終焉の聖騎士伝説~オメガモンとなった青年の物語~   作:LAST ALLIANCE

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今日の投稿で年内の本編の投稿はラストになりますが、明日は設定資料を投稿します。
来年の1月で第1章終了と、第2章開始を目指します。



第20話 海底大決戦! 遺跡の謎を調査せよ! 後編

 パラティヌモンがはぐれデジモン達と戦いを繰り広げているのと同じ頃、海底遺跡から少し離れた所でオメガモンはカオスモンと戦っている。

 必殺の剣技たる『聖突』の構えを取るが、何時もの『聖突』の構えとは少しだけ異なっている。普段ならばグレイソードを突き出すよう構えるのだが、今回はグレイソードを突き下ろすように斜め上の上段に構えている。

 

「お前との戦いもこれで3回目だ。そろそろ決着を付ける!」

 

 カオスモンとの戦闘も今回で3回目となる。いい加減終わらせたい。オメガモンはそう思いながらカオスモンに向かって突撃を開始し、グレイソードを突き下ろす。

 『聖突・弍式』は基本的には壱式と同じだが、斜め上の上段から突き下ろす形で繰り出す為、重力がかかる分威力も上がっている。

 

「『聖突・弍式』!!!」

 

 『聖突・弍式』を胸部に喰らったカオスモンは吹き飛ばされるが、体勢を立て直して、その勢いを使って空高く飛び上がる。

 オメガモンは即座に『聖突』の構えを取り、カオスモンを追って上空高く飛びあがるのに対し、カオスモンは左腕のダークドラアームからギガスティックキャノンを展開し、暗黒エネルギー弾を撃ち込もうとする。

 

「『聖突・参式』!!!」

 

 その直前にオメガモンがグレイソードを下から突き上げて来た。グレイソードは再度カオスモンの胸部に直撃し、カオスモンの攻撃を強制的に中断させた。

 『聖突・参式』。それは対空迎撃用の『聖突』。上空にいる相手に向かって下から突き上げる形で繰り出す。『聖突』跳躍で避けられた際に追撃するためのカウンター。

 右足から繰り出した踵落としでカオスモンを墜落させるが、カオスモンはギガスティックキャノンの照準を合わせ、オメガモンに向けて暗黒エネルギー弾を撃ち込む。

 

「ハァッ!!」

 

 オメガモンはグレイソードを一閃して暗黒エネルギー弾を四散させ、そのまま降下して海面に浮かび上がる。

 グレイソードを構える聖騎士を見たカオスモン。右腕のバンチョーアームから出現させたBAN-TYOブレイドを突き出し、オメガモンに向かって突撃を開始する。

 突き出されたBAN-TYOブレイドをオメガモンが弾いた事で、2体の究極体デジモンによる凄まじい剣戟が始まった。お互いに砲撃を撃つ時に自らの生命エネルギーを使っている為、なるべく近接戦闘で決着を付けようとしている。

 20回程斬り合うと、オメガモンはグレイソードを振り上げ、カオスモンを上空へと打ち上げる。ガルルキャノンの照準をカオスモンに合わせ、砲撃を連射しながら追い打ちをかけていく。

 

「『アルティメットアッパーカット』!!!」

 

「グウウゥゥゥッ!!!!」

 

 ガルルキャノンから撃ち込まれる連射砲撃を、両腕を交差させて耐え切ったカオスモンはBAN-TYOブレイドを振り下ろし、青白い刃の形をしたエネルギー波を飛ばすが、オメガモンはグレイソードの一閃でかき消した。

 その間に地上に降下したカオスモンはオメガモンの目の前に躍り出ると、BAN-TYOブレイドの刀身に極限まで研ぎ澄ました気合を纏わせ、一気に振り下ろした。

 

「『覇王両断剣』!!!」

 

「クッ!!」

 

『覇王両断剣』をグレイソードで受け止めたオメガモン。グレイソードの刀身から太陽の火炎を発しながら、自身のパワーを増強させる。

 右足を一歩踏み込み、左腕を振り抜いてカオスモンを吹き飛ばす。しかし、カオスモンは空中で体勢を立て直し、危なげなく海面に浮かび上がった。

 そこから再度斬り合いが始まる。カオスモンがBAN-TYOブレイドを振り上げれば、オメガモンはグレイソードを振り下ろす。斬り合いの最中、至近距離でガルルキャノンの照準を合わせ、オメガモンはガルルキャノンから青いエネルギー弾を撃ち出す。

 

