地と汚れた空を照らしていく。

 もちろんシリウス部隊の大型ヘリもUNACも太陽の光に照らされ、ユーラヌスのUNACたちも指揮車両と輸送用の大型トラックも照らされた。

 朝が訪れた。

 

「ん……ほわぁぁ……んー、眠い」

 

 指揮車両のベッドで裸の状態のアルバは太陽の光に気付いて目を覚ました。

 あくびを立ててアルバは上半身を起こし、裸のまま指揮車両の扉を開いた。

 扉を開いた先には偶然シリウスの女部隊長がおり、アルバの素っ裸の姿が女部隊長の目に留まった。

 

「ガキ傭兵! 服を着ろっ!」

「うわわ、あっ!」

 

 少し顔を赤くさせたシリウスの女部隊長はアルバを指揮車両に押し込めて、扉を閉めた。

 押し込まれたアルバは車両内を転がってベッドにぶつかった。

 ベッドにぶつかった影響でプリンはハッと目を覚ます。

 

「敵襲か!?」

「違うよ、この姿で扉を開けたらシリウスの女部隊長さんに怒られてこの有り様なの」

「はぁ、なんで裸で……」

「眠くて自分でも裸なのに気付かなかったんだ」

 

 アルバはそう苦笑いで話すと、指揮車両に脱ぎ捨てられていた自分の衣服を着た。

 たった今起きたプリンも裸であり、きちんと置かれていた自分の衣服を取って、それを着込んだ。

 服を着終えた二人は指揮車両の扉を開き、一度外に出て太陽の光を浴びた。

 

「んー、はぁ……」

「ん……」

 

 太陽の光を浴びながら二人は背伸びをして、眠気を覚ましていた。

 背伸びを終えると、二人とも早速UNACたちの調整するために輸送用の大型トラックに乗っているUNACたちのところへ向かう。

 輸送用の大型トラックに着くと、アルバはユーラヌス1とユーラヌス4の、プリンはユーラヌス2とユーラヌス3の調整に取り掛かった。

 

「ふふん、僕のUNAC。今日は期待しているからね……!」

 

 アルバは端末からユーラヌス1とユーラヌス4のオペレーションの微調整をして、次はそれまでよりもっと良い動きをすることに期待していた。

 微調整は、ユーラヌス1はジャンプによる回避行動の間隔を短くしたところであり、ユーラヌス4はレーザーのチャージ時間を短くしたところとCEミサイルを放つ距離を全距離に変えたところだ。

 これによってユーラヌス1はジャンプによる回避を増して、より相手の照準を狂わすことが出来るようになっている。

 ユーラヌス4ではレーザーのチャージ時間が短くなることによってより連射力を増し、どの距離でもミサイルを放つようにしたことでどの距離でも短時間で相手に大きなダメージを与えることが出来るようになった。

 アルバはユーラヌス1とユーラヌス4のオペレーションを保存して、微調整を終了させた。

 

「アルバのように上手く出来るかな」

 

 プリンもアルバ同様に端末からオペレーションの微調整を行っていた。

 ユーラヌス2の特殊移動枠をいじり、無意味だと分かったデータ上のアクションチップ『ブーストドライブ移動』を外す。

 タンク型の機体はブーストドライブ移動を行わない。この前の実験でプリンはそれを理解し、代わりに『ハイブースト移動』のアクションチップを組み込んだ。

 

「よし、これで多少なりとも被弾を減らせるな。後はユーラヌス3か」

 

 ユーラヌス2のオペレーションを保存して、オペレーションをユーラヌス3のものに切り替えた。

 今度はユーラヌス3のオペレーションの微調整だ。

 ユーラヌス3も特殊移動枠と通常移動枠をいじり、ユーラヌス2同様に『ハイブースト移動』のアクションチップを組み込む。そして通常移動枠の相対高度のパラメータを0から100へと変えた。

