魔銃使いは迷宮を駆ける   作:魔法少女()

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第一〇二話

 玄関ホールは外観に劣る事無く、絢爛豪華だった。

 光が太い柱や燭台に乱反射し眩しいぐらいの彩りを描く。広々とした解放感溢れる吹き抜けの造り。壁際に鎮座する男神と女神、それぞれ一体ずつの彫像。素材は、雪花石膏(アラバスター)だろうか、風化しているモノはイギリスの彫像でよく見る素材で……確か同じ『アラバスター』でも二種類あるんだったか。

 石膏と方解石、特徴がそれぞれ違うが、爪で傷付く方が石膏で傷付かない方が方解石だったはず。わざわざ傷つけて試す必要もないのでどちらでも構わないが。

 ベルが仰け反る程の大階段の先、二階部分の大広間が今回の会場である。

 俺達が足を運べば、一瞬だけ視線が集まり、すぐに散っていく。だがいくつかの視線はねっとりと此方を捉え離さない。意図はわからないが既に狙われているのか、それとも監視されているのか。

 高い天井にシャンデリア型の魔石灯、沢山の長卓の上には普段口に出来ない上流階層の者が口に出来る豪華で物珍しい料理の数々が所狭しと並べられている。背の高い窓の外はバルコニーになっていた。

 日も暮れ、外の景色は宵闇一色に染まりあがっている。会場となっている施設は北のメインストリート界隈、高級住宅街に建てられた建造物であるが故に、酒場や雑踏は遠くから微かに響くのみ。オラリオの中でもとりわけ静寂さに包まれた場所であろう。

 ギルドが所有する建物であり、申請を行えば相応の金額を支払って貸し切りにし、今回の様なパーティーの会場として利用できる、場所だ。

 ダイダロス通りも夜間は静寂に包まれているといえばそうだが、浮浪者のうろつく不気味な静寂とは違い、こちらの静寂さは整然としている。

 社交界特有の空気にベルが嘆息しているのを見上げ、手を優しく振り解く。

 

 ねちっこい視線が、俺にだけ集まっている。どういう意図があるのかまだわからないが、何か注目されているのは間違いない。集まる視線の先を確認すれば、どいつもこいつもにこやかな笑顔を張り付けた豪奢な服を着た者達ばかり。────着慣れている雰囲気から、金持ち……金回りが良いのは間違いない。多分、商人または商売系ファミリアか。

 

「あ……あの人、見た事ある……」

「彼ですか、それなりに前から名を上げている方ですね。ベル、あっちの集団には関わらない様に、碌な噂を聞かない要注意派閥(ファミリア)です」

 

 神々に引き連れられて渋々参加しましたと顔に書いてあるエルフ。燕尾服があれほどに似合わない者はドワーフ以外ないだろうという者も居れば、見事な着こなしを見せるドワーフも居る。獣人も居ればヒューマンもちらほら。珍しく肌を晒さないドレスを着こんだ────本人はしきりに服を摘まんで不満そうにしている────アマゾネスの姿もあった。

 神一人に男女一人ずつの眷属。会場は溢れんばかりと言える。

 ベルにそれぞれ俺が持ち得る情報を教えつつも、俺の事から視線を外さない連中を再度確認。残念なことに集めていた情報は『冒険者』や『鍛冶師』、あとはリリ関連のソーマファミリア、今回の騒動のアポロンファミリア等ばかりで彼らの情報はほぼない。一応、商売系ファミリアの眷属だろうとは思うが……視線が鬱陶しい。

 

「あら、来たわね」

「ミアハも居るとは、珍しい」

「ヘファイストス! タケ!」

 

 流れにそって会場を歩き、隅の方に到着したところで声をかけてきたのは神ヘファイストスに神タケミカヅチ、そして二人に寄り添う眷属……にしてはヘファイストス様の眷属は男性一人だが。

 

「タケの同伴はミコト君に桜花君か、この前は世話になったね」

「い、いえっ、はっ、はいっ……!」

「……いや、此方こそ救援を受けた身。感謝を返す立場ですので」

 

 ガッチガチのミコトと桜花の姿に思わず嘆息。頼りになりそうにない。タケミカヅチ様は表情険しく此方を見て近づいてきた。

 

「表情が暗いぞ」

 

 髪飾りを着けているからかそれなりに優し目に頭を撫でられ、一言添えられる。頭を振って振り払い、一言返しておいた。

 

「あまりにもスキンシップが激しいと()()()されますよ」

「前にも言われたなその台詞。何を勘違いされるんだ?」

 

