Fate/Others Order 残されし世界の記憶 作:生姜ねる
突然、彼は消えた、何も残さず、そこには元々人が居なかったかのように。
「どうしたんだ!?突然彼のバイタルが途絶えた!彼は無事なのか!?
そっちの状況はどうなっているんだい!?」
彼が消えてすぐ、カルデアからの通信が入った。
突然の事で動揺しているマシュは、何とか目の前で起きた事を伝えようとする。
「ドクター!先輩が…先輩が、突然消えてしまいました…。」
「消えた!?そっちで何があったんだ!?」
現場もカルデアも、突然の事に動揺している、何が起きたか誰も把握しておらず、現場の状況をカルデアは知る事が出来ていない。
「ロマニ!周囲を調べて彼の痕跡が無いか調べなさい!
少しでも何か手掛かりになりそうな物を見つけるのよ!」
やはり所長も冷静ではないようだ。だが、現場を仕切る者として
出来る限りの事をしている。やはりとても凄く思う。
「マシュ、ジークフリート。周囲を警戒して。」
所長からの指示を受け、所長の前に立つように盾を構えた、所長の背後はジークフリートさんが警戒している。
「彼が消えた原因が敵対勢力による物ならば、この混乱に乗じて襲撃される…でも、一切の魔術的痕跡を残さずに人を転移する事が出来る魔術が扱える者なんて英霊ですら居るはずがないわ…。」
周囲を警戒しつつも、所長は考える、彼が消えたという事実を受け、今後自分達がどう行動すれば良いのかを考えている。私も警戒しつつ考えて、あることに気付いた。
「所長、先輩とのラインがまだ繋がっています!
ですが…先輩の状態や位置は分かりません…。」
本当に微弱であるが、マシュと彼のラインは繋がっていた。
だが、彼の現在地、状態が分からない。妨害されているという訳でもなく、また彼とのラインが切れかかっているという訳でもなく、ただ純粋に、うっすらと細く、だが一定に繋がっている様だ。
「ラインが繋がっている…少なくとも、まだ彼は生きているのね…でも彼の位置が分からなければ、捜索する事も出来ない…下手に霊脈地から離れると、カルデアとの通信状態にも影響が出る可能性がある…。今はまだ、カルデアからの連絡が来るまで、この場所を離れる訳には行かないわ。」
所長の判断を聞いた私は、周囲への警戒を続ける。
それと同時に頭の中で色々な事を考えていく、
「(先輩は無事なんでしょうか…どこかに行ってしまったんでしょうか…。)」
「マシュ…と言ったか、大丈夫か?」
ジークフリートさんが声を掛けてくれた、恐らく不安そうだった私を心配してくれたんだろう。
「はい。少し動揺していますが、大丈夫です。支障は無いです。」
「そうか…君が大丈夫というなら私は何も言わないが…。すまない。
一つだけ言わせてくれ…マスターはきっと生きている。」
「ジークフリートさん…、ありがとうございます。」
彼は微笑むとまた周囲への警戒へと意識を集中させた、私もそれに習い、盾を一度構え直した。ジークフリートさんのお陰で不安はとても少なくなった。後はカルデアのドクターが先輩の居場所を特定するまで待機するだけだ。
数分後、ドクターからの通信が入った。
「観測の結果、そこから周囲5kmの範囲で生命活動及び魔力的反応は一箇所を除いて発見する事が出来なかった、その一箇所も膨大な量の魔力が空間にあり正確な観測が出来なかったんだ…つまり」
「そこに彼が居る可能性が高い、という事ね。」
「ああ、恐らく居るだろう…。だが危険だ…。そこに何かがあるのは間違いない…。」
「ええ、恐らく今回の異常の原因もそこにあると思われるわ。
今回の目標はあくまで調査、発見。原因を取り除くのは第二陣がする事。
ですが、貴重なマスター候補を失う訳にもありません、彼を救出します、彼を助け、即レイシフトによる撤退を行います。ロマニ、そっちの状況はどうなっているの?。」
「レイシフトの準備に最低でも数十分は掛かる。だけどそれだけ掛けても安全とは言い切れない。でも今現在レイシフトした場合、意味消失する可能性が高い。最低でもそのぐらいは必要だ。」
「わかったわ…。ではそれまで周囲を探索します。ロマニ、目標地点の座標を送りなさい。迂回しつつその地点に向かうわ。」
「ああ、わかった。すぐに転送するから少し待ってくれ。」
話を聞く限り、特異点の原因を確認し、先輩を救出した後即レイシフトによる帰還を行うようだ。
ドクターからの座標が送られてくる間、所長は私達二人にこれからの事を説明し、周囲への警戒へと戻らせた。
「…人の命なんて…背負える訳ないじゃない…」
そんな声が、後ろから聞こえた気がした。
うーん…登場人物の殆どがキャラブレブレ…難しい…。