魔銃使いは迷宮を駆ける 作:魔法少女()
神様、ほんと凄い人……いや、人じゃないのか。
流石神様、と言えば良いのか。凄いわ。
思わず信仰したくなっちまった……
……前世で人を騙してお金を荒稼ぎしてた俺がこの神様の眷属に?
…………すっげぇ申し訳ない。ぶっちゃけベルくんが神様云々言ってた時には
だけど、あの神様の為に何か出来るなら、
……まあ、前世の罪滅ぼしになるかは知らんが。
……話は変わるが。神様転生系でトラックにはねられて死んだ系の転生者ってスゲェんだな。
時々、自分の体がぐちゃぐちゃになってる事を覚えてる奴も居るが。平然とそれを流したり、語ってみせたりできる辺り、
俺には無理だわ。あの時の事を必死に思い出さない様にテンションを変にあげたり、ミリアになった事とかで気を逸らしてないと正気を保てそうにない。
思い出しただけで手足が震えるし、背中に広がる血の感触が今でも思い出せる。
そう、背中を流れるシャワーの感覚が、いやこれ水だし、血の方がドロッとしてて……
やべぇ……吐き気が……
何度えずいても。空っぽの胃から出てくるモンなんて胃液ぐらいしかネェよな。
シャワールームで胃液をゲロってたら、ヘスティア様が様子を見に来て背中摩ってくれた。
第一声は「大丈夫かい?」である。 神様……マジスゲェな。惚れそうだ。
とりあえず。マジ申し訳ない事をしたと思うが。ヘスティア様凄すぎ。
とりあえず気分を変えるべく。気がついたら全裸になってて確認してなかった事を確認しよう。
そう、俺の性別について……ミリカンでは女の子だったミリアちゃんも、この世界では男の娘と言う可能性が――
ファルナを授かろう。そうしよう。あ? 性別? 女だよ。誰だよ、男の娘を期待したアホは。
俺だよ……
教会の隠し扉、【ヘスティア・ファミリア】の本拠であるこの部屋にて、ヘスティアがにこにことした笑顔でベッドに腰掛けている。
先程、シャワールームでゲロってた事なんて無かった事になっているのか。ベルはなんか「僕は上で待ってますね。終わったら声かけて」と言って上に行ってしまった。
「ミリアくん、上着を脱いでここにうつ伏せになってくれるかな?」
ベッドを示しながら言われた言葉に思わず首を傾げる。
ファルナ付与だよな? どんなモノか想像してすらいなかったが、こう、神の前で跪いて、神がファーって授けるもんかと。自分で言ってて思ったが、ファーってなんだよ。ファーって。
「あぁ、ファルナは背中に刻むんだよ。だからうつ伏せに寝て貰った方がファルナを刻みやすいからね」
「なるほど」
背中に刻むから背中を見せろと。なるほど。
特に入墨とか入れる事してないから問題ないな。
魔法少女系のアバターの中には顔やら胸元やら背中やらに入墨を入れる奴も居たからなぁ。
上着、と言うかローブの為上下一体型と言うか。頭からかぶるタイプなのでローブ脱ぐとパンツにシャツと言うスタイルになる。その上シャツを脱げば……後は分るな? ……まぁ、俺は別にロリコンじゃないんだが。
「さて、針とー
うつ伏せに寝た俺のお尻の辺りにヘスティアがそっと跨った。
……いや、別に変な事考えてネェし。誰だよ仰向けなら絶景が見れたとか言った奴。仰向けじゃなくても正面から向き合えば絶景だよ……大きな山を見上げる形になるからな……だって俺の方が背低いし。くっそ、選ぶ素体間違えてんぞ。
なんで『フェアリー型』選んだ俺。
……だって飛行魔法とかあったし。空飛びながら『ガトリング・マジック』で地上掃射。楽しいゾォー……まぁ狙撃で撃墜待ったなしなんですがね……クッソ、スナイパー全員死ねよ。なんでアレ当ててくんの……ロケランで爆殺されんのも納得いかねぇし。なんで当たるんだよ……俺のPSの所為ですねわかります。
そんな事を考えている間に、ヘスティアが指先に針を刺しているのが視界の端っこに映った。
思わず身を起こそうとして、咄嗟にやめる。このまま起き上がればヘスティアが危ない……まぁミリアちゃんボディは魔力無しだと弱いしヘスティア様を押しのける事なんてできやしないが。
手、そして血。
二つが合わさり、俺のトラウマを刺激する。ヤメロォー……やべぇ、ちょっと吐き気が。
「ヘスティア様……」
「うん? どうしたんだい?」
「血が……」
「あぁ、大丈夫だよ。ファルナは
苦笑を浮かべ、それから申し訳なさそうに謝ってきたヘスティアの姿に、赤い血を見て一瞬フラッシュバックした血濡れでぐちゃぐちゃの両手の映像が掻き消えた。
胃の辺りに燻る不快感はなんともしようがないが……
「……いえ、此方こそ、過剰に反応して申し訳ない」
「気にしなくて良いよ。今回は僕の説明不足だからね。さて、ファルナを付与するよ」
