魔銃使いは迷宮を駆ける 作:魔法少女()
唐突だが、『
これは『ミリカン』のアニメ版放送終了後に実装された一部
アニメ版の主人公であるニンフ型の少女の立場となり、プレイヤーはアニメ版での戦いに参加するモノだ。
各キャラクターの限界値を超えた状態で
『
というかそこそこ耐性が高い
んで、
アサルトの方は、アレは黒幕側の娘で、司令部の秘密を知った魔法少女を排除する『
それにドラゴニュート、ミリアちゃんは元々精神的に滅茶苦茶強い。それこそ銃で撃たれようが手足が捥げようが
────特定条件を満たさなければ、絶対に精神異常になったりしないのだ。
先ほどの会話の内容を思い出す度に胃が痛くなってくる。『ガトリング・マジック』で敵部隊を薙ぎ払い。『
いや、今の俺は
「ノースリス、どうする……」
「とりあえずギルド長を問い詰めましょう」
クレイティア・サークリッジ殿と【白い羽】カルロス殿はヤバい。神ウラノスのひた隠しにしていた
まずすべきことは一つ。豚エルフの抹殺、もとい彼との話し合いである。
「ノースリス、あそこにいるぞ」
シャクティさんに示された
体重で軋んでいる
「ギルド長、少し話があるのですが」
「なんだ、もう話は終わったのか」
「いえ、実は────」
クレイティア嬢のしでかした色々なモノについて
ベディヴィス公爵が死んでいると伝えた瞬間、
「な、何ぃっ!?」
「声がデカいです」
それなりに話声等で騒がしい
ギルド長が慌てた様に愛想笑いしつつも
隅の方に移動して更に詳しく説明していく、というかギルド長の話を聞く。
「で? 賄賂受け取って私と会わせたって本当ですかねぇ」
「おまえには関係ない、一介の冒険者がそんな事気にしてどうする」
うわぁ、コイツ……言うに事を欠いて……いや、というかギルド長やい。アンタ本当に大丈夫なのか?
サークリッジ家がやらかそうとしてた政治的理由での
「待て、何の話をしている」
はぁ? ギルド長がベディヴィス殿から賄賂貰ったんでしょ?
彼ら、親子喧嘩を国内で滅茶苦茶やってて、それの収拾付ける為に冒険者に依頼出そうとしてたんだし。それを助長するとか完全にギルドが定める法を無視してんじゃん。
「馬鹿な、儂はただ
じゃあ何か、賄賂貰ってただ会わせるだけで良いとか思ってたのか。というか都市外の出来事に対して無頓着過ぎひん……いや、サークリッジ家が上手く隠していたのか。
それはともかく、このままだとギルド長が都市外の政治抗争に
「不味い……まだクレイティア殿は
青ざめたギルド長を引き連れ、一角にあるバーへと足を運ぶ。
このままだとヘスティアファミリアがサークリッジ家のベディヴィス陣営に加担したと取られ、グリディア陣営から攻撃されかねない。ギルド長に至っては国外の問題に対し都市の
「もしかして、【白い羽】がサークリッジ家に雇われてるのってギルド長知って────」
「ノースリス、これはお前の様な一介の冒険者如きでは理解できない政治的な理由あっての事だ。それ以上口にすることは許さん」
「…………」
賄賂ですねわかります。多分、賄賂受け取って黙ってたんだろうねぇ。【白い羽】もそこらへん理解しててのあの発言か……いや、理解してたかどうかは怪しいな。なんか『狙撃手』の
どうやって収拾を付けてくれるんですかねぇ。
「今からあの娘を拘束し、国に送り返す。それからサークリッジ家に対し今回の虚偽申請についてを追求する」
…………。クレイティア嬢、処刑されね? いや、割と高確率で処刑される流れだな。
というかむしろ彼女が死んでくれないと不味いんだよなぁ。後味は悪そうだがそうする他ないし仕方ないと割り切るか。
「それで、奴は何処に居る」
「ここら辺に────」
待っててとお願いしたはずの二人の姿がバーカウンターの周囲から綺麗さっぱり消えて無くなっていた。
…………おぉっと? なんか胃が痛くなってき────違う、背中に嫌な汗が────いや、これはなんだ、なんか妙なフラグでも立てちまったか? なんで二人が居ない?