 これでハイブーストによる高機動な接近と相手より高い高度からヒートハウザーとロケットを有効に浴びせることが出来る。

 そう確信したプリンはオペレーションの調整を終わらせて、アルバのところへと向かった。

 

「アルバ、調整を終わったか?」

「うん!」

「よし、準備は万端だな」

「敵ACと戦うのがすごく楽しみ!」

 

 今日は彼ら二人にとって最高の日になる。なぜなら自分たちの組んだ最高のUNACが敵のACとぶつかり合えるからだ。

 そして戦闘の結果と過程を見られる。

 この二つから得られる情報は後々のUNACの研究に必要であり、彼ら二人の気分を盛り上げるものの一つだ。

 二人は笑みを浮かべながら指揮車両に戻った。

 

≪各員起きているか? 起きていない奴がいたら叩き起こしてやれ≫

了解(ラジャー)

 

 シリウスの女部隊長の会話が通信から聞こえてきたすぐ後に、誰かを叩く音が指揮車両の通信機器から聞こえてきた。

 通信機器から次々と聞こえてきた誰かの痛がる声に二人は笑っていた。

 

「ふふ、起きてなかった人たくさんいるんだね」

「ふ、そうだな」

 

 二人が笑っていると、殴られた痕のある兵士とその他の兵士が指揮車両の前を走っていき、シリウスの大型ヘリに乗り込んでいった。

 全ての大型ヘリが起動を開始してローターを回していくのを確認すると、プリンは指揮車両のキーを回した。

 指揮車両のエンジンがかかり、大きい起動音を鳴らす。

 アルバは指揮車両の後ろ部分に移って、UNACのシステムが正常か確認した。

 

「システムオールグリーン。よし、今日はがんばってよ!」

 

 指揮車両が動き出すと、無人の輸送用大型トラックも自動で動き出した。

 出撃準備は完了した。

 後、出撃するだけである。

 

≪各員に告げる。これから第18支部防衛基地を襲撃し、我々の補給基地へと変える。ここが突破出来ないとヴェニデの本拠地を叩くなど夢のまた夢だ、各員最大限力を発揮してくれ。そうすればこの作戦は成功する。では、出撃!≫

 

 シリウスの女部隊長から出撃の指示が下りた。

 大型ヘリは飛び立ち、基地の上空へと上がる。

 アルバたちの指揮車両と輸送用大型トラックは第18支部防衛基地へと向けて移動を開始した。

 シリウスの大型ヘリはアルバたちが乗る指揮車両の後ろを付いていくように移動を始める。

 その直後、シリウスの女部隊長から通信が入った。

 

≪分かってると思うが、貴様たちガキ傭兵共に先に進攻してもらう。敵はすぐにACを差し向けてくるだろうからな、敵ACを引きつけるようにしっかり仕事をこなしてくれよ?≫

「はいはい、分かってるよー」

「引きつけるどころか、撃破まで持っていってやるよ」

≪チッ……なら、やってみろ。期待しているからな!≫

 

 シリウスの女部隊長は怒気を含んだ声で言い放ち、通信を終わらせた。

 せっかく気分の良かったアルバとプリンは今の通信で気分を損ねた。が、必ず全機撃破してやるという見返してやりたさの末に出来た執念が今まさに二人の心の中に出来た。

 彼らの乗る指揮車両と無人の輸送用の大型トラックはシリウス部隊より前へ先行している。シリウスの部隊は意図的に指揮車両の後ろを飛んでいた。

 

「シリウスの部隊さんは僕たちを先行させる気だね」

「別にいいさ。獲物を全部狩り尽くして、俺たちの手柄にすればいいんだから」

「それもそうだね」

 

 アルバのやる気に火が付き、活き活きとして答える。

 プリンにもやる気に火が付いており、シリウスの手柄も全て奪う気の気持ちで指揮車両の運転をしていた。

 指揮車両内にあるオペレーティングシステムを起動させ、遠隔でユーラヌスたちの起動を開始した。もちろん動かす訳ではなく、各ユーラヌスのシステムの最終確認と遠隔による指示を受け付けるかどうかの確認である。

