ARMORED CORE VERDICT DAY ユーラヌスの人形たち 作:D-delta
ルーデルの依頼を引き受けたアルバとプリンはルーデルの指示により、簡易的なブリーフィングに来ていた。
簡易的なブリーフィングルームにはヴェニデ本拠地の攻撃に加わったアーキテクトたちや大型ヘリのパイロットたち、ACに乗って前線で戦ったACのパイロットたちが集まっていた。
そして全体を指揮するルーデルが簡易的なブリーフィングルームに入ってきた。
ルーデルは早速テーブルの上にノートPCを置いた。
ノートPC上にはヴェニデの本拠地攻略時の作戦ファイルが映し出されており、用意したプロジェクターをノートPCに繋ぎ、誰の目にも見えるようブリーフィングルームに作戦ファイルが大きく映し出された。
「我々は時間を空けずにヴェニデの本拠地にもう一度攻撃を仕掛ける。そこでだ、我々はこの機体を排除しなければならない」
そう言うとルーデルは作戦ファイル上で表示されている異常なスピードでUNACたちを撃墜している親衛隊のACに指差した。
あの戦場にいた者はそれぞれ「撃墜してやる!」といった様子で拳を握りしめた。
アルバとプリンは親衛隊のACを見るのは初めてでその完璧な動きに関心を寄せていた。
「この機体の撃破を貴様たちに任せたい。よろしいか?」
ルーデルはアルバとプリンに問うように訊いた。
もちろん二人に断る理由はなく、親衛隊のAC撃破を引き受けた。
そのままルーデルは作戦説明を続けた。
「親衛隊のAC撃破は貴様ら『ユーラヌス』に任せる。我々は貴様らが交戦している間に他の戦力を潰す。作戦は以上だ。念のために撤退ポイントを設けておく、ここだ」
ルーデルはヴェニデの本拠地から離れた場所に指を差した。そこは丁度崖の谷間になっており、周りには岩など遮蔽物がたくさんある。被弾を避けて撤退するなら絶好のポイントである。
「質問はあるか?」
ルーデルはブリーフィングルームにいる皆の顔を見ながら訊いた。
この場にいるシリウスの兵たちは「特にない」や「早く出撃しよう」などと言って質問がないことを示した。
そしてルーデルはまだ返事の来ていないアルバとプリンの顔を見た。
「僕たちも大丈夫!」
「あぁ!」
ルーデルは「よし」と一言言い、ノートPCと繋がったプロジェクターの線を外した。そのままルーデルはノートPCの電源を落とし、片手に持った。
「総員出撃! ヴェニデの野郎共に一泡吹かせてやるぞ!」
「「了解!」」
気合の入った言葉と共にシリウス兵たちはブリーフィングルームから次々と走って出て行った。
アルバとプリンは走ることなく、歩いてルーデルと共にブリーフィングルームから出た。
「そういえば部隊長さんの名前は?」
「私か?」
アルバはふとした拍子にルーデルに訊いた。
教えてやらんでもない、とでも言いたげな顔でルーデルは口を開いた。
「私の名はルーデル・アイゼン。これからヴェニデの本拠地を落とす者の名だ、よく覚えておけ」
「わぁ! カッコイイ名前だね!」
「当然だ」
ルーデルは自信ありげに自分の名前を言った。
そしてアルバはルーデルの期待通りの反応を見せ、ルーデルは上機嫌になった。
そのままルーデルは「今回の作戦では貴様たちのために大型ヘリを四機用意してある。大型輸送トラックで移動するのも撤退するのも大変だろう?」とアルバとプリンに言った。
「感謝する、ルーデル部隊長」
「ありがとう!」
二人の感謝の声にルーデルはニッコリと笑い、大型ヘリに向かって行った。
そのすぐ後、ルーデルと入れ替わるようにユーラヌスたちを輸送する大型ヘリのパイロットがアルバとプリンの所へやってきた。
「お前たちの機体を輸送させてもらう」
「はーい!」
元気いっぱいに返事を返したアルバに、大型ヘリのパイロットは困惑していた。
大型ヘリのパイロットは困惑したまま「お、おう……とにかく出撃を急いでくれ。作戦上モタモタ出来ないんだから」と言って、さっさと自分の大型ヘリに向かって行った。
「俺たちも出撃を急ぐか」
「そうだね」
アルバとプリンも出撃を急ぐように走って一度指揮車両に向かった。
指揮車両内では暇そうにしていたサリアがいた。