「ノースリス、本当にここで合っているのか」
「あってます、ええ……」
会場が広い事もあって、バー自体は複数個所に存在すると言えばそうだ。しかしいくらなんでも場所を間違える事なんて無いはずなんだが……。
周囲を見回して二人の姿を探していると、二人組の黒服が近づいてきた。片方が台車を押している。
「失礼、【魔銃使い】殿ですね」
「はい、そうですが。何か?」
台車の上に置かれた箱には
俺の見間違いでなければ、クレイティア嬢が持っていた物と全くうり二つの代物だ。
「サークリッジ様より言伝を預かっております」
こと、づて? ことづて、言伝とはなんだ? 食べられるのか? 今はお腹が空いてる訳でも無いのでいらないのだが。それよりも二人は何処へ?
「ノースリス、落ち着け。その言伝とはなんだ?」
「はい、此方の
いや、いやいや、本人達は何処に行ったんだよ。なんで
「それが、人が多くて守り辛いから先に帰る。と」
…………ああ、そう。そっかぁ、人が多いもんねぇ。暗殺者とか紛れてても分かり辛いもんねぇ。そうだよねぇ~、やっぱもっと人が少ない方が守りやすいよねぇ~~…………こっちの都合考えてくれないのね。
帰ったのね。帰った……言伝頼んだからオッケーとか思ってそうだね。馬鹿だね、死ね。
「では、此方の方はお渡ししておきますね」
わぁい、
黒服の職員二人が持ってきた台車を受け取り、その一番上にちょこんと乗せられた宝石箱を開けて中を覗くと、案の定というか『純白の風切り羽』が入っていた。これは、あれじゃな? 奴ら依頼を強制的に押し付けてきやがったな? あの話を聞いたうえでこれを捨てるのは忍びないと思わせてから、押し付けて逃げ帰るとか……最低下劣な手段に出やがった。
「で、ギルド長どうすんですかこれ」
「な、馬鹿を言うな。お前がしっかりと引き留めておかないから!」
今から追いかければ間に合うか? いや、一度
「えぇい、少し待っていろ」
ギルド長が壁際で立っていたギルド職員の制服を着た調整員らしき人物に話しかけている。数分もすれば、話しかけられた人物が慌ただしく駆けていき、ギルド長が汗をぬぐう仕草をしながら戻ってきた。
「これで良い。とりあえず彼女達には一度ギルドに来てもらう様にした」
「で、どうするんです?」
「今回の依頼について、別の物とすり替える」
当然、都市外の政治的な抗争に冒険者を介入させるなんて馬鹿な真似は許さん、と。代わりに
今回の件においてはギルド長も賄賂受け取り済みで、受け渡した対象が既に死んでいるらしい事から騒ぎ立てても余計な事にしかならないので、その娘が珍しい品を欲して【魔銃使い】に依頼を出した。という形に収めるらしい。
「……つまり、後はギルド長に任せれば良いと?」
「いや、お前には依頼を一つこなして貰う事になるだろうな」
はぁ? ギルド長が賄賂につられてサークリッジ家を
「儂も騙されておったのだぞ」
いや知らんがな。というか貴族が興味もちそうな
「お前は
ダンジョン中層部中間地点、十八階層より先の『大樹の迷宮』内で極稀に見つかる、結晶で形作られた花というのがあるらしい。『
それをギルドに引き渡し、
「賄賂の何割かこっちに寄越してくださいよ」
迷惑料寄越せと要求したらギルド長が表情を歪めて俺の後ろを指さす。
「それだけあれば十分だろう」
「…………」
俺の後ろでシャクティさんが押す台車に乗せられている
「全く、今日はとんだ厄日だ……お前はガネーシャファミリアの依頼があるのだろう。もう行って良いぞ」
「……貴方の所為なんですがねぇ」