「グアアァァッ!!!!」

 

 流石に斬り合いの最中で、しかも至近距離から撃ち込まれた砲撃を回避する事は出来なかったカオスモン。

 後方に吹き飛ばされるが、それでも空中で体勢を立て直して海面に浮かび上がり、オメガモンの足元に向けて暗黒エネルギー弾を撃ち込む。

 

「何!?」

 

「『ダークプロミネンス』!!!」

 

 凄まじい水飛沫が巻き起こり、オメガモンの視界が遮られる。その隙にカオスモンはギガスティックキャノンの砲身に暗黒エネルギーを集束させ、照準をオメガモンに合わせて暗黒エネルギーの波動砲を撃ち出す。

 暗黒エネルギーに呑み込まれていくオメガモンを見て、カオスモンは勝ち誇るような笑みを浮かべた。

 

「フン。他愛ない。所詮、どんなに吠えようが足掻こうが究極の混沌には及ばなかったな」

 

「それはどうかな?」

 

 暗黒エネルギーの波動砲に呑み込まれたオメガモン。純白の聖鎧に傷一つ付いておらず、平然と海面に浮かび上がっている。

 『ダークプロミネンス』に呑み込まれたにも関わらず、オメガモンは無傷で立っている。その事実にカオスモンが驚愕を覚えていると、オメガモンはガルルキャノンの砲身に生命エネルギーを集束させ、青色の波動砲として撃ち出した。

 

「グガアァァァァァァァァァーーーーー!!!!」

 

 苦痛に満ちた叫び声を上げながら、青色の波動砲に呑み込まれたカオスモン。青い閃光に呑み込まれた後、空間に溶け込むようにして姿を消していった。

 今回もカオスモンを倒す事は出来なかったが、撃退する事には成功した。次こそは倒せるように頑張ろう。そう思いながら、オメガモンは海底遺跡の方に向かって飛んで行った。

 

 

 

 その頃、海底遺跡に辿り着いた優衣、鏡花、ウィザーモン、テイルモン。優衣はアルファモンに究極進化し、彼らと共に遺跡の内部に侵入した。

 遺跡の内部は元々海底にあっただけに暗く、光が一切存在しない。アルファモンは右手から光を放ち、灯りとして他の面々の先頭に立つ。

 奥に進んでいくと、眩い光に包まれた。その眩さに目を閉じ、目を開けた次の瞬間には“デジクオーツ”に入り込んでいた。

 

「“デジクオーツ”!?」

 

「恐らくこの遺跡自体が“デジクオーツ”に繋がっていたみたいね。パラティヌモンの存在に反応したのか、それとも戦いの余波を受けたのか。何れにせよ、海底から浮上してきたのは確かよ」

 

「戦いが無ければずっと海底に沈んだまま……でも“デジクオーツ”が残されたままとなる。難しい所だね……」

 

 今回の“デジクオーツ”は海中洞窟のような世界となっている。道を進み、周囲を見渡しながら鏡花とウィザーモンは意見を言い合う。

 特にウィザーモンが活き活きとしている。元々、彼はデジタルワールドの在り方や人間界との関わりあいについて研究している学者。学者として、人間界にある遺跡や建物に興味を示している。

 

「でもどんな遺跡なんだろう? アトランティスとかムー大陸とか……」

 

「まぁ素人の俺達には分からない。だって入って早々に“デジクオーツ”になったから……」

 

「そうね……ッ! 誰かいるわ……静かに近付きましょう」

 

 アルファモン達が奥へと進んでいくと、甲高い金属音が鳴り響いた。この先にデジモンがいて、何かをしている。

 皆が足音を立てず、静かに進んでいく。特にアルファモンはカチャ、カチャという金属音を鳴らさないように気を付けている。

 奥に辿り着いた時、目の前には異世界が広がっていた。沈没船のような物が至る所に散乱し、暗闇に包まれた洞窟のような世界。

 

「ここは……船の墓場!?」

 

「思い出した……そう言えばここ最近原因不明の船の沈没事故が起きていたわ」

 

 鏡花が思い出したのはここ最近起きたニュース。その内容は船が次々と沈没し、生還者どころか船の残骸さえも残らない謎の沈没事故。

 彼女達が見ているのは沈没して来た船の墓場のようだ。海底遺跡と関係ないし、それどころではない。そう思いながら周囲を見渡していると、そこに1体のデジモンが姿を現した。