大人しくうつ伏せになり、目を瞑る。
神の血も赤いんだなって、変な感想を抱きながら待っていれば。ポタリと背中に血が垂らされた。
すると淡く、それでいて神々しくて。決して眩しいとは感じない微妙な、と言うよりは不可思議な光が背中で弾けた。
驚いて目を開くと、ヘスティアが優しく声をかけてきた。
「心配する必要は無い。見た目
ぶっちゃけるとこの光や神々しい雰囲気は神々が面白半分にやってる
……あんだけ凄い神様なのに遊び心にも溢れてるとかマジ神様スゲェな。狂信者の気持ちがわかった気がする。俺だってこんな神様に「あれしろ」「これしろ」だの命令されたら善悪問わずにやってしまうかもしれない。「死ね」って言われたら喜んで命差し出すぐらいには……俺の命なんかにどれほどの価値があるのか知らんが。
コイン一個にもなんねぇな。
そんな事を考えている間に、どうやらファルナを刻むのが終わったらしい。
紙切れ、と言うか羊皮紙? いや、羊皮紙に見えるけど普通の紙だなこれ。
なんか変な文字? が書かれた紙を渡された。
「…………よし。付与完了だよ。これがキミのステイタスだ」
――――――――――――――――――
ミリア・ノースリス(ユーノ・シラノ)
Lv1
力:I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
《魔法》
【ガン・マジック】
・詠唱派生魔法
・基礎詠唱『ピストル・マジック』
・追加詠唱にて効果発動
・共通詠唱にて弾薬補充
・消費弾薬 1/1
・単発の魔弾を放つ
・追加詠唱『ファイア』
・共通詠唱『リロード』
【サモン・シールワイバーン】
・召喚魔法
・最大召喚数『1』
・追加詠唱にて封印解除
・基礎詠唱『呼び声に答えよ』
・追加詠唱『
【レッサー・ヒール】
・最下級治癒魔法
・基礎詠唱『癒しの光よ』
《スキル》
【タイプ:ニンフ】
・ガン・マジック魔法習得
・スキル習得
・最上位魔法習得不可
【マガジン・スロット】
・装弾数『10』
・保有最大数『2』
・基礎アビリティ『魔力』により効果増加
【マジック・シールド】
・物理攻撃に対し防御効果
・基礎アビリティ『魔力』により効果増大
・自動発動
・精神力消費
――――――――――――――――――
「凄いね、魔法とスキルがいきなり三つずつ。しかも攻撃魔法、回復魔法もあるし。召喚魔法? は聞いた事ないけど。ワイバーンって言えば一応、竜種のモンスターじゃないか。完全に魔法よりの構成だね!」
ヘスティアが背中から退いたのを確認してから起き上がってシャツだけでも着る。とりあえず紙切れを一度眺めてみるが……うん? 神様がすっごい興奮した様に喋ってるが……この紙切れ何書いてあんの?
「えっと……?」
「どうしたんだい? いきなりこんなに魔法とスキルがあって驚いたかい?」
「いえ、なんて書いてあるのか読めなくてですね……」
「え?
驚いた表情のヘスティア。
え? こいねーって何? こいねー……コイネー……あれ? ギリシャ語?
……え? 待って、古いギリシャ語? んなもん勉強してネェよ。
日本語、英語は読み書きや会話できるし。ドイツ語、ロシア語、中国語の五つは読み書きぐらいは出来る。リスニング? 無理。中国語とか何喋ってるのかワカンネ。英語もぶっちゃけ訛りが入るとさっぱりだし。やっぱ日本語ナンバーワン……あぁ、ごめん。日本語も独自の訛り入るとワカンネェわ。
「あぁ、成程……文字が読めない子か……珍しくは無いけど……うぅん?」
若干訝しげなご様子。ごめんなさい神様。もっとギリシャ語について勉強しておけばよかったです……でも現代ギリシャ語の基礎になった語源だったよな? 現代ギリシャ語がわかればワンチャン?
……いや、無理だろ。日本語理解できても古語ができるとは限らネェし。
「いや、気にする事は無いよ。田舎から出て来た子の中には文字が読めない子も居るし。これから少しずつ勉強していけば良いさ」
神様優しスギィ。
「さてと口頭にはなっちゃうけど軽く魔法とスキルの説明をしておくね」
とりあえず完全にローブも着直してから。ベルくんも呼んでステイタス説明。
ラッキースケベ? んなもんネェよ。見られてもどうも思わないけど。
ベルくんが凄く羨ましがってた。魔法もスキルも普通の人は発現する事自体が稀らしい。
……えっと。三つずつ発現した俺はチョースゴイ奴らしい。へぇ……へぇ。
待って。スキル説明聞いてる内に嫌な予感してきた。
何で『
ミリアちゃん『フェアリー型』で……え? 『
と言うか『タイプ:ニンフ』って……ええぇぇぇぇぇぇええええっ!?