後はギルド長がなんとかしてくれるらしいので丸投げで良いか。これ以上噛み付いても仕方ないし……。
とりあえずクレイティア嬢から譲り受けた
「ギルド長」
「なんだ、もうお前に用はないぞ」
「私と
後ろでシャクティさんが驚いているが、別に良いじゃろ。
ちょろっと
「本気なのか?」
「何がです?」
「ギルド長と
ドレス姿でクスクスと小さく笑った少女。彼女が今から挑む
シャクティが懸念しているのは彼女が
ギルド長、ロイマン・マルディールという男は一世紀の間に渡ってギルドを支え続けたエルフである。まかり間違ってもそれは事実だ。たとえ豚と罵られる様な見た目をしていようが、彼は腹芸や策謀に秀でている。
それこそ、
目の前の
「んー……そうですね。
「……おい」
笑みを浮かべた彼女の返答に思わず引き、同時に秩序を守るべき派閥の長として一言注意すべきかと口を開くより前に、ミリアが続ける。
「今の貴女は『
「だがな」
「では、こうしましょうか」
悪戯っぽい笑みを浮かべ、ミリアは条件を提示した。
この
それでも
「では、いきますかね」
「何をしているノースリス、早く席に着け」
ポーカー用の
一人当たりの所持
参加者はギルド長とミリアの他に周囲に居た貴族が一人、商人が一人、神が一柱。計五人での
「まず確認ですが。この
「代わりにミリアちゃんが負けたら三食首輪付きで!」
「私は『再生薬』の取引権利を」
彼らの言葉に笑みを浮かべて応えているミリアを見て、シャクティは背筋を震わせた。
ミリアが敗北した場合、貴族は『竜の剥製』を、商人は『再生薬の取引権』を、神は『ミリアの身柄』を、ギルド長は『再生薬の取引で生じた利益の三割』を……代わりに、ミリアが勝った場合は彼らが持つ
よもやギルド長だけに限らず、商人や貴族まで巻き込むとは思ってもいなかったが、何より嘘が通じない神すら敵に回して
「まずは
裏側の絵に細工がされていないかも確認したところで、ミリアが口を開いた。
「あ、開始前に一つ確認を────私、
彼女の質問に商人とギルド長が失笑を零し、神と貴族が小さく頷く。
「ええ、構いませんとも」
「別に良いよ!」
許可が取れた事を確認したミリアが、
「では、
一人五枚。計二五枚の札が配布され、各々がそれらを捲り見ていく。
シャクティの前に座るミリアの
動作から予測すると言っていたからか、彼女は他の
「では、一度目のベッティングタイムです。右端の方からどうぞ」
順繰りに各々の
ギルド長が不敵な笑みを浮かべて
一切の迷い無く捨てる札を選択して場に出す。出したのは『♦2 ♥5 ♣7』そして引いた札は『♦J ♥J ♣J ♠J ♠A』
ミリアの
他の
「
「では私も
「
「
「
その宣言にシャクティが眉を顰めた。『フォー・オブ・ア・カインド』は上位の手が『
「では
勝負に出ていた貴族の
勝者はギルト長。悠々とした表情で彼が宣言する。
「いやぁ、常日頃の行いのおかげですかな。どうやら勝利の女神に微笑まれている様子ですな」
はっはっはと腹を揺らして笑う彼がミリアに流し目を送るも、彼女は場に出された
二度目、三度目と
ミリアの
十二分に強い手だが、また降りるのだろうと彼女を見ていると、ミリアは他の
「
「はぁ?」
「……ですから、
『フルハウス』は決して弱い手ではない。しかし不敵に笑うギルド長や、勝ち誇った表情の神等が居るさ中に今まで
「ノ、ノースリス殿? 正気ですかな?」
「負けたらこの時点で勝負が着きますが……」
「何度も言わせないでください。