そこにアルバとプリンが入ってきて、急いでいる様子の二人にサリアはきょとんしていた。
「おや、なにをそんなに急いでいるんだい?」
サリアが問うと息を切らしたアルバが「次の依頼が決まって……はぁ、いますぐ出撃だから走ってきたの」と答えた。
一緒に走って来たプリンは息を切らしていないが、すぐの出撃に出遅れまいと少し焦っている。そのままの様子で机に置いてある端末を二つ取り、端末をアルバに一個渡して、自分の端末を持った。
「ババァ、これから仕事だから指揮車両と大型輸送トラックを見張っていてくれ」
「あいよ。ちゃんと役割を果たすんだよ?」
「分かっているさ」
軽い連絡を済ますとアルバとプリンは指揮車両から出て行き、ユーラヌスたちが固定されているAC輸送用の大型トラックの所へ急いだ。
大型トラックへ着くと早速二人は端末を操作し、ユーラヌスたちを起動した。
起動したユーラヌスは起動音を周囲に響かせ、機体に内蔵された各カメラに光りが点いた。
そのまま二人は端末を操作し続け、ユーラヌスたちの固定を解き、大型トラックから降ろした。
「ん……来た来た」
「さっさと運んでもらうか」
ユーラヌスたちが大型トラックから降りたことを見計らってか、四機の大型ヘリがユーラヌスたちの頭上からゆっくり高度を下げてきている。
四機の大型ヘリはそれぞれ各ユーラヌスを下部のハンガーに固定し、そのまま高度を上げていった。
≪おい、ガキ傭兵共。こちらの大型ヘリに乗れ≫
ユーラヌスを輸送している四機の大型ヘリとはまた違う大型ヘリから男の声が響き、二人の目の前に大型ヘリが着陸した。
着陸した大型ヘリのハッチが開き、目の鋭い男パイロットが後ろに乗れと言わんばかりに親指を立てて、空いている複座に親指を差した。
二人はこくりと頷く。
最初にプリンが複座に座り、プリンの膝の上にアルバが座った。アルバは背が低いために余裕を残して二人一緒に座ることが出来た。
「複座に無線機がある。なにかあったらそいつで連絡を取れ」
「了解した」
目の鋭い男パイロットとプリンは軽い応答をした。目の鋭い男パイロットは立てた親指を二人に見せて「我らに幸運あれ」と言い、操縦桿に手をかけた。
二人の乗った大型ヘリは高度を上げて行く。
≪各機、出撃準備はよろしいか?≫
複座の席に取り付けられた無線機からルーデルの声が響いた。その声に反応して無線機から次々≪準備完了!≫と勢いのある旨が帰ってきた。
二人の乗る大型ヘリのパイロットも勢い付いて「こちらも準備完了!」と無線機越しのルーデルの旨を伝えた。
≪よし、全機出撃! ヴェニデの野郎共をブッ飛ばすぞ!≫
ルーデルの勢いのある声に呼応したように汚れた空に漂う大型ヘリたちはヴェニデの本拠地へと向かって行く。
夕日が地平線の向こう側へと落ちていく。
落ちていく夕日を背に大型ヘリはヴェニデの本拠地に飛び続けた。
移動してから数時間が経ち、ようやく空を飛び続ける彼らの目にヴェニデの本拠地が見えてきた。
≪全機対空砲を警戒しろ!≫
ルーデルからそう言い渡されると、次の瞬間に大型ヘリの編隊に対空砲の砲弾が飛んできた。
しかし対空砲による弾幕は一回目の攻撃と比べるとかなり薄く、対空砲の砲弾を大型ヘリたちは容易に回避した。
そんな対空砲の薄い弾幕を掻い潜り、ヴェニデの本拠地上空へ到着した大型ヘリから随時UNAC及びACを投下していく。
≪U1、オペレーションを開始します≫
最初に投下されたのはUNACだ。
UNACは砲台を優先的に攻撃対象にし、近くにあった対空砲に向けてハンドガンとパルスマシンガンを一斉発射した。
UNACに攻撃された対空砲はパルスマシンガンによって装甲表面を溶かされ、脆くなった装甲をハンドガンの弾丸が貫いた。
≪ターゲット撃破≫
UNACは次の対空砲を攻撃対象としてブースターを起動、軽量二脚型特有の足の速さで素早く次の対空砲に向かって行った。
≪次々投下しろ、速く!≫
怒気を孕んだ無線越しのルーデルの声が味方に指示する。
大型ヘリたちは薄い弾幕の中を移動して、ヴェニデの本拠地上空から次々UNAC及びACを投下した。
投下されたUNACは敵の攻撃を恐れることなく、優先的に対空砲を攻撃。
UNACが対空砲を破壊している間に有人機のACは本拠地内に展開している一般兵器を攻撃した。