 こういった戦闘前のチェックは欠かせない。欠かせば戦闘の真っ最中に動きが止まってしまうというトラブルが起こるからである。

 

「FCS正常。各カメラ正常。各装甲チェックシステム正常。各武装表示正常。ジェネレーター正常稼働。駆動系テスト開始」

 

 輸送用の大型トラックに載せられたユーラヌスたちは、上半身から下半身へと順番にその機械で出来た身体を動かした。

 指は引き金を引く動作をして、頭は周りを見つめるように動き、脚は最少の動きで駆動し、ブースターは各角度に向けられる。

 

「ブースターテスト開始」

 

 ブースターからは超高熱の炎が吹き出る。輸送用の大型トラックから落ちないようにブースターは最少出力で吹かされているため、その炎はまだ小さい。戦闘時になれば更に大きくなり、それを推進力として高機動を実現出来る。

 

「アルバ、人形たちの調子はどうだ?」

「大丈夫。皆すごく元気だよ」

「そうか、それなら今日は大漁確実だな」

 

 アルバが各ユーラヌスのテストをして、一時間が経つ。

 指揮車両のフロントガラスから基地らしきものが遠くに見え始めた。

 

≪敵の防衛基地が見えてきた。我々が見えるということはヴェニデ側もこちらが見えるという状況になっているはずだ、各員臨戦態勢に入れ≫

 

 シリウスの女部隊長がそう言うと次々と通信機器から≪了解≫と声が上がった。

 彼ら二人も「了解」と告げる。

 全員が了解を告げ、第18支部防衛基地に近付きつつあるこの瞬間に10km以上離れてても分かるような警報が第18支部防衛基地から響いてきた。

 

「敵から警報が鳴ったぞ!」

「分かった、UNAC全機戦闘モードを起動! オペレーションを開始!」

 

 指揮車両と輸送用の大型トラックは停止し、輸送用の大型トラックの固定ハンガーが解除されてユーラヌスたちは荒れた大地の上を踏みしめた。

 

「ビーコン発射」

 

 指揮車両からビーコンを放ち、飛んで行ったビーコンは敵基地周辺に落ちた。

 そして落ちたビーコンは信号を発して、指揮車両にビーコンの発する信号が届いた。

 これでビーコンの位置が分かり、地点を区切ることが出来るのだ。

 

「UAVドローン起動」

 

 指揮車両の右側の設けられた小さなハッチが開いて、ドローンが飛び立っていく。

 そのドローンは第18支部防衛基地と指揮車両との間の上空に飛んでいき、ドローンに内蔵されたカメラは上空から見た地上を映した。その映された映像は指揮車両のディスプレイに送られた。

 これでオペレーターは十分に仕事をこなせる。

 

「プリン、頭を貸して」

「分かったよ、オペレーターは任せな」

 

 運転席から降りたプリンは指揮車両の後ろにある部屋に入り、アルバと席を交代した。

 プリンは備え付けのディスプレイを見つめ、ユーラヌスたちの現在地を確認した。ユーラヌスたちは一歩も動いておらず、指示待ちをしているようだった。

 ディスプレイでユーラヌスたちの現在地を確認し終えると、プリンは指揮車両に付けられている端末から各ビーコンへ移動するようユーラヌスたちに指示を促がした。

 

「よしよし、まずは俺のUNACで様子を見るか」

 

 ユーラヌス2とユーラヌス3を一番敵基地に近いビーコンへ移動させる。

 そしてビーコンへ到達する前に会敵した。

 

≪U2、敵確認。戦闘開始≫

≪U3、敵確認。戦闘開始≫

 

 敵と交戦を開始。戦闘が始まった。

 ユーラヌス2がリコンを放つ。

 放たれたリコンで得られる情報は各機体に共有され、指揮車両の方にもリコンで得られる情報は回ってきた。

 ディスプレイ上に映し出された情報は、複数の敵機。その戦力は防御型と高機動型ばかりだ。

 

