フルトン鹵獲作戦・・・?   作:ショックラン

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対話が出来る者を回収せよ!・前編

本作戦は和平はおろかその謎すらロクに解明する事が出来なかった深海棲艦。

 

それを知る事が出来る大変貴重な作戦である。前作戦ではイ級を回収したが、彼? はこちらの言葉はなんとなく分かるようだが、イ級の言葉を今の我々の技術で解明するのは不可能である。

 

よって、【対話】が出来る人型の深海棲艦の回収をする必要がある。

ターゲットは比較的楽な【チ級】【リ級】【ル級】の回収である。

 

貴君等の検討を祈る。

 

 

 

「って感じで大淀さんと提督が作戦内容の説明していたけどさー。何でアタシ達何だろうねー」

 

 

旗艦の北上が航行している大井達に話しかける。今回は、北上・大井・伊58・伊19と偵察&航空の瑞鳳、フルトン砲係の古鷹のメンバーでターゲットの敵船団を目指していた。

 

「提督が「足を狙え足を。先制魚雷で良い感じに大破にして回収してくれ」と適当ぬかして編成されたメンバーらしいですよ。まぁ北上さんと同じ艦隊に入れてくれたことだけは評価します」

 

大井が呆れた口調で話すのを古鷹と瑞鳳が苦笑いをする。58と19は久々のオリョール以外の海域に派遣されたことでテンションが上がりイルカのように、水面を跳ねていた。

 

「あー、キソーとアブゥはまだ改二じゃなかったね。・・・にしても跳ねてるなー」

 

(敵船団にぶつかる前とはいえ皆結構ゆるゆるで航行しているけど大丈夫なのかな?)

 

と不安になる古鷹だったが瑞鳳の偵察機から敵の発見が知らされると、全員無駄話と跳ねるのを止めて配置につく。

 

「敵は、重巡1、重雷装巡1、軽巡3です! 間もなく会敵します!」

 

瑞鳳の言う通り敵の船団が水平線の向こうに確認できる。

 

「おっ、ターゲットが二つ同時に来てるじゃん。ラッキー」

 

先制雷撃組が敵に向けて準備に入る。そして、敵船団が射程圏内に入った事を確認すると同時に四人の魚雷の束が向かっていく。

 

「あっ・・・外したのね」

 

19の魚雷は敵の隙間を縫うように逸れていく。

 

「「「あれ・・・」」」

 

残り三名の魚雷も一発づつ【軽巡】三隻に当たり爆散させるが、肝心のターゲットについてはノーダメージである。

 

「あれ・・・じゃないが!!」

 

突然鎮守府の提督が立ち上がり机を両手で叩く。秘書艦であった吹雪はビクッと身体を強張らせ、何事かと提督を見やる。大淀は一切動じる事なく、めんどくさそうな雰囲気を出しながら手を止める。

 

「どうしたんですか提督? あぁ遂に頭が壊れましたか、明石の工廠を予約しましょうか?」

 

「しなくてよろしい・・・」

 

「それで、いきなり叫んでどうしたんですか?」

 

二人のやりとりを終えたのを確認した吹雪が、おずおずと提督に質問をする。

 

「あー、いや、狙ってほしい奴に攻撃を与えず、どうでもいい奴に攻撃をしたような感覚が頭に入り込んでな。ツッコミを入れなきゃいけないと思ったんだよ・・・吹雪さん、こいつヤベェみたいな目でこっちを見ないでくれる?」

 

鎮守府でのアホなやりとりをしている頃、現場では瑞鳳が艦載機の発艦準備に取り掛かっていた。

 

(提督が、殺し兼ねないから航空攻撃は極力控えてほしいって言ってたけど、今はそんな事を気にしてる場合じゃないよね!)

 

「さあ、やるわよ! 攻撃隊、発艦!」

 

瑞鳳の攻撃機に巻き込まれないように北上・大井・古鷹が敵から距離を置き19・58が隙を見て魚雷を撃てるように近くを潜航する。

 

深海棲艦の咆哮が響く。航空攻撃をリ級には避けられるが、チ級は避けきれずに爆撃をモロに喰らい轟沈寸前まで追い込む事が出来た。

 

「古鷹さん! 今!!」

 

大井の叫び声とほぼ同時に古鷹がフルトン砲をチ級に向けて発射をする。動きが鈍いチ級は避ける事もできずにフルトン砲が着弾。バルーンが展開しチ級を空に浮かす。

 

「おぉ~。飛んでるのね!」

 

「本当に船が空を飛んでりゅー!?」

 

驚きで若干噛み気味の瑞鳳と19が感想を述べる。声を出してこそいないが敵味方関係なく空を見上げる。

そんな中で、北上だけは何か思案をしながら口元に手を当てる。

 

そのまま、チ級は例のごとく空へと猛スピードで連れ去られて行き見えなくなる。

 

『ターゲット無事回収。皆さん流石です!』

 

通信機から明石の声が鳴り、全員が残りのターゲット【リ級】に意識を向ける。リ級も仲間が沈められずに空に誘拐された事にフリーズしていたが既に敵意を元に戻している。

 

「あー、皆ちょっといい?」

 

いざ、バトル! ・・・と思った所で北上が皆に小さく手を挙げて意見を言っていいか確認をとる。

 

「北上さんの意見具申なら聞かない訳がありません!!」

 

即座に反応し肯定をする大井。流石である。大井の勢いに圧され皆も首を縦に振り肯定をする。

 

「ありがとう大井っち。私に良い考えがあるんだ」

 

北上が悪い笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

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