≪この戦い、我々が勝つぞ!≫
高揚したACパイロットは順調な基地攻略に勝利を確信していた。
しかし、その確信は一瞬にして消え去る。
≪へ……?≫
勝利を確信したACパイロットの前に〝それ〟は一瞬にして現れた。
鋼と赤の禍々しいカラーを持ち、肩に付いているエンブレムは『エル・ヴェニデ』と書いてある。
そして高揚したACパイロットは〝それ〟に見覚えがあった。
一回目の攻撃で立ち向かうACの全てを完璧なまでの戦いで破壊した機体。
親衛隊のAC――『強化兵士』が乗ったACだ。
ACパイロットはそのACを見た途端、勝利の確信を忘れ、炎の中に包まれた。
≪エコー2ロスト! 撃破したのは例のACだ!≫
緊張と焦りが混ざった叫び声にも似た声が無線機から響いた。
その報告で戦場にいる兵士全員に緊張と恐怖感が走った。
しかしアルバとプリンはいつもの調子で端末を操作し、ユーラヌスのオペレーション起動準備を行っていた。
≪ガキ傭兵共、出番だ!≫
「俺たちの機体でどこまでやれるか……」
「僕たちの機体ならどこまでもやれるよ!」
ユーラヌスたちを輸送している四機の大型ヘリはユーラヌスたちの投下を開始した。
それと同時にアルバとプリンは端末から遠隔でユーラヌスたちの戦闘モードを起動、オペレーションを開始させた。
シリウスのUNACと有人機のACはユーラヌスたちと親衛隊のACを直接戦わせるように親衛隊のACから遠ざかり、他の戦力の排除を始めた。
≪上手くやってくれよ……!≫
ルーデルは祈るようにして上空から監視している。
親衛隊のACはオペレーションを開始したユーラヌスたちに気付き、銃口をユーラヌスたちに向けた。
≪U1、戦闘開始≫
端末からユーラヌス1の声が響く。戦闘が始まった。
親衛隊のACは異常なスピードを出しながらユーラヌス1を捉え、ライフル、ヒートマシンガン、CE小型ミサイルによる一斉射撃を開始。
≪あの攻撃、UNACでは避けられない……!≫
シリウスのアーキテクトがそう呟く。事実UNACに回避するという思考はない。回避させるアクションチップはあるにはあるが、それは攻撃が当たってからもしくはハイブーストの頻度を上げて被弾率を下げるためのものだ。攻撃が当たる前の回避などしない。
しかし、アルバのUNACは違う。
〝攻撃が当たる前の回避〟という思考を持たないはずのUNACが親衛隊のACの一斉攻撃を避けたのだ。
≪どうやって!?≫
ユーラヌス1の回避は正確には回避ではない。
移動アクションにカテゴライズされる『前方移動』と特殊移動アクションにカテゴライズされる『ハイブースト移動』のアクションチップによって生み出されるただの高速移動だ。その高速移動が結果的に〝攻撃が当たる前の回避〟を生み出しているのである。
つまり攻撃を回避出来るかは機体の移動次第なのだ。
そのことを踏まえてアルバは顔をニヤつかせてユーラヌス1が戦っている姿を見ていた。
ユーラヌス1は攻撃を回避しながら回り込むような移動で両手に持つライフルとKE型ミサイルを放つ。が、親衛隊のACはその攻撃を容易に避けてみせた。
「流石に当たってくれないね……」
「相手は相当の化け物だからな、簡単には当たってくれないさ。だから俺の機体がある」
親衛隊のACはそのまま攻撃を続ける。流石に連続攻撃の全てを避けられず、ユーラヌス1のAPが削られていく。
そこに割り込むようにユーラヌス2のオートキャノンの弾幕が親衛隊のAC目掛けて殺到した。
急な攻撃にも関わらず親衛隊のACは被弾を最小限に抑え、ハイブーストによる超高速移動で射線からすぐさま逃げた。
≪化け物ACが被弾したぞ!≫
ユーラヌスたちと親衛隊のACが戦っている様子を見ていたヘリパイロットが高揚させて叫んだ。
親衛隊のACにユーラヌス1とユーラヌス2の攻撃が飛んだ。
多方向からの火線に親衛隊のACは上手く対応し、出来る限り被弾を避けて行く。
中々攻撃を当てることが出来ない現状にイライラしてきたプリンはユーラヌス3を前線に出した。
「一気に攻められないこの戦い……まるで将棋をやっているみたいだ」
プリンは上空から戦闘の様子を見て、呟いた。
