大海と大地に育てられし者   作:lmisa

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ミストガン

ここは妖精の尻尾(フェアリーテイル)のギルドの中。

それぞれが思い思いに過ごしていたのだが、突如眠気に襲われ数名を除いたほとんどが眠りだした。

 

そんな時、ギルドの入り口に何かをかかえた人影と浮かんでいるものが現れる。

 

「ミストガン。…とラキス!?」

「シエラもいるの~」

 

マスターが驚いているのを気にもとめず、黒いマントの男、ミストガンは依頼板(リクエストボード)へと歩く。

 

「行ってくる」

 

選んだ依頼書をマスターに渡し、ラキスをカウンターテーブルにもたれかかせるように座らせると、側にいたシエラと少し言葉を交わし出口に向かって歩きだす。

 

「これっ!!眠りの魔法を解かんかっ!!! あと、ラキスはどうするつもりじゃ!!」

 

マスターは去ろうとするミストガンにすかさず抗議をする。

だが、ミストガンは振り返ることすらせず、その代わりといったふうにシエラがわたしが寝かせるの~と言って、ラキスを奥の部屋に連れていった。

 

「伍…四…参…弐…壱」

 

ミストガンが完全に姿を消すと同時にギルドのメンバーが目を覚ます。

 

「ミストガン?」

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の最強の男候補の一人だよ。」

「どういう訳か誰にも姿を見られたくないらしくて、仕事をとる時はいつもこうやって全員を眠らせちまうのさ。」

 

目が覚めてミストガンの仕業だと騒ぎだす周りに不思議に思い、思わず疑問の声をあげたルーシィにたまたま近くにいたロキとグレイが答える。

自分が答えた相手がルーシィだと気づいたロキは何故か後ずさっていったが…

 

「なにそれっ!!! あやしすぎ!!」

「だからマスター以外誰もミストガンの顔を知らねえんだ。」

「いんや…オレは知ってんぞ。」

 

ルーシィ達が話しているところに突然声が割り込む。

それはもう一人の最強候補、ラクサスだった。

ラクサスに気づいたナツはオレと勝負しろー!!!とケンカをふっかけるが全く相手にされない。

そして、ラクサスがいる二階までのぼっていこうとするとマスターの巨大化した手に潰された。

 

ギルドの二階の依頼板(リクエストボード)には一階とは比べものにならないくらい難しい仕事、S級の冒険(クエスト)が貼ってある。

少しのミスが死を招くような仕事があり、マスターにみとめられた者しか受けられないのだ。

そのため、まだ認められていないナツは二階に行くのを止められたのだった。

 

 

###

 

 

次の日、ギルドはいつになく騒然としていた。

ナツとハッピーとルーシィがS級クエストに勝手に行ってしまったのだ。

グレイがナツ達をとめに行ったのだがなかなか帰って来ず、皆どこか落ち着きがない。

 

「ふわぁ~…おはよ…。おじいちゃん。」

「おはようなの~」

「む、ラキス、シエラか。よく寝とったのー」

「うん、まさか朝まで寝ることになるとは思ってなかったよ。…列車恐るべし。」

 

そんな時、やっと起きたのかラキスとシエラが奥から出てきた。

とりあえずマスターに挨拶したものの、ギルド内の雰囲気に違和感があり尋ねると、どうやらナツ達がS級クエストに行ってしまったとのことだった。

 

「むむ、一応グレイが止めに行ったんだがのう。なかなか帰ってこんわい。」

「ねぇ、それさ、グレイもナツに無理矢理連れてかれてたりしない?」

「うむ、そうかもしれんの~。どうしたもんか…そうじゃ!ラキス、行ってくれんかの?お前ならあやつら4人連れ戻せるかもしれん。」

「えっ!?僕が?ナツやグレイに勝てたことなんてほとんど無いのに…ていうか4人?」

「そうじゃ、最近新人が増えてのう。えらいスタイルのいいねーちゃんじゃぞう」

 

新人のスタイルの良さをニヤニヤしながら話すマスターを適当にあしらっていると鎧を着た緋色の髪の女性、エルザが入ってくる。

マスターがエルザにナツ達を連れ戻すようにいっているので自分はもう行かなくてもいいだろうとラキスは思っていた。

 

「ではラキス、シエラ。行くぞ。」

 

しかし、そうはいかなかったようだ。

ナツ達が心配ではあるが、明らかに面倒事である頼みにラキスは思わずため息をつきたくなった。

 

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