 軽い笑みを浮かべたタケミカヅチ様の様子にミコトが表情を曇らせ、桜花が吐息を零している。これが神タケミカヅチの平常運転なんだろう。相変わらずというか、なんというか。

 

「勘違い……? ナァーザよ、私も良く言われるのだがどういう……ぐふっ」

「気のせいでは?」

 

 ナァーザさんの肘を脇腹に喰らったミアハ様。擁護不可能な自業自得のミアハ様の発言に苦笑しつつも、軽いやりとりで気分が少し楽になったのを自覚しつつもヘファイストス様に視線を向けた。

 

「眷属の方が一人居ない様子ですが」

「ああ……変わり者でね、主神(わたし)を置いて、一人で探索に行ってしまったわ」

 

 主神放置か。もう一人の男性の方は着慣れない燕尾服のせいか若干落ち着きがなく、しきりに襟元を気にしている様子。若干、着崩れているか。

 

「失礼」

「おっ……おう……」

 

 着崩れかけていた燕尾服の襟元を整え、出来る限り優しく微笑みを浮かべて声をかける。

 

「襟元が気になるかもしれませんが、不用意に障るよりは胸を張る方が良いですよ。手の置き場に困るなら背中で組むといいです」

「あ、ああわかった。感謝する」

 

 後ろに手を回し、胸を張る様に立つだけで大分雰囲気は変わる。彼の浮いていた雰囲気がマシになり、ヘファイストス様の護衛の一人として見えるぐらいにまでは格が上がったか。

 

「慣れてるのね」

「まあ、経験は豊富な方ですので」

 

 ヘファイストス様の言葉に曖昧に頷いておく。出来れば追及は避けて欲しいんだがね。

 ベルの方を伺えばミコトと桜花二人と視線を合わしているのが見えた。桜花も落ち着きが無く、ミコトは肩まで露出したドレス姿に落ち着きが無い。彼らも社交場の経験はなさそうだ。

 

「────やぁやぁ、集まっているようだね! オレも混ぜてくれよ!」

「あ、ヘルメス」

 

 聞こえた軽い調子の大声に思わず嘆息。だが、気分はむしろ晴れた。ムカつく神だがその飄々とした態度は今はありがたい、ぶん殴りたい笑顔なのは相変わらずだが。

 弓なりにしている目を見た神タケミカヅチが『げっ』と呟くのを見つつ、心の中でぶん殴りながら笑顔を向けた。

 横に付き従うのは薄黄色のドレスを身に纏ったアスフィさんと、見知らぬ獣人の男性。筋肉質で見るからに前衛職な雰囲気を醸し出す、野性味あふれる人物だった。

 

「なんでお前がこっちに来るんだ。今まで大した付き合いも無かったろうに」

「おいおいタケミカヅチ、ともに団結してことに当たったばかりじゃないか!」

「裏切りましたけどね」

 

 馴れ馴れしくタケミカヅチ様に肩を組んだヘルメス様をジトッと睨みながら呟けば、ヘルメスが冷や汗を流し、アスフィさんが間に割り込んできた。

 

「十八階層の件は既に話が済んでいるはずですが」

()()()()()のなら何故こちらに?」

 

 あの階層の『裏切り』の清算が済んでいる。そういうならここで馴れ馴れしく関わってくる理由はもうないだろう。何故ならプラスマイナスゼロなのだから。

 ビクリとアスフィさんの肩が揺れ、ヘルメスがすっとタケミカヅチ様から離れ、大柄な獣人の影に隠れた。

 

「まだ、怒ってるみたいだねぇ」

「ヘルメス様、何をやらかしたんですか」

 

 呆れた様な表情でヘルメスを背に庇っていた獣人が溜息を吐きつつこちらを見下ろしてきた。

 

「あー、初めまして、で良いよな。ファルガーだ、その、主神が迷惑をかけたな」

「プラスマイナスゼロです。気にしてませんよ」

 

 ただ、顔見知り程度の仲だ。仲良くはない。

 

「おぉう……こりゃ、また……おっかない小人族を敵に回したなヘルメス様。魔術師とは聞いてたがうちのメリルとは大違いだ」

 

 若干引いた様に呆れた表情を浮かべたファルガーから視線を外した所で、ヘルメスがしれっと彼の影から飛び出してベルの前に立った。

 

「やぁ、ベル君! 決まってるじゃないか! ナァーザちゃんも似合ってるぜ!」

「あ、ありがとうございます」「どうも……」

「おやミコトちゃん、緊張しているのかい? せっかくの可愛い顔がもったいないぜ!」

「かっ可愛っ……」

 