「さぁお祭りの始まりだ!」

「いけいけ!」

 

 ユーラヌス2からオートキャノンの掃射とKE型ミサイルの発射が始まる。

 鼓膜を容易に破り得るオートキャノンの掃射音が響き、掃射とKE型ミサイルの直撃をもらった防御型は自慢の盾を構えようとも五秒もしない内に穴だらけになった。そのまま次のターゲットに移行して、高機動型に狙いを付ける。

 その間にユーラヌス3が敵部隊に突っ込むが、ジャンプブースターを使用しなかった。それ故敵の目の前からヒートハウザーとロケットの弾を敵部隊に撒き散らす。弾は敵部隊の中で爆発を起こし、足の遅い複数の防御型に致命的なダメージを与えた。爆発に巻き込まれた高機動型たちは装甲が薄いために耐えられず、地面に機体を擦り付けて派手に爆散した。

 戦場の様子を見ていたシリウスの女部隊長は本当に手柄を全部取られそうで焦り始めていた。

 

≪チッ……ガキ傭兵共に手柄を横取りされるのは(しゃく)だ。我々もUNACを投下、オペレーションを開始せよ≫

≪了解しました。全UNACオペレーションを開始してください≫

 

 シリウスの大型ヘリが戦場の上空を横断する。敵基地に設置された対空砲がシリウスの大型ヘリを捕捉し、対空砲の強力な火器が火を噴き始める。

 

≪敵の対空砲を確認。ヘリのやつは気を付けろよ? いくら装甲がAC並みにあると言っても撃ち抜かれる危険性があるぞ≫

≪了解≫

 

 シリウスの大型ヘリは対空砲を意識して飛び、対空砲の放つ弾幕を器用に抜けて行く。

 そうして一機も撃墜されずに各大型ヘリはUNACを投下した。

 投下されたシリウスの軽量二脚型UNACは次々とオペレーションを開始し、シリウスが敵基地内に落としたビーコンの場所へと敵を攻撃しながら移動していく。

 

「シリウスもUNACを投下したね」

「さぁて、最初の作戦プランとは全然違うけど……作戦は上手くいくかな?」

 

 プリンは後方に待機させてあるユーラヌス1とユーラヌス4を前線へと移動させる。

 前線はシリウスの大型ヘリがUNACを投下している間にユーラヌス2とユーラヌス3が大体片づけており、絶対に安全とは言えないが一定の安全は確保されている。

 敵がいなくなったはずの戦場をユーラヌス1とユーラヌス4はブースターを吹かして移動し、前線にいるユーラヌス2とユーラヌス3と合流した。

 

「よし、次は敵基地だ」

「既にシリウスは敵基地内で交戦を開始。砲台を派手壊しているみたいだよ、プリン」

「砲台はシリウスの連中に任せておけばいい、だけど敵ACは俺たちで壊す」

「他の誰にも譲る気はないもんね」

「もちろん」

 

 プリンは敵基地内にあるシリウスの投下したビーコン座標にユーラヌスたちを移動させる。

 ユーラヌスたちはシリウスのUNACによって砲台のほとんどが破壊されている敵基地に侵入した。敵基地内は通常兵器の残骸が転がっている。全てシリウスのUNACがやったことだ。

 ユーラヌス2が侵入した同時にリコンを放った。

 ディスプレイ上にはリコンから送られてきた情報が映った。よくディスプレイ上を見ると既に敵ACとシリウスのUNACが交戦を開始していた。

 

「プリン、敵ACがもう出ているよ!」

「本当だな。でも、数で勝っているUNACが押されているな」

「相当腕の良い人が乗っているんだね……」

「良いじゃないか、狩り応えがあってよ!」

 

 プリンはユーラヌスたちに敵ACに対しての交戦指示を出した。

 ユーラヌスたちは敵ACに向けてブースターを吹かし、最短ルートを計算して前進を始める。

 そしてすぐに接敵した。

 