ユーラヌス3はジャンプブースターを起動し、大ジャンプを繰り出した。大ジャンプで親衛隊のACの上を取ったユーラヌス3は上からヒートハウザーとロケットの榴弾を浴びせた。
榴弾が着弾すると大爆発を起こし、親衛隊のACには直撃しなかったが、爆風により被弾させることが出来た。
「このまま押し切れるか」
ユーラヌスたちは順調に親衛隊のACにダメージを与えている。それを証明するように親衛隊のACの装甲には複数の弾痕と焼け跡があった。
ここで一気に仕留めようとアルバはユーラヌス4を前線に投入。
ユーラヌス四機による総攻撃が始まった。
しかし親衛隊のACはその総攻撃を軽やかに回避し、武装をヒートパイルに変更。そのまま異常なスピードでユーラヌスたちの総攻撃を出来るだけ避けながらユーラヌス2に接近した。
「まずい……!」
プリンがそう判断して端末からユーラヌス2に後退指示を出した。しかし既に遅く、親衛隊のACの持つヒートパイルの先端がユーラヌス2のコアに深々と突き刺さり、先端から対戦車弾がユーラヌス2のコア内部で発射される。
内側からの強力な攻撃に重装甲を
≪U2、機体大破≫
ユーラヌス2が簡単に撃墜された。
残るユーラヌスは三機。プリンとアルバに緊張が走る。
親衛隊のACは次の獲物に狙いを付ける。次にロックオンされたのはひたすらジャンプブースターを繰り出しているユーラヌス3だ。
ブースターによって焼ける音と共に親衛隊のACはグライドブーストでユーラヌス3に高速接近。そのまま武装を丸のこ型のレーザーブレードに切り替えながらユーラヌス3が着地した瞬間を狙ってヒートパイルを突き刺した。
「あのAC……知っててやっているのか?」
「どうだろう、武器と装甲の相性は親衛隊なら分かっているはずだと思うけど」
親衛隊のACが放つ攻撃はメチャクチャだ。
ユーラヌス3はCE(成形炸薬等を用いた兵器)とTE(エネルギー兵器)にめっぽう強い。しかしKE(実弾兵器等)には弱いという欠点があり、そこを突けば簡単に撃破出来てしまうのがネック。しかも見た目でだいたい判断出来てしまう。
しかし親衛隊のACは実弾兵器の一種であるライフルを使おうとせず、ユーラヌス3が一番耐性を持つCE型のヒートパイルを突き刺したのだ。
ヒートパイルの先端は突き刺さるが、刺さりはかなり浅い。そのまま親衛隊のACはヒートパイルの対戦車弾を発射する。
「いや、分かってないな……アイツ」
ヒートパイルによる強烈な攻撃はユーラヌス3の装甲を貫きはしたが、その損傷は行動不能になるほどではない。
≪U3、AP50%≫
ユーラヌス3がそう告げると、反撃を開始する。
ヒートハウザーとロケットによる至近距離からの爆撃だ。
この爆撃で親衛隊のACに深刻なダメージを与えたが、その代償として既に強烈なダメージをもらっていたユーラヌス3は自爆してしまった。
親衛隊のACの表面装甲はボロボロと外れてしまい、今の爆撃によって既に弾数のなくなったヒートパイルとライフルがひしゃげて使えなくなった。
親衛隊のACの残る武装は丸のこ型のレーザーブレードとヒートマシンガンだけだ。
「後少しで勝てそう!」
「ユーラヌス1とユーラヌス4に賭けるしかないな」
まだ辛うじて動いている親衛隊のACにユーラヌス1とユーラヌス4は攻撃を仕掛けた。
ライフルとレーザーライフルの火線が親衛隊のACに飛ぶ。しかし親衛隊のACは受けたダメージの影響を無視するように無理やり機体を動かして火線を回避した。
「あれでまだあんなに動くの!?」
「化け物と呼ばれることはある……」
親衛隊のACは空中を漂いながらレーザーライフルを放ち続けるユーラヌス4に向かってブースターを吹かした。
レーザーライフルもライフルも親衛隊のACにかすりもせず、その驚異的な高速移動で空中を漂うユーラヌス4に接近。たった数秒でゼロ距離に持ち込んだのだ。
親衛隊のACはレーザーブレードを連続で振るい、ユーラヌス4を溶かし斬る。
ユーラヌス4のジェネレーターに八千度を超える熱が行き渡り、熱に耐えられなくなったジェネレーターは融解してしまう。融解したジェネレーターは内部で誘爆を起こし、ユーラヌス4は空中で爆散した。
ユーラヌス4の破片は地に落ち、無残にも残った四本脚は地上に激突。四本の脚はバラバラになった。
