魔銃使いは迷宮を駆ける 作:魔法少女()
モンスターが逃げ出すという大失態を犯したガネーシャ・ファミリアは名声をかなり落とし、それ所か複数のファミリアへと助力を請うた事でかなりの
他にも様々な問題があったが、俺にとって最大の問題となったのは
考えても見て欲しい。
部外者(一応関係者)の少女。素性は不明、モンスターを連れてる、何故か血塗れだったのに無傷。本人は何も覚えてないと主張している。怪し過ぎて役満過ぎる。
ただ、この件は割とあっさり片付いた。と言うのも神ガネーシャの鶴の一声とも言うべき発言であっさりと許された……いや、違うな、許されたと言うかあれは庇われたのか?
『もしミリア・ノースリスが犯人であると言うのなら。彼女を招き入れた俺、ガネーシャこそが罰せられるべきである。故に彼女を責めるのはやめてもらおう』
やだ、ガネーシャ様かっこいい……。素敵、抱いてっ! って言いたいぐらい男らしく胸を張って俺を庇ってくれたらしい(ヘスティア談)
他にもロキとかも俺を庇ってくれたらしい。いや、ロキは何か違うっぽかったが……。話を逸らすのを手伝った感じ?
ロキ曰く『せっかくフィリア祭用に用意したったドレス着てくれへんとかウチの事嫌いなんか? 傷付いたわーめっちゃ傷付いたわー。こりゃメイド服着てご奉仕してもらわな癒えん傷やわ』との事。
何のこっちゃって話だが、これなぁ……ゴスロリ風ドレスの話なんだよ。
なんでも俺と最初に出会った時(俺がミノタウロスに襲われてロキ・ファミリアに保護された時)にキューイを見て一瞬で『ガネーシャ・ファミリア関係者』ではないかと疑い、ガネーシャ・ファミリアの団員がミリアについて探ってきたので違うと判断。そして敵意を抱かないキューイを見てガネーシャなら近々行われる
ボロボロのローブでは人前に出せないだろうからなんかの衣装が渡されるだろうし、だったら自分が用意した衣装着せてやろうと意気込んで衣装を用意してたと……。
んで、肝心のフィリア祭の際にはなんとロキが用意した衣装じゃなくてガネーシャ・ファミリアが用意した地味な衣装での登場。これにはロキも地団太を踏んだらしい。
つか、ロキが頭良すぎて怖いんだけど、何? ミノタウロスに襲われて保護された日に既にガネーシャ・ファミリアに協力を要請されて
お前努力の方向性間違ってんだろ、最終目的が俺に
その件は置いておく。とりあえず今度ロキ・ファミリアを訪ねる時はそのゴスロリ衣装に袖を通して行く事にしたが、とりあえず置いておく。できればあんなの着たく無いが今回の件でかなり助けられたし。
ロキってさ、なんかこう、なんつーの? 凄く頭の良いセクハラ親父って言えば良いの?
まぁいい。そのおかげもあって俺は普通に外出可能に……と思ったんだが
シルバーバックを倒したその日はぶっ倒れたヘスティア様と俺、ベルは偶然通りかかったシルさんに連れられて豊穣の女主人で世話になったんだが、俺を勧誘しようと次の日には人が溢れかえったらしい。
ちなみにミアさんの鶴の一声『酒飲んで飯食う場所だ、余計な事するなら出て行きな』によって全員蹴散らされたっぽい。
んで、キューイを普通に連れ歩く権利は手に入れたが、連れ歩いてると勧誘がマジ酷い。是非ともウチにとか、かわいがるよとか、美味しいお菓子あるよーって……俺は子供かっ! 今時の子供でもお菓子あげるから着いておいでなんて言われてついていくやつ居ねぇよっ!
そんなこんなで結局俺はキューイを隠して生活する羽目に……それ所か俺の顔も知れ渡ったっぽいので顔を隠しての生活になっちまったよ……。
其の為衣装を変えた。魔女っ娘衣装である。暗褐色のつばの広い魔女っぽいとんがり帽子に同色のだぼっとしたローブ。上下共に魔女っぽい衣装になった。キューイは相変わらず服の中。連れ歩いてると勧誘面倒だしね……。
ただ、運が良いのか俺はどうやらガネーシャ・ファミリアの団員だと思われているらしく、ヘスティア・ファミリアの本拠まで人が訪ねて来た事は無い。ただしガネーシャ・ファミリア……
んで、ガネーシャ・ファミリアからかなりの謝礼金も頂いた。いや、マジで迷惑かけた気がするんだけど良いのかなって思ったんだが、俺が協力したおかげか死傷者ゼロだったらしい。俺の協力に何の関係があるのかって言うとモンスターの早期発見、捕捉によってガネーシャ・ファミリアの団員が手早く駆けつける事に成功したおかげとかどうとか。
貰えるもんは貰っとけ精神で貰った金はー……うん、まぁ、教会の改修費にしたかったんだよね。無理だけど。
何がって……ヘスティア様が俺とベルに用意した武装が問題だったんだよね。ベル君のヘスティアナイフと俺の竜鱗の朱手甲ね、ヘスティア様がどうやって用意したと思う?