意見を変える積りは無いのか、彼女は再度宣言を行う。いくらなんでも勝負を捨て過ぎではないかとミリアの後ろ姿を見ていると、他の参加者が一人、また一人と
「確かに、
商人がミリアの挑発に乗った。この時点でどちらかの脱落が確定した。参加時所持
「では
固唾を飲んで見守るシャクティの前で、流石に冷や汗を流しながら手札を開示する商人とは異なり、今まで通りに雰囲気を変える事無くミリアは手札を明かした。
商人の
ミリアの
同じ種別の
「な……」
「勝負どころを間違えましたね。お疲れ様です、
薄く微笑みを張り付けたミリアが商人に宣言する。普通なら少しは不安を感じさせるはずなのに、微塵も揺らがない雰囲気に貴族が身を強張らせ、ギルド長が目を細める。神だけは楽し気にニヤニヤと笑みを浮かべていた。
続く
ミリアを除く全員が『彼女が
ミリアの手札は『♠5 ♦5 ♥5 ♠9 ♥9』の『フルハウス』だった。
また勝負に出るのかと彼女を伺うと、彼女はいつも通りに『
彼女は『♦5 ♥5 ♥9』を捨てたのだ。せっかくそろっていた『フルハウス』を完全に破壊する入れ替えにいくらなんでもおかしいと勘づき始めたシャクティの目の前で、ミリアが新しく配られた札を加える。
『♠5 ♠6 ♠7 ♠8 ♠9』
『フルハウス』を崩すという理解できない入れ替えを行った結果、ミリアの
「馬鹿な……」
少なくとも、後ろから見ている限りでは彼女は
ミリアの小さな手では
しかし、彼女は『スリー・オブ・ア・カインド』で
そこまではわかるが、彼女がどうやって
「
また、確実に勝てそうな
「……
どんなに弱い手であっても他の
どうやって他の
さらに、不自然な
『私はこの
『開始前に宣言した通り、皆さんの
『強いて言うなれば、皆さんが手札を入れ替える様子には注意を払っていますけどね』
『私が勝負に出る時は、私が
『私の
神の前で、平然と嘘を吐いた。少なくともその時点で彼女の
それだけではなく、参加していなかった観客の神もまた同様に『嘘はない』と言い切ったのだ。これにより、余りにも不自然な『引き』と『賭け方』をしているにも拘わらず、彼女はそのまま
何より、シャクティが彼女を恐ろしいと感じたのは────緊張や怯えが見て取れない所だ。
しかしミリアの場合はそれが無い。怯えや緊張なんて微塵も感じさせない
とてもではないが、正気とは思えなかった。
ダンまちOVAⅡ『無人島に薬草を求めるのは間違っているだろうか』を見ました。
えっと、端的に言いますがアレを本編に居れるのは無理だと思いました。温泉については本編に混ぜましたが、もしやるにしても『恋に堕ちた』の方で短編って形にすると思います。
コラボ小説投稿しました。
『魔銃使いは異界の夢を見る』ってタイトルです。まあ、既に知っている方も多いでしょう。
『TSロリエルフが稲作をするのは間違っているだろうか』の作者様『福岡の深い闇』様とのコラボです。
米の話題を避ける形でミリアちゃんは進めてましたが……むしろ作者的には米の話題ぶち込もうかなとか考えてましたねぇ。
『どうしてオラリオに来たのか』って質問から『何? 迷宮内で米でも探しに来たの?』って感じで……ほら、『大樹の迷宮』当たりの未調査領域にありそうじゃないですかね。
温泉だってあるぐらいだし、迷宮内に金色の稲穂とk(ry
絵の方いただきました。ありがとうございます、励みになります。
https://img.syosetu.org/img/user/302330/61549.png
かっこいいミリアちゃんを描いていただけましたー!