待て待て、おちついけし。まだあわわっれるようなじかんじゃああねぇから。大丈夫。そう大丈夫。
『ニンフ型』
所属国家に魔道国を選択した場合の初期アバター。
中高生ぐらいの少女の姿。
『中位ガン・マジック』を習得可能
『下位補助魔法』を習得可能
『最上位特殊魔法』習得不可能
『飛行魔法』習得不可能
基礎的なガン・マジック
言わずもがな。『ピストル・マジック』を初めとして通常武装の事。
最下級『ピストル・マジック』
下級『サブマシンガン・マジック』
中級『ライフル・マジック』『ショットガン・マジック』
上位『スナイパー・マジック』
最上位『ガトリング・マジック』『ミサイル・マジック』
補助魔法。
召喚魔法、飛行魔法、回復魔法の三系統に分かれた補助用魔法の事。
最下級『プチワイバーン』
下級『ワイバーン』
中位『ドラゴニア』
上位『エンシェントドラゴニア』
最上位『エンシェントドラゴニアノーツ』
最下級『フライ・マジック』
中級『テレポート・マジック』
最上位『ウィング・マジック』
最下級『レッサーヒール』
下級『レッサーヒーリング』
中級『ヒール』
上級『ヒールバースト』『ヒーリング・オーラ』
最上位『レイズデッド』
……ニンフ型はどの補助魔法も全部使えるが下級までしか使えない。要するに器用貧乏だ。
ぶっちゃけ使い続ける意味無いから、直ぐに他のアバターに変えるのが推奨されてるキャラ。
ガンマジック特化の『クーシー型』
召喚魔法特化の『ケットシー型』
飛行魔法特化の『フェアリー型』
回復魔法特化の『アウラウネ型』
主にこの四つに派生する。
連合&枢軸では『新兵』『突撃兵』『工兵』『衛生兵』みたいな感じな訳だが。
大帝国は『軽装歩兵』『重装歩兵』『騎兵』『攻城兵』『弓兵』『筋肉』の六種類ね。
……『筋肉』ってなんだよって? 『筋肉アーマー』をまとった最強の戦士だよ。対物ライフルを防ぐ重厚な筋肉。意味がわからない。どうしてそうなった。帝国のチート筆頭。帝国だから、で納得しといてくれ……
んで、ミリアちゃんはミリカンにおいてはフェアリー型のキャラな訳だが……
えぇ……ニンフ型なのかぁ……いや、ミリアちゃん回復技使えなかったから。むしろ回復技が使える様になったからマシ……飛行魔法無いの辛くない?
ミリカンだったら狙撃待ったなしだったけど、飛んでる奴に攻撃する能力もったモンスターとか居無さそうだし。いや、モンスターも飛ぶ奴ぐらいいるか……
ふぇぇぇええ……飛行魔法無いとミリアちゃん糞雑魚だよぅ……
汎用魔法のシールド・マジックの性能がミリアちゃんだけ異常に低いんだよぅ……
フェアリー型は3タイプ居る。
一人目は妖精。蟲っぽい透明な羽
二人目は天使。神々しい翼
三人目は竜人。竜の翼
妖精は機動性特化。蝶のように舞い、蜂のように刺す。そんな戦法が得意。
天使はフェアリー型の中ではヒーラーも出来る汎用型。攻撃能力は若干低いけどシールドマジックの性能が高い上、回復魔法が上位まで使えると言う……ガンマジック? 中位までしか使えないんだなぁこれが。
竜人はシールドマジック性能がかなり低い代わりに、竜翼が盾として使えて、ライフル弾程度なら翼で防御可能と言う高性能。しかも最上位の『ガトリングマジック』を習得する事ができ。そこらのライフル弾飛び交う戦場を上から睥睨しつつガトリング掃射で一掃できるキャラだったんだが……あ、対物ライフルは流石に無理。ぶち抜かれて即死するし。ロケランも無理。竜はロケランで落とせる。
そんな最強()の『
あは……ははは、ちょっと、無理。
ミリアちゃん、竜翼無しだと糞雑魚なんだよな。マジで……
飛行魔法の竜翼無しのミリアは、普通のガン・マジックでも反動が大きすぎて暴れる。
しかも徒歩での移動速度も小柄故に歩幅の関係もあって鈍足気味。
小柄とはいえ逆に耐久は全キャラ中最低値。
要するに飛行魔法ありきな性能なので飛行魔法無しだと最弱。
……えぇ……これどうしろと……。
…………ピストル・マジックの反動軽減強化ガン積みでワンチャンねぇかな……
スキルやらなんやら。発現しただけマシか。ミリアちゃん無双が始まるわけじゃないのね(白目)