 あえて着崩した格好をしていながらも、それが似合っているヘルメスがミコトを揶揄っているのを見ながらも、周囲をもう一度見回す。まだ、視線がねちっこくこちらを捉えて離さない。

 あまりにもしつこいので顔だけ覚えて後で対処しようと考えながら視線を戻せば、ニヤケ顔のヘルメスが目の前にいた。

 

「ミリアちゃん、怖い顔してちゃ台無しだぜ? 永遠に開かぬ蕾ながら、確かな美しさを秘めてるんだから、せめて笑顔の花を咲かせておくべきさ」

 

 永遠に開かぬ蕾? まぁ小人族なのでこれ以上の成長は見込めないし間違っちゃいないが。随分とキザな言い回しをするもんだ。というか、ちゃんと笑顔の積りなんだがね。

 

「オレだって神だぜ?」

 

 ヘルメスの台詞に吐息。こんな場所で、こんな視線に晒されて心の底から笑えって? 無茶言うなよ。絶対に無理だわ。

 

「針鼠みたいだな」

「ファルガー、変な事を言うと脳天を撃ち抜かれますよ」

「……ソレ、本当か?」

 

 ヘルメスの眷属二人のやり取りを見届け、周囲に視線を巡らせる。本拠が空いてる内に襲撃かけられる可能性を考えて本拠、廃教会にはキューイとヴァンが居て警戒はしているが……むしろ逆に心配になってきた。

 そんなことを考えている間にも、会場には続々と神と眷属が集まり、華やかな喧噪が生まれていた。

 呆気に取られているベルを見上げ、吐息を零していると────思わず口から悲鳴が零れそうになる程の悪寒を感じた。口から悲鳴を零さず、飲み込んで周囲を見回し────見つけた。

 

『────諸君、今日はよく足を運んでくれた!』

 

 高らかに声を響かせ、檀上と見紛う両階段の踊り場から会場を見下ろす神。

 大広間の奥で両手を広げて視線を集めているのは、今回のパーティーの主催者。そして、ヘスティアファミリアを付け狙う諸悪の根源。

 日の色を思わせずブロンドの髪。まるで太陽の光を凝縮したかのような金髪は目に眩しく、煌々とした艶と相まって目を細めねば目を傷めそうな程眩い。口元に浮かべている笑顔もまた、眩しく────まるで、張り付けた様な笑みに背筋が泡立った────その端麗な容姿に視線を釘付けにされる。踊り場に立つ姿、そして左右に立っている眷属、ダフネ・ラウロスにカサンドラ・イリオン、二人の女性を控えており、彼女らとの対比で背丈が高い事が伺える。

 頭の上には緑葉を備える月桂樹の冠を身に着けた────アポロンファミリアの主神、アポロンだ。

 先程までの神々との軽いやりとりで落ち着きを取り戻した心が騒めく。まるであの女に物欲を孕んだ瞳で見つめられた様な────あの女に絡めとられる様な薄気味悪さを感じた。

 

『今回は私の一存で趣向を変えてみたが、気に入ってもらえただろうか!』

 

 良く通る声に合わせ、乗りのいい神々が喝采を送る。

 

『多くの同胞、そして愛する子供達の顔を見れて、私自身喜ばしい限りだ! ────今宵は新しき出会いに恵まれる。そんな予感すらする』

 

 賓客を見回す瞳が、確かに此方を見た。まるで────欲しいモノを見る様な目だ。あの、女が……俺を、見る……。

 

 吐き気と眩暈で世界が揺れる。響く女の嗤い声が反響し、ガラガラと音を立ててナニかが崩れていく。大切な、モノが……ぜんぶ……なにひとつのこさず……めちゃくちゃで────誰かが俺の手を掴んだ。

 

「ミリア、大丈夫?」

 

 グラグラと揺れる視界、誰かに支えられているのを感じつつも周囲を見回せば、若干の喧噪が広がっていた。『誰か倒れたぞ』と呟く声も聞こえ、その()()っていうのが自身の事だと気付いて慌てて頭を振って立つ。

 

「ごめん、少し体調が良くないかも」

「……そっか」

 

 心配そうな瞳を見上げ、出来る限り気丈に微笑むが、周囲の反応は芳しくない。ミアハ様が近づいてきて顔を覗き込んできた。

 

「……心労が見える。やはり今宵のパーティーには参加すべきではなかったと思うが」

「いえ、大丈夫です。平気ですから……」

 

