ハイスクールD×D ~Pagan Gods from the Old Testament~   作:カイバル峠

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第0章 目覚め
始動


始動

 

 

 

――――主を知らず、主がイスラエルに行われた御業も知らない別の世代が興った。

 

――――イスラエルの人々は主の目に悪とされることを行い、異教神(バアル)に仕えるものとなった。

 

―――― 彼らは主を捨て、バアルとアシュトレトに仕えた

 

―――― 主はイスラエルに対して怒りに燃え、彼らを略奪者の手に任せて、略奪されるがままにし、周りの敵の手に売り渡された。

 

――――彼らはもはや、敵に立ち向かうことができなかった。

 

                               土師記2:10~14

 

 

 

 

 

「随分と呆気ない結末だな・・・」

 

「まぁ、因果応報って奴じゃない?」

 

「そうね、こればかりは同情の余地なしね。」

 

紫色の空。

 

無数のクレーターに抉られた大地。

 

小高い丘の上から見下ろす3人の人物。

 

一人は男性、肩甲骨下まで届く燃えるような鮮やかな緋色の髪、日輪の如き黄金の瞳。恐ろしいまでに整った顔立ちはさながら美の極致ともいえる様相を呈している。

 

もう二人は共に女性で、一人はやや赤みがかった金色の長髪に紫苑の瞳、もう一人は白銀の長髪に紅玉の如き真紅の瞳で、二人とも神々しい程の絶世の美女である。二人の顔立ちはよく似ているが、金髪の方の女性は人懐っこくもややシャープな印象を受け、それに対して銀髪の女性は輪郭はやや柔らか目だがどこか理知的な印象を与えるなど、髪と瞳の色も相まって、対照的な姉妹のようにも見える。

 

外見上は皆10代後半から20代前半までだろうか。

 

「フフフ…しかし皮肉なものだな。あれだけあちこちの勢力に喧嘩売って信者を奪っておきながら魔王共々死ぬなんて」

 

緋髪の青年は皮肉気な笑みを浮かべつつ、目を細める。

 

「そうね。奪われた側はまだ多くが生き残っている上に私達まで実は生きていたのだから。」

 

銀髪の少女が青年の言葉に応える。しかしその表情はどこか複雑な心情を現しているようだった。

 

「まぁ、自業自得でしょ。バラバラな教えを広めた所為で信者同士で殺し合いは起きるし、勝手に戦争初めて魔王と共倒れして聖と魔のバランスを崩し世界のあちこちで問題起こす始末。これだけ問題起こして・・・まったくどっちが邪神だの疫病神かっての。」

 

二人の言葉を受け、金髪の少女はそうすることが当然とばかりに悪態をつく。

 

「しかしまぁ、本当に厄介なことをしてくれたもんだよ、アイツは。主神を失った神話ほど脆いものはないからな―――これから世界は確実に荒れる。」

 

「神を失った天使、魔王を失った悪魔。おまけに連中も今回の大戦で数を大きく減らした以上他の神話勢力に攻め込まれたらオシマイだものね。」

 

「でも魔王がいないってことは悪魔共はお兄ちゃん達を血眼になって探すんじゃない?連中が私達の生存を知っていればの話だけど。」

 

「そうでないことを願いたいね。奴らの政治問題につき合わされるなんて御免だ。」

 

青年は心底面倒くさそうに息をつき、暫しの間静寂が訪れる。

 

「・・・それで、これからどうするの?どうせ兄さんのことだから戻る気はないんでしょ?」

 

沈黙を破ったのは銀髪の少女の声。

 

「ハハハ・・・そうだな。あいつらはあいつらでまた面倒くさい。できるものならどこかで静かに余生を過ごしたいものだが。」

 

「何か年寄臭いわよ。」

 

「いや、事実年寄だし。」

 

「フフフ、でも変わったわよね。昔は寧ろ積極的に争い事にも首突っ込んでたのに。」

 

「若気の至りだ。それとも・・・こんな年寄り臭い兄は嫌か?」

 

「うっ・・・そりゃ、嫌じゃないけど・・・(うぅ、そんな目で見られたら嫌なんて言えないじゃないの///)」

 

少々寂しげで自嘲じみた、しかし同時にわざとらしくもある表情だが、そんな目で見つめられては少女もそう返さざるを得なかった。

 

「・・・で、結局どうするワケ?」

 

二人だけで良いムードになっていたのがさぞかし気に食わなかったのか、金髪の少女が半眼で口を尖らせながら切り出す。そんな少女の心中を察してか、青年は微笑みながら彼女の頭を撫でてやる。

 

「ハハ、悪い悪い。」

 

「むぅ・・・///」

 

撫でられた少女は頬を赤らめながら俯く。

 

「さて、これからどうするか、だが・・・お前達はどうしたい?」

 

青年は改めて問いかける。

 

「そうね、どの道特に行く当てもないわけだから任せるわ。どこへでも着いて行くわ。それに着いていけば退屈しなさそうだし。」

 

「私はお兄ちゃんに着いて行くだけだよ!」

 

二人の少女は躊躇うことなく答える。

 

「フフフ、そうかい。」

 

青年は口元に小さく笑みを浮かべると一言。

 

 

 

 

「ありがとうな」

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

彼らがどこへ向かったのか、それを知る者は誰一人としていない。

 

ただ一つ言えること、それは世界が大きな転換期を迎えようとしているということだけだった。

 

 

 




どうも、この度書き直させて頂きました、カイバル峠です。

第一話は若干前作一話の二番煎じみたくなってしまいましたが、前作からの方針転換及びキャラの性格・設定変更等々、次回辺りから本格的に変更点が現れてくると思います。

まだまだ至らぬ点も多いので、御指摘頂けると有り難いです。

それでは失礼いたしました。
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