 奇怪な姿をした人型のデジモン。それは“海底の破戒僧”と呼ばれる邪神デジモンであり、その名前をダゴモンと言う。身体の色を風景に擬態させ、ずっと潜んでいた。

 

「フハハハハハッ!!!! 愚かな人間とデジモン達よ! 我が力の糧となるが良い!」

 

「“業火よ、弾けろ”! 『メテオバレット』!!!」

 

 アルファモンは左手に橙色の魔法陣を描き、中心から三発の火炎弾を放つが、ダゴモンは右手に三つ又の鉾を召喚すると共に振るい、『メテオバレット』を消し去る。

 反撃と言わんばかりに左手の触手を伸ばし、アルファモンを攻撃する。それに対し、アルファモンは魔法陣を描き、中心に突き刺さった聖剣グレイダルファーを引き抜き、触手を薙ぎ払う。

 鏡花、ウィザーモン、テイルモンを先に行かせた後、水色の魔法陣を描いてすさまじい水流を放った。

 

「今の内に行くんだ! 『スプラッシュレイザー』!!!」

 

「効かぬわ! 私は“デジクオーツ”にいるデジモンの、しかも人間達のデータを吸収する事で更なる強さを得た。外れデジモンのデータも吸収し、更なる強さを手にする!」

 

 『スプラッシュレイザー』は三つ又の鉾によって防がれ、アルファモンの繰り出した初級魔術は悉くダゴモンには届かない。

 外れデジモンを利用した上での力の強化。何の罪もない人間達を海中に沈め、自らの力にしていた。その所業を聞いて何も感じないアルファモンではない。銀色の魔法陣を描き、ダゴモンの周囲一帯の空気を操作して重圧で押し潰そうとする。

 

「“怒りの重圧よ、全てを押し潰せ!” 『ヘビープレッシャー!!!』」

 

「グッ!! これは……!」

 

 攻撃が予測できなかったダゴモンは全身に襲い掛かる重圧に負けないよう、両手に三つ又の鉾を握り締めながら踏ん張る。その隙を逃すアルファモンではない。

 中級魔術を繰り出した後は、更なる追い打ちをかける。赤色の魔法陣を描き、ダゴモンの足元から灼熱の業火を噴出させる。

 

「“紅蓮の業火よ、燃え上がれ!” 『ボルケーノメテオ』!!!」

 

 足元からの突然の奇襲。それに加え、灼熱の業火に呑み込まれたダゴモンは焼き尽くされるしかない。

 アルファモンの魔法攻撃の真髄はバリエーションの豊富さ。様々な属性の、様々な魔法を繰り出す事が出来るだけでなく、相手のあらゆる場所から任意のタイミングで繰り出す事も出来る。

 

「これで止めだ! “聖なる光よ、悪しき魂を消し去れ!” 『シャイニング・レイ』!!!」

 

 アルファモンの必殺奥義が炸裂した。足元に光の魔法陣が展開され、ダゴモンを聖なる鎖で拘束しながら聖なる波動で攻撃する。

 この一撃が決定打となり、ダゴモンはデータ粒子に変わりながらデジタルワールドに戻っていった。

 

 

 

 数日後。海底遺跡の調査が本格的に始まり、テレビでは連日ニュース番組やワイドショー等で取り上げられている。

 その様子を“電脳現象調査保安局”の食堂で見ている一真とアルトリウス。彼らの話題は別の事だった。

 

「それにしても……他のデジモンを利用し、データを吸収したデジモンが現れたのは大きかったな」

 

「戦いはここからが正念場ですね」

 

 カオスモンとの決着。クオーツモンとの決戦。これから待ち受ける戦いに思いを馳せながら、彼らは今日も仕事に打ち込んでいく。

 




はい。今回は割とあっさりめの話でした。
第22話から怒涛の展開になるので、それに備えて少し軽めの話を書きました。
今思うと1話にまとめても良かった気がします。これは失敗でしたね……

次回は来年に投稿します。戦闘はなしです。
人間界にいる七大魔王について軽く触れようかなと考えています。

皆さん、よろしければ感想・評価の方よろしくお願いします。
あたたかい感想とか前向きなコメントやアドバイス、モチベーションが上がるような応援メッセージや高評価を頂くと、作者のやる気が超進化します。

次回予告

とある事情で人間界に逃れた『七大魔王』達。彼らは一体何をして暮らしているのか。
ある者は社長、ある者は芸能人、ある者はミュージシャンとして生きている。
果たしてその真相は?

第21話 憤怒のラジオ 傲慢なロック 怠惰の睡眠
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