≪U1、敵AC確認。重量二脚≫

 

 一番足の速い中量二脚型のユーラヌス1が交戦を開始した。

 接敵した敵ACはガトリングを両手に持った重量二脚型だ。

 ユーラヌス1が接敵した時には既に敵の重量二脚型は一個小隊のUNACを全滅させていた。

 

≪人形共に掛ける情けはない≫

 

 重量二脚型から通信が入ってきた。

 その声は渋い男の声。声からして四十代と予測出来る。

 

「悪いが、人形の方も情けはないぜ?」

 

 ユーラヌス1がブーストドライブを繰り出して、敵ACの射線上から逃げると同時に両手に持ったライフルの弾丸とKE型のミサイルを放った。

 すかさず敵ACはハイブーストを繰り出して、ライフルの弾丸とKE型のミサイルを避けた。

 しかしユーラヌス1のロックオンサイトは常に敵ACを捉えており、敵ACがいくらハイブーストを繰り出そうと避けた先を自動計算してライフルとKE型ミサイルを撃ち続けた。

 無論、足の遅い重量二脚型がそんな正確な射撃を避けられるはずがなく、ライフルの弾丸とKE型ミサイルが次々敵ACに直撃した。

 敵ACのパイロットは直撃に焦り始めて、ガトリングを乱射した。しかしロックオンサイトにユーラヌス1を捉えているものの、ハイブーストとブーストドライブを織り交ぜた高機動な動きにガトリングの乱射はほぼ無駄弾になった。

 

≪人形如きに――≫

 

 そこから先の通信は途切れた。

 それもそのはずライフルの弾丸は敵ACの装甲を穴だらけにしており、そしてKE型ミサイルがコックピットの部分を貫通していたのだ。

 

≪U1、ターゲット撃破≫

 

 敵ACを撃破したU1は待機状態に入り、その場で停止した。

 遅れてユーラヌス2、ユーラヌス3、ユーラヌス4が合流してくる。

 

「まずは一機目……次のターゲットを指定する」

「僕の手柄が一つ、と」

 

 アルバが紙に黒星のマークを付けている横でプリンは次の獲物を指定する。

 次は三機で固まっている敵ACだ。

 ユーラヌスたちは三機で固まっている敵ACに向けて移動を開始した。

 

「シリウスのUNACが放ったリコンがあるな、それを利用させてもらうか……」

 

 プリンは指揮車両に備え付けられた端末で操作して、シリウスのUNACが放ったリコンから情報を取得。

 得られた情報は三機で固まっている敵ACの各機体構成だ。

 ライフルとバトルライフル、そして右ハンガーユニットにハンドガンを装備した重量逆関節型。

 対実弾用のシールドにヒートパイル、両方のハンガーユニットに軽量なショットガンを装備した軽量二脚型。

 パルスキャノンとヒートキャノン、両方のハンガーユニットに一番弾数の多いガトリングを装備したタンク型。

 それらが三機で固まり、シリウスのUNACを易々と撃破していた。

 

「上手く行くかな」

「上手く行くよ、絶対に!」

「そうだな」

 

 ユーラヌスたちと敵ACが接触するまで後五秒。

 どちらも全力でブーストを吹かしている。

 

≪U1、ターゲット確認。戦闘開始≫

 

 ユーラヌス1が敵ACと接触したと同時に他のユーラヌスたちも一歩遅れて敵ACと接触。

 接触と同時に一気に耳をつんざくほどのけたたましい音が響いた。

 各々が持つ火器が火を噴く音、弾丸が装甲にぶつかる音、地を削る音、ブースターの噴射音、それらが戦場の騒音を奏でる。

 

≪U1、AP50%≫

 

 戦場を行き交う弾丸によってユーラヌス1の装甲は十秒も経たない内に一気に削られた。移動パターンによって避けようとしても避けられない。行き交う弾丸が弾幕となりやすい集団対集団のデメリットである。