「そんな!?」
「これで一対一か!」
後残っている戦力はユーラヌス1だけだ。
アルバとプリンは固唾を飲んでユーラヌス1を見守っている。
ユーラヌス4を撃墜した親衛隊のACはすぐさまユーラヌス1の方にそのメインカメラを向け、動き出した。
ユーラヌス1も親衛隊のACにメインカメラを向け、動いた。
「僕のUNAC……がんばって!」
アルバの応援に応えるようにしてブースターから炎を吹きださせ、親衛隊のACに向けて前進した。
ユーラヌス1の前進する姿を確認した親衛隊のACはグライドブースト及びハイブーストによる超機動でユーラヌス1との距離を一気に縮めた。
レーザーブレードからエネルギーが迸り、そして刃の形を成さない超高熱の刃を振るった。
「ユーラヌス1!」
アルバの声に反応したように超高熱の刃をハイブーストによって回避した。
レーザーブレードによる攻撃は無駄だと悟ったのか、親衛隊のACは武装をヒートマシンガンに変え、ユーラヌス1の弱点であるCE弾を連射した。
「あんな化け物相手に撃ち合いで勝てるのか……」
「僕のUNACなら勝てる、絶対に!」
アルバの信頼の眼差しはユーラヌス1に向けられる。
ユーラヌス1は弱点であるヒートマシンガンから放たれるCE弾に被弾しながらもライフルとKE型のミサイルによる全力射撃を開始した。
もはやどちらも避けるつもりがなく、ここからは完全な撃ち合いになった。
「勝て……! 勝てっ!!」
アルバは叫ぶように言う。
ヒートマシンガンのCE弾はユーラヌス1の装甲に接触すると同時に成形炸薬特有のメタルジェットを発生させ、ユーラヌス1の装甲に穴を作っていく。
逆にユーラヌス1のライフルから放たれる弾丸は親衛隊のACの剥き出しになった装甲に突き刺さり、肩部から放たれるKE型ミサイルは親衛隊のACの装甲を破壊していく。
既にどちらもボロボロの状態だ。
≪後少しだ、後少しで勝てるぞ!!≫
≪化け物が倒れるぞ。後少しだ!≫
≪倒せ、倒せ!!!≫
≪殺っちまえ!!!≫
無線機からシリウス兵の声が響く。
アルバの手は汗でびっしょりとなっており、端末に表示されたユーラヌス1の状態を見ながら戦闘の様子を見ていた。
端末上に表示されたユーラヌス1の状態はかなり危険な状態となっている。
その状態は親衛隊のACも同じだ。
≪U1、稼働限界で……す≫
しかし先に限界が来たのはユーラヌス1だ。
既に装甲のそこら中が穴だらけになっているユーラヌス1はメインカメラの光りをなくして、全ての機能を停止しようとしていた。
最後のトドメを刺そうと親衛隊のACはハイブーストにより一気に距離を詰めて、ブーストチャージの構えを取った。
接戦は親衛隊のACの勝ちで終わる。
この戦場にいる誰もがそう思った時、アルバは目を見開いて言った。
「最後の一発」
奇跡的にユーラヌス1は全ての機能を停止すると同時にライフルの弾丸を放った。
放たれたライフルの弾丸はブーストチャージの構えを取っている親衛隊のACの頭部を貫通し、その背部にあるジェネレーターに突き刺さった。
親衛隊のACもメインカメラから光りをなくす。加速したままの親衛隊のACはユーラヌス1に衝突し、どちらも土埃を立てながら地に伏せた。
「勝った……!」
アルバは小さく歓喜の声を上げた。
その後に次々と無線機越しから歓喜の声が上がる。
≪喜ぶのは後だ、各機報告を≫
ルーデルが皆を制し、報告を求めると無線機からそれぞれ≪制圧≫という声が上がった。
それぞれの制圧という声を聞き終えるとルーデルは≪ヴェニデ本拠地の攻略を完了、これより作戦を終了とする≫と作戦が終わったことを示した。
「はぁ……なんとか勝てたか」
「そうだね、ん?」
アルバはふと親衛隊のACに目を向けると、親衛隊のACのコックピットハッチが開いた。
コックピットからは虚ろな目をした髪の短い金髪の少女が出てきた。
その少女はなにをすることもなく、地に伏せたACの上に華奢な身体を座らせた。
少女はふと視線を上に向ける。
「え?」
偶然アルバと少女の目が合った。
出会いは偶然に訪れた。
最近デモンズソウルをまたやっているという……。全く流行に乗ってないですね、私は(´・ω・)