簡単に言うと神ヘファイストスに直談判して作って貰ったらしい。神ヘファイストスって……神々の鍛冶師じゃねぇか!? と言うかヘファイストスブランドなんて言葉がある程のオラリオ最大の鍛冶系ファミリアの主神に直接作って貰った武装らしい。
え? 神が作った武装? 神器かな? 冗談抜きで。
なんで眷属に任せなかったのかと言えば『私的な件を子供に任せるなんて出来ないでしょ』だそうだ。ヘスティア様が
まぁ、それが大問題な訳で……製作費いくらだと思う?
神の手によって作られた武装、値段なんてつけられんだろ? ちなみに、オラリオで平均的な一軒家のお値段は300万ヴァリス程度。平均的な一般家庭の収入が一ヶ月で10万ヴァリス程度、冒険者は強さによりけりだけど第一級冒険者が一回の換金で得られる金額の平均はざっと200万ヴァリス前後らしい。
んで、ヘスティアナイフと竜鱗の朱手甲のお値段はー……二つ合わせて5億ヴァリスだそうです。
内訳としてはヘスティアナイフ3億ヴァリス、竜鱗の朱手甲が2億ヴァリスだそうだ。どっからそのお金が出たかって? 借金だよ……。
ヘスティア様曰く『僕の借金だから君達は気にしなくて良い。何せ時間なら無限にあるからね、気長に返すよ』だそうだ。だが主神が頑張ってんのに俺が何もしないのもどうかと思うので全力で返済に協力する事になった。
要するに今回のガネーシャファミリアの謝礼金の殆どが借金の返済に充てられたわけだ。ちなみに金額は80万ヴァリスとそこそこ……雀の涙過ぎて笑えない。
っと、話は変わるが、ベル君の方が3億ヴァリス、俺の方が2億ヴァリスと差額が大きい訳だが……なんか桁が大き過ぎて感覚が壊れそうだが俺の方が金額が安い分、軽んじられているのではないかと思ったんだが、違うらしい。
どうもヘスティアナイフの方は素材費用も全部出してもらったのに対し、俺の竜鱗の朱手甲はキューイの素材、つまり素材持込みでの制作扱いなので比較的にベル君のヘスティアナイフより安値で済んだらしい。
一安心である……借金が4億9900万あるのから目を逸らす他無い訳だが。
ベル君には伝えてない。と言うか俺がヘスティア様に問い詰めた結果発覚したのであってベル君には黙っていてほしいらしい……まぁ、仕方ないとは言えなぁ……ヘスティア様がバイトを増やしたので倒れないか心配だ。
「な~な~か~い~そ~う~っ!?」
響き渡るエイナさんの声に周囲の冒険者の視線は釘付け。いやぁ人気受付嬢は貴女でぴったりですよエイナさん……あ、ごめん冗談、マジで目が据わってる。めっちゃ怒ってますねこれ。
「君達は! この前の五階層で死にかけたばっかなのになんで七階層まで下りてるの! うかつにも程があるよ」
うひぃ……いや、だってね? ギルド推奨ダンジョン攻略情報によれば七階層はステイタスEがあれば十分って……俺の現在のステイタスは以下の通り。
力:I54
耐久:I68
器用:G267
敏捷:H125
魔力:E440
これはドヤ顔しても許されますね。ゆるされるよね?
「で、でも僕、あれから結構成長して……ステイタスがいくつかEまで上がったんですよ」
……ドヤ顔したかったよ。ベル君の方はね、力と耐久の二つがEなんだ……俺なんて魔力がEでそれ以外が……察してくれ。しかもベル君は敏捷が……Dである。もう一度言おう。Dである。
なにそれ凄すぎるだろって感じ……出遅れた感あるけどさ、もっと、こうさ……なんかないのか。
「はぁ~? Eぃ? そんな訳ないでしょ」
「本当ですって、何ならステイタス見せますよ」
おい、ベル君、いくらなんでもステイタス見せるのはやり過ぎなんじゃ……。
「ふぅん、そんなに自信があるんだ。じゃあ奥の個室に行きましょう」
エイナさんと個室……巨乳ハーフエルフと個室で二人きり、何もない筈もなく……って違う。
「待ってください。いくらギルド職員とはいえ誰かにステイタスを教えるのはダメですよベル」
「でも見て貰った方が早いよ?」
「……確かに、ステイタスを見るのは不味いわね……でも……」
ぶつぶつと悩み始めるエイナさん。ベル君はもうちっと警戒心持つべきだと思うよ? エイナさん良い人だけどギルド職員だし……、大丈夫だとは思うけど一応ね?