 大丈夫、そう、大丈夫だ。

 

『今日の夜は長い。上質な酒も、食も振る舞おう。ぜひ楽しんでいってくれ!』

 

 神アポロンは何事も無かったかの様に振る舞い、最後に此方を見て嗤った。背筋が凍り付き、表情が固くなるのを自覚しつつも、いつの間にか固く握りしめていたベルの手をそっと振り払った。

 

「ミリア?」

「……ミリア君、無理そうなら僕達だけで行ってくるけど」

「いえ、私も行きます」

 

 ダメだ、ヘスティア様とベルだけを行かせてはいけない。二人が、遠く離れた場所に行ってしまう。───あの人みたいに。

 

 

 

 

 

 結局、神アポロンは面識ある神々との挨拶回りで忙しく、すぐに顔を見せに行くという事にはならなかった。

 数多くの神々に囲まれ────いや、何かおかしい。神アポロンの周囲に優先的に集まっていくのは、商売系ファミリアの主神ばかり。他の神々もそれとなく近づいて挨拶を交わしているが、何かが変だ。

 何故、商売系ファミリアの主神達はこぞって彼の神に近づく? 皆笑顔の仮面を身に着け、時折此方に視線を向け、談笑している。内容までは聞き取れない。

 

「ま、せっかく来たんだし、パーティーを楽しもうじゃないか。美味しい料理でも食べようぜ二人とも」

「あ、はい」

「……そうですね」

 

 食欲は一切わかなかった。最初の頃にじゃが丸君以外も食べたいとは願ったが、全くと言っていい程食欲はわかず、目の前の豪勢で美味そうな料理を勧められても首を横に振る事しかできない。

 悪い予感が背筋を這い上がってくる。逃れ得ぬ災厄が、まるで台風とか地震の様な予測はできても回避は出来ない、そんな自然災害を前にしたかのような絶望感が足先に絡みつき、脳天に至るまで犯されるかのような感覚。あの、あいつが、あの糞女が、母親が罠を仕掛けている様な、そんな感覚。

 ミアハ様にグラスを手渡された。どうやら薬効のある酒らしきものらしい其れを軽く口にし、思わず眉を顰めた。口に合わなかったのかそうとう不味い、良薬口に苦しってことわざもあるのでとりあえずチビチビと舐めつつもベルの傍に控える。

 

「あの、桜花さん、ミコトさん。十八階層ではありがとうございました。沢山、助けてもらって……」

「十三階層で世話になったんだ。むしろこちらが礼を言いたいぐらいだ」

「はい、桜花の言う通りです」

 

 程よく酒精(アルコール)が回り、思考が滑らかになったところで、桜花とミコトも緊張がほぐれてきたのか若干どもりながらも答えていた。

 捜索隊の件だけでなく、ヘスティア様が誘拐された際にも危険を承知でロキファミリアの後続部隊と共に脱出するのではなく、救援に駆け付けてくれた事について改めて礼を言えば、二人とも困った様に頬を掻いていた。

 

「お二人こそ、お見事でした。あの様な事態に陥っても果敢に異常事態(イレギュラー)に対処し、最後にはご自身の手で決着まで……恥ずかしながら、お二人のあの信頼関係には感心致しました」

「確かに二人ともまるで相手が失敗する事なんて一切考えていない様子だったな」

 

 ミコトと桜花の言葉にベルと顔を見合わせ、首を傾げる。

 

「まあ、ミリアだし?」

「ベルが失敗って……考えづらいし?」

 

 二人して返せば、ミコトと桜花がくすりと笑みを浮かべた。

 

「羨ましいですね、お二人の関係は」

「そうだな」

 

 二人の様子に苦笑していると、ミコトと桜花が表情を引き締めて小声で呟いた。

 

「何か困っている事があれば是非、遠慮なさらずにいつでもお声かけください。微力ながら助太刀します」

「助けて貰った礼もある。何かあれば言ってくれ、出来る限りはする」

 

 タケミカヅチファミリアの面々全員が協力を申し出てくれている。それでも────きっと無意味だ。

 

「それじゃあ、えっと……二人も困った事があったら、呼んでください。力になりますから」

 

 ベルの言葉にミコトと桜花が顔を見合わせ、破顔した。差し出された手を握り返しつつも、会場の中央で神々に囲まれる神アポロンを見て、嘆息。

 