 

「これはユーラヌス1が撃破されるかもしれない、かなりキツイ」

 

 プリンは険しい表情でディスプレイから様子を見つめている。

 一機の損失がチームの全滅を招く可能性もあり得る。そうならないようにユーラヌス1を一度下がらせた。

 今敵ACと戦闘中なのはユーラヌス2、ユーラヌス3、ユーラヌス4。

 

「先に軽量二脚型を倒してしまうのが得策だな、ヒートパイルは脅威だ」

 

 空中を漂っているユーラヌス4とある程度の機動力を有したユーラヌス3が敵の軽量二脚型に狙いを付けた。

 狙いを付けられた敵の軽量二脚型は戦場を行き交う弾丸の中を掻い潜り、一番足の遅いユーラヌス2に狙いを付ける。

 そのまま敵の軽量二脚型はグライドブーストとハイブーストによる高機動な動きをしてユーラヌス2との距離を詰めて行く。

 それを阻止するようにユーラヌス3はヒートハウザーとロケットを発射して、超火力を叩き込む。だが、その超火力は敵の軽量二脚型に直撃せず、爆発によるダメージしか与えられなかった。

 敵の軽量二脚型は健在。突撃するように高機動な動きは止めず、ユーラヌス2との距離を更に詰める。

 

「まずい!」

 

 プリンが焦り始めると同時にユーラヌス4はレーザーライフルとCEミサイルを発射。

 ユーラヌス4が放った弾は敵の軽量二脚型に直撃し、その衝撃力によって相手の動きを一瞬止めた。

 その一瞬を狙ってユーラヌス3はヒートハウザーとロケットを敵の軽量二脚型に直撃させる。

 無論その直撃に装甲の薄い軽量二脚型が耐えられるはずがなく、装甲は剝がれて背部のジェネレーターに誘爆。そのまま四散爆発した。

 

≪U3、ターゲット撃破≫

「二機目いただき」

 

 敵の軽量二脚型を撃破したことによって、ユーラヌス3とユーラヌス4はターゲットを切り替える。

 ユーラヌス2はオートキャノンとKE型ミサイルを敵に向かって乱射を続けている。その結果、敵の重量逆関節型が攻撃に耐えられなくなり、機能を停止。ユーラヌス2が単機で敵の重量逆関節型を撃墜した。

 

≪U2、ターゲット撃破≫

「三機目!」

 

 ここからは一方的な戦いになる。

 敵のタンク型一体に対してユーラヌスたちは未だ四機健在である。

 その上プリンはユーラヌス1を前線に呼び戻し、四体一の状況を作った。

 もはや勝ったも同然である。

 

「よし、最後の一機」

 

 ユーラヌスたちの銃口が全て敵のタンク型に集中する。

 そしてその銃口から銃弾が放たれた。

 リンチと言ってもいいほどに敵のタンク型に火力が集中し、敵のタンク型は各駆動部から煙を上げて機能を停止。動かなくなった。

 

「敵AC全滅」

「やったー!」

 

 基地内の敵の殲滅を完了。ユーラヌスは作戦目標を達成して戦闘モードを解除。

 基地内の掃討を終えたシリウスのUNACも動きを止めた。

 

≪各員に通達する。作戦は成功した。繰り返す、作戦は成功した≫

 

 シリウスの女部隊長が通信からそう告げると、通信越しからシリウスの兵士たちの歓声が上がった。

 戦闘は終了した。

 

「さぁて、人形たちを回収して報酬をもらおうか」

「うん!」

 

 ユーラヌスたちはブースターを吹かして、輸送用の大型トラックに戻っていく。

 空は赤くなり、夕日が沈もうとしている。

 それは今日という日の終わりを告げているように見える。

 そしてまた明日がやってくる。

 




活動報告に私が作った量産型UNACを置いておきます!
簡単に作れると思うので是非とも使ってくださいね~
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