「……よし、だったらこうしましょう」
うん?
「もし君のステイタスを私が誰かに話したら、私は君の奴隷になってあげる」
……はい?
「え? えぇぇぇえええっ!? ちょっ!? 何言ってるんですかエイナさんっ!?」
えぇぇぇぇぇぇええっ!? 奴隷っ!? エイナさんが奴隷っ!? 巨乳ハーフエルフのお姉さんが!? 何それおいしそう。
「ステイタスを見せて貰うんだからそれぐらいしないと」
「でも……」
「良いベル君、ステイタスっていうのはその人の全てを映し出しているのよ?」
ステイタスとは、その人が今まで歩んだ軌跡、得手、不得手を示すモノである。ステイタスがばれるというのは冒険者として死んだも同然。つまりステイタスを知るというのは相手の全てを掌握したと言っても過言では無い。
すべてに対して中立を示すギルド職員とはいえ、個人のステイタスを知る程じゃないし、知って良い訳でも無い。無論、悪用なんて考えていないが相手の人生の全てを知る訳だから自分も人生の全てを捧げる覚悟はしていると。
エイナさんが男らし過ぎて惚れそう。
「じゃあ奥の個室に行きましょう」
そして個室って単語はエロいな。
そう言えばステイタスって
「うそ……力と耐久がE……敏捷が……Dぃっ!?」
え? 読めるの? ギルド職員凄す……まって、スキルも読めるなら不味くない? ヤバイ、忘れてたけどベル君にスキルの存在を知らせるのは不味いよっ!?
「ベル君の言う通りこの短期間でステイタスが急成長している……」
どうする……エイナさんのおっぱいを後ろから揉んで気を逸らすか……?
「私には読めない所もあるけど……アビリティは本物だし……」
……スキルは読めなかった感じか? だったら良いか……今後はベル君がステイタスを誰かに開示しそうになったら全力で止めよ……。心臓に悪いわ。
「じゃあ僕達、これから七階層で探索を続けても大丈夫ですよね」
「確かにこのステイタスなら七階層進出を許可しない訳には……」
やったねベル君、エイナさんに認められたよ……にしては何か悩んでるっぽいけど。
「そうなると問題は……」
うん? ベルの胸元をじっと見て……防具を見てる? ハーフプレートメイル、ベルの胸元の其れは一度シルバーバックに凹まされたのを強引にブッ叩いて直したベコベコになった物を使っている。不格好だけど金が無いからね、ショウガナイネ……マジごめん。早くベル君に防具買ってあげたいんだけど、防具糞高いんだよ……20万ヴァリスとか平然とするし、何処で買えばいいんだか。
「二人とも明日は予定空いてるかな?」
「明日ですか?」
「明日?」
明日も変わらずダンジョンに行く予定はあるが、他に何か優先すべき事があるならそっちに行く感じだな。なんだろ?
「もしよかったら明日、防具を買いにいかない?」
「え? 防具ですか? あんまりお金ないんですけど……」
「出せるとして予算はいくらぐらい?」
一万が限界だろうなぁ。他は全額ヘスティア様に捧げてるし。ベル君の個人のお小遣いは確かそんぐらい。俺の方は別に良いかな。竜鱗の朱手甲と魔女っ娘セットがあるし。
「それぐらいあれば良いの見つかるよ」
え? マジで? だって防具って高いよね?
「それにミリアちゃんはサブウェポンを持った方が良いよ」
「……サブウェポン?」
拳銃? そっちはサイドアームか。
「そう、短剣とか……後は細剣みたいな。長杖だけだと接近された時、心もとないでしょ?」
ほー……。接近された時点でアウトだと思うがねぇ。
「それで、二人ともどう?」
「う~ん……エイナさんが言うなら行ってもいいかもしれないです」
「そうですね、一応ベルの防具はどうにかしないととは思ってましたし」
なんか普通のそこらの防具屋行くとアホみたいに高いんだけど……エイナさんギルド職員だし安価で防具を売ってくれる伝手でもあるんかね?
先週は更新できなくてすまんかった。