「伝聞ですが。お二人の成長には目を見張るものがあると聞き及んでいます。何か強くなる秘訣はあるのですか?」

「ベルは改造人間、私お手製のヤバイ薬を飲んで、日々薬物強化(ドーピング)している……」

「嘘言わないでくださいよ!?」

「……嘘? いや、何割か真実が混じってるような」

「ミリアまで!?」

 

 龍力薬とか、あれって薬物強化(ドーピング)だったじゃん? 今は計画自体が頓挫して試作品が何本か残ってるのみだけど。

 噂に聞く神の宴は変に格式ばった事は無く、神々も思い思いに語らい合い、眷属を自慢し、他の神の眷属を褒め、神々で殴り合いの喧嘩を始め眷属に止められている姿もあった。────どうやらとある神の眷属の女性に、別の神がセクハラかまして主神をキレさせたらしい────自由に楽しく神々が騒ぐための宴、まさにその通りだ。

 

「この建物って、アポロンファミリアの所有物なんですか?」

「……ベル、この会場はギルドの所有する建造物の一つです。他にも複数ありますが、相応の金額を払えばだれでも貸し切りにできるんですよ」

「ミリアさんの言う通りですね。だれでもとは言いますが、基本的にファミリアや商人等が利用していますが」

 

 アスフィさんの補足を聞いたベルが頷いて聞き入っており、其処に神タケミカヅチも加わった。

 

「ホームで宴を開く神も居るが、それはガネーシャぐらいだな。普通ファミリアの本拠地に他派閥の連中を招く真似はしない」

「忍び込み放題であるからな。情報の秘匿もあったものではない」

「そういえばガネーシャが居ないな。アイツなら絶対に目立つし居るならすぐにわかるんだが」

「確かに、ガネーシャは熱い男だからな。街中で竜が起こしたと噂の小火もあったみたいだからそれで参加できなかったのではないか」

 

 神タケミカヅチと神ミアハ、二人のやり取りで思わず背筋が冷えた。落ち着きを払い、深呼吸を行って気を落ち着かせる。さっきから気分の浮き沈みが激しい。

 俺が深呼吸する隣で神ヘファイストスとヘルメスも四方を見回した。

 

「今回の宴はまた勝手が違うから、普段来ない様な神もでてるわね」

「ああ、アポロンも面白い計らいをする」

「あそこの彼、神の宴なんて1ヴァリスにもならないモノには絶対に参加しないって言ってた神よ」

「珍しいな。神アポロンと随分と親し気だし、何か取引でもしてるんじゃないかい?」

 

 …………。全然、落ち着けない。聞こえる話に交じった情報。どれをとっても最悪で最低な想像を掻き立てるモノばかり。商売系ファミリアがやけに親しげで、めったに出てこない神も居て、神アポロンが何か企んでる。

 嫌でも想像がつくし、どう足掻いても逃げられない。四面楚歌状態だ。

 

 




 読者の精神を削る可能性が高いという事で、出来る限り更新速度早めていきたい所存であります。
 ですが限界もありますのであとがきで何か明るい話題を…………特に無いですね。


 一つ、明るい話題とは違いますか『コラボ』小説について。
 本作に登場するオリキャラを自作品に出したいとの事でしたがご自由にしていただいて構いません。お願いしてきたご本人様以外にも同じダンまち作者の方はご自由にどうぞ。

 ただし、相手方の作品のオリキャラをこちらの作品に出してほしいという願いについては申し訳ないのですが出来ません。
 番外として少し、というのも考えましたが今は一刻も早くメインストーリーを進行させて戦争遊戯を終わらせたいので、コラボの方は其れが終わってから考えさせて頂きたいです。


 コラボ作品云々で私が考えたのは『ドキッ! オリ主だらけの戦争遊戯 ~ポロリもあるよ!~』ですかね。

 二つの陣営(ファミリア)に別れたそれぞれ7名の作者(マスター)と7()オリ主(サーヴァント)、総勢14名が織り成す大戦!みたいな感じのモノを……

 まぁ、作者14人も集まるのか? そもそも戦闘バランス的に合わないオリ主出てくるしどうするの? って問題がありありなのでお蔵入り確定なんですがね。募集かけてってのも面倒ですし。
 誰かが書いてくれるなら参加はするんですが。今はとりあえずアポロンファミリアをボコボコにするところまで書かないとですし。

家族√か恋愛√かその他か(※実際に書くのは家族√のみで、アンケートのみの実施となります)

  • 家族√(正規)
  • 恋愛√inベル・クラネル
  • 恋愛√inヘスティア
  • 恋愛√inフィン・ディムナ
  • 恋愛√inその他

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